向日葵
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勝己君が、仮免試験に落ちた。その知らせは、私にとってとても理解出来るものではなかった。
勝己君は昔から、なんでも出来る凄い人だ。なのにその勝己君が仮免試験に落ちたなんて理解しろっていう方が無理だ。
勝己君、切島君達と話している様子は普段と変わらない…ように見えるけど、実際はどうなんだろう。無理しているのかな。勝己君にとってこれはきっと初めての挫折…なんじゃないかな。声を掛けたい。けど、どう声を掛ければいいのかわからない。それどころか目も合わせられない。なんで、いつもこうなるの…?なんで、なんで…!
「歌歩ちゃん、大丈夫?」
「えっ…?」
不意に掛けられた声に驚き顔を上げると、お茶子ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「な、何が…?」
「なんか、ぼーっとしてるっていうか…具合、悪い?やっぱもう寝た方がいいんやない?」
そう気遣ってくれているお茶子ちゃんに慌てて大丈夫だというと「そう?あんま無理したらあかんよ?」と、やはり心配そうな顔のまま言われた。心配してくれてありがとう、とお礼を言うと友達だもん!当然でしょ!と笑って言ってくれた。
試験会場にトガヒミコが紛れ込んでいたということは、生徒達にはまだ伏せる様にと言われたため私がみんなよりも先に帰った理由は具合が悪くなってしまったからだということになっている。私の具合が悪くなったと知らせを聞くと、みんなすごく心配してくれた。試験で疲れているはずなのに、帰って来ると真っ先に私の所へ具合は大丈夫かと聞きに来て、私が大丈夫だと分かると良かったと言ってくれた。
…また沢山の人に、迷惑かけてしまった、心配かけてしまった。罪悪感で押しつぶされそうになるたび、頭の中に死柄木のあの言葉が響いてくる。私は、関わる全ての人を不幸へと導く疫病神…。そう過るたび、必死に違う、そんな訳ない、私は疫病神なんかじゃないと思おうとするのに、そう思おうとすればするほど、余計死柄木の言う通りなんじゃないかと思えてきてしまう。
私が大切に思っているから、だから勝己君と出久君は不幸になってしまう。私が2人のことが大好きだから、だからそのせいで、2人の大好きなオールマイトはあんな姿になってしまったんじゃないか。私は…2人から憧れのヒーローを奪ってしまったんじゃないか…そんな考えで、頭の中全て埋め尽くされてしまいそうになる。
どんなに違うと否定しようとも、その考えで呑み込まれてしまいそうで、自分が壊れてしまいそうだ。
◇
消灯時間を過ぎたが、私は眠ることが出来ずにいた。どうしようかと思いつつ、ベッドに入り考えていると、遠慮がちに部屋のドアを叩く音が聞こえてきた。こんな時間に誰だろうと思いつつ、「はい」と返事をすると外から「夜分遅くにすまない。無居少女、少し、いいかな?」という、オールマイトの声が聞こえてきた。どうぞ、と返事をしながらドアを開けると、
「ありがとう、すまないね。どうしても君と話がしたくてね。だがここでは少し話しにくいから、少し付き合ってくれないかな」
そう問いかけられた。わかりましたというと、「ありがとう、ではついてきてくれ」といって歩き出したオールマイトの後に続いた。
◇
「突然呼び出してしまってすまなかったね。君とはずっとゆっくり話をしたかったんだ。けど中々話す機会が見つからなくてね。結局こんな時間に呼び出す形になってしまった」
そう申し訳なさそうな顔で俯いているオールマイトに大丈夫だと伝えると、ほっとしたような顔をした。
「今日また、敵連合の構成員と遭遇したんだってね。大丈夫だったかい?」
心配そうに見つめてくるオールマイトに大丈夫だったと伝えると、「そうか…よかった…」と呟いた。
「だけども私が早く相澤先生やその場にいたヒーローに伝えられなかったせいで、トガヒミコを逃がしてしまった気がしてすごく申し訳ないです…」
「いや、君が申し訳なく思う必要なんてどこにもないよ。寧ろよく、取り乱したり騒いだりしなかったね。冷静な対応が出来て素晴らしいよ。相澤君が君のこと、肝の据わった子だと褒めていたよ」
そう微かに笑って言うオールマイトに、そんなことないですよというと、
「そんなことあるよ。私も相澤君と同じ意見さ。この前病院で死柄木に襲撃された時も冷静に判断していたしね。大体の人はそのような境遇に陥った時、冷静さを欠いてしまう人がほとんどだ。だから君はとてもすごいと私は思うよ」
と褒め称えられてすごく気恥ずかしくなってきた。
「緑谷少年の言う通りだね」
オールマイトのその発言に不思議に思い首を傾げていると、
「緑谷少年が言っていたんだ。君はおろおろしていて気弱そうに見えるが、本当はとてもしかっりとした芯の強い少女だとね」
そう笑って答えた。
「私が芯が強くてしっかりしてる?!そんな!そんなの絶対にないですよ!出久君、きっと何か誰かと間違えているんですよ!!」
「いや、私も緑谷少年の言う通りだと思うよ。君はとても強い子さ。さすがは、緑谷少年と爆豪少年の幼馴染だ」
否定する私のことをオールマイトは楽しそうに笑いながら見ている。なんだか顔が熱くなってきた気がする。
「…と、そろそろ本題に入らないとね。すまない、つい脱線してしまった。君には話したいことや、話さなくてはいけないことが沢山あるんだ。何から話すべきかな…」
そう言ってなにやら考え込みだしてしまった。話したいことや話さないといけないこととはなんだろう。オールマイトが何か言うのを待っていると「あっ…」よく見慣れた2人の姿が目に入ってきて、思わず声を上げてしまった。
「どうしたんだい?」
声を上げた私を不思議に思ったらしくオールマイトに尋ねられた。
「あ、あの…今、勝己君と出久君が歩いてるのが見えたんですけど…」
そういうと「えっ…」といいながらオールマイトは私が指さす方向に目線を向けた。
今はもう消灯時間を過ぎている。なのにこんな所を生徒だけで出歩いているなんて大問題になってしまうのではないだろうか。オールマイトもそう思ったらしく、「すまない。2人を追いかけてもいいだろうか?」と聞いてきたので私も一緒に行かせてくださいと頼むと少し渋りつつも許可してくれたので私達は2人の後を追いかけた。
勝己君は昔から、なんでも出来る凄い人だ。なのにその勝己君が仮免試験に落ちたなんて理解しろっていう方が無理だ。
勝己君、切島君達と話している様子は普段と変わらない…ように見えるけど、実際はどうなんだろう。無理しているのかな。勝己君にとってこれはきっと初めての挫折…なんじゃないかな。声を掛けたい。けど、どう声を掛ければいいのかわからない。それどころか目も合わせられない。なんで、いつもこうなるの…?なんで、なんで…!
「歌歩ちゃん、大丈夫?」
「えっ…?」
不意に掛けられた声に驚き顔を上げると、お茶子ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「な、何が…?」
「なんか、ぼーっとしてるっていうか…具合、悪い?やっぱもう寝た方がいいんやない?」
そう気遣ってくれているお茶子ちゃんに慌てて大丈夫だというと「そう?あんま無理したらあかんよ?」と、やはり心配そうな顔のまま言われた。心配してくれてありがとう、とお礼を言うと友達だもん!当然でしょ!と笑って言ってくれた。
試験会場にトガヒミコが紛れ込んでいたということは、生徒達にはまだ伏せる様にと言われたため私がみんなよりも先に帰った理由は具合が悪くなってしまったからだということになっている。私の具合が悪くなったと知らせを聞くと、みんなすごく心配してくれた。試験で疲れているはずなのに、帰って来ると真っ先に私の所へ具合は大丈夫かと聞きに来て、私が大丈夫だと分かると良かったと言ってくれた。
…また沢山の人に、迷惑かけてしまった、心配かけてしまった。罪悪感で押しつぶされそうになるたび、頭の中に死柄木のあの言葉が響いてくる。私は、関わる全ての人を不幸へと導く疫病神…。そう過るたび、必死に違う、そんな訳ない、私は疫病神なんかじゃないと思おうとするのに、そう思おうとすればするほど、余計死柄木の言う通りなんじゃないかと思えてきてしまう。
私が大切に思っているから、だから勝己君と出久君は不幸になってしまう。私が2人のことが大好きだから、だからそのせいで、2人の大好きなオールマイトはあんな姿になってしまったんじゃないか。私は…2人から憧れのヒーローを奪ってしまったんじゃないか…そんな考えで、頭の中全て埋め尽くされてしまいそうになる。
どんなに違うと否定しようとも、その考えで呑み込まれてしまいそうで、自分が壊れてしまいそうだ。
◇
消灯時間を過ぎたが、私は眠ることが出来ずにいた。どうしようかと思いつつ、ベッドに入り考えていると、遠慮がちに部屋のドアを叩く音が聞こえてきた。こんな時間に誰だろうと思いつつ、「はい」と返事をすると外から「夜分遅くにすまない。無居少女、少し、いいかな?」という、オールマイトの声が聞こえてきた。どうぞ、と返事をしながらドアを開けると、
「ありがとう、すまないね。どうしても君と話がしたくてね。だがここでは少し話しにくいから、少し付き合ってくれないかな」
そう問いかけられた。わかりましたというと、「ありがとう、ではついてきてくれ」といって歩き出したオールマイトの後に続いた。
◇
「突然呼び出してしまってすまなかったね。君とはずっとゆっくり話をしたかったんだ。けど中々話す機会が見つからなくてね。結局こんな時間に呼び出す形になってしまった」
そう申し訳なさそうな顔で俯いているオールマイトに大丈夫だと伝えると、ほっとしたような顔をした。
「今日また、敵連合の構成員と遭遇したんだってね。大丈夫だったかい?」
心配そうに見つめてくるオールマイトに大丈夫だったと伝えると、「そうか…よかった…」と呟いた。
「だけども私が早く相澤先生やその場にいたヒーローに伝えられなかったせいで、トガヒミコを逃がしてしまった気がしてすごく申し訳ないです…」
「いや、君が申し訳なく思う必要なんてどこにもないよ。寧ろよく、取り乱したり騒いだりしなかったね。冷静な対応が出来て素晴らしいよ。相澤君が君のこと、肝の据わった子だと褒めていたよ」
そう微かに笑って言うオールマイトに、そんなことないですよというと、
「そんなことあるよ。私も相澤君と同じ意見さ。この前病院で死柄木に襲撃された時も冷静に判断していたしね。大体の人はそのような境遇に陥った時、冷静さを欠いてしまう人がほとんどだ。だから君はとてもすごいと私は思うよ」
と褒め称えられてすごく気恥ずかしくなってきた。
「緑谷少年の言う通りだね」
オールマイトのその発言に不思議に思い首を傾げていると、
「緑谷少年が言っていたんだ。君はおろおろしていて気弱そうに見えるが、本当はとてもしかっりとした芯の強い少女だとね」
そう笑って答えた。
「私が芯が強くてしっかりしてる?!そんな!そんなの絶対にないですよ!出久君、きっと何か誰かと間違えているんですよ!!」
「いや、私も緑谷少年の言う通りだと思うよ。君はとても強い子さ。さすがは、緑谷少年と爆豪少年の幼馴染だ」
否定する私のことをオールマイトは楽しそうに笑いながら見ている。なんだか顔が熱くなってきた気がする。
「…と、そろそろ本題に入らないとね。すまない、つい脱線してしまった。君には話したいことや、話さなくてはいけないことが沢山あるんだ。何から話すべきかな…」
そう言ってなにやら考え込みだしてしまった。話したいことや話さないといけないこととはなんだろう。オールマイトが何か言うのを待っていると「あっ…」よく見慣れた2人の姿が目に入ってきて、思わず声を上げてしまった。
「どうしたんだい?」
声を上げた私を不思議に思ったらしくオールマイトに尋ねられた。
「あ、あの…今、勝己君と出久君が歩いてるのが見えたんですけど…」
そういうと「えっ…」といいながらオールマイトは私が指さす方向に目線を向けた。
今はもう消灯時間を過ぎている。なのにこんな所を生徒だけで出歩いているなんて大問題になってしまうのではないだろうか。オールマイトもそう思ったらしく、「すまない。2人を追いかけてもいいだろうか?」と聞いてきたので私も一緒に行かせてくださいと頼むと少し渋りつつも許可してくれたので私達は2人の後を追いかけた。