広島郊外は車がなければ泣きを見る県だ。〇電やバスはあるものの本数が少ないし、そもそもショッピングモールは乗り換え必須な土地にしか建たない。その為車移動は必須だし、新卒の時に免許の有無を大体問われる。

ウチの子はキャロルだから大きい買い物をしなければ、荷物と男2人は乗るだろう。

「念のため確認ですが、お2人は車に乗ったことはありますか?車酔いとかはされますか?」
「車か。山羽のは乗ったことはあるが酔うことはなかった」
「車は乗ったこたぁねえな」
「月島さんは耐性あり。尾形さんはわからないっと」
「徒歩とかで市まで動けたりしないのか?」
「無理なんですよね。もう町から商店街も消えてしまいましたから」

昔は賑わっており買い食いをしていた店も今やシャッター街の一部と化している。スーパー程度ならマッ〇ス〇リューやイ〇ミに頼るが、洋服は大きいところにしか売ってないので今回はゆ〇タ〇ン一択しかない。

「商店街?」
「まだ明治初期はなかったんでしたっけ?街に点在する小規模の市場みたいなものですかね。説明はあやふやですけど」
「街から店が消えるたァ恐ろしい時代だな」
「みんな車があるから大きい所へ集まっちゃうんです」

バブルが弾けてほとんどの遊興施設が潰れ観光産業も乏しいこの街はいずれ過疎化が進み消えてしまうだろう。そしてこの家も。

「とりあえず車に乗りますから軽装で銃なしで来てください」

まあ、先の事ではあるし今はこの2人をなんとかしないことには始まらない。