向日葵
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雄英高校の教師をあのNo.1ヒーローのオールマイトがやるということは、大ニュースになるに決まっている。それはわかる。分かる、けど...
「教師オールマイトについてどう思います?!」
「実際の授業はどんな感じなの?やっぱり熱血指導なのかな?!」
「いつもどんなことを習っているの?」
校門前に何人ものマスコミが待ち構えるってどうなの。こっちは高校生なんだからそんなに沢山のマスコミに囲まれるなんて恐怖でしかない。
「あ!そこのあなた!一言お願いします!」
私に気がついた1人のニュースキャスターがマイクをむけてきた。
雄英生には片っ端から聞いている様だ。オールマイトについて聞かれても。普通科の私はほとんど関わりがないんだから聞かれたって困るよ。
「あの、私は…」
「おい何してんだよ。とっとと行くぞ」
普通科なのでオールマイトの授業は受けていませんと答えようとしたが、その前に腕を引かれ、マスコミの群れの中から連れ出された。
顔を上げて見てみると、見慣れたミルクティーカラーのツンツンとした髪が目に入ってきた。
「勝己君…」
「黙ってろ」
「あ、ちょっとまだ話してるんですけど!」
マスコミの人が何か言っているがそんなことお構いなしに勝己君は「うるせぇ」と言いながら私の腕を引いて足を進める。
「て、あれ?君、確かヘドロ事件の…」
記者の女の人がそう呟くと勝己君は苦虫を踏んだような顔で「やめろ」と言った。
ヘドロ事件…?そういえば去年何度かニュースでやっていた気がする。中学生の男の子がどうのこうのと言っていたっけ?あの頃は忙しくてニュースとかゆっくり見てなかったからどんな事件だったのかよく知らないけど。
…ん?あの人はどうして勝己君を見てヘドロ事件の話を出したのだろう。そんなことを考えながら歩いていたら、気が付いたらもう校舎の前までついていた。
「ったく、何あんな連中バカ丁寧に対応しようとしてんだよ。あーいうのはな、適当に流しとけ」
私の腕を離したかと思うと、勝己君はお説教を始めた。周りの人達から視線を感じる。また付き合ってるとか噂されたら嫌だなぁ…。
「おいこら。聞いてんのかよ?」
何も言わないでいる私にイラついたのか、軽く睨みつけてくる勝己君に慌ててはい、と答えると
「ったく。あんまぼさっとしてんじゃねーよ。ただでさえテメェは鈍臭いんだからよ」
と言われてしまった。
「ご、ごめん…。あの、ありがとう、助けてくれて」
お礼を言うと「別に」と、目を逸らしながら言う勝己君。珍しく照れているのだろうか?さっきの勝己君、なんだかヒーローみたいだったなぁ。なんか、今日は穏やかに...そして小さい頃みたいに話せそうだ。
「あ、そういえば1つ聞いてもいい?」
「んだよ」
「さっき、キャスターさんが勝己君の顔を見た時にヘドロ事件がどうのって言ってたけど…」
なにかあったの?と聞こうとしてから勝己君の顔を見て思った。あっヤバイ、地雷踏んだ…と。
「テメェ、せっかく助けてやったのによくもその話振りやがったな…。爆破されてーのか?歌歩ちゃんよぉ!」
そう言いながらドスの利いた笑みを浮かべて私の頭を力一杯ガシッと掴んできた。
「か、勝己君?!い、イタイ…!」
「痛くしてるからな。テメェよぉ、あの話題出すとか死ぬ覚悟出来てんのか?!』
ヒーローみたいと思った数秒前の自分に聞きたい。これのどこがヒーロー?誰がどこからどう見てもヴィランだよ。良くてヤンキーだよ。
「ちょっ、は、離して、イタイ…!」
何?ヘドロ事件てそんなに話題に出しちゃいけない話だったの?一体何があったんだろう…すごく気になるけどもこのタイミングで聞いたりなんてしたら本気で殺されてしまいそうだ。絶対に聞けない。
誰か助けてくれないかなって思うけれども、みんな完全にドン引きしているみたいで近付いてすら来ない。そんな周りの反応も気にも留めずに勝己君は怒鳴り続けている。
「おい爆豪、やめてやれよ女子相手にそんな乱暴な真似するの」
「そうだぞ。いくら幼馴染だからって、そんなことしてたら嫌われちまうぜ?」
私と勝己君の様子を見兼ねてか、勝己君を制止する声が聴こえてきた。声のした方を見てみると、赤い髪の男の子と金髪の男の子がいた。
「うるせぇすっこんでろ、クソ髪、アホ面!』
その2人に向かって勝己君が怒鳴り声を上げた。そんな勝己君を2人は軽くあしらって(金髪の子の方は少し怖がっていたけど)私に話しかけてきた。
「急に割って入っちまってワリィな、俺は切島。切島鋭児郎だ。よろしくな!」
と、赤い髪の子―もとい切島君。
「俺は上鳴電気ってんだ。俺ら2人、爆豪と緑谷と同じクラスなんだぜ!仲良くしてくれよな」
と、金髪の子―もとい上鳴君。
2人が自己紹介してくれたのに私だけ名乗らないのは失礼だと思い私も名前を言おうとしたら
「君は無居歌歩ちゃん。爆豪と緑谷の幼馴染なんだろ?」
そう言って、上鳴君はニコニコと笑っている。
「えっ…う、うん、そうだけど…」
2人と会うのは初めてのはずなのに、どうして私のことを知っているのだろう…?
「A組でさ、君のことがちょっと話題になったんだ」
私の疑問を察したのか、上鳴君が言う。A組で私が話題に??
「な、なんで私が話題になったの…?」
「先週さ、おめぇと爆豪一緒に学校来てただろ?そん時、A組の何人かがそれを見ててさ。そんで爆豪の彼女かってクラス中で噂になったんだよ」
あ、あれか。他のクラスでも同じような噂流されていたのか。なんでみんなそんなに噂話が好きなの…。
「テメェらうるせぇぞだぁってろ!つか歌歩。テメェも俺の事無視して他の連中とベラベラ喋ってんじゃねぇよ」
そう言いながらギロリと睨みつけながら凄んでくる勝己君にびくっとしていると切島君が「だから女子相手にその態度やめてやれよ」と苦笑気味に止めに入ってくれた。それに対して勝己君は「うるせぇ!」と言っていたが。
そんな勝己君を物ともせずにしている切島君はすごいなー。さすがヒーロー志望というべきだろうか。
「てかおい歌歩。連絡先教えろ」
切島君のことを無視して勝己君が私にスマホを向けてきた。
「え…家の番号知らなかったっけ?」
「昔住んでたとこの方は知ってっけどばあちゃん家のは知らねー。つか家のよりアプリとか知ってた方がいいだろ。…俺には教えたくねぇってか」
ギロリと睨みつけながら言ってくる勝己君に慌ててそんなことないと言いながら私もスマホを取り出した。
「あ、いいなー!無居、俺にも教えてくれよ」
その様子を見ていた上鳴君もスマホを取り出している。
「あぁっ?!テメェはすっこんでろ!」
「いいじゃねぇか別に。俺とも交換しようぜ。クラスちげーけど同じ学校同士、連絡先知っといた方がいいだろ」
そう言って切島君もスマホを手にしている。そんな2人の様子に勝己君は「ケッ…」と言いながらももう文句は言わなかった。だから勝己君だけじゃなくて切島君と上鳴君とも連絡先を交換した。他の科の男の子3人と連絡先を交換する日が来るなんて夢にも思わなかったな。びっくりだ。
「ありがとなー。無居ってハリネズミ好きなのかー?」
私のLINEを見ながら上鳴君が言う。
「えっ?あっうん。ハリネズミ大好き。よくわかったね」
という私に対して「だってアイコンハリネズミだし、スマホカバーもハリネズミでおまけにカバンにつけたヌイバもハリネズミだからな。寧ろそれでハリネズミ好きじゃないって方がびっくりだって!」と、笑って答えられた。なんだか少し恥ずかしい。
「それ...まだ持ってたのか」
カバンにつけたヌイバを見ながら勝己君が言う。
「.....うん。宝物、だからね」
私がそう答えると勝己君は黙り込んでしまった。
「なんだよー!2人で内緒話かー?いいなー幼馴染って!」
私達の様子を見て茶化すように上鳴君が言う。
そんな上鳴君を勝己君は「うるせぇ!」と言って殴った。すごく痛そうだ。
「って、そろそろ教室行かねぇと遅刻しちまうんじゃね?!」
切島君に言われてスマホ画面を確認してみると朝礼の時間が近いことに気がついた。そういえばいつの間にか周りの人もほとんどいなくなっていることに気がついた。
「あっやっべ、遅刻なんてしたら相澤先生に怒られちまう!早く行こうぜ」
「おう!無居悪かったな、長いこと引き留めちまって。爆豪、ほら早く行くぞ!」
「テメ、クソ髪、アホ面腕離せ!俺はまだ歌歩に話があんだよ…!」
「んなのまた後でいいだろ!じゃーな、また今度ゆっくり話そうぜ!」
そう言いながら切島君と上鳴君は勝己君を引っ張りながらヒーロー科の昇降口へと消え去って行った。
なんだか今日は朝から色々なことが起きたような気がする。これ以上は何か起こりませんようにと願いながら、私は普通科の昇降口へと足を進めた。
「教師オールマイトについてどう思います?!」
「実際の授業はどんな感じなの?やっぱり熱血指導なのかな?!」
「いつもどんなことを習っているの?」
校門前に何人ものマスコミが待ち構えるってどうなの。こっちは高校生なんだからそんなに沢山のマスコミに囲まれるなんて恐怖でしかない。
「あ!そこのあなた!一言お願いします!」
私に気がついた1人のニュースキャスターがマイクをむけてきた。
雄英生には片っ端から聞いている様だ。オールマイトについて聞かれても。普通科の私はほとんど関わりがないんだから聞かれたって困るよ。
「あの、私は…」
「おい何してんだよ。とっとと行くぞ」
普通科なのでオールマイトの授業は受けていませんと答えようとしたが、その前に腕を引かれ、マスコミの群れの中から連れ出された。
顔を上げて見てみると、見慣れたミルクティーカラーのツンツンとした髪が目に入ってきた。
「勝己君…」
「黙ってろ」
「あ、ちょっとまだ話してるんですけど!」
マスコミの人が何か言っているがそんなことお構いなしに勝己君は「うるせぇ」と言いながら私の腕を引いて足を進める。
「て、あれ?君、確かヘドロ事件の…」
記者の女の人がそう呟くと勝己君は苦虫を踏んだような顔で「やめろ」と言った。
ヘドロ事件…?そういえば去年何度かニュースでやっていた気がする。中学生の男の子がどうのこうのと言っていたっけ?あの頃は忙しくてニュースとかゆっくり見てなかったからどんな事件だったのかよく知らないけど。
…ん?あの人はどうして勝己君を見てヘドロ事件の話を出したのだろう。そんなことを考えながら歩いていたら、気が付いたらもう校舎の前までついていた。
「ったく、何あんな連中バカ丁寧に対応しようとしてんだよ。あーいうのはな、適当に流しとけ」
私の腕を離したかと思うと、勝己君はお説教を始めた。周りの人達から視線を感じる。また付き合ってるとか噂されたら嫌だなぁ…。
「おいこら。聞いてんのかよ?」
何も言わないでいる私にイラついたのか、軽く睨みつけてくる勝己君に慌ててはい、と答えると
「ったく。あんまぼさっとしてんじゃねーよ。ただでさえテメェは鈍臭いんだからよ」
と言われてしまった。
「ご、ごめん…。あの、ありがとう、助けてくれて」
お礼を言うと「別に」と、目を逸らしながら言う勝己君。珍しく照れているのだろうか?さっきの勝己君、なんだかヒーローみたいだったなぁ。なんか、今日は穏やかに...そして小さい頃みたいに話せそうだ。
「あ、そういえば1つ聞いてもいい?」
「んだよ」
「さっき、キャスターさんが勝己君の顔を見た時にヘドロ事件がどうのって言ってたけど…」
なにかあったの?と聞こうとしてから勝己君の顔を見て思った。あっヤバイ、地雷踏んだ…と。
「テメェ、せっかく助けてやったのによくもその話振りやがったな…。爆破されてーのか?歌歩ちゃんよぉ!」
そう言いながらドスの利いた笑みを浮かべて私の頭を力一杯ガシッと掴んできた。
「か、勝己君?!い、イタイ…!」
「痛くしてるからな。テメェよぉ、あの話題出すとか死ぬ覚悟出来てんのか?!』
ヒーローみたいと思った数秒前の自分に聞きたい。これのどこがヒーロー?誰がどこからどう見てもヴィランだよ。良くてヤンキーだよ。
「ちょっ、は、離して、イタイ…!」
何?ヘドロ事件てそんなに話題に出しちゃいけない話だったの?一体何があったんだろう…すごく気になるけどもこのタイミングで聞いたりなんてしたら本気で殺されてしまいそうだ。絶対に聞けない。
誰か助けてくれないかなって思うけれども、みんな完全にドン引きしているみたいで近付いてすら来ない。そんな周りの反応も気にも留めずに勝己君は怒鳴り続けている。
「おい爆豪、やめてやれよ女子相手にそんな乱暴な真似するの」
「そうだぞ。いくら幼馴染だからって、そんなことしてたら嫌われちまうぜ?」
私と勝己君の様子を見兼ねてか、勝己君を制止する声が聴こえてきた。声のした方を見てみると、赤い髪の男の子と金髪の男の子がいた。
「うるせぇすっこんでろ、クソ髪、アホ面!』
その2人に向かって勝己君が怒鳴り声を上げた。そんな勝己君を2人は軽くあしらって(金髪の子の方は少し怖がっていたけど)私に話しかけてきた。
「急に割って入っちまってワリィな、俺は切島。切島鋭児郎だ。よろしくな!」
と、赤い髪の子―もとい切島君。
「俺は上鳴電気ってんだ。俺ら2人、爆豪と緑谷と同じクラスなんだぜ!仲良くしてくれよな」
と、金髪の子―もとい上鳴君。
2人が自己紹介してくれたのに私だけ名乗らないのは失礼だと思い私も名前を言おうとしたら
「君は無居歌歩ちゃん。爆豪と緑谷の幼馴染なんだろ?」
そう言って、上鳴君はニコニコと笑っている。
「えっ…う、うん、そうだけど…」
2人と会うのは初めてのはずなのに、どうして私のことを知っているのだろう…?
「A組でさ、君のことがちょっと話題になったんだ」
私の疑問を察したのか、上鳴君が言う。A組で私が話題に??
「な、なんで私が話題になったの…?」
「先週さ、おめぇと爆豪一緒に学校来てただろ?そん時、A組の何人かがそれを見ててさ。そんで爆豪の彼女かってクラス中で噂になったんだよ」
あ、あれか。他のクラスでも同じような噂流されていたのか。なんでみんなそんなに噂話が好きなの…。
「テメェらうるせぇぞだぁってろ!つか歌歩。テメェも俺の事無視して他の連中とベラベラ喋ってんじゃねぇよ」
そう言いながらギロリと睨みつけながら凄んでくる勝己君にびくっとしていると切島君が「だから女子相手にその態度やめてやれよ」と苦笑気味に止めに入ってくれた。それに対して勝己君は「うるせぇ!」と言っていたが。
そんな勝己君を物ともせずにしている切島君はすごいなー。さすがヒーロー志望というべきだろうか。
「てかおい歌歩。連絡先教えろ」
切島君のことを無視して勝己君が私にスマホを向けてきた。
「え…家の番号知らなかったっけ?」
「昔住んでたとこの方は知ってっけどばあちゃん家のは知らねー。つか家のよりアプリとか知ってた方がいいだろ。…俺には教えたくねぇってか」
ギロリと睨みつけながら言ってくる勝己君に慌ててそんなことないと言いながら私もスマホを取り出した。
「あ、いいなー!無居、俺にも教えてくれよ」
その様子を見ていた上鳴君もスマホを取り出している。
「あぁっ?!テメェはすっこんでろ!」
「いいじゃねぇか別に。俺とも交換しようぜ。クラスちげーけど同じ学校同士、連絡先知っといた方がいいだろ」
そう言って切島君もスマホを手にしている。そんな2人の様子に勝己君は「ケッ…」と言いながらももう文句は言わなかった。だから勝己君だけじゃなくて切島君と上鳴君とも連絡先を交換した。他の科の男の子3人と連絡先を交換する日が来るなんて夢にも思わなかったな。びっくりだ。
「ありがとなー。無居ってハリネズミ好きなのかー?」
私のLINEを見ながら上鳴君が言う。
「えっ?あっうん。ハリネズミ大好き。よくわかったね」
という私に対して「だってアイコンハリネズミだし、スマホカバーもハリネズミでおまけにカバンにつけたヌイバもハリネズミだからな。寧ろそれでハリネズミ好きじゃないって方がびっくりだって!」と、笑って答えられた。なんだか少し恥ずかしい。
「それ...まだ持ってたのか」
カバンにつけたヌイバを見ながら勝己君が言う。
「.....うん。宝物、だからね」
私がそう答えると勝己君は黙り込んでしまった。
「なんだよー!2人で内緒話かー?いいなー幼馴染って!」
私達の様子を見て茶化すように上鳴君が言う。
そんな上鳴君を勝己君は「うるせぇ!」と言って殴った。すごく痛そうだ。
「って、そろそろ教室行かねぇと遅刻しちまうんじゃね?!」
切島君に言われてスマホ画面を確認してみると朝礼の時間が近いことに気がついた。そういえばいつの間にか周りの人もほとんどいなくなっていることに気がついた。
「あっやっべ、遅刻なんてしたら相澤先生に怒られちまう!早く行こうぜ」
「おう!無居悪かったな、長いこと引き留めちまって。爆豪、ほら早く行くぞ!」
「テメ、クソ髪、アホ面腕離せ!俺はまだ歌歩に話があんだよ…!」
「んなのまた後でいいだろ!じゃーな、また今度ゆっくり話そうぜ!」
そう言いながら切島君と上鳴君は勝己君を引っ張りながらヒーロー科の昇降口へと消え去って行った。
なんだか今日は朝から色々なことが起きたような気がする。これ以上は何か起こりませんようにと願いながら、私は普通科の昇降口へと足を進めた。