向日葵
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雄英高校に入学し、半年以上が経過した。夏休み以降休学となってはいるが、なんだかんだ楽しい学生生活を送っている。寧ろ小学校中学校と比べると今が1番充実している気さえする。
そういえばもうすぐで文化祭が開催される予定だ。私はどうすることになるんだろう。クラスの出し物…には参加出来ないかな。みんなが頑張って準備しているのに、何もしていない私までちゃっかり参加するのはなんだか申し訳ないし。そもそも文化祭って人が沢山来るだろうから、参加しない方がいい気がする。警備を万全にするだろうからありえないと思うけども、仮免試験の時みたいにトガヒミコの様な個性を持ったヴィランが紛れ込んでしまう可能性だってないとは言い切れない。私は今、雄英に保護して貰っているという立場だ。そんな立場の人間が、沢山人が集まる場所に不用意に行ってしまうと迷惑かけてしまうかもしれない。だからやはり、私は文化祭への参加は諦めた方がいいだろう。
警備しに来てくれるヒーローや先生達の所へいるべきかな。そう思っていた、の、だが…
「無居さんも俺とエリちゃんと一緒に文化祭周ろうよー!きっと楽しいよー」
「それは良いアイディアだね!エリちゃんにとっても、君達にとってもきっといい思い出になる!」
通形先輩と校長先生にそんな提案をされて、とても驚いた。
エリちゃん…って言うのは確か、先日起きたヴィランとの決戦の時に出久君達が保護したという子だっただろうか。死穢八斎會という指定ヴィラン団体の若頭、治崎廻という男から口に出すのも悍ましい事をされていたという、幼い女の子…。
私に、そんな子と上手く接することなんて出来るのだろうか。怖がらせてしまったりはしないだろうか。何よりも、
「あの、私…文化祭参加しても良いんですか…?」
そう疑問を口にすると、校長先生も通形先輩も不思議そうな顔で私のことを見つめてきた。
「あ、あの…わ、私は今、休学中、じゃないですか…。なのに文化祭に参加したりしても良いのかなって…。普段学校行ってないくせして、文化祭だけ参加するのっていいのかな、って…」
というと通形先輩が
「なんだそんなことか!大丈夫だよ、俺だって休学中だよ。だけど文化祭は周るよ!」
笑って言った。
先輩は先日、インターンでの戦いで個性を失ってしまった。その上、インターンに行っていたナイトアイ事務所の代表であり、先輩の師匠でもあったサー・ナイトアイが殉職してしまった。それらのことを受けて先輩は今、雄英を休学という形になったのだという。確かに表面上は私と先輩の境遇は同じかもしれない。だけど私の場合、休学というのは表向きの理由で、実際は保護されている形だ。そんな私が、文化祭でうろついたりなんてしたらヒーローや先生達を困らせてしまうのではないだろうか。
「…通形君、少し席を外してもらえないかな?無居さんと2人で話しをしたいんだ」
そう言う校長先生に従って通形先輩は「わかりました!」と言って部屋を後にした。
2人で話しってなんだろう…?
「無居さん、君は保護対象だ。我々は君を、全力で守る義務がある」
校長先生がとても真剣な目で私を見つめながら言う。
「だけれどもその前に、君はここ、雄英高校の生徒サ。生徒である君に我々教員は充実した楽しい学園生活を送ってもらう義務もあるのサ!…だけども今、我々学校側は君にとても窮屈な思いをさせてしまっている。沢山我慢をさせてしまっているし、不便だって掛けてしまっている。だからせめて、文化祭みたいな生徒全員が楽しめる様なイベント事にはなるべく参加させてあげたいと、そう思っているのサ。だからもしも、色んな人に迷惑を掛けてしまうかもしれないからと遠慮しているのだったら、その考えは捨ててほしい。……まぁ君が単純に文化祭に参加したくないと思っているのならば参加しなくてもいいんだがね!」
そう少し、おどけたような口調で言われた。…先生達はみんな、私のために考えてくれているんだ。私が少しでも、他の子達と同じくらい学校生活を楽しめるようにと試行錯誤してくれているんだ。だたら、参加しないなんて言ってしまったら失礼じゃないか。
「ありがとうございます、私も文化祭、参加します!通形先輩とエリちゃんっていう子と一緒に!」
そう答えると校長先生は嬉しそうに笑った。
◇
「歌歩ちゃん文化祭エリちゃんと周ることになったの?」
学校が終わり、寮に戻ってきて開口一番に出久君が尋ねてきた。
「うん。通形先輩が良かったら一緒にどうって誘ってくれたからね」
そう答えると嬉しそうに「そっかー!エリちゃんすっごく喜ぶと思うよ!」と、はしゃいだ様子で言う。
「そうだといいな。でも私、そのエリちゃんていう子のこと知らないから、仲良く出来るのかなーとか、不安なことは沢山ある、なー…」
そう言うと出久君は笑って、
「大丈夫だよ!いつもの、普段通りの歌歩ちゃんで接してあげれば。きっとすぐにエリちゃんと仲良くなれるよ!」
と言ってくれた。普段通り…そっか。そうだよね、別に気負う必要なんてどこにもないよね。良かった、出久君に言ってみて。
「歌歩ちゃん、エリちゃんのことよろしくね!」
そう頭を深々と下げながら言う出久君はなんか、お兄ちゃんみたい。……いや寧ろ、お父さん……?
そういえばもうすぐで文化祭が開催される予定だ。私はどうすることになるんだろう。クラスの出し物…には参加出来ないかな。みんなが頑張って準備しているのに、何もしていない私までちゃっかり参加するのはなんだか申し訳ないし。そもそも文化祭って人が沢山来るだろうから、参加しない方がいい気がする。警備を万全にするだろうからありえないと思うけども、仮免試験の時みたいにトガヒミコの様な個性を持ったヴィランが紛れ込んでしまう可能性だってないとは言い切れない。私は今、雄英に保護して貰っているという立場だ。そんな立場の人間が、沢山人が集まる場所に不用意に行ってしまうと迷惑かけてしまうかもしれない。だからやはり、私は文化祭への参加は諦めた方がいいだろう。
警備しに来てくれるヒーローや先生達の所へいるべきかな。そう思っていた、の、だが…
「無居さんも俺とエリちゃんと一緒に文化祭周ろうよー!きっと楽しいよー」
「それは良いアイディアだね!エリちゃんにとっても、君達にとってもきっといい思い出になる!」
通形先輩と校長先生にそんな提案をされて、とても驚いた。
エリちゃん…って言うのは確か、先日起きたヴィランとの決戦の時に出久君達が保護したという子だっただろうか。死穢八斎會という指定ヴィラン団体の若頭、治崎廻という男から口に出すのも悍ましい事をされていたという、幼い女の子…。
私に、そんな子と上手く接することなんて出来るのだろうか。怖がらせてしまったりはしないだろうか。何よりも、
「あの、私…文化祭参加しても良いんですか…?」
そう疑問を口にすると、校長先生も通形先輩も不思議そうな顔で私のことを見つめてきた。
「あ、あの…わ、私は今、休学中、じゃないですか…。なのに文化祭に参加したりしても良いのかなって…。普段学校行ってないくせして、文化祭だけ参加するのっていいのかな、って…」
というと通形先輩が
「なんだそんなことか!大丈夫だよ、俺だって休学中だよ。だけど文化祭は周るよ!」
笑って言った。
先輩は先日、インターンでの戦いで個性を失ってしまった。その上、インターンに行っていたナイトアイ事務所の代表であり、先輩の師匠でもあったサー・ナイトアイが殉職してしまった。それらのことを受けて先輩は今、雄英を休学という形になったのだという。確かに表面上は私と先輩の境遇は同じかもしれない。だけど私の場合、休学というのは表向きの理由で、実際は保護されている形だ。そんな私が、文化祭でうろついたりなんてしたらヒーローや先生達を困らせてしまうのではないだろうか。
「…通形君、少し席を外してもらえないかな?無居さんと2人で話しをしたいんだ」
そう言う校長先生に従って通形先輩は「わかりました!」と言って部屋を後にした。
2人で話しってなんだろう…?
「無居さん、君は保護対象だ。我々は君を、全力で守る義務がある」
校長先生がとても真剣な目で私を見つめながら言う。
「だけれどもその前に、君はここ、雄英高校の生徒サ。生徒である君に我々教員は充実した楽しい学園生活を送ってもらう義務もあるのサ!…だけども今、我々学校側は君にとても窮屈な思いをさせてしまっている。沢山我慢をさせてしまっているし、不便だって掛けてしまっている。だからせめて、文化祭みたいな生徒全員が楽しめる様なイベント事にはなるべく参加させてあげたいと、そう思っているのサ。だからもしも、色んな人に迷惑を掛けてしまうかもしれないからと遠慮しているのだったら、その考えは捨ててほしい。……まぁ君が単純に文化祭に参加したくないと思っているのならば参加しなくてもいいんだがね!」
そう少し、おどけたような口調で言われた。…先生達はみんな、私のために考えてくれているんだ。私が少しでも、他の子達と同じくらい学校生活を楽しめるようにと試行錯誤してくれているんだ。だたら、参加しないなんて言ってしまったら失礼じゃないか。
「ありがとうございます、私も文化祭、参加します!通形先輩とエリちゃんっていう子と一緒に!」
そう答えると校長先生は嬉しそうに笑った。
◇
「歌歩ちゃん文化祭エリちゃんと周ることになったの?」
学校が終わり、寮に戻ってきて開口一番に出久君が尋ねてきた。
「うん。通形先輩が良かったら一緒にどうって誘ってくれたからね」
そう答えると嬉しそうに「そっかー!エリちゃんすっごく喜ぶと思うよ!」と、はしゃいだ様子で言う。
「そうだといいな。でも私、そのエリちゃんていう子のこと知らないから、仲良く出来るのかなーとか、不安なことは沢山ある、なー…」
そう言うと出久君は笑って、
「大丈夫だよ!いつもの、普段通りの歌歩ちゃんで接してあげれば。きっとすぐにエリちゃんと仲良くなれるよ!」
と言ってくれた。普段通り…そっか。そうだよね、別に気負う必要なんてどこにもないよね。良かった、出久君に言ってみて。
「歌歩ちゃん、エリちゃんのことよろしくね!」
そう頭を深々と下げながら言う出久君はなんか、お兄ちゃんみたい。……いや寧ろ、お父さん……?