向日葵
夢小説設定
心操君と別れて寮の中に入ると
「歌歩さん!!お帰り!!」
と言いながらエリちゃんが駆け寄って来た。
「エリちゃんただいまー。待っててくれたのー?」
と聞くと、「うん、待ってた!あのねあのね、砂藤さんがケーキとご飯作ってくれたんだって!一緒に食べよう」とはしゃぎ、私の腕を一生懸命引っ張りながら言う。
「エリちゃん無居が帰って来るのまだかなー、まだかなーってずっと言ってたんだよ。仲良しさんめ!」
そう言いながら芦戸さんジュースを渡してくれた。
「そうだったんだ。エリちゃん待っててくれてありがとう」
と言って頭を撫でると、「どういたしまして!」とどこか誇らしげに言う。あぁもうほんと可愛い。
「心操は送ってくれたか」
「はい。寮の前まで送ってくれました」
「そうか」
相澤先生とそんなやり取りをしていると、なぜか勝己君に睨みつけられた。こっわっ。
「あっそうだ。エリちゃん、はいこれ」
心操君からエリちゃんにクリスマスプレゼントだってと言いながら先程預かったプレゼントを渡すと、目をキラキラと輝かせた。
「あいつわざわざ用意したのか…マメだな」
と、近くで見ていた瀬呂君がプレゼントを眺めながら言う。
「ほんと。心操って良い父親になりそう」
耳郎さんが言うと、みんな同意していた。やっぱりみんなそう思うよね。
「開けてもいいかな?」
エリちゃんがそわそわしながら言う。
「開けちゃえ開けちゃえ!何貰ったのか私も見たいなー」
と透ちゃんが言うと、エリちゃんは「うん!」と言ってプレゼントの袋に結んであったリボンを解き、中を覗き込む。すると「うわぁぁぁ!!」と、感激したように声を上げ、プレゼントを袋から取り出し
「ねこさん!ねこさんのぬいぐるみ!!」
とさっき以上にはしゃぎ出した。出久君に自慢げに見せて、「良かったね」と頭を撫でられている。
「あら可愛い。心操ちゃん、センス良いわね」
と梅雨ちゃんが言うと、
「俺が用意した猫のトレーナーはダメなのにこれはアリなのか…?」
相澤先生が不思議そうに言う。相澤先生が用意してたあの眼力猫のトレーナーはちょっと…。と思いつつもさすがに言えず、そっと目を逸らす。他のみんなも同じ気持ちなのか、必死に相澤先生から目を逸らしている。そんな私達のことを、やっぱり相澤先生は不思議そうな顔で見ている。
「あれ、そういえば歌歩ちゃんそんな腕時計してたっけ?」
お茶子ちゃんが私の左腕につけている腕時計を見ながら聞いて来る。
「あ、これ?実はね、これも心操君がクリスマスプレゼントにって言ってくれたの」
と言った瞬間
「あぁっ?!テメェ何軽々しく男からプレゼント貰っとんだ!」
と絶叫し勝己君が詰め寄って来て思わず「ヒイィッ!」と悲鳴を上げる。
「わぁーっと、爆豪がキレたー!大変だー。エリちゃん逃げるぞー」
と楽しそうに言いながら瀬呂君がエリちゃんを抱きかかえて離れたのを合図に
「おいコラテメェ、歌歩ちゃんよぉ!なぁーに男から気軽にプレゼント受け取ってやがんだァ!」
と怒鳴り始めた。
「いやだって、と、友達がせっかく用意してくれたものだし…!」
「うるせぇ、言い訳してんじゃねぇ!」
顔怖っ!いつもの比じゃない!!なんなのこの幼馴染!!!誰か助けてと思いながら見てみるが、みんな笑いながら見ているか呆れた様に見ているかのどっちかで、助けようとしてくれない。味方が誰もいない。
「爆豪、あんまり暴れるなよ」
とどこか投げやりに言う相澤先生の言葉に「わぁってるよ」と返すと、勝己君は更に詰め寄って来て
「友達とか言ってなぁ、男からプレゼント貰ってんじゃねぇよ!下心あるとか考えねぇのか?少しは警戒心持てっての。大体テメェはガキの頃から…」
あぁぁぁぁぁぁぁぁ…お説教始まったぁぁぁ…!ていうか私なんで怒られてるの?友達からプレゼント貰うのってそんなにダメなの?なんにもわからない。でもここで聞いたりなんてしたら余計怒らせるよね、絶対。あぁぁぁぁぁ…どうしよう。本当にどうしたら良いのこの状況…!
「あのさぁ。そんな理不尽にブチギレてないで素直に俺もプレゼントあるんだって言ったら?」
耳郎さんがそういうと、ぴたり。と音がしそうな勢いで固まった。そしてゆっくりと耳郎さんの方へと向き直り、
「あっ…?」
と聞いている。すると今度は
「爆豪ちゃん、歌歩ちゃんにプレゼント渡すのを心操ちゃんに先越されてしまって悔しくてご機嫌斜めなのでしょう?」
と梅雨ちゃんが言う。
「べ、別にそんなんじゃねぇわ!」
と言っている勝己君は耳まで真っ赤になっている。もしかして勝己君、図星突かれて照れてる…?なんて思っていると
「おら、受け取れや!」
「ぶっへっ、痛っ!」
小箱を投げつけられた。顔に思い切りぶつかって痛い。変な声が出てしまって恥ずかしい。
「ちょっ、その渡し方はないでしょ…」
呆れた様に言う耳郎さんに「うっせぇ!」と怒鳴っている勝己君は酷い人だ。他のみんなも呆れている様子。そんなみんなのことは気にも留めず、勝己君は料理を食べ始めた。
「無居ー、何貰ったのか見せてー」
エリちゃんも見たいよねーと言い、エリちゃんを引き連れて芦戸さんがやって来た。他の子達も私の所へ来たり、勝己君の所へ行きごちそうに手をつけたりと各々自由に過ごし始めた。えっと、なんだろう…とドキドキしながら箱を開けてみると、星の形をしたネックレスと月の形をしたイヤリングが入っていた。
「わっ、可愛い!えっこれホントに爆豪が選んだの?!」
という芦戸さんの声と、「どういう意味だテメェ!」という勝己君の声が響く。
「お星様のネックレスとお月様のイヤリングなんて、爆豪君が選んだなんて想像つかないよ。ね、歌歩ちゃん」
と透ちゃんに言われて思わず苦笑してしまう。すると「悪かったな。いらねぇなら返品してくっから寄越せや」と凄まれてしまった。慌てて「やだいる!大切にする!!」と声を上げると「どうだか」と吐き捨てられた。
「勝己君、ありがとう!すっごい嬉しい、大切にするから!!」
と念を押すように言うと「へーへー」と、なんだか気のなさそうな返事をされた。
「認めねぇ、オイラは認めねぇぞ…こんな不良にこんな可愛い幼馴染がいていちゃついてるなんて認めね…」
「はいはい、わかったから。まぁ飲めよ」
私達の様子を見てた峰田君が血涙を流しながら呻くと、瀬呂君が無理矢理ぶどうジュースを口に突っ込みながら励まし(?)ていた。仲、良いなぁ…。
「歌歩ちゃん、ネックレス着けてあげるよ。貸して」
そう言ってくれているお茶子ちゃんにお礼を言い、着けてもらう。ピンクとオレンジに着色された星がとても可愛い。勝己君にもお礼をしないとと言ったら「ケーキ食べさせてあげたら―?あーんってしてあげんのー」と芦戸さんに言われた。
「いらんわ!」
そしてすかさず勝己君の怒鳴り声が続く。
「照れんなよー。せっかくだからしてもらっちまえよー」
とからかう上鳴君を「うるせぇ!」と一喝し、頭を力一杯叩いている姿に思わず苦笑する。
◇
パーティ、すごく楽しかったな。勝己君からも心操君からもプレゼント貰ってしまってどうしよう。お礼に迷ってしまう。と、部屋で今日一日のことを振り返り思い出に浸る。
「歌歩」
2人からもらったプレゼントを眺めていると、部屋のドアを叩く音と勝己君が私のことを呼ぶ声が聞こえてきた。
「何?」
「部屋入って良いか?」
「うん、どうぞ」
そんなやり取りをして、中に招き入れる。
「どうしたの?」
珍しいね、こんな時間まで起きてるなんてというと、「渡してぇもんがあっから」との返答が。
「渡したいもの?もうプレゼントなら貰ったけど…」
「もう1つあんだよ。アイツらの前で渡したりしたらまた鬱陶しく絡まれそうだったからよ」
と言いながらさっき貰ったものよりも大きな箱を渡された。
「わっ可愛いラッピング。なんか貰ってばっかりだね、私。ありがとう。開けてもいい?」
と尋ねてみると「おう」と言われたので、何かなとまたドキドキしながら箱を開けると、
「わっ…」
薄ピンク色の、レースやリボンの着いた、さっき貰ったネックレスとイヤリングによく合いそうなワンピースが入っていた。
「誕生日ン時プレゼントしたワンピースはクソ共のせいで台無しになっちまっただろ。だから、その代わりにっつーやつだ」
台無し…?あ、トガヒミコに刺されて血がついちゃったこと、ずっと気にしてたんだ…。
「同じようなのなかったから、おめぇの好きそうなもん適当に選んだが、気に入んなかったらわりぃ」
バツが悪そうに言ってくる勝己君の顔が、赤い。照れてるのか。珍しい。なんか、可愛い。
「勝己君、これ着て、それとくれたネックレスとイヤリングも着けて、どこか行きたいの。だから、私と一緒に出掛けてくれない?」
なんて聞いてみると「あっ?」と、少し驚いたような声を出された。けどすぐに笑って
「ったく、仕方ねぇな。付き合ってやるよ」
と、そう答えてくれた。ありがとう!とお礼を言うと、「おう。じゃ、俺ァ寝るわ」と言って部屋を出て行った。
…今日は本当、楽しい1日だったな。こんなに楽しいクリスマスを過ごせたのは何年振りだろう。すごく久しぶりだったな。また来年も、再来年も。今日みたいに楽しいクリスマスを過ごすことが出来たらいいなぁ。出来ますように!と、そんなことを考えながら眠りについた。
「歌歩さん!!お帰り!!」
と言いながらエリちゃんが駆け寄って来た。
「エリちゃんただいまー。待っててくれたのー?」
と聞くと、「うん、待ってた!あのねあのね、砂藤さんがケーキとご飯作ってくれたんだって!一緒に食べよう」とはしゃぎ、私の腕を一生懸命引っ張りながら言う。
「エリちゃん無居が帰って来るのまだかなー、まだかなーってずっと言ってたんだよ。仲良しさんめ!」
そう言いながら芦戸さんジュースを渡してくれた。
「そうだったんだ。エリちゃん待っててくれてありがとう」
と言って頭を撫でると、「どういたしまして!」とどこか誇らしげに言う。あぁもうほんと可愛い。
「心操は送ってくれたか」
「はい。寮の前まで送ってくれました」
「そうか」
相澤先生とそんなやり取りをしていると、なぜか勝己君に睨みつけられた。こっわっ。
「あっそうだ。エリちゃん、はいこれ」
心操君からエリちゃんにクリスマスプレゼントだってと言いながら先程預かったプレゼントを渡すと、目をキラキラと輝かせた。
「あいつわざわざ用意したのか…マメだな」
と、近くで見ていた瀬呂君がプレゼントを眺めながら言う。
「ほんと。心操って良い父親になりそう」
耳郎さんが言うと、みんな同意していた。やっぱりみんなそう思うよね。
「開けてもいいかな?」
エリちゃんがそわそわしながら言う。
「開けちゃえ開けちゃえ!何貰ったのか私も見たいなー」
と透ちゃんが言うと、エリちゃんは「うん!」と言ってプレゼントの袋に結んであったリボンを解き、中を覗き込む。すると「うわぁぁぁ!!」と、感激したように声を上げ、プレゼントを袋から取り出し
「ねこさん!ねこさんのぬいぐるみ!!」
とさっき以上にはしゃぎ出した。出久君に自慢げに見せて、「良かったね」と頭を撫でられている。
「あら可愛い。心操ちゃん、センス良いわね」
と梅雨ちゃんが言うと、
「俺が用意した猫のトレーナーはダメなのにこれはアリなのか…?」
相澤先生が不思議そうに言う。相澤先生が用意してたあの眼力猫のトレーナーはちょっと…。と思いつつもさすがに言えず、そっと目を逸らす。他のみんなも同じ気持ちなのか、必死に相澤先生から目を逸らしている。そんな私達のことを、やっぱり相澤先生は不思議そうな顔で見ている。
「あれ、そういえば歌歩ちゃんそんな腕時計してたっけ?」
お茶子ちゃんが私の左腕につけている腕時計を見ながら聞いて来る。
「あ、これ?実はね、これも心操君がクリスマスプレゼントにって言ってくれたの」
と言った瞬間
「あぁっ?!テメェ何軽々しく男からプレゼント貰っとんだ!」
と絶叫し勝己君が詰め寄って来て思わず「ヒイィッ!」と悲鳴を上げる。
「わぁーっと、爆豪がキレたー!大変だー。エリちゃん逃げるぞー」
と楽しそうに言いながら瀬呂君がエリちゃんを抱きかかえて離れたのを合図に
「おいコラテメェ、歌歩ちゃんよぉ!なぁーに男から気軽にプレゼント受け取ってやがんだァ!」
と怒鳴り始めた。
「いやだって、と、友達がせっかく用意してくれたものだし…!」
「うるせぇ、言い訳してんじゃねぇ!」
顔怖っ!いつもの比じゃない!!なんなのこの幼馴染!!!誰か助けてと思いながら見てみるが、みんな笑いながら見ているか呆れた様に見ているかのどっちかで、助けようとしてくれない。味方が誰もいない。
「爆豪、あんまり暴れるなよ」
とどこか投げやりに言う相澤先生の言葉に「わぁってるよ」と返すと、勝己君は更に詰め寄って来て
「友達とか言ってなぁ、男からプレゼント貰ってんじゃねぇよ!下心あるとか考えねぇのか?少しは警戒心持てっての。大体テメェはガキの頃から…」
あぁぁぁぁぁぁぁぁ…お説教始まったぁぁぁ…!ていうか私なんで怒られてるの?友達からプレゼント貰うのってそんなにダメなの?なんにもわからない。でもここで聞いたりなんてしたら余計怒らせるよね、絶対。あぁぁぁぁぁ…どうしよう。本当にどうしたら良いのこの状況…!
「あのさぁ。そんな理不尽にブチギレてないで素直に俺もプレゼントあるんだって言ったら?」
耳郎さんがそういうと、ぴたり。と音がしそうな勢いで固まった。そしてゆっくりと耳郎さんの方へと向き直り、
「あっ…?」
と聞いている。すると今度は
「爆豪ちゃん、歌歩ちゃんにプレゼント渡すのを心操ちゃんに先越されてしまって悔しくてご機嫌斜めなのでしょう?」
と梅雨ちゃんが言う。
「べ、別にそんなんじゃねぇわ!」
と言っている勝己君は耳まで真っ赤になっている。もしかして勝己君、図星突かれて照れてる…?なんて思っていると
「おら、受け取れや!」
「ぶっへっ、痛っ!」
小箱を投げつけられた。顔に思い切りぶつかって痛い。変な声が出てしまって恥ずかしい。
「ちょっ、その渡し方はないでしょ…」
呆れた様に言う耳郎さんに「うっせぇ!」と怒鳴っている勝己君は酷い人だ。他のみんなも呆れている様子。そんなみんなのことは気にも留めず、勝己君は料理を食べ始めた。
「無居ー、何貰ったのか見せてー」
エリちゃんも見たいよねーと言い、エリちゃんを引き連れて芦戸さんがやって来た。他の子達も私の所へ来たり、勝己君の所へ行きごちそうに手をつけたりと各々自由に過ごし始めた。えっと、なんだろう…とドキドキしながら箱を開けてみると、星の形をしたネックレスと月の形をしたイヤリングが入っていた。
「わっ、可愛い!えっこれホントに爆豪が選んだの?!」
という芦戸さんの声と、「どういう意味だテメェ!」という勝己君の声が響く。
「お星様のネックレスとお月様のイヤリングなんて、爆豪君が選んだなんて想像つかないよ。ね、歌歩ちゃん」
と透ちゃんに言われて思わず苦笑してしまう。すると「悪かったな。いらねぇなら返品してくっから寄越せや」と凄まれてしまった。慌てて「やだいる!大切にする!!」と声を上げると「どうだか」と吐き捨てられた。
「勝己君、ありがとう!すっごい嬉しい、大切にするから!!」
と念を押すように言うと「へーへー」と、なんだか気のなさそうな返事をされた。
「認めねぇ、オイラは認めねぇぞ…こんな不良にこんな可愛い幼馴染がいていちゃついてるなんて認めね…」
「はいはい、わかったから。まぁ飲めよ」
私達の様子を見てた峰田君が血涙を流しながら呻くと、瀬呂君が無理矢理ぶどうジュースを口に突っ込みながら励まし(?)ていた。仲、良いなぁ…。
「歌歩ちゃん、ネックレス着けてあげるよ。貸して」
そう言ってくれているお茶子ちゃんにお礼を言い、着けてもらう。ピンクとオレンジに着色された星がとても可愛い。勝己君にもお礼をしないとと言ったら「ケーキ食べさせてあげたら―?あーんってしてあげんのー」と芦戸さんに言われた。
「いらんわ!」
そしてすかさず勝己君の怒鳴り声が続く。
「照れんなよー。せっかくだからしてもらっちまえよー」
とからかう上鳴君を「うるせぇ!」と一喝し、頭を力一杯叩いている姿に思わず苦笑する。
◇
パーティ、すごく楽しかったな。勝己君からも心操君からもプレゼント貰ってしまってどうしよう。お礼に迷ってしまう。と、部屋で今日一日のことを振り返り思い出に浸る。
「歌歩」
2人からもらったプレゼントを眺めていると、部屋のドアを叩く音と勝己君が私のことを呼ぶ声が聞こえてきた。
「何?」
「部屋入って良いか?」
「うん、どうぞ」
そんなやり取りをして、中に招き入れる。
「どうしたの?」
珍しいね、こんな時間まで起きてるなんてというと、「渡してぇもんがあっから」との返答が。
「渡したいもの?もうプレゼントなら貰ったけど…」
「もう1つあんだよ。アイツらの前で渡したりしたらまた鬱陶しく絡まれそうだったからよ」
と言いながらさっき貰ったものよりも大きな箱を渡された。
「わっ可愛いラッピング。なんか貰ってばっかりだね、私。ありがとう。開けてもいい?」
と尋ねてみると「おう」と言われたので、何かなとまたドキドキしながら箱を開けると、
「わっ…」
薄ピンク色の、レースやリボンの着いた、さっき貰ったネックレスとイヤリングによく合いそうなワンピースが入っていた。
「誕生日ン時プレゼントしたワンピースはクソ共のせいで台無しになっちまっただろ。だから、その代わりにっつーやつだ」
台無し…?あ、トガヒミコに刺されて血がついちゃったこと、ずっと気にしてたんだ…。
「同じようなのなかったから、おめぇの好きそうなもん適当に選んだが、気に入んなかったらわりぃ」
バツが悪そうに言ってくる勝己君の顔が、赤い。照れてるのか。珍しい。なんか、可愛い。
「勝己君、これ着て、それとくれたネックレスとイヤリングも着けて、どこか行きたいの。だから、私と一緒に出掛けてくれない?」
なんて聞いてみると「あっ?」と、少し驚いたような声を出された。けどすぐに笑って
「ったく、仕方ねぇな。付き合ってやるよ」
と、そう答えてくれた。ありがとう!とお礼を言うと、「おう。じゃ、俺ァ寝るわ」と言って部屋を出て行った。
…今日は本当、楽しい1日だったな。こんなに楽しいクリスマスを過ごせたのは何年振りだろう。すごく久しぶりだったな。また来年も、再来年も。今日みたいに楽しいクリスマスを過ごすことが出来たらいいなぁ。出来ますように!と、そんなことを考えながら眠りについた。