向日葵
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明日からまた入院だ。今回入院する病院は神野の時に入院したところではなくて京都にある蛇腔病院という病院に入院することになった。そこの病院の方が今通院している病院や神野の時の病院ではわからなかったことがわかるかもしれないからと説明された。人生初めての関西がこんな形になるなんて少し残念だ。
「歌歩さん、お部屋入ってもいい?」
明日の支度をしながらそんなことを考えていると遠慮がちに部屋のドアを叩く音と、エリちゃんの声が聞こえてきた。うん、良いよー。今開けるねと返事をし、そっとドアを開くと
「えっ…ど、どうしたのエリちゃん?!」
今にも泣きだしそうな顔をして、スカートの裾をぎゅっと掴みながら私のことを見上げていた。慌ててしゃがみエリちゃんの顔を見ながら
「エリちゃん…?何か嫌なことや悲しいことでもあったの…?」
ゆっくりと、なるべく優しく問い掛けてみる。
「あのね、あのね…」
やはり泣き出しそうな顔のまま、言葉を探しているみたいだ。そっと頭を撫でて、何を言おうとしているのか待つことにした。
「デクさんとね、せんせがね、言ってたの」
意を決したようにエリちゃんが話し出す。
「歌歩さん、明日からいなくなっちゃうって…!」
そう、私のことを未だに泣きそうな顔のまま見つめながら言う。いなくなる…?あっ
「ひょっとして、私が明日から入院すること、かな…?」
そう問い掛けてみると、目に一杯の涙を溜めたまま「うん…」と返ってくる。
「…そう、だね。一時的にだけれどもね、雄英からいなくなっちゃうんだ…。ごめんね、もっと早く言うべきだったね」
そう答えると、エリちゃんはとうとう涙を零しながら
「やだよ!!会えないの寂しいよ!!!」
抱き着かれた。背中をそっと優しく撫でながら
「うん。私もエリちゃんに会えないの寂しい…。でも大丈夫だよ、私絶対に雄英に帰って来るから」
だからね、帰ってきたらまた沢山!沢山遊ぼう。ね?と言うと
「うん…。いつ?いつ帰ってくる?すぐに帰ってくる?」
詰め寄る勢いで問い掛けられた。
「すぐに帰って来るよ…って言いたいんだけれどもね、ごめんね。まだ、いつ帰って来れるかはわからないの」
そういうと今まで以上に悲しそうな顔をさせてしまった。こんな顔をさせてしまうのは、心苦しい。だけども、ここで無責任にすぐに帰って来れるよだなんて言えない。そんなこと言ってしまって、入院が長引いたりしてしまったらきっと、エリちゃんのことをこれ以上に傷つけてしまう。だから、正直に答えないといけない。
「悲しませちゃってごめんね。でも絶対に、絶対に帰ってくる。それだけは約束するよ。だから、そんなに泣かないで。エリちゃんが泣いていると、私も泣きたくなっちゃう…」
エリちゃんにはいつでも笑顔でいて欲しいなというと、エリちゃんはグスッと鼻を啜って涙を拭い、
「約束だよ?絶対に雄英に帰って来て、それで私と一杯遊ぶって」
一生懸命笑い小さな小指を差し出して来る。
「うんっ!約束だね」
そして私も笑顔で、小指を差し出して指切りげんまんをした。
「…あっそうだ、エリちゃんにね、お願いしたことがあるんだけども聞いてくれる?」
「お願い?うん、いいよ!なに?」
首をこてん、と傾げながら聞いてくる。…さっきまでよりも元気が出たみたいで安心した。…恐らくすごく気を遣わせてしまっているとは思うけれども。
「あのね、私が入院している間、私の代わりにエリちゃんにこの子と一緒にいてあげて欲しいの」
ベッドの上に飾っていたハリネズミさんをそっと持ち、エリちゃんへ渡すと不思議そうな顔で「私に?」と聞かれた。
「うん。この子ね、私の大切な大切なお友達なの」
パパがくれた、私の宝物。
「大切なお友達なのに、私が一緒にいていいの?」
大切なお友達だと知らせると、エリちゃんはちょっと焦っているみたいだ。
「大切なお友達だからね、エリちゃんと一緒にいてあげて欲しいの」
エリちゃんの目が、じっと私とハリネズミさんを交互に見つめる。そして
「うん、わかった。この子と一緒に、歌歩さんが帰ってくるのを待ってる!」
飛び切りの笑顔で答えてくれた。
◇
それから、私とエリちゃんは沢山一緒に過ごして、沢山遊んだ。歌を歌ったり、お絵かきをしたりかくれんぼしたり…。思いつく限り、沢山のことをした。
沢山遊んだからか、すっかり疲れてしまったらしくエリちゃんはぐっすりと眠っている。ハリネズミさんと仲良く一緒に。
そっと頭を撫でると、少し嬉しそうに笑った。…可愛いなぁ。初めて会ったときはまさかここまで懐いてくれるなんて思わなかった。妹がいたらこんな感じなのかな。
「歌歩ちゃん」
出久君に名前を呼ばれた。普段の声量で話しかけて来られて思わず「しーっ!」とやると焦りながら小声で「ごめん!」と謝罪された。
「…エリちゃん、寝ちゃったんだね」
優しくエリちゃんのことを見つめ、微笑みながら言う。出久君お父さんみたい。
「うん。今日は沢山遊んだからね」
「そっか。歌歩ちゃんの入院のこと話したらすごく悲しそうな顔しちゃって、焦ったよ」
勝手に話しちゃってごめんねと、心底申し訳なさそうな顔で謝罪してくる。大丈夫だよと伝えると、ほっとした様子だ。
「エリちゃんが一緒に寝てるのって、歌歩ちゃんのハリネズミさん?」
おじさんがくれた…と、遠慮がちに尋ねられる。
「うん。私が入院してる間、一緒にいてあげてってエリちゃんにお願いしたの」
そしたら快く了承してくれたんだと伝えると出久君は
「そうなんだ良かったね。なんか歌歩ちゃんとエリちゃん、本当の姉妹みたいだよね」
と、エリちゃんの頭を撫でながら言われた。
「ほんと?嬉しいな、私もエリちゃんのこと妹みたいに思ってるから」
「歌歩ちゃん昔から意外と面倒見良かったもんね」
フフ、と笑いながら出久君が言う。意外とって酷くない?と文句言うと
「だって、意外だったんだもん」
泣き虫で甘えん坊なのに面倒見良くてと、くすくす笑われる。
「泣き虫って出久君にだけは言われたくないよ」
いっつも泣いてたし今も泣き虫じゃん。そう言い返すと
「む、昔はともかく今は泣き虫じゃないよ」
と言い返される。体育祭の時泣いてたのはどこの誰だったっけ。というと「うっ…そ、その話は…その…」と口ごもる。その反応が可愛くてつい笑ってしまうと、少し不満げな顔で見つめられる。小さい頃から変わらないな、この顔。可愛くてつい笑ってしまう。
「おい、デク!呼びに行っときながらなんでおめぇまで帰って来ねぇんだよ、どんだけ待たせる気だ!!」
と、突然勝己君が怒鳴りながら部屋に入ってきた。出久君と慌てて「わっし、しーっ…!!」というと「あ?」とキレつつも、ベッドの上ですやすやと気持ちよさそう眠っているエリちゃんを見るとさすがに申し訳なく思ったのか「わ、わりぃ…」とバツが悪そうに声を潜めた。
「みんな待ってんぞ、おめぇらのこと」
「みんな…?」
待ってるという勝己君に聞き返すと
「A組のみんなだよ。明日から歌歩ちゃん暫く入院でしょ?だからみんなでパーティしようって話しになったんだ。それで準備が終わったから呼びに来たんだ」
そんなことしてくれてたんだ…。言ってくれたら私も準備手伝ったのにとムスッとしながら言うと「主役が準備するのは可笑しいだろ」と呆れたように言われた。
「でもみんなインターンとかで忙しいのに…」
「息抜き出来て寧ろ楽しかったよ」
だから気にすることないってと笑って出久君が言うと
「そういうこった。わぁったら気にすんじゃねぇよ」
と勝己君も言う。
…あぁ本当、雄英に入学して良かった。
「うん!!」
嬉しくなってつい、大きい声で返事をした。すると2人に「しーっ!!」とやられた。ごめん…。と言ってからエリちゃんのことを見ると、未だにすやすやと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていた。そっと頭を撫でながら、早く帰って来られると良いなと漠然と思いながら2人と部屋を出た。
「歌歩さん、お部屋入ってもいい?」
明日の支度をしながらそんなことを考えていると遠慮がちに部屋のドアを叩く音と、エリちゃんの声が聞こえてきた。うん、良いよー。今開けるねと返事をし、そっとドアを開くと
「えっ…ど、どうしたのエリちゃん?!」
今にも泣きだしそうな顔をして、スカートの裾をぎゅっと掴みながら私のことを見上げていた。慌ててしゃがみエリちゃんの顔を見ながら
「エリちゃん…?何か嫌なことや悲しいことでもあったの…?」
ゆっくりと、なるべく優しく問い掛けてみる。
「あのね、あのね…」
やはり泣き出しそうな顔のまま、言葉を探しているみたいだ。そっと頭を撫でて、何を言おうとしているのか待つことにした。
「デクさんとね、せんせがね、言ってたの」
意を決したようにエリちゃんが話し出す。
「歌歩さん、明日からいなくなっちゃうって…!」
そう、私のことを未だに泣きそうな顔のまま見つめながら言う。いなくなる…?あっ
「ひょっとして、私が明日から入院すること、かな…?」
そう問い掛けてみると、目に一杯の涙を溜めたまま「うん…」と返ってくる。
「…そう、だね。一時的にだけれどもね、雄英からいなくなっちゃうんだ…。ごめんね、もっと早く言うべきだったね」
そう答えると、エリちゃんはとうとう涙を零しながら
「やだよ!!会えないの寂しいよ!!!」
抱き着かれた。背中をそっと優しく撫でながら
「うん。私もエリちゃんに会えないの寂しい…。でも大丈夫だよ、私絶対に雄英に帰って来るから」
だからね、帰ってきたらまた沢山!沢山遊ぼう。ね?と言うと
「うん…。いつ?いつ帰ってくる?すぐに帰ってくる?」
詰め寄る勢いで問い掛けられた。
「すぐに帰って来るよ…って言いたいんだけれどもね、ごめんね。まだ、いつ帰って来れるかはわからないの」
そういうと今まで以上に悲しそうな顔をさせてしまった。こんな顔をさせてしまうのは、心苦しい。だけども、ここで無責任にすぐに帰って来れるよだなんて言えない。そんなこと言ってしまって、入院が長引いたりしてしまったらきっと、エリちゃんのことをこれ以上に傷つけてしまう。だから、正直に答えないといけない。
「悲しませちゃってごめんね。でも絶対に、絶対に帰ってくる。それだけは約束するよ。だから、そんなに泣かないで。エリちゃんが泣いていると、私も泣きたくなっちゃう…」
エリちゃんにはいつでも笑顔でいて欲しいなというと、エリちゃんはグスッと鼻を啜って涙を拭い、
「約束だよ?絶対に雄英に帰って来て、それで私と一杯遊ぶって」
一生懸命笑い小さな小指を差し出して来る。
「うんっ!約束だね」
そして私も笑顔で、小指を差し出して指切りげんまんをした。
「…あっそうだ、エリちゃんにね、お願いしたことがあるんだけども聞いてくれる?」
「お願い?うん、いいよ!なに?」
首をこてん、と傾げながら聞いてくる。…さっきまでよりも元気が出たみたいで安心した。…恐らくすごく気を遣わせてしまっているとは思うけれども。
「あのね、私が入院している間、私の代わりにエリちゃんにこの子と一緒にいてあげて欲しいの」
ベッドの上に飾っていたハリネズミさんをそっと持ち、エリちゃんへ渡すと不思議そうな顔で「私に?」と聞かれた。
「うん。この子ね、私の大切な大切なお友達なの」
パパがくれた、私の宝物。
「大切なお友達なのに、私が一緒にいていいの?」
大切なお友達だと知らせると、エリちゃんはちょっと焦っているみたいだ。
「大切なお友達だからね、エリちゃんと一緒にいてあげて欲しいの」
エリちゃんの目が、じっと私とハリネズミさんを交互に見つめる。そして
「うん、わかった。この子と一緒に、歌歩さんが帰ってくるのを待ってる!」
飛び切りの笑顔で答えてくれた。
◇
それから、私とエリちゃんは沢山一緒に過ごして、沢山遊んだ。歌を歌ったり、お絵かきをしたりかくれんぼしたり…。思いつく限り、沢山のことをした。
沢山遊んだからか、すっかり疲れてしまったらしくエリちゃんはぐっすりと眠っている。ハリネズミさんと仲良く一緒に。
そっと頭を撫でると、少し嬉しそうに笑った。…可愛いなぁ。初めて会ったときはまさかここまで懐いてくれるなんて思わなかった。妹がいたらこんな感じなのかな。
「歌歩ちゃん」
出久君に名前を呼ばれた。普段の声量で話しかけて来られて思わず「しーっ!」とやると焦りながら小声で「ごめん!」と謝罪された。
「…エリちゃん、寝ちゃったんだね」
優しくエリちゃんのことを見つめ、微笑みながら言う。出久君お父さんみたい。
「うん。今日は沢山遊んだからね」
「そっか。歌歩ちゃんの入院のこと話したらすごく悲しそうな顔しちゃって、焦ったよ」
勝手に話しちゃってごめんねと、心底申し訳なさそうな顔で謝罪してくる。大丈夫だよと伝えると、ほっとした様子だ。
「エリちゃんが一緒に寝てるのって、歌歩ちゃんのハリネズミさん?」
おじさんがくれた…と、遠慮がちに尋ねられる。
「うん。私が入院してる間、一緒にいてあげてってエリちゃんにお願いしたの」
そしたら快く了承してくれたんだと伝えると出久君は
「そうなんだ良かったね。なんか歌歩ちゃんとエリちゃん、本当の姉妹みたいだよね」
と、エリちゃんの頭を撫でながら言われた。
「ほんと?嬉しいな、私もエリちゃんのこと妹みたいに思ってるから」
「歌歩ちゃん昔から意外と面倒見良かったもんね」
フフ、と笑いながら出久君が言う。意外とって酷くない?と文句言うと
「だって、意外だったんだもん」
泣き虫で甘えん坊なのに面倒見良くてと、くすくす笑われる。
「泣き虫って出久君にだけは言われたくないよ」
いっつも泣いてたし今も泣き虫じゃん。そう言い返すと
「む、昔はともかく今は泣き虫じゃないよ」
と言い返される。体育祭の時泣いてたのはどこの誰だったっけ。というと「うっ…そ、その話は…その…」と口ごもる。その反応が可愛くてつい笑ってしまうと、少し不満げな顔で見つめられる。小さい頃から変わらないな、この顔。可愛くてつい笑ってしまう。
「おい、デク!呼びに行っときながらなんでおめぇまで帰って来ねぇんだよ、どんだけ待たせる気だ!!」
と、突然勝己君が怒鳴りながら部屋に入ってきた。出久君と慌てて「わっし、しーっ…!!」というと「あ?」とキレつつも、ベッドの上ですやすやと気持ちよさそう眠っているエリちゃんを見るとさすがに申し訳なく思ったのか「わ、わりぃ…」とバツが悪そうに声を潜めた。
「みんな待ってんぞ、おめぇらのこと」
「みんな…?」
待ってるという勝己君に聞き返すと
「A組のみんなだよ。明日から歌歩ちゃん暫く入院でしょ?だからみんなでパーティしようって話しになったんだ。それで準備が終わったから呼びに来たんだ」
そんなことしてくれてたんだ…。言ってくれたら私も準備手伝ったのにとムスッとしながら言うと「主役が準備するのは可笑しいだろ」と呆れたように言われた。
「でもみんなインターンとかで忙しいのに…」
「息抜き出来て寧ろ楽しかったよ」
だから気にすることないってと笑って出久君が言うと
「そういうこった。わぁったら気にすんじゃねぇよ」
と勝己君も言う。
…あぁ本当、雄英に入学して良かった。
「うん!!」
嬉しくなってつい、大きい声で返事をした。すると2人に「しーっ!!」とやられた。ごめん…。と言ってからエリちゃんのことを見ると、未だにすやすやと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていた。そっと頭を撫でながら、早く帰って来られると良いなと漠然と思いながら2人と部屋を出た。
