向日葵
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…幼稚園の頃だったっけ。近所の公園に大きな蜘蛛の巣があって、綺麗な蝶々が引っかかっていて。それがすごく可哀想で可哀想で。なんとか解放してあげられないかなってじっと蜘蛛の巣と蝶々を眺めていた私のことを見た勝己君が
『ったく、仕方ねぇな…』
と言って、引っかかっていた蝶々を逃がしてあげた。それを見たらすごく嬉しくなって
『勝己君すごい!優しいね!!蝶々さん助けてくれてありがとー!!』
とお礼を言った。そしたら
『あ?べ、別にすごくねぇだろ…。つかなんでおめぇが礼言うんだよ、バカじゃねぇの…』
って、顔を少し赤くしながら言っていたっけ。
『だってかっこよかったんだもん!勝己君、勝己君。もしも歌歩が今の蝶々さんみたいに蜘蛛の巣に捕まったりしちゃったら、さっきみたいに歌歩のことも助けてね』
『は?アホかオメェ。人間捕まえれるような蜘蛛の巣とかある訳ねぇだろ。蜘蛛はどんなにデカくても俺らよりデカいのはいねぇんだよ』
おめぇほんっと変なことばっか言うなって呆れた様に言われたんだ。意地悪な物言いに頬を膨らませながらムスっとすると『んだよ、ブス』って鼻で笑いながら突かれた。ブスじゃないもんって文句言ったら『ブスだろ』ってまた笑われた。酷い。
『じゃあいいもん、勝己君じゃなくて他の人に助けてってお願いするもん』
そう言ったら
『あ?だ、誰にだよ…』
って尋ねられてそういえば誰にお願いすればいいのかなってなってうーん…と考え込む。
『い、出久君…?』
『わ、無理だろぜってぇ…』
逆に蜘蛛にとっ捕まるぞアイツ…と言われて何も言い返せなくなる。ごめんね出久君…。
『…ったく、仕方ねぇな。わぁったよ、ぜぇってぇそんなバカデカイ蜘蛛なんている訳ねぇけど、もしも仮にいたとして、そんでその蜘蛛におめぇが捕まっちまったら俺が助けてやるよ!』
それでいいだろ?!なんて顔を真っ赤にしながらやけくそ気味に言ってたな。言い方はきつかったけどでも、それがthe勝己君って感じで思わず笑ったら怒られたなー…。
……ねぇ、勝己君。勝己君。お願い。今すぐ助けに来て……
◇
目を覚まし、視界に入って来た人物を見て、意識を失う前に自分の身に起きたことが夢でも幻でもなく、紛うことなき現実なんだと思い知らされる。
「あっ歌歩ちゃん起きましたか?」
そうニコニコと笑い、私の顔を覗き込んであの日と同じ問いかけをしてくるトガヒミコの姿に泣きそうになる。後退りしようとしても動けなくて。身体を見てみるとやっぱり私の身体はあの日と同じように椅子に頑丈に縛り付けられていて。また、自分の身に何が起きたのか余計理解を深めることになる。
「ガキ一匹捕まえんのに随分大掛かりだよな。お前らよくやるよなここまで。…にしても雄英って生徒守る気ねぇのか?誘拐されたり襲撃されたりしたことあるやつの周囲ガバガバとか、最早わざとな気さえしてくるぜ。さすがにちょっとお前のこと可哀想になって来たよ」
そんなこと全く思って無さそうな様子で嘲笑いながら荼毘が言う。
「まぁそのガバガバのお影様で仕事が楽に進んだんだし良しとしとこう。や、夏以来だね。元気だったかい?お嬢さん」
ニコニコと一見人当たりの良さそうな調子で話しかけて来るMr.コンプレスに背筋がぞっとする。相変わらず、不気味な雰囲気の人。
「そうですよー、寧ろ感謝しないとです!こんなに簡単にここまで連れて来ることが出来たんですから。とても嬉しい誤算です」
また仲良くしてねぇ、歌歩ちゃん!と、トガヒミコに苦しいくらいぎゅっと抱き締められる。
「いやっ…!離して、ください…!なんでっ、なんでっ…!」
なんで私は、貴方達に捕まってるの…?やっとの思いで、声を発し、疑問をぶつけたが、その声は消え入りそうだ。ヒーローに守ってもらってたハズなのに。私が外出したりする時は、徹底的に外に情報が漏れないように雄英やヒーロー、警察が管理してくれてたはずなのに。なのに病院…それも診察室にトガヒミコが現れて…。まるで私が病院に来ることを知っていたみたいで。なんで?という疑問が湧き出てくる。
「……ねぇお嬢さん。君、不思議に思ったことはないかい?君が俺達から救出されて目をさましたその後すぐに、死柄木が君の前に姿を現したのはなんでかなぁって」
Mr.コンプレスがニコニコと笑ったまま、私に優しく問い掛けて来る。
「変だとは思わなかったかい?沢山ある病室の中からピンポイントで、君の入院していた病室を探し当てて忍び込んで来たことに対して」
また更に、問い掛けて来る。
「…どういう、意味ですか…?」
声が震えそうになるのを、なんとか堪えて尋ねてみる。
「あの病院の偉い人がね、死柄木ととても関係の深い人なんだ」
ニコニコと笑ったまま、私にとって残酷すぎる真実を話す。
「それ以外にも何人かあそこには死柄木や俺達に協力してくれる人がいてね。その人達が教えてくれたんだ、君の病室を」
ついでに言うと君が通院していた病院もね、俺達に協力してくれる優しい人が沢山いるんだと、追い討ちを掛けられる。
「普通さ、調べるだろ。誘拐されたガキの病室に誘拐犯…それもその親玉が忍び込んだりなんてしたら」
相変わらずニコニコと、穏やかな口調のまま言う。
「でもそれをヒーローも雄英も警察も、誰もしなかった」
Mr.コンプレスの手が、私の頭に置かれる。
「そしてその結果、可愛くて可哀想なお姫様はまんまとヴィランに攫われて、永遠に捕らわれることになってしまいましたとさ」
つまりは、君が俺達に捕まってしまったのはヒーローのせいだよ。あいつらが油断しきって君の周囲のことをろくに調べもしなかったから。でもたまにはいいだろ?こんな御伽噺があっても。君にとってはバッドエンドだろうけど、俺達からしたら最高なハッピーエンドだと、まるで父親が幼い子供の頭を撫でるような調子で、眠る前に御伽噺を読み聞かせるような調子で、私の頭を撫でながら語る。
『ったく、仕方ねぇな…』
と言って、引っかかっていた蝶々を逃がしてあげた。それを見たらすごく嬉しくなって
『勝己君すごい!優しいね!!蝶々さん助けてくれてありがとー!!』
とお礼を言った。そしたら
『あ?べ、別にすごくねぇだろ…。つかなんでおめぇが礼言うんだよ、バカじゃねぇの…』
って、顔を少し赤くしながら言っていたっけ。
『だってかっこよかったんだもん!勝己君、勝己君。もしも歌歩が今の蝶々さんみたいに蜘蛛の巣に捕まったりしちゃったら、さっきみたいに歌歩のことも助けてね』
『は?アホかオメェ。人間捕まえれるような蜘蛛の巣とかある訳ねぇだろ。蜘蛛はどんなにデカくても俺らよりデカいのはいねぇんだよ』
おめぇほんっと変なことばっか言うなって呆れた様に言われたんだ。意地悪な物言いに頬を膨らませながらムスっとすると『んだよ、ブス』って鼻で笑いながら突かれた。ブスじゃないもんって文句言ったら『ブスだろ』ってまた笑われた。酷い。
『じゃあいいもん、勝己君じゃなくて他の人に助けてってお願いするもん』
そう言ったら
『あ?だ、誰にだよ…』
って尋ねられてそういえば誰にお願いすればいいのかなってなってうーん…と考え込む。
『い、出久君…?』
『わ、無理だろぜってぇ…』
逆に蜘蛛にとっ捕まるぞアイツ…と言われて何も言い返せなくなる。ごめんね出久君…。
『…ったく、仕方ねぇな。わぁったよ、ぜぇってぇそんなバカデカイ蜘蛛なんている訳ねぇけど、もしも仮にいたとして、そんでその蜘蛛におめぇが捕まっちまったら俺が助けてやるよ!』
それでいいだろ?!なんて顔を真っ赤にしながらやけくそ気味に言ってたな。言い方はきつかったけどでも、それがthe勝己君って感じで思わず笑ったら怒られたなー…。
……ねぇ、勝己君。勝己君。お願い。今すぐ助けに来て……
◇
目を覚まし、視界に入って来た人物を見て、意識を失う前に自分の身に起きたことが夢でも幻でもなく、紛うことなき現実なんだと思い知らされる。
「あっ歌歩ちゃん起きましたか?」
そうニコニコと笑い、私の顔を覗き込んであの日と同じ問いかけをしてくるトガヒミコの姿に泣きそうになる。後退りしようとしても動けなくて。身体を見てみるとやっぱり私の身体はあの日と同じように椅子に頑丈に縛り付けられていて。また、自分の身に何が起きたのか余計理解を深めることになる。
「ガキ一匹捕まえんのに随分大掛かりだよな。お前らよくやるよなここまで。…にしても雄英って生徒守る気ねぇのか?誘拐されたり襲撃されたりしたことあるやつの周囲ガバガバとか、最早わざとな気さえしてくるぜ。さすがにちょっとお前のこと可哀想になって来たよ」
そんなこと全く思って無さそうな様子で嘲笑いながら荼毘が言う。
「まぁそのガバガバのお影様で仕事が楽に進んだんだし良しとしとこう。や、夏以来だね。元気だったかい?お嬢さん」
ニコニコと一見人当たりの良さそうな調子で話しかけて来るMr.コンプレスに背筋がぞっとする。相変わらず、不気味な雰囲気の人。
「そうですよー、寧ろ感謝しないとです!こんなに簡単にここまで連れて来ることが出来たんですから。とても嬉しい誤算です」
また仲良くしてねぇ、歌歩ちゃん!と、トガヒミコに苦しいくらいぎゅっと抱き締められる。
「いやっ…!離して、ください…!なんでっ、なんでっ…!」
なんで私は、貴方達に捕まってるの…?やっとの思いで、声を発し、疑問をぶつけたが、その声は消え入りそうだ。ヒーローに守ってもらってたハズなのに。私が外出したりする時は、徹底的に外に情報が漏れないように雄英やヒーロー、警察が管理してくれてたはずなのに。なのに病院…それも診察室にトガヒミコが現れて…。まるで私が病院に来ることを知っていたみたいで。なんで?という疑問が湧き出てくる。
「……ねぇお嬢さん。君、不思議に思ったことはないかい?君が俺達から救出されて目をさましたその後すぐに、死柄木が君の前に姿を現したのはなんでかなぁって」
Mr.コンプレスがニコニコと笑ったまま、私に優しく問い掛けて来る。
「変だとは思わなかったかい?沢山ある病室の中からピンポイントで、君の入院していた病室を探し当てて忍び込んで来たことに対して」
また更に、問い掛けて来る。
「…どういう、意味ですか…?」
声が震えそうになるのを、なんとか堪えて尋ねてみる。
「あの病院の偉い人がね、死柄木ととても関係の深い人なんだ」
ニコニコと笑ったまま、私にとって残酷すぎる真実を話す。
「それ以外にも何人かあそこには死柄木や俺達に協力してくれる人がいてね。その人達が教えてくれたんだ、君の病室を」
ついでに言うと君が通院していた病院もね、俺達に協力してくれる優しい人が沢山いるんだと、追い討ちを掛けられる。
「普通さ、調べるだろ。誘拐されたガキの病室に誘拐犯…それもその親玉が忍び込んだりなんてしたら」
相変わらずニコニコと、穏やかな口調のまま言う。
「でもそれをヒーローも雄英も警察も、誰もしなかった」
Mr.コンプレスの手が、私の頭に置かれる。
「そしてその結果、可愛くて可哀想なお姫様はまんまとヴィランに攫われて、永遠に捕らわれることになってしまいましたとさ」
つまりは、君が俺達に捕まってしまったのはヒーローのせいだよ。あいつらが油断しきって君の周囲のことをろくに調べもしなかったから。でもたまにはいいだろ?こんな御伽噺があっても。君にとってはバッドエンドだろうけど、俺達からしたら最高なハッピーエンドだと、まるで父親が幼い子供の頭を撫でるような調子で、眠る前に御伽噺を読み聞かせるような調子で、私の頭を撫でながら語る。
