向日葵
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「首元に手形の痕…は、確認出来ないね」
先程の首元の手形のことを話し、診察をしてくれているお医者さんに報告したが、改めて見てみるとその痕は跡形も無く消えて無くなっていた。
「で、でも…確かにさっき、首元にあったんです…。うっすらと、小さい子どもの手みたいな痕が…!」
そう言っても、お医者さんは困ったような顔をする。確かに、夢の中で男の子に首に手を置かれて、その置かれていた位置に手形が出来てました…なんて話、されても困るだけだろうけど、事実だからそう伝えるしかない…。
「まぁとりあえず、今日の精密検査の結果次第かな…」
お医者さんが頭を掻きながら言う。
「もし検査の結果何もわからなかったら、入院してもらうことになるかもな…」
えっ
「入院…ですか…?」
「まだ確定ではないけどね。あっ入院と言ってもそんな長期間ではないし、そんな大袈裟な話でもないよ。1週間か2週間くらいかな。それくらいの期間入院して、じっくり検査してみるんだ。沢山診る時間があれば何かわかることがあるかもしれないからね」
とは言ってもまだ精密検査の結果が出るまでなんとも言えないし、君が入院するのがいやだって言うなら無理強いはしないけどね、と付け足された。
「なんにせよ、精密検査の結果が出てからじゃないとなんとも言えないからね。続きは次の検診の時にしよう」
そう言われて話を締め括られた。お医者さんにお礼を言い、病室を後にした。
◇
「入院を勧められた?診断結果そんなに悪かったのか?」
病院からの帰宅途中の車の中で検診の結果を報告すると、マイク先生にそう尋ねられた。
「いえ…今のところ何もわからないみたいで…。それで今日の検診の結果何もわからないようだったら1週間か2週間くらい入院してじっくり検査してみないかって言われたんです」
そう説明すると「なるほどなー…なんかお前も色々大変だな」と気遣うような言葉をかけられた。
「すみません、迷惑ばっかりかけてしまって…」
「迷惑ってお前、それは違うだろ」
先生が呆れたように言う。首を傾げていると、「ハァ〜…」とわざとらしく大袈裟に溜息を吐かれた。
「なぁ無居。お前体育祭の時、緑谷と轟の試合の後、緑谷心配して血相変えて医務室行ったんだってな」
突然の話題に困惑しつつも「はい」と返事をすると
「そん時、緑谷のこと迷惑だって思ったか?」
出久君を迷惑だと…?
「そんなこと思う訳ないじゃないですか…!」
「それと同じだよ」
私が声を上げると、マイク先生は笑う。訳がわからなくて、首を傾げる。
「俺や相澤、他の教師達も、それからA組の連中にC組の奴らも、みんなお前のこと迷惑だなんて思うわけねぇだろ」
笑いながら頭をポン、と撫でられた。
「お前はもう少し、周りの奴にどんな風に思われてるのかってのをちゃんとしっかりと考えてみたほうがいいと思うぜ」
これ人生の先輩からのアドバイスな!そう付け足された。
「どんな風に思われてるのか…?」
「おう。なんかお前、そういうのあんま出来てない気がすんだよ」
それって、私すごく自己中ってことですか…?と聞くと、また笑われた。
「むしろ逆だ逆!周りの連中に気つかいすぎてるように俺には見えんだよ。大丈夫じゃねぇのに大丈夫だっつって無理して1人で全部抱え込んじまってんじゃねぇかってな」
大丈夫じゃないのに大丈夫って言って…あっ
『大丈夫な訳ねぇのに、ブッサイクな笑顔で大丈夫っつって無理するようになっちまった…』
『そのブッサイクな作り笑い。それして嘘ついて無理すんのやめろっつってんだろ』
あぁ、そっか。そういうことか。勝己君、こういうことが言いたかったんだ。
「思い当たる節、あったか?」
マイク先生の問い掛けに、こくりと頷くとまた頭を撫でられた。
「これからはよ、もう少し周りの奴…俺や相澤とか教師陣でもいいし、爆豪とか緑谷とか、ダチを頼るってことを覚えろよな」
人間ってのはさ、1人じゃ生きていけねぇもんなんだからよ。そう優しく諭してくるマイク先生に、静かに頷いた。
◇
「先生、運転手さん。今日は病院まで連れて行ってくれてありがとうございました!お世話になりました!」
雄英に着き、車から降り、2人に深々と頭を下げてお礼を言う。
「おうおう、また次も行こうな!このままA組とB組の見学行くのか?」
「あー…いえ、その前にちょっとエリちゃんのところへ寄ろうと思ってます」
病院のところにあったお店で買ったお菓子を渡したいので、というと「そうか。きっと喜ぶだろうな!」とニカっと笑いながら言うマイク先生にまた頭を下げ、足早にエリちゃんの元へと向かう。
周りの人を頼る…勝己君、ずっとそう言ってくれてたんだ。勝己君も出久君も、私が1人で抱え込んでるってずっと…ずっと心配してくれてたんだ。
『勝己君はいつも歌歩のこと守ってくれて助けてくれるから、歌歩のヒーローだね!』
そう言ってたのは私なのに。なのにどうして忘れてたんだろう。バカだな、ほんと。
これからはもっと勝己君…それから周りの人のことをもっと頼ってみよう。もっと、色んな人としっかり話してみよう。いきなりは無理かもしれないけど。少しずつ。少しずつそうして行ってみよう。
そう決意を固めながら歩みを進めていると、エリちゃんのいる教室に辿り着いた。
先程の首元の手形のことを話し、診察をしてくれているお医者さんに報告したが、改めて見てみるとその痕は跡形も無く消えて無くなっていた。
「で、でも…確かにさっき、首元にあったんです…。うっすらと、小さい子どもの手みたいな痕が…!」
そう言っても、お医者さんは困ったような顔をする。確かに、夢の中で男の子に首に手を置かれて、その置かれていた位置に手形が出来てました…なんて話、されても困るだけだろうけど、事実だからそう伝えるしかない…。
「まぁとりあえず、今日の精密検査の結果次第かな…」
お医者さんが頭を掻きながら言う。
「もし検査の結果何もわからなかったら、入院してもらうことになるかもな…」
えっ
「入院…ですか…?」
「まだ確定ではないけどね。あっ入院と言ってもそんな長期間ではないし、そんな大袈裟な話でもないよ。1週間か2週間くらいかな。それくらいの期間入院して、じっくり検査してみるんだ。沢山診る時間があれば何かわかることがあるかもしれないからね」
とは言ってもまだ精密検査の結果が出るまでなんとも言えないし、君が入院するのがいやだって言うなら無理強いはしないけどね、と付け足された。
「なんにせよ、精密検査の結果が出てからじゃないとなんとも言えないからね。続きは次の検診の時にしよう」
そう言われて話を締め括られた。お医者さんにお礼を言い、病室を後にした。
◇
「入院を勧められた?診断結果そんなに悪かったのか?」
病院からの帰宅途中の車の中で検診の結果を報告すると、マイク先生にそう尋ねられた。
「いえ…今のところ何もわからないみたいで…。それで今日の検診の結果何もわからないようだったら1週間か2週間くらい入院してじっくり検査してみないかって言われたんです」
そう説明すると「なるほどなー…なんかお前も色々大変だな」と気遣うような言葉をかけられた。
「すみません、迷惑ばっかりかけてしまって…」
「迷惑ってお前、それは違うだろ」
先生が呆れたように言う。首を傾げていると、「ハァ〜…」とわざとらしく大袈裟に溜息を吐かれた。
「なぁ無居。お前体育祭の時、緑谷と轟の試合の後、緑谷心配して血相変えて医務室行ったんだってな」
突然の話題に困惑しつつも「はい」と返事をすると
「そん時、緑谷のこと迷惑だって思ったか?」
出久君を迷惑だと…?
「そんなこと思う訳ないじゃないですか…!」
「それと同じだよ」
私が声を上げると、マイク先生は笑う。訳がわからなくて、首を傾げる。
「俺や相澤、他の教師達も、それからA組の連中にC組の奴らも、みんなお前のこと迷惑だなんて思うわけねぇだろ」
笑いながら頭をポン、と撫でられた。
「お前はもう少し、周りの奴にどんな風に思われてるのかってのをちゃんとしっかりと考えてみたほうがいいと思うぜ」
これ人生の先輩からのアドバイスな!そう付け足された。
「どんな風に思われてるのか…?」
「おう。なんかお前、そういうのあんま出来てない気がすんだよ」
それって、私すごく自己中ってことですか…?と聞くと、また笑われた。
「むしろ逆だ逆!周りの連中に気つかいすぎてるように俺には見えんだよ。大丈夫じゃねぇのに大丈夫だっつって無理して1人で全部抱え込んじまってんじゃねぇかってな」
大丈夫じゃないのに大丈夫って言って…あっ
『大丈夫な訳ねぇのに、ブッサイクな笑顔で大丈夫っつって無理するようになっちまった…』
『そのブッサイクな作り笑い。それして嘘ついて無理すんのやめろっつってんだろ』
あぁ、そっか。そういうことか。勝己君、こういうことが言いたかったんだ。
「思い当たる節、あったか?」
マイク先生の問い掛けに、こくりと頷くとまた頭を撫でられた。
「これからはよ、もう少し周りの奴…俺や相澤とか教師陣でもいいし、爆豪とか緑谷とか、ダチを頼るってことを覚えろよな」
人間ってのはさ、1人じゃ生きていけねぇもんなんだからよ。そう優しく諭してくるマイク先生に、静かに頷いた。
◇
「先生、運転手さん。今日は病院まで連れて行ってくれてありがとうございました!お世話になりました!」
雄英に着き、車から降り、2人に深々と頭を下げてお礼を言う。
「おうおう、また次も行こうな!このままA組とB組の見学行くのか?」
「あー…いえ、その前にちょっとエリちゃんのところへ寄ろうと思ってます」
病院のところにあったお店で買ったお菓子を渡したいので、というと「そうか。きっと喜ぶだろうな!」とニカっと笑いながら言うマイク先生にまた頭を下げ、足早にエリちゃんの元へと向かう。
周りの人を頼る…勝己君、ずっとそう言ってくれてたんだ。勝己君も出久君も、私が1人で抱え込んでるってずっと…ずっと心配してくれてたんだ。
『勝己君はいつも歌歩のこと守ってくれて助けてくれるから、歌歩のヒーローだね!』
そう言ってたのは私なのに。なのにどうして忘れてたんだろう。バカだな、ほんと。
これからはもっと勝己君…それから周りの人のことをもっと頼ってみよう。もっと、色んな人としっかり話してみよう。いきなりは無理かもしれないけど。少しずつ。少しずつそうして行ってみよう。
そう決意を固めながら歩みを進めていると、エリちゃんのいる教室に辿り着いた。