向日葵
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雄英の文化祭は、1クラスにつき1つ、何か出し物をするということになっている。A組はクラスメイト全員でバンドとダンスの発表をするらしい。みんな楽器の練習やダンスの練習、ステージの演出についてなど毎日遅くまで話し合ったりしてて忙しそうだ。けどそれ以上にすごく楽しそうで、そんなみんなを見ていると、私まで楽しい気持ちになってくる。みんなの出し物、成功してほしいな。
「歌歩ちゃん、今ちょっとだけ良い?」
保健室で本を読んでいると、出久君に声を掛けられた。
「出久君どうしたの?」
「今ね、エリちゃんが来てるんだ。文化祭当日にいきなり来てパニック起こしたりしたら大変だろうからってことで。それで、文化祭一緒に回るんだったら歌歩ちゃんも会っておいた方がいいかなって思って」
あっもちろんダメなら良いんだ!という出久君にクスッと笑いつつ、「うん、わかった。私もエリちゃんに会ってみたいから今から行くね」と答えると、ほっとしたような顔で「ありがとう!じゃあ行こう」と、手を差し出してきた。首を傾げてみると、慌てた様子で
「あっごめん!小さい頃の癖でつい手繋ごうとしちゃった!!」
と言いながら手を引っ込めた。
慌てて顔を赤くしながら弁解している出久君の様子がちょっとかわいいなと思って笑ってしまうと、少し不満そうな顔で見つめられた。
◇
「せんぱーい!エリちゃーん!!歌歩ちゃん連れてきましたー!!!」
出久君が少し離れた所にいる通形先輩に声を掛け、手を振りながら駆け寄っていく。その後ろを一生懸命追い駆ける。出久君、全然本気で走ってはいないんだろうけどもそれでも結構早い…!走り寄って行く私達に向かって嬉しそうに「おー!緑谷くーん、無居さーん!!」と通形先輩が手を振っている。
「お待たせしました!」
先輩に近付くと出久君がペコリと頭を下げた。そんな出久君に「全然だよー!」と先輩が答えている。そんな2人のやり取りを見つつ息を整えていると、視線を感じた。視線の方に目を向けてみると、通形先輩の後ろに隠れていた女の子がうかがう様に私のことを見つめていた。この子がエリちゃん…かな?お人形さんみたいですごく可愛い。
「あっエリちゃん紹介するね。このお姉さんがさっき話してた僕の友達の、無居歌歩さんって言うんだよ」
出久君がしゃがんでエリちゃんと目を合わせながらニコニコと笑って私のことを紹介している。
「デクさんの…お友達…?」
エリちゃんが出久君のことをじっと見つめながら首を傾げつつ出久君の言葉を繰り返し私のことを改めてじっと見つめてきた。ぱっちりとした大きな目が、探る様に私のことを見つめている。可愛い…!
出久君を見習ってしゃがみエリちゃんに目を合わせながら
「こんにちは、私の名前は無居歌歩って言うの。よろしくね、エリちゃん」
なるべく優しい口調と笑顔を意識して自己紹介をする。…ちゃんと出来ているかな?エリちゃんは私のことを通形先輩の後ろに隠れながらじっと見つめている。
「こ、こんにちは…」
「こんにちは。ちゃんと挨拶することが出来て偉いね」
そう言うとエリちゃんは通形先輩の後ろに完全に隠れてしまった。どうしよう、怖がらせてしまったかな…。
「恥ずかしがり屋さんなんだよね、エリちゃん」
先輩がニコニコと優しく笑いながらエリちゃんに声を掛けている。
エリちゃんは先輩のズボンをぎゅっと握りながら、微かに頷いた。
…通形先輩のこと、とても頼りにしているんだろうな。そんな存在が近くにいてくれると、安心するし嬉しいよね。エリちゃんにとって通形先輩は、私にとっての勝己君みたいな存在なのかな。…勝己君と先輩じゃあ、大分雰囲気が違うけれども。
◇
今日は休日だけれども、みんな文化祭の準備で登校している様だ。どこもかしこも賑やかだ。そんな様子をエリちゃんは不思議そうに見ている。怖がっている様子はなさそうだけれども、少し疲れているのかな?ちょっとついて行けてなさそうだ。
「あっ無居さんごめんね。俺ちょっとクラスに顔出してくるからその間エリちゃんと2人で待っててもらっていいかな?」
そう頼まれたので、了承すると先輩は「ありがとう!じゃあお願いね、すぐ戻るから!」と言って足早に去って行った。
……どうしよう、何を話せばいいのか分からない。今、私とエリちゃんは2人切り。通形先輩は教室へ行ってしまい、出久君ももう休憩が終わるからと言ってダンスの練習に戻ってしまった。ど、どうしよう、どうしたらいいの?やっぱり通形先輩について行った方が良かったかな。エリちゃんも、私と2人よりもそうして上げた方が良かった気がする…。
「あ、あの…」
エリちゃんが遠慮がちに話しかけてきた。
「なぁに?エリちゃんどうしたの?あっジュースもっと飲みたい?」
そう尋ねてみるとゆっくりと首を横に振った。
「あの、ね…お姉さんのこと、なんて呼べばいい…?」
「私のこと?」
質問を返すと、コクリと頷かれた。
「なんて呼んでもいいよ。エリちゃんが呼びたいなって思う呼び方で呼んでほしいな」
そう答えると「私が呼びたい呼び方…」うーん…と一生懸命考え始めた。必死に考えているエリちゃんの姿も、すごくすごく可愛い。こんなに頑張って考えてくれるなんてとても嬉しいな。
「じゃあ…歌歩さんて、呼ぶね…」
「うん、ありがとう、エリちゃん!」
お礼を言うと、少し恥ずかしそうに俯いてしまった。少しだけ…本当に少しだけだけれども、エリちゃんとの距離を縮めることが出来たような気がする。この調子で仲良くすることが出来る様になればいいな。通形先輩や出久君みたいに…というのはまだまだ難しいだろうなとは思うけど。
「歌歩ちゃん、今ちょっとだけ良い?」
保健室で本を読んでいると、出久君に声を掛けられた。
「出久君どうしたの?」
「今ね、エリちゃんが来てるんだ。文化祭当日にいきなり来てパニック起こしたりしたら大変だろうからってことで。それで、文化祭一緒に回るんだったら歌歩ちゃんも会っておいた方がいいかなって思って」
あっもちろんダメなら良いんだ!という出久君にクスッと笑いつつ、「うん、わかった。私もエリちゃんに会ってみたいから今から行くね」と答えると、ほっとしたような顔で「ありがとう!じゃあ行こう」と、手を差し出してきた。首を傾げてみると、慌てた様子で
「あっごめん!小さい頃の癖でつい手繋ごうとしちゃった!!」
と言いながら手を引っ込めた。
慌てて顔を赤くしながら弁解している出久君の様子がちょっとかわいいなと思って笑ってしまうと、少し不満そうな顔で見つめられた。
◇
「せんぱーい!エリちゃーん!!歌歩ちゃん連れてきましたー!!!」
出久君が少し離れた所にいる通形先輩に声を掛け、手を振りながら駆け寄っていく。その後ろを一生懸命追い駆ける。出久君、全然本気で走ってはいないんだろうけどもそれでも結構早い…!走り寄って行く私達に向かって嬉しそうに「おー!緑谷くーん、無居さーん!!」と通形先輩が手を振っている。
「お待たせしました!」
先輩に近付くと出久君がペコリと頭を下げた。そんな出久君に「全然だよー!」と先輩が答えている。そんな2人のやり取りを見つつ息を整えていると、視線を感じた。視線の方に目を向けてみると、通形先輩の後ろに隠れていた女の子がうかがう様に私のことを見つめていた。この子がエリちゃん…かな?お人形さんみたいですごく可愛い。
「あっエリちゃん紹介するね。このお姉さんがさっき話してた僕の友達の、無居歌歩さんって言うんだよ」
出久君がしゃがんでエリちゃんと目を合わせながらニコニコと笑って私のことを紹介している。
「デクさんの…お友達…?」
エリちゃんが出久君のことをじっと見つめながら首を傾げつつ出久君の言葉を繰り返し私のことを改めてじっと見つめてきた。ぱっちりとした大きな目が、探る様に私のことを見つめている。可愛い…!
出久君を見習ってしゃがみエリちゃんに目を合わせながら
「こんにちは、私の名前は無居歌歩って言うの。よろしくね、エリちゃん」
なるべく優しい口調と笑顔を意識して自己紹介をする。…ちゃんと出来ているかな?エリちゃんは私のことを通形先輩の後ろに隠れながらじっと見つめている。
「こ、こんにちは…」
「こんにちは。ちゃんと挨拶することが出来て偉いね」
そう言うとエリちゃんは通形先輩の後ろに完全に隠れてしまった。どうしよう、怖がらせてしまったかな…。
「恥ずかしがり屋さんなんだよね、エリちゃん」
先輩がニコニコと優しく笑いながらエリちゃんに声を掛けている。
エリちゃんは先輩のズボンをぎゅっと握りながら、微かに頷いた。
…通形先輩のこと、とても頼りにしているんだろうな。そんな存在が近くにいてくれると、安心するし嬉しいよね。エリちゃんにとって通形先輩は、私にとっての勝己君みたいな存在なのかな。…勝己君と先輩じゃあ、大分雰囲気が違うけれども。
◇
今日は休日だけれども、みんな文化祭の準備で登校している様だ。どこもかしこも賑やかだ。そんな様子をエリちゃんは不思議そうに見ている。怖がっている様子はなさそうだけれども、少し疲れているのかな?ちょっとついて行けてなさそうだ。
「あっ無居さんごめんね。俺ちょっとクラスに顔出してくるからその間エリちゃんと2人で待っててもらっていいかな?」
そう頼まれたので、了承すると先輩は「ありがとう!じゃあお願いね、すぐ戻るから!」と言って足早に去って行った。
……どうしよう、何を話せばいいのか分からない。今、私とエリちゃんは2人切り。通形先輩は教室へ行ってしまい、出久君ももう休憩が終わるからと言ってダンスの練習に戻ってしまった。ど、どうしよう、どうしたらいいの?やっぱり通形先輩について行った方が良かったかな。エリちゃんも、私と2人よりもそうして上げた方が良かった気がする…。
「あ、あの…」
エリちゃんが遠慮がちに話しかけてきた。
「なぁに?エリちゃんどうしたの?あっジュースもっと飲みたい?」
そう尋ねてみるとゆっくりと首を横に振った。
「あの、ね…お姉さんのこと、なんて呼べばいい…?」
「私のこと?」
質問を返すと、コクリと頷かれた。
「なんて呼んでもいいよ。エリちゃんが呼びたいなって思う呼び方で呼んでほしいな」
そう答えると「私が呼びたい呼び方…」うーん…と一生懸命考え始めた。必死に考えているエリちゃんの姿も、すごくすごく可愛い。こんなに頑張って考えてくれるなんてとても嬉しいな。
「じゃあ…歌歩さんて、呼ぶね…」
「うん、ありがとう、エリちゃん!」
お礼を言うと、少し恥ずかしそうに俯いてしまった。少しだけ…本当に少しだけだけれども、エリちゃんとの距離を縮めることが出来たような気がする。この調子で仲良くすることが出来る様になればいいな。通形先輩や出久君みたいに…というのはまだまだ難しいだろうなとは思うけど。