向日葵
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かっちゃんと歌歩ちゃんを無事助けることに成功したことを別行動となっている轟君達に報告すると、2人も今はヒーローの指示に従い避難していると言われた。
「いいか!俺ァ助けられたわけじゃねぇ!1番いい脱出経路がテメェらだっただけだ!」
と言っているかっちゃんとそんなかっちゃんに「ナイス判断!」と親指を立てている切島君とのやり取りにほっと胸を撫で下ろす。
「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな」
そう言ってかっちゃんは俯いたかと思うと、
「何より、あれ以上コイツをあそこにいさせたらどうにかなっちまいそうだったしな…」
と言いながらおぶっている歌歩ちゃんを見つめた。
「…あぁ、そうだな…。無居、寝ちまったんだな」
かっちゃんの背中で小さな寝息をたてている歌歩ちゃんのことを気遣わし気に見つめて切島君が言った。
「きっとずっと気を張っていたのだろう。ヴィランに誘拐された挙句に、あんな話を聞かされたんだ。俺達が思っている以上に精神的にも肉体的にも、大きなダメージを受けたはずだ。…だから今は、少しでもゆっくり眠らせてやった方がいいだろう」
そういう飯田君に切島君が「そうだな…」と言った。そして
「つか、爆豪も誘拐されたりで疲れてんだろ?無居の事なら俺がおぶってやろうか?」
「うるせぇすっこんでろクソ髪!」
そんなやり取りをしている。その様子に思わず笑みが零れそうになってしまった。
かっちゃんにおんぶされて安心したようにすやすやと眠っている歌歩ちゃんを見ていると、なんだか子供の頃みたいで少し嬉しくなる。
これで、きっと良かったんだ。今自分に出来る最善は尽くした。これで良かったんですよね、オールマイト…?
◇
パパの膝の上に座って絵本を読んでもらったり、ママと一緒にお菓子を作ったり、勝己君のお母さんに抱っこして貰ったり、勝己君のお父さんに肩車をしてもらったり、出久君のお母さんと手をつないだり、おばあちゃんの家の縁側で勝己君と出久君と一緒にスイカを食べたり、出久君とナイショ話をしたり、勝己君におんぶしてもらったり。小さい頃の私は、好きなものが沢山あった。特に好きだったのは、
「勝てや、オールマイト!!」
「勝って、オールマイト!!!」
戦うオールマイトのことを必死に応援する勝己君と出久君。
楽しそうに、時にハラハラとしながら手に汗握ってオールマイトのことを見ている…そんな2人のことを見るのが、大好きだった。
勝己君と出久君、沢山の人達のオールマイトを応援する声が聞こえ、意識が浮上した。目を開くと、いつも私を安心させてくれる背中に、勝己君におんぶされていた。温かい。とても落ち着く。
周りの人達がみんな一心に大きな画面に向かって声を上げている。
「オールマイト!!勝って!!」
そう言ってみんなが見ている先に視線を向けると、いつか職員室であった、あの優しい笑顔の先生がさっきのヴィランと戦っている姿があった。みんなその人のことをオールマイトと呼んで必死に声を上げて声援を送っている。声を上げている人々は、あの頃の勝己君と出久君と同じ顔をしていて。だからみんなに応援されているあの人は全く違う人に見えるけれども、紛れもなくオールマイト本人なんだとわかった。
あぁ、そういえば。初めて先生に会った時、なんとなく笑った顔に見覚えがあるような気がした。そんな気がしたのは、どことなくオールマイトの面影を感じたのかな。小さい頃、何度も勝己君と出久君と一緒に見た、ヴィランに立ち向かっていく、あの恐れ知らずな笑顔と、先生の優しい笑顔を重ねてたのかもしれない。だから見覚えがあると思ったのかもしれない。………なんだかまた意識が遠のき始めてきた。
薄れ行く意識の中、オールマイトにヴィランが倒されている姿と人々の歓声が聞こえた。それを聞いて、あぁ、あのヴィランは倒されてオールマイトが勝ったんだと理解したと同時に意識を手放した。
◇
次に目を覚ました時に視界に入ってきたのは、見覚えのない真っ白な天井と、泣いている祖母の顔だった。
「いいか!俺ァ助けられたわけじゃねぇ!1番いい脱出経路がテメェらだっただけだ!」
と言っているかっちゃんとそんなかっちゃんに「ナイス判断!」と親指を立てている切島君とのやり取りにほっと胸を撫で下ろす。
「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな」
そう言ってかっちゃんは俯いたかと思うと、
「何より、あれ以上コイツをあそこにいさせたらどうにかなっちまいそうだったしな…」
と言いながらおぶっている歌歩ちゃんを見つめた。
「…あぁ、そうだな…。無居、寝ちまったんだな」
かっちゃんの背中で小さな寝息をたてている歌歩ちゃんのことを気遣わし気に見つめて切島君が言った。
「きっとずっと気を張っていたのだろう。ヴィランに誘拐された挙句に、あんな話を聞かされたんだ。俺達が思っている以上に精神的にも肉体的にも、大きなダメージを受けたはずだ。…だから今は、少しでもゆっくり眠らせてやった方がいいだろう」
そういう飯田君に切島君が「そうだな…」と言った。そして
「つか、爆豪も誘拐されたりで疲れてんだろ?無居の事なら俺がおぶってやろうか?」
「うるせぇすっこんでろクソ髪!」
そんなやり取りをしている。その様子に思わず笑みが零れそうになってしまった。
かっちゃんにおんぶされて安心したようにすやすやと眠っている歌歩ちゃんを見ていると、なんだか子供の頃みたいで少し嬉しくなる。
これで、きっと良かったんだ。今自分に出来る最善は尽くした。これで良かったんですよね、オールマイト…?
◇
パパの膝の上に座って絵本を読んでもらったり、ママと一緒にお菓子を作ったり、勝己君のお母さんに抱っこして貰ったり、勝己君のお父さんに肩車をしてもらったり、出久君のお母さんと手をつないだり、おばあちゃんの家の縁側で勝己君と出久君と一緒にスイカを食べたり、出久君とナイショ話をしたり、勝己君におんぶしてもらったり。小さい頃の私は、好きなものが沢山あった。特に好きだったのは、
「勝てや、オールマイト!!」
「勝って、オールマイト!!!」
戦うオールマイトのことを必死に応援する勝己君と出久君。
楽しそうに、時にハラハラとしながら手に汗握ってオールマイトのことを見ている…そんな2人のことを見るのが、大好きだった。
勝己君と出久君、沢山の人達のオールマイトを応援する声が聞こえ、意識が浮上した。目を開くと、いつも私を安心させてくれる背中に、勝己君におんぶされていた。温かい。とても落ち着く。
周りの人達がみんな一心に大きな画面に向かって声を上げている。
「オールマイト!!勝って!!」
そう言ってみんなが見ている先に視線を向けると、いつか職員室であった、あの優しい笑顔の先生がさっきのヴィランと戦っている姿があった。みんなその人のことをオールマイトと呼んで必死に声を上げて声援を送っている。声を上げている人々は、あの頃の勝己君と出久君と同じ顔をしていて。だからみんなに応援されているあの人は全く違う人に見えるけれども、紛れもなくオールマイト本人なんだとわかった。
あぁ、そういえば。初めて先生に会った時、なんとなく笑った顔に見覚えがあるような気がした。そんな気がしたのは、どことなくオールマイトの面影を感じたのかな。小さい頃、何度も勝己君と出久君と一緒に見た、ヴィランに立ち向かっていく、あの恐れ知らずな笑顔と、先生の優しい笑顔を重ねてたのかもしれない。だから見覚えがあると思ったのかもしれない。………なんだかまた意識が遠のき始めてきた。
薄れ行く意識の中、オールマイトにヴィランが倒されている姿と人々の歓声が聞こえた。それを聞いて、あぁ、あのヴィランは倒されてオールマイトが勝ったんだと理解したと同時に意識を手放した。
◇
次に目を覚ました時に視界に入ってきたのは、見覚えのない真っ白な天井と、泣いている祖母の顔だった。