向日葵
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「そういえばさ、歌歩ちゃんてひょっとして爆豪君が戦ってるところ見るのって体育祭以外だと初めてじゃない?」
試合を見ていると、透ちゃんにそんなことを尋ねられた。ふと考えてみて、
「体育祭と神野の時を抜くと初めてかも」
「初見が特殊!」
私の答えを聞くと、透ちゃんが驚いたように声を上げた。
「でも見たと言っても、あの時は状況が状況だったから殆ど記憶に残ってないけどね」
あの時は色々なことが起こりすぎてて、勝己君がどんな風に戦っていたかなんて覚えていない。肩に担いでもらっていたからあまり見えていなかったし。…あっでも。勝己君の肩と腕の感触はよく覚えてる。暖かくて、逞しくて、がっしりしてて、安心させてくれるというかなんというか…
『そこまでベタ惚れとは思わなくてさ…』
私が勝己君にベタ惚れ…
「違う違う違う!!絶対それはない!!!」
「歌歩ちゃん?!何、急にどうしたの?!」
絶叫しながら頭を叩いていると、透ちゃんにすごく驚かれてしまった。慌てて大丈夫だというと「顔湯でタコ並みに真っ赤になってるけど本当に大丈夫?!」とつっこまれた。
「あれじゃない?爆豪がイケメンすぎて照れちゃったんじゃない?」
近くにいた芦戸さんがからかうように言ってくる。
「そ、そんなことないよ!そ、そもそも勝己君てイケメンではないでしょ…!粗暴だしわがままだし口悪いし態度大きくて悪人面だし…!」
「突然の暴言やめてあげて歌歩ちゃん」
「無居って意外と毒舌だよね…」
私の発言を聞くと、2人に真顔(透ちゃんは顔見えてないけど)で言われた。私暴言なんて吐いた…?
「芦戸、葉隠、無居。随分楽しそうだな…」
地を這うような低いドスの利いた声がしたかと思うと、私達3人の前に相澤先生が鬼のような形相で近づいてきていた。思わず3人同時に声を上げて、身を寄せ合った。
「3人共仲良しだな。仲良しついでにこの後、3人仲良く補習でも受けるか?」
「すみません、真面目に授業受けます!!!」
3人で深々と頭を下げて謝罪すると、「気抜くなよ」と言って他の先生達の所へと戻って行った。
…なんだか少し離れた場所から視線を感じる。見てみると心操君が私のことをじっと見つめていた。目が合うと口パクで「ばーか」と言われた。ムカつく…!思わず頬を膨らまし心操君を睨むと、吹き出された。完全におちょくられてる…!
◇
「あれれー?僕の目が変なのかな?彼今耳郎さんを庇ったような…」
という物間君の声が聞こえている。勝己君が今耳郎さんを庇ったのだが、そのことが信じられないらしい。切島君がおかしくねぇから大丈夫とのフォローを入れている。すると物間君は「キャラを変えたのかー!!」と半狂乱になっている。
「も、物間君怖い…」
「あのこいつもあんな感じなの。気にしなくて大丈夫だと思うよ」
ぼそっと呟くと、透ちゃんに肩をぽん、と叩かれながら言われた。
物間君てこんな感じなんだ…。黙ってたらイケメンって言われそうなくらい整った顔立ちをしているのにな…。残念なイケメンっていうのかな?勝己君みたい。…ん?勝己君がイケメン…?違う違う違う!!違うってば!勝己君はイケメンじゃない!!!…ていうか勝己君。確かに助けてはいたけれども、さすがに女の子のことを足蹴にするのはどうかと思うよ。そんなことをごちゃごちゃと考えているとその間に耳郎さんと砂糖君と勝己君が抜群のコンビネーションを発揮して、あっという間に2人の生徒を捕らえた。
「みんな息ぴったり…」
「すごいよね、みんな」
急に横からしてきた声に見ると、嬉しそうに笑っている出久君の姿があった。
「いつも以上にかっこいいでしょ、かっちゃん」
なんだか出久君がすごく誇らしげな顔をしている。小さい頃上級生と勝己君が喧嘩して勝っているのを見た時もこんな風な顔して喜んでたな、出久君。
「…うん、すっごいかっこいい」
ボソッと呟くと、出久君はより一層嬉しそうに笑った。自分のことみたいに嬉しそうにしている出久君の顔を見てたら、なんだか私まで嬉しくなってきてつられて笑ってしまった。そんな私達のことを見て、「幼馴染過激派コンビ…」と芦戸さんが呟いていた。過激派?
◇
「かっちゃん!!」
「ドケカス!!」
「し、進行方向上にはいないけど…」
試合が終わって走って嬉しそうにしながら話しかけた出久君に対して勝己君は即座に暴言を浴びせた。
「俺は先に進んでるぞ」
「うん!すごかった!」
「ケッ…テメェには追い付けねぇ速度で」
「超えるよ」
「うっせぇなぁ!んなこと言いに来たんか?!テメェにはぜってぇ超えられねぇよ、燃えカスゴミが!!」
勝己君ほんと口悪いな。子供の頃から余計酷くなってる気がする。そんなんじゃ将来ヴィランっぽいヒーローっていろんな人から言われちゃうよ。…けど。2人共なんかちゃんと、全うなライバルって感じになったな。昔はいじめっ子といじめられっ子だったのに。あんな風になれてちょっと、嬉しいな。あの中に入れないのは、少しだけ寂しいけれども。
「何ぼさっとしてんだよ。また相澤先生に怒られても知らねぇぞ」
2人のやり取りを見ていると、心操君に軽く頭を小突かれながら言われた。
「ぼ、ぼさっとなんてしてないよ!」
「へーへー。そういうことにしといてやるよ」
心操君私のことおちょくってる…というと「気のせいだろ」と、軽く返された。絶対おちょくられてる…!ムスッとしている私のことなんて気にも留めず、心操君はスタスタと試合へ向かおうとしている。あっ
「心操君!!」
慌てて呼ぶと立ち止まってくれた。
「試合頑張ってね!」
と声を掛ける。すると微かに笑いながら「おう。ありがと。頑張ってくる」そう言ってB組の子達の所へ向かって行った。心操君は、物間君を始めとしたB組の子達と同じチームらしい。そして相手チームは…
「無居ー!!心操ばっかじゃなくて私らのことも応援してよー!」
「うわっ、びっくりした!うん、もちろん!頑張ってね!!」
背後からいきなり芦戸さんに抱き着かれてよろけつつも返事をすると、「約束だよー?」とニコニコと笑いながら言われた。
「歌歩ちゃん、行ってくるねー」
「うん、行ってらっしゃい、お茶子ちゃん!」
と、手を振りながらお茶子ちゃん達を見送る。
「歌歩ちゃん、僕も行ってくるね」
出久君も笑顔で話しかけてきた。
「うん。あんまり無理しちゃダメだからね?ケガには十分注意してね!出久君すぐ無茶するんだから!」
「あはは…うん、気をつける…」
出久君が苦笑しているのを見て、しまったと思った。私また、出久君のこと…
「あの、出久く…」
「歌歩ちゃん、いつも心配してくれてありがとう。僕、君のそういう優しくてあったかいとこ大好きだよ」
じゃ、行ってきます!そう笑いながら足早にお茶子ちゃん達のところへと向かって行った。…出久君の人たらし。幼馴染じゃなくて高校生になってから出久君と出会ってたら私きっと、友達としてじゃなくて恋愛対象として好きになってたと思う。ていうかなってた。絶対なってた。そんな気がしてくる。
試合を見ていると、透ちゃんにそんなことを尋ねられた。ふと考えてみて、
「体育祭と神野の時を抜くと初めてかも」
「初見が特殊!」
私の答えを聞くと、透ちゃんが驚いたように声を上げた。
「でも見たと言っても、あの時は状況が状況だったから殆ど記憶に残ってないけどね」
あの時は色々なことが起こりすぎてて、勝己君がどんな風に戦っていたかなんて覚えていない。肩に担いでもらっていたからあまり見えていなかったし。…あっでも。勝己君の肩と腕の感触はよく覚えてる。暖かくて、逞しくて、がっしりしてて、安心させてくれるというかなんというか…
『そこまでベタ惚れとは思わなくてさ…』
私が勝己君にベタ惚れ…
「違う違う違う!!絶対それはない!!!」
「歌歩ちゃん?!何、急にどうしたの?!」
絶叫しながら頭を叩いていると、透ちゃんにすごく驚かれてしまった。慌てて大丈夫だというと「顔湯でタコ並みに真っ赤になってるけど本当に大丈夫?!」とつっこまれた。
「あれじゃない?爆豪がイケメンすぎて照れちゃったんじゃない?」
近くにいた芦戸さんがからかうように言ってくる。
「そ、そんなことないよ!そ、そもそも勝己君てイケメンではないでしょ…!粗暴だしわがままだし口悪いし態度大きくて悪人面だし…!」
「突然の暴言やめてあげて歌歩ちゃん」
「無居って意外と毒舌だよね…」
私の発言を聞くと、2人に真顔(透ちゃんは顔見えてないけど)で言われた。私暴言なんて吐いた…?
「芦戸、葉隠、無居。随分楽しそうだな…」
地を這うような低いドスの利いた声がしたかと思うと、私達3人の前に相澤先生が鬼のような形相で近づいてきていた。思わず3人同時に声を上げて、身を寄せ合った。
「3人共仲良しだな。仲良しついでにこの後、3人仲良く補習でも受けるか?」
「すみません、真面目に授業受けます!!!」
3人で深々と頭を下げて謝罪すると、「気抜くなよ」と言って他の先生達の所へと戻って行った。
…なんだか少し離れた場所から視線を感じる。見てみると心操君が私のことをじっと見つめていた。目が合うと口パクで「ばーか」と言われた。ムカつく…!思わず頬を膨らまし心操君を睨むと、吹き出された。完全におちょくられてる…!
◇
「あれれー?僕の目が変なのかな?彼今耳郎さんを庇ったような…」
という物間君の声が聞こえている。勝己君が今耳郎さんを庇ったのだが、そのことが信じられないらしい。切島君がおかしくねぇから大丈夫とのフォローを入れている。すると物間君は「キャラを変えたのかー!!」と半狂乱になっている。
「も、物間君怖い…」
「あのこいつもあんな感じなの。気にしなくて大丈夫だと思うよ」
ぼそっと呟くと、透ちゃんに肩をぽん、と叩かれながら言われた。
物間君てこんな感じなんだ…。黙ってたらイケメンって言われそうなくらい整った顔立ちをしているのにな…。残念なイケメンっていうのかな?勝己君みたい。…ん?勝己君がイケメン…?違う違う違う!!違うってば!勝己君はイケメンじゃない!!!…ていうか勝己君。確かに助けてはいたけれども、さすがに女の子のことを足蹴にするのはどうかと思うよ。そんなことをごちゃごちゃと考えているとその間に耳郎さんと砂糖君と勝己君が抜群のコンビネーションを発揮して、あっという間に2人の生徒を捕らえた。
「みんな息ぴったり…」
「すごいよね、みんな」
急に横からしてきた声に見ると、嬉しそうに笑っている出久君の姿があった。
「いつも以上にかっこいいでしょ、かっちゃん」
なんだか出久君がすごく誇らしげな顔をしている。小さい頃上級生と勝己君が喧嘩して勝っているのを見た時もこんな風な顔して喜んでたな、出久君。
「…うん、すっごいかっこいい」
ボソッと呟くと、出久君はより一層嬉しそうに笑った。自分のことみたいに嬉しそうにしている出久君の顔を見てたら、なんだか私まで嬉しくなってきてつられて笑ってしまった。そんな私達のことを見て、「幼馴染過激派コンビ…」と芦戸さんが呟いていた。過激派?
◇
「かっちゃん!!」
「ドケカス!!」
「し、進行方向上にはいないけど…」
試合が終わって走って嬉しそうにしながら話しかけた出久君に対して勝己君は即座に暴言を浴びせた。
「俺は先に進んでるぞ」
「うん!すごかった!」
「ケッ…テメェには追い付けねぇ速度で」
「超えるよ」
「うっせぇなぁ!んなこと言いに来たんか?!テメェにはぜってぇ超えられねぇよ、燃えカスゴミが!!」
勝己君ほんと口悪いな。子供の頃から余計酷くなってる気がする。そんなんじゃ将来ヴィランっぽいヒーローっていろんな人から言われちゃうよ。…けど。2人共なんかちゃんと、全うなライバルって感じになったな。昔はいじめっ子といじめられっ子だったのに。あんな風になれてちょっと、嬉しいな。あの中に入れないのは、少しだけ寂しいけれども。
「何ぼさっとしてんだよ。また相澤先生に怒られても知らねぇぞ」
2人のやり取りを見ていると、心操君に軽く頭を小突かれながら言われた。
「ぼ、ぼさっとなんてしてないよ!」
「へーへー。そういうことにしといてやるよ」
心操君私のことおちょくってる…というと「気のせいだろ」と、軽く返された。絶対おちょくられてる…!ムスッとしている私のことなんて気にも留めず、心操君はスタスタと試合へ向かおうとしている。あっ
「心操君!!」
慌てて呼ぶと立ち止まってくれた。
「試合頑張ってね!」
と声を掛ける。すると微かに笑いながら「おう。ありがと。頑張ってくる」そう言ってB組の子達の所へ向かって行った。心操君は、物間君を始めとしたB組の子達と同じチームらしい。そして相手チームは…
「無居ー!!心操ばっかじゃなくて私らのことも応援してよー!」
「うわっ、びっくりした!うん、もちろん!頑張ってね!!」
背後からいきなり芦戸さんに抱き着かれてよろけつつも返事をすると、「約束だよー?」とニコニコと笑いながら言われた。
「歌歩ちゃん、行ってくるねー」
「うん、行ってらっしゃい、お茶子ちゃん!」
と、手を振りながらお茶子ちゃん達を見送る。
「歌歩ちゃん、僕も行ってくるね」
出久君も笑顔で話しかけてきた。
「うん。あんまり無理しちゃダメだからね?ケガには十分注意してね!出久君すぐ無茶するんだから!」
「あはは…うん、気をつける…」
出久君が苦笑しているのを見て、しまったと思った。私また、出久君のこと…
「あの、出久く…」
「歌歩ちゃん、いつも心配してくれてありがとう。僕、君のそういう優しくてあったかいとこ大好きだよ」
じゃ、行ってきます!そう笑いながら足早にお茶子ちゃん達のところへと向かって行った。…出久君の人たらし。幼馴染じゃなくて高校生になってから出久君と出会ってたら私きっと、友達としてじゃなくて恋愛対象として好きになってたと思う。ていうかなってた。絶対なってた。そんな気がしてくる。