向日葵
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心操君と出久君…またこの2人の戦いか。心操君のリベンジを応援しつつ、出久君やA組のみんなの応援をしよう。そんなことを思いながら試合の様子を眺めようと思っていると、
「おいコラ歌歩…」
なんだかとてつもなく機嫌の悪そうな勝己君の声が聞こえてきた。びくっと肩を揺らしつつ、恐る恐る勝己君の方へと顔を向けてみると
「ひっ…!」
思わずそんな悲鳴を上げてしまいたくなるほど、いつにも増して怖い顔をした不機嫌マックスな爆豪勝己がいた。
「な、ななな、なんでしょうか…!」
恐怖のあまり敬語になっちゃったよ。なんで勝己君こんなに怒ってるんだろう。聞きたいけど、聞いたら余計怒らせちゃいそうで聞けない。絶対聞いちゃダメ。それだけはわかる。どうしよう。
「テメェ、色んな奴に媚び売りすぎだろ」
と、相変わらず怖い顔と低い声のままだ。
「こ、媚び?!わ、私媚びなんて売って…」
「売ってんだろうが!自覚しろやテメェは!!」
言い返したら余計怒られた。なぜ…!
誰か助けて…!そう思いながら他の人達のことを見てみるが、誰も助けてくれそうにない。それどころか、みんな面白そうに私達のことを見ている。
「後で覚えてろや」
と、処刑宣告の様なものをされる中、出久君達のチームと心操君達のチームの試合が始まった。
———
————
—————
——————
———————
辺り一面が、真っ暗だ。何。どうしたんだろう。ここは…どこ?私、A組とB組の演習を見てたハズなのに…。勝己君も、他のみんなも、誰もいない。何が起こっているの…?
『違うんだよ違う!言ったさ!?確かに「1人じゃない」ってさ!?時満ちたさ!?発現したさ!?でもさ!?その力はもう!雑念マシマシで使っていいモノじゃなくなってる』
突然誰かの声が響き渡ってきた。驚いて声の方へと視線をやると、厳つい見た目のガタイの良さそうな男の人と…あれは…出久、くん…?
(出久君!どうしたの?何してるの?その人は誰?)
と、2人に駆け寄りながら話しかけようとするが、なぜかその場から動くことが出来ない。
動けないと自覚した瞬間、身体に違和感を覚えた。何…?恐る恐る自分の身体を見て…
(———ッッッ!!!)
無数の手が、地面から、壁から、天井から、至る所から生えてきている。そしてその無数の手が、私の腕を、足を、お腹を、首を、頭を、全身を掴んでいる。恐怖のあまり藻掻こうと暴れると、掴んでくる力が強くなって、掴まれている部位がそのままちぎり取られてしまうのじゃないかという錯覚に陥る。恐怖が増してきて、助けを呼ぼうと声を上げようとすると、口を塞がれてしまい叶わない。
『———もうすぐだ』
耳元で誰かの声が聞こえる。この声は誰…?子供の声にも、青年の声にも、熟年の男性の声にも聞こえる、聞いたことがあるようなないような気のするこの声は、誰なの…?
———
————
—————
——————
———————
「おい歌歩!!!!!」
勝己君の私を呼ぶ声と肩を揺さぶる腕にハッとし、意識が浮上した。
「えっ…?」
「歌歩ちゃん大丈夫…?」
梅雨ちゃんやみんなが心配そうに私のことを見つめていた。何がなんだかわからない。何が…?と聞くと「突然震え始めたんだ。声を掛けても呆然と立ち尽くしていて何も言わなくて…まるで意識がないみたいだったんだ…。汗もかいているし…具合でも悪いのか?」と、飯田君に説明されて気が付いた。全身が汗でぐっしゃりとしていることに。
「とりあえずほら、汗拭きなよ」
気持ち悪いでしょ?と言いながらハンカチを渡してくれる耳郎さんにお礼を言って、ハンカチを使わせてもらった。
「水でも飲むか?」
持って来てやるぞと言ってくれている轟君にお礼を言いつつ大丈夫だというと、「無理すんなよ?」と言われた。
「あの、私、どうしてたの…?」
何がなんだかわからなくて、思わずそんな問いかけをしてしまう。
「緑谷が、突然個性を暴発させたんだ。そしたら無居さん、さっき飯田が言ったように突然震え出して、爆豪が肩揺らして声かけるまで俺達が声かけてもなんにも反応しなくなっちゃったんだ。まるで意識がないみたいで、びっくりしたよ」
まだ顔色も悪いし、保健室でも行く?と気遣ってくれている尾白君に大丈夫だと答えつつ思い出す。
あぁ、そうだ。みんなと一緒に出久君達のチームと心操君達のチームの試合を見てたんだ。最初は普通に見ていたが、出久君の様子が突然可笑しくなって…そしたら周りの声や音が聞こえなくなって、真っ暗な場所にいて出久君と見知らない男の人がいて、2人に近づこうとしたら無数の腕が至る所から生えてきていて、全身を掴まれてそれで…
『———もうすぐだ』
と。目と口を塞がれて、聞き覚えのあるようなないような、少年にも青年にも熟年の男の人にも聞こえるような声で、耳元でそう囁かれたんだ。
「お、おい、無居ほんとに大丈夫か?顔色どんどん悪くなってるぞ…保健室やっぱ行った方が良いんじゃねぇか?」
瀬呂君に言われるが「ほ、ほんとに大丈夫!」と答えることしか出来ない。
「なんかあの、ごめん、ちょっとその、寝ちゃってたみたい…それであの、怖い夢見たっていうかなんて言うのか…」
自分でも、よくわからない…。そういうと、みんな余計困ったような顔をする。困らせてしまって申し訳ないとは思う。だけども本当にその通りなのだから、私もどうしたらいいのかわからない。
…私の態度に、みんな納得は行っていないようだったけれども、困惑している様子を見て、それ以上は言及しないでくれた。
そして出久君達の試合を見ようということになった。
「あれ、そういえば先生達は?」
ふと教師陣が誰もいないことに気が付き呟くと「試合止めに行ったよ。でも、止めそうにないね。緑谷君も落ち着いたみたいだし…」と、透ちゃんが答えてくれた。
「……歌歩。しっかり見てやれよ、『友達』。頑張ってんぞ」
勝己君に言われて、試合へと意識を向けると、出久君と心操君の取っ組み合いが始まろうとしていた。
「約束したんだろ、応援するって。だったら約束通りちゃんと応援してやれ」
じっと2人の様子を見ながら、真剣な顔と声で私に語り掛けてくる。そんな勝己君に頷き、気になることはたくさんあるがとりあえず今は後回しにすることにして2人の戦いを見守ることにした。
「おいコラ歌歩…」
なんだかとてつもなく機嫌の悪そうな勝己君の声が聞こえてきた。びくっと肩を揺らしつつ、恐る恐る勝己君の方へと顔を向けてみると
「ひっ…!」
思わずそんな悲鳴を上げてしまいたくなるほど、いつにも増して怖い顔をした不機嫌マックスな爆豪勝己がいた。
「な、ななな、なんでしょうか…!」
恐怖のあまり敬語になっちゃったよ。なんで勝己君こんなに怒ってるんだろう。聞きたいけど、聞いたら余計怒らせちゃいそうで聞けない。絶対聞いちゃダメ。それだけはわかる。どうしよう。
「テメェ、色んな奴に媚び売りすぎだろ」
と、相変わらず怖い顔と低い声のままだ。
「こ、媚び?!わ、私媚びなんて売って…」
「売ってんだろうが!自覚しろやテメェは!!」
言い返したら余計怒られた。なぜ…!
誰か助けて…!そう思いながら他の人達のことを見てみるが、誰も助けてくれそうにない。それどころか、みんな面白そうに私達のことを見ている。
「後で覚えてろや」
と、処刑宣告の様なものをされる中、出久君達のチームと心操君達のチームの試合が始まった。
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辺り一面が、真っ暗だ。何。どうしたんだろう。ここは…どこ?私、A組とB組の演習を見てたハズなのに…。勝己君も、他のみんなも、誰もいない。何が起こっているの…?
『違うんだよ違う!言ったさ!?確かに「1人じゃない」ってさ!?時満ちたさ!?発現したさ!?でもさ!?その力はもう!雑念マシマシで使っていいモノじゃなくなってる』
突然誰かの声が響き渡ってきた。驚いて声の方へと視線をやると、厳つい見た目のガタイの良さそうな男の人と…あれは…出久、くん…?
(出久君!どうしたの?何してるの?その人は誰?)
と、2人に駆け寄りながら話しかけようとするが、なぜかその場から動くことが出来ない。
動けないと自覚した瞬間、身体に違和感を覚えた。何…?恐る恐る自分の身体を見て…
(———ッッッ!!!)
無数の手が、地面から、壁から、天井から、至る所から生えてきている。そしてその無数の手が、私の腕を、足を、お腹を、首を、頭を、全身を掴んでいる。恐怖のあまり藻掻こうと暴れると、掴んでくる力が強くなって、掴まれている部位がそのままちぎり取られてしまうのじゃないかという錯覚に陥る。恐怖が増してきて、助けを呼ぼうと声を上げようとすると、口を塞がれてしまい叶わない。
『———もうすぐだ』
耳元で誰かの声が聞こえる。この声は誰…?子供の声にも、青年の声にも、熟年の男性の声にも聞こえる、聞いたことがあるようなないような気のするこの声は、誰なの…?
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「おい歌歩!!!!!」
勝己君の私を呼ぶ声と肩を揺さぶる腕にハッとし、意識が浮上した。
「えっ…?」
「歌歩ちゃん大丈夫…?」
梅雨ちゃんやみんなが心配そうに私のことを見つめていた。何がなんだかわからない。何が…?と聞くと「突然震え始めたんだ。声を掛けても呆然と立ち尽くしていて何も言わなくて…まるで意識がないみたいだったんだ…。汗もかいているし…具合でも悪いのか?」と、飯田君に説明されて気が付いた。全身が汗でぐっしゃりとしていることに。
「とりあえずほら、汗拭きなよ」
気持ち悪いでしょ?と言いながらハンカチを渡してくれる耳郎さんにお礼を言って、ハンカチを使わせてもらった。
「水でも飲むか?」
持って来てやるぞと言ってくれている轟君にお礼を言いつつ大丈夫だというと、「無理すんなよ?」と言われた。
「あの、私、どうしてたの…?」
何がなんだかわからなくて、思わずそんな問いかけをしてしまう。
「緑谷が、突然個性を暴発させたんだ。そしたら無居さん、さっき飯田が言ったように突然震え出して、爆豪が肩揺らして声かけるまで俺達が声かけてもなんにも反応しなくなっちゃったんだ。まるで意識がないみたいで、びっくりしたよ」
まだ顔色も悪いし、保健室でも行く?と気遣ってくれている尾白君に大丈夫だと答えつつ思い出す。
あぁ、そうだ。みんなと一緒に出久君達のチームと心操君達のチームの試合を見てたんだ。最初は普通に見ていたが、出久君の様子が突然可笑しくなって…そしたら周りの声や音が聞こえなくなって、真っ暗な場所にいて出久君と見知らない男の人がいて、2人に近づこうとしたら無数の腕が至る所から生えてきていて、全身を掴まれてそれで…
『———もうすぐだ』
と。目と口を塞がれて、聞き覚えのあるようなないような、少年にも青年にも熟年の男の人にも聞こえるような声で、耳元でそう囁かれたんだ。
「お、おい、無居ほんとに大丈夫か?顔色どんどん悪くなってるぞ…保健室やっぱ行った方が良いんじゃねぇか?」
瀬呂君に言われるが「ほ、ほんとに大丈夫!」と答えることしか出来ない。
「なんかあの、ごめん、ちょっとその、寝ちゃってたみたい…それであの、怖い夢見たっていうかなんて言うのか…」
自分でも、よくわからない…。そういうと、みんな余計困ったような顔をする。困らせてしまって申し訳ないとは思う。だけども本当にその通りなのだから、私もどうしたらいいのかわからない。
…私の態度に、みんな納得は行っていないようだったけれども、困惑している様子を見て、それ以上は言及しないでくれた。
そして出久君達の試合を見ようということになった。
「あれ、そういえば先生達は?」
ふと教師陣が誰もいないことに気が付き呟くと「試合止めに行ったよ。でも、止めそうにないね。緑谷君も落ち着いたみたいだし…」と、透ちゃんが答えてくれた。
「……歌歩。しっかり見てやれよ、『友達』。頑張ってんぞ」
勝己君に言われて、試合へと意識を向けると、出久君と心操君の取っ組み合いが始まろうとしていた。
「約束したんだろ、応援するって。だったら約束通りちゃんと応援してやれ」
じっと2人の様子を見ながら、真剣な顔と声で私に語り掛けてくる。そんな勝己君に頷き、気になることはたくさんあるがとりあえず今は後回しにすることにして2人の戦いを見守ることにした。