ほのぼの、日常系
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今日は俺の誕生日。だからといって、どうということは無いんだけれども。
俺は小さい頃から誕生日を祝われるのが苦手で、それを公言しているのもあって、あまり祝ってくる人はいない。けれど1人だけ、毎年懲りずに祝ってくるやつがいる。ほら、今年も。
「遼大!誕生日おめでとー!!!」
彼女の紗奈が大きな紙袋を持って俺のところに走ってきた。どうやら俺が欲しがっていた漫画を全巻まとめて買ってきてくれたらしい。
「別に祝わなくて良いって毎年言ってるだろ」
「良いの!私が好きでやってるんだから!」
「…これ、結構巻数あるけど、全部買ってきたの?」
「欲しがってたでしょ?」
「そうだけど…」
「細かいことは気にしない!ほら、受け取って?」
「…ありがとう」
「どういたしまして!あ、お返しとかは考えなくていいからね?私が勝手にやってるだけだから」
「いや、そうはいかないでしょ」
「良いから!私の誕生日は、適当にご飯でも食べに行こ?」
「でも…」
「んー、じゃあ、プレゼントは遼大ってことで!」
「どういうこと?」
「私は遼大と一緒にいられるだけで嬉しいから、私の誕生日は丸一日私に頂戴?」
「…そんなんで良いの?」
「だめ?」
「だめじゃない」
「やった♡」
こういうところが本当にずるい。可愛すぎる。
「…ねぇ、なんで紗奈は毎年俺の誕生日祝ってくれるの?」
「そんなの決まってるじゃん?」
「…?」
「遼大が生まれてきてくれた、大切で、特別な日だからだよ」
「誕生日ってそんなに特別かな?」
「特別だよ!だって、遼大が生まれてきてくれなかったら、もしちょっとでも生まれるタイミングが違ったら、私たち、出会えてないかもしれないもん」
「…」
「だから、私にとって遼大の誕生日は特別なの!」
…やばい、泣きそう。
満面の笑みでそう言う紗奈は、きっと心の底から俺が生まれてきたことを喜んでくれていて、心の底から祝ってくれているんだろうな、そう思ったら、いつもは祝われたってちっとも嬉しくない誕生日が、なんだか本当に特別な日のように思えてきてしまった。そうだ、俺は、この子のこういうところに惚れたんだ。純粋で、無邪気で、ちょっと強引だけど、周りを笑顔にできる人。紗奈になら、こうして毎年祝われるのも悪くないかもしれない。そんな風にすら思わされてしまう。本当に、ずるい。
「…一緒に祝おうか」
「え?」
「紗奈なら特別。祝おう、一緒に。」
「…良いの?」
「うん」
「…そっか!じゃあ、ケーキでも買いに行く?」
「そうだね、行こう」
「うん!」
君が、そう言って嬉しそうに笑うから、来年も再来年も、一緒に祝えたら…なんて、あんなにどうでも良かった誕生日が、少しだけ楽しみになってしまった。
俺は小さい頃から誕生日を祝われるのが苦手で、それを公言しているのもあって、あまり祝ってくる人はいない。けれど1人だけ、毎年懲りずに祝ってくるやつがいる。ほら、今年も。
「遼大!誕生日おめでとー!!!」
彼女の紗奈が大きな紙袋を持って俺のところに走ってきた。どうやら俺が欲しがっていた漫画を全巻まとめて買ってきてくれたらしい。
「別に祝わなくて良いって毎年言ってるだろ」
「良いの!私が好きでやってるんだから!」
「…これ、結構巻数あるけど、全部買ってきたの?」
「欲しがってたでしょ?」
「そうだけど…」
「細かいことは気にしない!ほら、受け取って?」
「…ありがとう」
「どういたしまして!あ、お返しとかは考えなくていいからね?私が勝手にやってるだけだから」
「いや、そうはいかないでしょ」
「良いから!私の誕生日は、適当にご飯でも食べに行こ?」
「でも…」
「んー、じゃあ、プレゼントは遼大ってことで!」
「どういうこと?」
「私は遼大と一緒にいられるだけで嬉しいから、私の誕生日は丸一日私に頂戴?」
「…そんなんで良いの?」
「だめ?」
「だめじゃない」
「やった♡」
こういうところが本当にずるい。可愛すぎる。
「…ねぇ、なんで紗奈は毎年俺の誕生日祝ってくれるの?」
「そんなの決まってるじゃん?」
「…?」
「遼大が生まれてきてくれた、大切で、特別な日だからだよ」
「誕生日ってそんなに特別かな?」
「特別だよ!だって、遼大が生まれてきてくれなかったら、もしちょっとでも生まれるタイミングが違ったら、私たち、出会えてないかもしれないもん」
「…」
「だから、私にとって遼大の誕生日は特別なの!」
…やばい、泣きそう。
満面の笑みでそう言う紗奈は、きっと心の底から俺が生まれてきたことを喜んでくれていて、心の底から祝ってくれているんだろうな、そう思ったら、いつもは祝われたってちっとも嬉しくない誕生日が、なんだか本当に特別な日のように思えてきてしまった。そうだ、俺は、この子のこういうところに惚れたんだ。純粋で、無邪気で、ちょっと強引だけど、周りを笑顔にできる人。紗奈になら、こうして毎年祝われるのも悪くないかもしれない。そんな風にすら思わされてしまう。本当に、ずるい。
「…一緒に祝おうか」
「え?」
「紗奈なら特別。祝おう、一緒に。」
「…良いの?」
「うん」
「…そっか!じゃあ、ケーキでも買いに行く?」
「そうだね、行こう」
「うん!」
君が、そう言って嬉しそうに笑うから、来年も再来年も、一緒に祝えたら…なんて、あんなにどうでも良かった誕生日が、少しだけ楽しみになってしまった。
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