向日葵
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―――お兄ちゃん目の色真っ赤!勝己君とお揃いだ。良いなぁー。
『勝己君?』
―――うん、勝己君!歌歩のね、お友達なの。
『友達…』
―――うん!勝己君ね、すごくすごーっくかっこいいんだよ。大好き!お顔怖くて時々意地悪だけど。
『顔怖くて意地悪なのに好きなのかよ』
―――うん!だっていつもね、歌歩が泣いてるとすぐに慰めてくれてね、頭撫でてくれておんぶしてくれるの!それに歌歩が困ってると助けてくれて守ってくれるの。だから歌歩は勝己君がだーいすき!勝己君は歌歩のヒーローなんだよ。
『……』
―――今日お誕生日だからって言ってね、このお花の冠も作ってくれたの!そしたら出久君が歌歩ちゃんお姫様みたいで可愛いって褒めてくれたの!
『出久君?』
―――うん、出久君。勝己君の次に大好きなお友達なの。すっごくすっっっごく仲良しなんだよ。パパもね、歌歩は世界で1番可愛いお姫様だって言ってくれたの!お姫様って可愛くていつも綺麗なドレス着れるから嬉しい。歌歩はお姫様よりも勝己君のお嫁さんになれた方が嬉しいけど。…あっ!い、今の内緒だよ?!内緒!
『は?内緒?』
―――うん、内緒!歌歩が勝己君のお嫁さんになりたいっていう歌歩の夢!それは歌歩と出久君だけの内緒なの。だからお兄ちゃんも誰にも言わないで!
『誰にも言わねェよ。つか興味もねぇ』
―――本当?お兄ちゃんありがとう!約束だよ?ゆーびきーりげんまん…うーそついたらはりせんぼんのーます!ゆーびきった!!!
◇
「…ちゃん、歌歩ちゃん…歌歩ちゃん!!」
私のことを呼ぶ声と、肩を揺さぶられる感覚で意識が浮上した。
「あ…お茶子、ちゃん…?」
「うん、お茶子だよー。やっと起きたー。こんな所で寝ちゃったら風邪引いちゃうよー?」
そう言われて、自分が共有スペースのソファに座ったまま眠ってしまっていたことに気がついた。
「あっ…ごめんね、ありがとう」
「いえいえー。最近なんかずっと眠そうだね。大丈夫?なんかこの前いつも夢視て熟睡出来ないって言ってたけど相変わらずなの?」
お茶子ちゃんが心配そうに私のことを見つめながら言う。
「うん…。八百万さんにお勧めしてもらった紅茶とか飲んでみたりもしたんだけどなんかイマイチ効果なくて…」
そうなんだ…熟睡できないってキツイよね…と言いながら、お茶子ちゃんは考え込みだすようなそぶりを見せた。自分のことみたいに考えてくれている様だ。優しい子だなー…。
「もしその状態が続く様ならリカバリーガールとかに相談してみた方がいいんじゃない?歌歩ちゃん最近顔色悪い事あるし…」
気遣わしげに言ってくれるお茶子ちゃんにお礼を言って先生達に相談してみる事を検討することにした。
そう言えば今日の夢はなんだったんだろう?この前出てきたお兄さんかな?やっぱり顔は見えなかったけど、夢の中の私が『勝己君とお揃い』って言ってたから赤い目をした人なのかな。あのお兄さん、どこかで会ったことあるのかな?全然記憶にない。
……そう言えば、夢の中の私なんかとんでもない事言ってなかった?夢…夢…勝己君の、お嫁さん…。勝己君のお嫁さん?!
私見ず知らずのお兄さんに勝己君のお嫁さんになりたいって話してたの?!あっそ、そういえば…
『出久君、出久君!出久君には特別に歌歩の夢教えてあげる。でも、他の子達…特に勝己君には内緒だよ?』
そう言って幼稚園の頃確か出久君に…
『あのね、歌歩ね…大きくなったら、勝己君のお嫁さんになりたいの!』
と、とんでもなく恥ずかしい事出久君に言ってた…!
「歌歩ちゃん?だ、大丈夫?顔真っ赤だよ?やっぱり風邪引いちゃった?」
お茶子ちゃんが心配そうに声を掛けてくれているが、そんなこと気にしている余裕なんてない。
よ、幼稚園の頃の私恥ずかしすぎるよバカ…!い、出久君約束守ってくれてるかな?というか、私が話してた内容自体きれいさっぱり忘れてて欲しい…。
出久君どんな思いで私の話し聞いてたんだろう…。バカな幼馴染がバカな話してるとか思われちゃってた?!いや出久君に限ってそんなこと思う訳ないとは思うけど…。
「あぁもう!!私のバカァァァッッッ!!!!!」
「歌歩ちゃん????!!!」
自分の頭を机にゴンゴンとぶつけ始めた私のことを見てお茶子ちゃんが驚いて声を上げているが、そんなこと気に留めてる余裕なんてない。
神様、神様お願いします。どうかどうか、私の話した内容を、出久君の記憶から抹消してください。あと、あの夢に出てきたお兄さんが実在する人物ではありませんように。
―――
―――――男の子の、泣き声がする。誰?出久君?
『うっうぅっ…』
―――あれ、出久君じゃない…。お兄ちゃん、だぁれ?どうして泣いているの?
『うっうぅっ…みんな、みんな嫌いだ…!』
―――ねぇ、どうして泣いてるの?大丈夫?どこか痛いの?
『うるさい』
―――えっ?
『うるさい!!黙れ!!!』
―――ッ?!アッ…や、やめ、やめ…て、やめて…!
『うるさい!殺してやる…殺してやる!!』
◇
「イヤァァァァッッッ!!!…っゆ、ゆめ…?」
冷や汗と動悸が止まらない。なんなの今の夢…。男の子が泣いてて、それを見つけた小さい頃の私が話しかけて、そしたら突然その子が怒ったみたいに声を上げて、首を、絞められた…。すごくはっきりとした夢だった。夢のはずなのに、なんだか妙なリアリティがあった…。怖い…怖い、怖い!!!
どうしよう、眠れそうにない…。1人でいたくない…。助けて、勝己君…。
ふと時計を見る。今は朝方の5時…!
◇
走り込みに行く支度をしていると、部屋のドアを叩く音がした。誰だこんな時間に…?不審に思いつつもドアを開けると、空けた瞬間勢いよく歌歩に抱き着かれた。
「ッ?!歌歩、どうした?!」
こんな時間に突然来た歌歩は酷く震えている。
「お、おい…どうした…?」
そう質問しても、震えて抱き着いたまま離れない。どうしたものかと思いつつも、とりあえず部屋に上げることにした。
◇
「勝己君、ごめんね、こんな時間に突然来ちゃって…」
ホットミルクを飲みながら、いくらか落ち着いたらしい歌歩が申し訳なさそうに謝ってくる。
「別に。…急にどうしたんだよ」
「…笑わない?」
泣きそうな顔で見つめながら、質問してきた。
「笑わねェから言えよ」
そう返答すると、少し遠慮がちに口を開き、
「怖い、夢を視たの…」
と答えた。
「……は?」
思わずそんな声が漏れる。
「は?なんて言わないでよ!」
俺のリアクションを見て、更に泣きそうになりながら言う。そんな歌歩に焦りつつ「わ、悪かったよ…」と謝る。
「けど怖い夢視て泣きそうになりながら男の部屋に来るのはどうかと思うぞ…」
もう少し危機感持てよ…そう言うと小声で「ご、ごめん…」と呟いた。…俺の言った言葉の真意、伝わってるのだろうか。多分伝わってねェな。
「どうしても怖くて…1人でいるの耐えられなくて…それで、今の時間だったらもしかしたら勝己君、走り込み行くために起きてるかもって思って…。それでつい、来ちゃったの…」
俯きながら言う歌歩はまた、震えだした。ここまで怯えるっていったいどんな夢視たんだ…?気になるが今は聞かねぇ方が良さそうだ。つかコイツ顔色悪いな。ったく…。
「とりあえずお前、寝ろ。睡眠足りてねぇだろ」
そう言いながら腕を引き、ベットに入らせた。
「えっで、でも…!」
「良いから寝ろ。起きるまで一緒に居てやるし、万が一怖い夢視て魘されてたらガキの頃みてぇに起こしてやる。だから今は寝ろ」
言いながら軽く頭を撫でてやると、安心したのか
「…うん。勝己君、ありがとう…」
そう言って寝る体制に入った。
暫くすると規則正しい寝息を立て始めた。無事寝た様だ。
……寝顔、ガキの頃と全く変わらねぇな。
今度は良い夢視ろよな。そう思いながらもう一度頭を撫でてやると、嬉しそうに笑った。
『勝己君?』
―――うん、勝己君!歌歩のね、お友達なの。
『友達…』
―――うん!勝己君ね、すごくすごーっくかっこいいんだよ。大好き!お顔怖くて時々意地悪だけど。
『顔怖くて意地悪なのに好きなのかよ』
―――うん!だっていつもね、歌歩が泣いてるとすぐに慰めてくれてね、頭撫でてくれておんぶしてくれるの!それに歌歩が困ってると助けてくれて守ってくれるの。だから歌歩は勝己君がだーいすき!勝己君は歌歩のヒーローなんだよ。
『……』
―――今日お誕生日だからって言ってね、このお花の冠も作ってくれたの!そしたら出久君が歌歩ちゃんお姫様みたいで可愛いって褒めてくれたの!
『出久君?』
―――うん、出久君。勝己君の次に大好きなお友達なの。すっごくすっっっごく仲良しなんだよ。パパもね、歌歩は世界で1番可愛いお姫様だって言ってくれたの!お姫様って可愛くていつも綺麗なドレス着れるから嬉しい。歌歩はお姫様よりも勝己君のお嫁さんになれた方が嬉しいけど。…あっ!い、今の内緒だよ?!内緒!
『は?内緒?』
―――うん、内緒!歌歩が勝己君のお嫁さんになりたいっていう歌歩の夢!それは歌歩と出久君だけの内緒なの。だからお兄ちゃんも誰にも言わないで!
『誰にも言わねェよ。つか興味もねぇ』
―――本当?お兄ちゃんありがとう!約束だよ?ゆーびきーりげんまん…うーそついたらはりせんぼんのーます!ゆーびきった!!!
◇
「…ちゃん、歌歩ちゃん…歌歩ちゃん!!」
私のことを呼ぶ声と、肩を揺さぶられる感覚で意識が浮上した。
「あ…お茶子、ちゃん…?」
「うん、お茶子だよー。やっと起きたー。こんな所で寝ちゃったら風邪引いちゃうよー?」
そう言われて、自分が共有スペースのソファに座ったまま眠ってしまっていたことに気がついた。
「あっ…ごめんね、ありがとう」
「いえいえー。最近なんかずっと眠そうだね。大丈夫?なんかこの前いつも夢視て熟睡出来ないって言ってたけど相変わらずなの?」
お茶子ちゃんが心配そうに私のことを見つめながら言う。
「うん…。八百万さんにお勧めしてもらった紅茶とか飲んでみたりもしたんだけどなんかイマイチ効果なくて…」
そうなんだ…熟睡できないってキツイよね…と言いながら、お茶子ちゃんは考え込みだすようなそぶりを見せた。自分のことみたいに考えてくれている様だ。優しい子だなー…。
「もしその状態が続く様ならリカバリーガールとかに相談してみた方がいいんじゃない?歌歩ちゃん最近顔色悪い事あるし…」
気遣わしげに言ってくれるお茶子ちゃんにお礼を言って先生達に相談してみる事を検討することにした。
そう言えば今日の夢はなんだったんだろう?この前出てきたお兄さんかな?やっぱり顔は見えなかったけど、夢の中の私が『勝己君とお揃い』って言ってたから赤い目をした人なのかな。あのお兄さん、どこかで会ったことあるのかな?全然記憶にない。
……そう言えば、夢の中の私なんかとんでもない事言ってなかった?夢…夢…勝己君の、お嫁さん…。勝己君のお嫁さん?!
私見ず知らずのお兄さんに勝己君のお嫁さんになりたいって話してたの?!あっそ、そういえば…
『出久君、出久君!出久君には特別に歌歩の夢教えてあげる。でも、他の子達…特に勝己君には内緒だよ?』
そう言って幼稚園の頃確か出久君に…
『あのね、歌歩ね…大きくなったら、勝己君のお嫁さんになりたいの!』
と、とんでもなく恥ずかしい事出久君に言ってた…!
「歌歩ちゃん?だ、大丈夫?顔真っ赤だよ?やっぱり風邪引いちゃった?」
お茶子ちゃんが心配そうに声を掛けてくれているが、そんなこと気にしている余裕なんてない。
よ、幼稚園の頃の私恥ずかしすぎるよバカ…!い、出久君約束守ってくれてるかな?というか、私が話してた内容自体きれいさっぱり忘れてて欲しい…。
出久君どんな思いで私の話し聞いてたんだろう…。バカな幼馴染がバカな話してるとか思われちゃってた?!いや出久君に限ってそんなこと思う訳ないとは思うけど…。
「あぁもう!!私のバカァァァッッッ!!!!!」
「歌歩ちゃん????!!!」
自分の頭を机にゴンゴンとぶつけ始めた私のことを見てお茶子ちゃんが驚いて声を上げているが、そんなこと気に留めてる余裕なんてない。
神様、神様お願いします。どうかどうか、私の話した内容を、出久君の記憶から抹消してください。あと、あの夢に出てきたお兄さんが実在する人物ではありませんように。
―――
―――――男の子の、泣き声がする。誰?出久君?
『うっうぅっ…』
―――あれ、出久君じゃない…。お兄ちゃん、だぁれ?どうして泣いているの?
『うっうぅっ…みんな、みんな嫌いだ…!』
―――ねぇ、どうして泣いてるの?大丈夫?どこか痛いの?
『うるさい』
―――えっ?
『うるさい!!黙れ!!!』
―――ッ?!アッ…や、やめ、やめ…て、やめて…!
『うるさい!殺してやる…殺してやる!!』
◇
「イヤァァァァッッッ!!!…っゆ、ゆめ…?」
冷や汗と動悸が止まらない。なんなの今の夢…。男の子が泣いてて、それを見つけた小さい頃の私が話しかけて、そしたら突然その子が怒ったみたいに声を上げて、首を、絞められた…。すごくはっきりとした夢だった。夢のはずなのに、なんだか妙なリアリティがあった…。怖い…怖い、怖い!!!
どうしよう、眠れそうにない…。1人でいたくない…。助けて、勝己君…。
ふと時計を見る。今は朝方の5時…!
◇
走り込みに行く支度をしていると、部屋のドアを叩く音がした。誰だこんな時間に…?不審に思いつつもドアを開けると、空けた瞬間勢いよく歌歩に抱き着かれた。
「ッ?!歌歩、どうした?!」
こんな時間に突然来た歌歩は酷く震えている。
「お、おい…どうした…?」
そう質問しても、震えて抱き着いたまま離れない。どうしたものかと思いつつも、とりあえず部屋に上げることにした。
◇
「勝己君、ごめんね、こんな時間に突然来ちゃって…」
ホットミルクを飲みながら、いくらか落ち着いたらしい歌歩が申し訳なさそうに謝ってくる。
「別に。…急にどうしたんだよ」
「…笑わない?」
泣きそうな顔で見つめながら、質問してきた。
「笑わねェから言えよ」
そう返答すると、少し遠慮がちに口を開き、
「怖い、夢を視たの…」
と答えた。
「……は?」
思わずそんな声が漏れる。
「は?なんて言わないでよ!」
俺のリアクションを見て、更に泣きそうになりながら言う。そんな歌歩に焦りつつ「わ、悪かったよ…」と謝る。
「けど怖い夢視て泣きそうになりながら男の部屋に来るのはどうかと思うぞ…」
もう少し危機感持てよ…そう言うと小声で「ご、ごめん…」と呟いた。…俺の言った言葉の真意、伝わってるのだろうか。多分伝わってねェな。
「どうしても怖くて…1人でいるの耐えられなくて…それで、今の時間だったらもしかしたら勝己君、走り込み行くために起きてるかもって思って…。それでつい、来ちゃったの…」
俯きながら言う歌歩はまた、震えだした。ここまで怯えるっていったいどんな夢視たんだ…?気になるが今は聞かねぇ方が良さそうだ。つかコイツ顔色悪いな。ったく…。
「とりあえずお前、寝ろ。睡眠足りてねぇだろ」
そう言いながら腕を引き、ベットに入らせた。
「えっで、でも…!」
「良いから寝ろ。起きるまで一緒に居てやるし、万が一怖い夢視て魘されてたらガキの頃みてぇに起こしてやる。だから今は寝ろ」
言いながら軽く頭を撫でてやると、安心したのか
「…うん。勝己君、ありがとう…」
そう言って寝る体制に入った。
暫くすると規則正しい寝息を立て始めた。無事寝た様だ。
……寝顔、ガキの頃と全く変わらねぇな。
今度は良い夢視ろよな。そう思いながらもう一度頭を撫でてやると、嬉しそうに笑った。