爆豪勝己連載の番外編を置いていきます。
向日葵 番外編
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「もう、なんで喧嘩したの!怪我したらどうすんのよバカ!!」
公園の前を通りかかると、小学生くらいの女児のそんな怒鳴り声が聞こえてきた。
「うるせぇな、お前には関係ねぇだろ!!」
それに対し、いかにもガキ大将って感じのガキが言い返している。それを合図にガキ共が口論を始めた。
そんなやり取りをなんとなく見ていると、小3の頃のある夏の日の記憶が甦ってきた。
『勝己君のバカ!!!』
いつもは大人しい幼馴染に初めて、怒鳴られたことを思い出し思わず失笑しそうになる。
―――そういや、あの日も今日みたいな天気の日だったな。そんで今日みてぇに、蝉の鳴き声がうるせぇ日だった。
◇
「かっちゃんスゲェ!」
「さすがかっちゃん!」
「6年に勝っちまうなんてかっけぇ!」
上級生との喧嘩に勝った俺のことを、同級生達が口々に褒め称える。そんな奴らに当然だろと思いつつ、誇らしい気持ちに浸っていた。そんな俺の耳に
「勝己君!!!」
聞きなれた幼馴染の、聞いたことのない、怒気を孕んだ様な俺のことを呼ぶ声が耳に入って来た。
「あ?ンだよ歌歩」
そう言って視線を向けると、
「出久君が、6年生と、勝己君が、喧嘩してるって…」
走って来たらしく、ゼェゼェと息を切らしながら途切れ途切れ言っている。
「無居もっと早く来いよ!かっちゃん凄かったんだぜ。6年生相手に勝っちゃったんだ」
そう言いながら1人が得意げに歌歩に近付きながら言う。が、そんなそいつを
「凄くない!!どいて!!!」
と言いながら押しのけて俺に詰め寄ってきて
「なんで喧嘩なんかしたの?!」
そう怒鳴って来た。普段の歌歩からは想像のつかない剣幕に、俺も他の奴らも思わず狼狽えた。
「怪我してるじゃん!早く手当てしないと!」
そう言って俺の腕を引っ張りその場から連れ出した。
「おい!やめろよ、離せって!」
そう怒鳴るがそんな俺のことなんて一切無視して腕を引き続けて歩みを止めない。
「おいこら歌歩!離せっつてんだろ?!」
相変わらず俺のことを無視し続ける歌歩に堪忍袋の緒が切れ、腕を振り払い
「いい加減にしろよ!無視すんなよこのブ…」
このブス!そう続けようとしたが、歌歩の顔を見た瞬間思わず黙り込んじまった。
「なんで…!なんで、喧嘩、なんかしたの?!怪我…!したら危ない、でしょ…!」
そう言いながら目一杯に涙を溜めながら俺のことを睨みつけてくるアイツの顔を見たら、言えなくなった。
「な、なんでそんな顔すんだよ…別にいいだろ、対した怪我してねぇんだから」
苦し紛れにそう言うと、
「勝己君のバカ!!!」
そう叫んで歌歩は大声を上げて泣き始めた。焦りながら「お、おい…泣くなよ…!」そう言って頭を撫で様とするとその手を思い切り振り払われた。そして
「勝己君のバァカァ……」
更に泣き続けた。そんな俺達のことを見つけて、周りには沢山の人だかりが出来ていた、そんな日の、夏の思い出。
◇
あの後俺はババアに怒鳴られ殴られ、他の奴らにはバカにされ、デクには哀れまれて、アイツには無視され続け挙句黙って引っ越され、最悪だった。けど、
「けどま、久々に大声上げて泣くアイツ見ること出来たのは正直、嬉しかったんだよな…」
おじさん探しに行ったあの日以来初めて、アイツが泣いてるとこ見れて。その泣いてる理由が、他でもない、俺のことを思って泣いてくれたっつー事が、スゲェ嬉しかった。
…なぁ歌歩。どうしたらお前はまた、あの頃みたいに泣ける様になるんだ?俺はもう、見たくねぇよお前のその、ぶっさいくな作り笑いで無理してるとこ。
公園の前を通りかかると、小学生くらいの女児のそんな怒鳴り声が聞こえてきた。
「うるせぇな、お前には関係ねぇだろ!!」
それに対し、いかにもガキ大将って感じのガキが言い返している。それを合図にガキ共が口論を始めた。
そんなやり取りをなんとなく見ていると、小3の頃のある夏の日の記憶が甦ってきた。
『勝己君のバカ!!!』
いつもは大人しい幼馴染に初めて、怒鳴られたことを思い出し思わず失笑しそうになる。
―――そういや、あの日も今日みたいな天気の日だったな。そんで今日みてぇに、蝉の鳴き声がうるせぇ日だった。
◇
「かっちゃんスゲェ!」
「さすがかっちゃん!」
「6年に勝っちまうなんてかっけぇ!」
上級生との喧嘩に勝った俺のことを、同級生達が口々に褒め称える。そんな奴らに当然だろと思いつつ、誇らしい気持ちに浸っていた。そんな俺の耳に
「勝己君!!!」
聞きなれた幼馴染の、聞いたことのない、怒気を孕んだ様な俺のことを呼ぶ声が耳に入って来た。
「あ?ンだよ歌歩」
そう言って視線を向けると、
「出久君が、6年生と、勝己君が、喧嘩してるって…」
走って来たらしく、ゼェゼェと息を切らしながら途切れ途切れ言っている。
「無居もっと早く来いよ!かっちゃん凄かったんだぜ。6年生相手に勝っちゃったんだ」
そう言いながら1人が得意げに歌歩に近付きながら言う。が、そんなそいつを
「凄くない!!どいて!!!」
と言いながら押しのけて俺に詰め寄ってきて
「なんで喧嘩なんかしたの?!」
そう怒鳴って来た。普段の歌歩からは想像のつかない剣幕に、俺も他の奴らも思わず狼狽えた。
「怪我してるじゃん!早く手当てしないと!」
そう言って俺の腕を引っ張りその場から連れ出した。
「おい!やめろよ、離せって!」
そう怒鳴るがそんな俺のことなんて一切無視して腕を引き続けて歩みを止めない。
「おいこら歌歩!離せっつてんだろ?!」
相変わらず俺のことを無視し続ける歌歩に堪忍袋の緒が切れ、腕を振り払い
「いい加減にしろよ!無視すんなよこのブ…」
このブス!そう続けようとしたが、歌歩の顔を見た瞬間思わず黙り込んじまった。
「なんで…!なんで、喧嘩、なんかしたの?!怪我…!したら危ない、でしょ…!」
そう言いながら目一杯に涙を溜めながら俺のことを睨みつけてくるアイツの顔を見たら、言えなくなった。
「な、なんでそんな顔すんだよ…別にいいだろ、対した怪我してねぇんだから」
苦し紛れにそう言うと、
「勝己君のバカ!!!」
そう叫んで歌歩は大声を上げて泣き始めた。焦りながら「お、おい…泣くなよ…!」そう言って頭を撫で様とするとその手を思い切り振り払われた。そして
「勝己君のバァカァ……」
更に泣き続けた。そんな俺達のことを見つけて、周りには沢山の人だかりが出来ていた、そんな日の、夏の思い出。
◇
あの後俺はババアに怒鳴られ殴られ、他の奴らにはバカにされ、デクには哀れまれて、アイツには無視され続け挙句黙って引っ越され、最悪だった。けど、
「けどま、久々に大声上げて泣くアイツ見ること出来たのは正直、嬉しかったんだよな…」
おじさん探しに行ったあの日以来初めて、アイツが泣いてるとこ見れて。その泣いてる理由が、他でもない、俺のことを思って泣いてくれたっつー事が、スゲェ嬉しかった。
…なぁ歌歩。どうしたらお前はまた、あの頃みたいに泣ける様になるんだ?俺はもう、見たくねぇよお前のその、ぶっさいくな作り笑いで無理してるとこ。