爆豪勝己連載の番外編を置いていきます。
向日葵 番外編
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幼少期に受けたトラウマというものはそう簡単に克服はできないというのは本当なんだなということを、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!い、いいい、いず、出久君!!蝉……!蝉ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」
半狂乱になりながら大絶叫して縋り着いてくる幼馴染を見て、理解した。
◇
「緑谷……無居、大丈夫だったか?すっげぇなんか取り乱してたけど……」
錯乱していた歌歩ちゃんの様子を見ていた切島君が若干引きながらも僕に話しかけてきた。
「あぁ、うん。大丈夫だよ、あの子蝉大っ嫌いで飛んで来たりするといつもあんな感じだから……」
苦笑しながらそう言うと
「いやあれもう大っ嫌いとかそういう次元じゃなさそうだったんだけど」
「最早恐怖症を疑うレベルの錯乱っぷりだったわね」
「歌歩ちゃん何かあったの?」
耳郎さんと蛙吹さん、麗日さんが会話に加わってきた。
「どうせ爆豪が蝉持って嫌がる無居追っかけ回して泣かせたとかそんな感じだろ?」
あいつはぜってぇそういうタイプだ、と上鳴君が言う。惜しいなと思い、苦笑すると「やっぱそうだろ?」と言われた。
「蝉持って追っかけ回したのもそうなんだけど、トドメに顔に張りつけちゃったからね……」
と言うと「は?なにあいつ女の子の顔に蝉つけたの?」と、耳郎さんがすごく低く冷たい声で言い放った。うん……と言うと、その場にいた女子3人が「うわっ……」と呟いた。教室の温度が20度近く下がった気がする。
◇
『おい歌歩見てみろよ!蝉!!』
『や、やだよ……歌歩虫嫌い……』
ミンミンと鳴く結構大きめな蝉を手に持ち、得意気な様子でかっちゃんが歌歩ちゃんに見せている。そんなかっちゃんから少し距離を取りつつ歌歩ちゃんが涙目になりながら拒否するとかっちゃんはムッとした様子で近づいて『いいから見ろよ!』と語気を強めている。
『か、かっちゃんやめなよ……歌歩ちゃん嫌だって言ってるし……』
『うるせぇ!デクは黙ってろよ!!』
2人の間に割り込むと、思い切り突き飛ばされた。
『ひっ……!』
『あっおい歌歩待てよ!!』
僕が伸びていると、2人がそんなやり取りを繰り出してから追いかけっこを始めた。
『歌歩見てみろよ!!蝉可愛いから!!』
『やだ!!可愛くない!!歌歩虫嫌い!!』
という会話をしつつ追いかけっこしている2人にあわあわとしながら追いかけっこに自分も参加しようと…
『コラ勝己!!何女の子いじめてんの!!!歌歩ちゃん嫌がってるでしょ辞めなさい!!』
する前に、かっちゃんのお母さんの怒鳴る声が響き渡った。
『出久君もごめんね、勝己にやられたんでしょ?ったく、あんたって子は!!』
そう言いながら僕を抱き起こし、かっちゃんの頭を軽く叩いている。
『うるせぇ、ババアはすっこんでろよ!!』
そう言ってかっちゃんがおばさんの手をはらいのけた。その拍子に、ぺしゃっ……という音と、
『ッッッ〜〜~~~』
という、歌歩ちゃんの声にならない悲鳴が響き渡った。どうしたのかと思い歌歩ちゃんの方に目を向けると、
『あっ』
かっちゃんと手に持った蝉が、歌歩ちゃんの顔についているのが目に入ってきた。
『あっ……わ、わり……』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!』
かっちゃんが消え入りそうな声で謝罪しようとした瞬間、歌歩ちゃんの大絶叫&大号泣と
『勝己ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッ!!!!!!!』
おばさんの怒鳴り声とかっちゃんの頭をぶん殴る音が辺り一面に響き渡ったのであった。
◇
「最低。擁護のしようがないわ」
「ほんと、有り得ない。嫌がる女の子虫持って追っかけるだけで最低だけど顔につけるとか酷すぎ」
蛙吹さんと耳郎さんの言葉に、麗日さんも真顔で頷く。
「爆豪のキャラ的には納得しかねぇけどな」
引き攣った顔で笑いながら切島君が言うと、3人が睨みつけた。思わず「ひっ……」と声を出してしまった。
「あ?なんだこの教室……異様にさみぃじゃねぇか。冷房どんだけ下げてんだよ」
扉の開く音がしたと思うと、話題の渦中の人物の声が聞こえて来た。
「あっ最低男が帰って来た」
すかさず耳郎さんが言う。
「あっ?!んだこの耳女!!」
「最低男のこと最低って言っただけじゃん。何キレてんの」
淡々と返す耳郎さんに、かっちゃんが若干驚いたような顔をした。
「女の子の顔に蝉つけるとかまともじゃないよね」
「蝉?!あっあれは事故……つかなんで知ってんだ丸顔!!」
デクてめぇ……!と鬼のような形相で僕のことを見るかっちゃんに悲鳴を上げるが、それを遮り
「何緑谷に八つ当たりしてんの」
「爆豪君キレる資格ないよ」
「爆豪ちゃん見損なったわ」
冷たい温度の声で言う3人に怯えたのか、かっちゃんは引き攣った顔をして黙り込んだ。
幼少期に受けたトラウマは簡単に克服出来ないと言うことと、女子は敵に回すととても怖いんだなということを学んだ1日だった。
ちなみに。その日からしばらく、かっちゃんへの女子達からの扱いが少し冷たかったというのはまた別のお話である。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!い、いいい、いず、出久君!!蝉……!蝉ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」
半狂乱になりながら大絶叫して縋り着いてくる幼馴染を見て、理解した。
◇
「緑谷……無居、大丈夫だったか?すっげぇなんか取り乱してたけど……」
錯乱していた歌歩ちゃんの様子を見ていた切島君が若干引きながらも僕に話しかけてきた。
「あぁ、うん。大丈夫だよ、あの子蝉大っ嫌いで飛んで来たりするといつもあんな感じだから……」
苦笑しながらそう言うと
「いやあれもう大っ嫌いとかそういう次元じゃなさそうだったんだけど」
「最早恐怖症を疑うレベルの錯乱っぷりだったわね」
「歌歩ちゃん何かあったの?」
耳郎さんと蛙吹さん、麗日さんが会話に加わってきた。
「どうせ爆豪が蝉持って嫌がる無居追っかけ回して泣かせたとかそんな感じだろ?」
あいつはぜってぇそういうタイプだ、と上鳴君が言う。惜しいなと思い、苦笑すると「やっぱそうだろ?」と言われた。
「蝉持って追っかけ回したのもそうなんだけど、トドメに顔に張りつけちゃったからね……」
と言うと「は?なにあいつ女の子の顔に蝉つけたの?」と、耳郎さんがすごく低く冷たい声で言い放った。うん……と言うと、その場にいた女子3人が「うわっ……」と呟いた。教室の温度が20度近く下がった気がする。
◇
『おい歌歩見てみろよ!蝉!!』
『や、やだよ……歌歩虫嫌い……』
ミンミンと鳴く結構大きめな蝉を手に持ち、得意気な様子でかっちゃんが歌歩ちゃんに見せている。そんなかっちゃんから少し距離を取りつつ歌歩ちゃんが涙目になりながら拒否するとかっちゃんはムッとした様子で近づいて『いいから見ろよ!』と語気を強めている。
『か、かっちゃんやめなよ……歌歩ちゃん嫌だって言ってるし……』
『うるせぇ!デクは黙ってろよ!!』
2人の間に割り込むと、思い切り突き飛ばされた。
『ひっ……!』
『あっおい歌歩待てよ!!』
僕が伸びていると、2人がそんなやり取りを繰り出してから追いかけっこを始めた。
『歌歩見てみろよ!!蝉可愛いから!!』
『やだ!!可愛くない!!歌歩虫嫌い!!』
という会話をしつつ追いかけっこしている2人にあわあわとしながら追いかけっこに自分も参加しようと…
『コラ勝己!!何女の子いじめてんの!!!歌歩ちゃん嫌がってるでしょ辞めなさい!!』
する前に、かっちゃんのお母さんの怒鳴る声が響き渡った。
『出久君もごめんね、勝己にやられたんでしょ?ったく、あんたって子は!!』
そう言いながら僕を抱き起こし、かっちゃんの頭を軽く叩いている。
『うるせぇ、ババアはすっこんでろよ!!』
そう言ってかっちゃんがおばさんの手をはらいのけた。その拍子に、ぺしゃっ……という音と、
『ッッッ〜〜~~~』
という、歌歩ちゃんの声にならない悲鳴が響き渡った。どうしたのかと思い歌歩ちゃんの方に目を向けると、
『あっ』
かっちゃんと手に持った蝉が、歌歩ちゃんの顔についているのが目に入ってきた。
『あっ……わ、わり……』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!』
かっちゃんが消え入りそうな声で謝罪しようとした瞬間、歌歩ちゃんの大絶叫&大号泣と
『勝己ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッ!!!!!!!』
おばさんの怒鳴り声とかっちゃんの頭をぶん殴る音が辺り一面に響き渡ったのであった。
◇
「最低。擁護のしようがないわ」
「ほんと、有り得ない。嫌がる女の子虫持って追っかけるだけで最低だけど顔につけるとか酷すぎ」
蛙吹さんと耳郎さんの言葉に、麗日さんも真顔で頷く。
「爆豪のキャラ的には納得しかねぇけどな」
引き攣った顔で笑いながら切島君が言うと、3人が睨みつけた。思わず「ひっ……」と声を出してしまった。
「あ?なんだこの教室……異様にさみぃじゃねぇか。冷房どんだけ下げてんだよ」
扉の開く音がしたと思うと、話題の渦中の人物の声が聞こえて来た。
「あっ最低男が帰って来た」
すかさず耳郎さんが言う。
「あっ?!んだこの耳女!!」
「最低男のこと最低って言っただけじゃん。何キレてんの」
淡々と返す耳郎さんに、かっちゃんが若干驚いたような顔をした。
「女の子の顔に蝉つけるとかまともじゃないよね」
「蝉?!あっあれは事故……つかなんで知ってんだ丸顔!!」
デクてめぇ……!と鬼のような形相で僕のことを見るかっちゃんに悲鳴を上げるが、それを遮り
「何緑谷に八つ当たりしてんの」
「爆豪君キレる資格ないよ」
「爆豪ちゃん見損なったわ」
冷たい温度の声で言う3人に怯えたのか、かっちゃんは引き攣った顔をして黙り込んだ。
幼少期に受けたトラウマは簡単に克服出来ないと言うことと、女子は敵に回すととても怖いんだなということを学んだ1日だった。
ちなみに。その日からしばらく、かっちゃんへの女子達からの扱いが少し冷たかったというのはまた別のお話である。