向日葵
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「ヘドロ事件?あぁ、そういや去年あったな、そんな事件。ヴィランに人質として捕まった中学生が抵抗続けたとかいうやつだったかな。あと、その捕まった中学生の友達らしき無個性の男子生徒が助けに入ったとか」
昼ご飯を食堂で食べている時に、勝己君に聞こうとしたらブチギレられてしまって聞けなかったヘドロ事件について心操君に聞いてみたらそんな風に説明してくれた。
「そういう事件だったんだ」
「あぁ。結構騒がれてたな。つか無居が知らないって意外」
そういう心操君に首を傾げる。
「どうして私が知らないと意外なの?」
そう聞くと心操君は
「幼馴染が被害に遭った事件については俺よりも詳しいかと思ってた」
と答えた。幼馴染が被害に…?
「どういうこと?」
「えっお前それも知らないの?その人質になった中学生って爆豪なんだよ」
勝己君が、ヴィランに捕まって人質になった…?
「嘘?!」
「ほんとだって。こんなことで嘘吐いたって何にもならないだろ」
呆れたといった様子の心操君の発言に対してそれもそうか…と思う。
勝己君がヴィランに捕まって人質になった…か。そりゃ勝己君にとっては蒸し返されたくない話だっただろうなぁ。
「無居って去年のニュースとか疎いよな。この前も結構騒がれた事件について知らないから教えてくれって言ってたし」
「え…あ、うん…。まぁ、あの、その…去年ちょっと色々とあって、忙しくて…テレビ見たりする時間なかったし、スマホも持ってなかったから、ね…。だから、ちょっと知らないこととか多いんだ…」
そういうと心操君は「そうなのか」と言って、私が聞かれたくないと思っているのを察してくれたのかそれ以上は聞かないでくれた。
まだ出会って数日しか経っていないが、心操君はとても優しい人だなと思う。少しだけ、出久君と似ている気がする。
…あ、もしかしてヘドロ事件の時に助けに入った無個性の男子生徒って…
「ねぇ、心操君。もう1つ、聞いてもいい?」
「何」
「その助けに入った無個性の生徒ってみど…」
緑谷出久って名前の子?そう聞こうとした次の瞬間だった。ピー!というサイレンと、『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』という警報が流れた。すると忽ち、辺りは大騒ぎになってしまった。どうしたらいいのかわからず、オロオロしていると3年生の先輩に早く避難するようにと指示されたので何が何だかわからないまま言われた通り急いで食堂から出た。
◇
食堂を出ると、そこはもう大パニックで人に溢れ返っていた。みんながみんな声を上げていて、何があったのかさっぱりわからない。辛うじてわかるのは、学校の中に何者かが入り込んでしまったらしいということだけだ。
何があったのだろうと思い窓の外を覗いてみようとしたが私の身長ではとてもじゃないが見れそうにない。
「って、わっ…!」
「無居!」
人混みに流されそうになったが、心操君が腕を掴んでくれたお陰で何とか流されずに済んだ。でも大変な状況だということには変わりない。
「ありがとう…。何が入り込んできたんだろう…」
「マスコミみたいだ。けどみんな、何者かが入り込んできたって放送に気取られてマスコミだって気付いてないみたいだ。クソ、どうすりゃいいんだよ…」
このままじゃ大怪我する奴出るぞ…と心操君が珍しく焦ったように言う。
もうだめかもしれない、何とかしないといけないとは思うが何をすればいいのか見当もつかない…!そう思った時だった。
「みなさーーん、大丈ー夫!」
突然、上からそんな声が降ってきた。何事かと思い声のした方を見てみると、非常口のロゴの上に人が立っていた。みんなが注目する中、その人は続ける。
「ただのマスコミです!何もパニックになることはありません、大丈ー夫!ここは雄英、最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!」
その人の言葉を聞くと、みんな少し落ち着きを取り戻した。
「すごい…あっという間に落ち着いたね」
隣に立つ心操君に声を掛ける。
「アイツ…ヒーロー科の奴か」
「そうなの?」
「入試の時に見掛けた」
入試の時、と言った時、心操君が少しだけ悔しそうな顔をした。そういえば前にヒーロー科を受けたが落ちてしまった為普通科へ通うことになったと言っていた。きっとヒーロー科について思うことがあるのだろう。
あの人、入試の時に見掛けたということは同い年なのか。同い年でとっさにあんな判断を即座に出来るなんてすごい人だな。
そんなことを考えていると、外からパトカーの音が聴こえてきた。その音を聞くとパニックは完全に収まった。
怪我人も何とか出ないで済み、本当によかった。
昼ご飯を食堂で食べている時に、勝己君に聞こうとしたらブチギレられてしまって聞けなかったヘドロ事件について心操君に聞いてみたらそんな風に説明してくれた。
「そういう事件だったんだ」
「あぁ。結構騒がれてたな。つか無居が知らないって意外」
そういう心操君に首を傾げる。
「どうして私が知らないと意外なの?」
そう聞くと心操君は
「幼馴染が被害に遭った事件については俺よりも詳しいかと思ってた」
と答えた。幼馴染が被害に…?
「どういうこと?」
「えっお前それも知らないの?その人質になった中学生って爆豪なんだよ」
勝己君が、ヴィランに捕まって人質になった…?
「嘘?!」
「ほんとだって。こんなことで嘘吐いたって何にもならないだろ」
呆れたといった様子の心操君の発言に対してそれもそうか…と思う。
勝己君がヴィランに捕まって人質になった…か。そりゃ勝己君にとっては蒸し返されたくない話だっただろうなぁ。
「無居って去年のニュースとか疎いよな。この前も結構騒がれた事件について知らないから教えてくれって言ってたし」
「え…あ、うん…。まぁ、あの、その…去年ちょっと色々とあって、忙しくて…テレビ見たりする時間なかったし、スマホも持ってなかったから、ね…。だから、ちょっと知らないこととか多いんだ…」
そういうと心操君は「そうなのか」と言って、私が聞かれたくないと思っているのを察してくれたのかそれ以上は聞かないでくれた。
まだ出会って数日しか経っていないが、心操君はとても優しい人だなと思う。少しだけ、出久君と似ている気がする。
…あ、もしかしてヘドロ事件の時に助けに入った無個性の男子生徒って…
「ねぇ、心操君。もう1つ、聞いてもいい?」
「何」
「その助けに入った無個性の生徒ってみど…」
緑谷出久って名前の子?そう聞こうとした次の瞬間だった。ピー!というサイレンと、『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』という警報が流れた。すると忽ち、辺りは大騒ぎになってしまった。どうしたらいいのかわからず、オロオロしていると3年生の先輩に早く避難するようにと指示されたので何が何だかわからないまま言われた通り急いで食堂から出た。
◇
食堂を出ると、そこはもう大パニックで人に溢れ返っていた。みんながみんな声を上げていて、何があったのかさっぱりわからない。辛うじてわかるのは、学校の中に何者かが入り込んでしまったらしいということだけだ。
何があったのだろうと思い窓の外を覗いてみようとしたが私の身長ではとてもじゃないが見れそうにない。
「って、わっ…!」
「無居!」
人混みに流されそうになったが、心操君が腕を掴んでくれたお陰で何とか流されずに済んだ。でも大変な状況だということには変わりない。
「ありがとう…。何が入り込んできたんだろう…」
「マスコミみたいだ。けどみんな、何者かが入り込んできたって放送に気取られてマスコミだって気付いてないみたいだ。クソ、どうすりゃいいんだよ…」
このままじゃ大怪我する奴出るぞ…と心操君が珍しく焦ったように言う。
もうだめかもしれない、何とかしないといけないとは思うが何をすればいいのか見当もつかない…!そう思った時だった。
「みなさーーん、大丈ー夫!」
突然、上からそんな声が降ってきた。何事かと思い声のした方を見てみると、非常口のロゴの上に人が立っていた。みんなが注目する中、その人は続ける。
「ただのマスコミです!何もパニックになることはありません、大丈ー夫!ここは雄英、最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!」
その人の言葉を聞くと、みんな少し落ち着きを取り戻した。
「すごい…あっという間に落ち着いたね」
隣に立つ心操君に声を掛ける。
「アイツ…ヒーロー科の奴か」
「そうなの?」
「入試の時に見掛けた」
入試の時、と言った時、心操君が少しだけ悔しそうな顔をした。そういえば前にヒーロー科を受けたが落ちてしまった為普通科へ通うことになったと言っていた。きっとヒーロー科について思うことがあるのだろう。
あの人、入試の時に見掛けたということは同い年なのか。同い年でとっさにあんな判断を即座に出来るなんてすごい人だな。
そんなことを考えていると、外からパトカーの音が聴こえてきた。その音を聞くとパニックは完全に収まった。
怪我人も何とか出ないで済み、本当によかった。