向日葵
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「全てを返してもらうぞ、オール・フォー・ワン!!」
そう叫びながら男に殴りかかるオールマイトに対し、
「また僕を殺すか?オールマイト!」
相変わらず楽しそうな声で叫び返し、オールマイトを迎え撃った。
その影響で辺り一帯に風圧が立ち上がり、俺も歌歩もヴィラン共も全員吹き飛ばされた。
「歌歩…!」
慌てて駆け寄ると、咳込んでいる姿が目に入ってきた。一応無事が確認でき、一先ずほっと溜息が出た。だがまだ生気のない顔をしている。
「歌歩…」
と名前を呼んだ瞬間、ヴィランがオールマイトを素手で吹き飛ばしやがった。これがヴィランのボス…!
「オールマイトォ!!」
「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ。だからここから逃げろ弔。その子達を連れて」
死柄木を諭しながらワープ野郎に無理矢理個性を発動させようとしている。そう言われてためらっているような様子の死柄木に向かってクソ仮面が
「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてる間にコマとガキ持ってよ」
と言ったのを合図に、ヴィラン共が俺たちのことを見つめる。
「めんっドクセー」
しゃがみこんだまま動かずにいる歌歩を肩に担ぐ俺にヴィラン共が一斉に攻撃を仕掛けてくる。
こいつらも緊急事態。さっきまでと違って強引にでも俺達を連れて行く気だ。6対1…。それも歌歩を庇いながら戦う…。相当不利な状況だ。クソッどうすりゃいいんだ…!
「勝己君…降ろして…」
消え入りそうな声で歌歩が呟いた。
「あ?何言ってんだ、降ろしたりなんてしたらテメェなんてあのカス共にとっ捕まっちまうぞ!大人しく担がれてろ」
「だって、このままじゃ2人とも捕まっちゃうよ…そうなるくらいなら、私が捕まって勝己君が逃げればいいよ…。私さえ担いでなければ、勝己君1人なら逃げられるでしょ…。だから降ろして…」
「ふざけんな!俺もテメェも逃げんだよ!捕まったら何されるかわかったもんじゃねぇんだぞ!」
「もう、いいよ私は…どうでもいい…どうなってもいい…」
そういう歌歩の声は絶望しきっていて、今までに聞いたことがないくらい弱々しいものになっている。今にでも死んでしまうんじゃないかという気さえしてくる。それだけ、アイツの話しはショックが大きかったのだろう。それだけこいつは、俺が思っていたよりもずっとずっと、無理をしていたのだろう。けど、
「……歌歩。ワリィ、今テメェにどんな言葉を掛けてやりゃいいのか、検討もつかねぇ。何言っても、テメェを救ってやることなんて出来やしねぇだろうよ。情けねェな、俺…!」
ヴィランの攻撃をよけながら、歌歩に語りかける。
「こんなんでよく、俺を頼れなんて言えたもんだって、心底自分に呆れちまうよ!」
爆破でヴィランとの距離を取りつつ続ける。
「歌歩、見えてるか?オールマイトが、平和の象徴が、戦ってるんだ。俺たちのために。俺達を助けるために。お前も知ってるだろ?オールマイトはどんな相手でも最後にはぜってぇに勝つ、そんなすげぇヒーローだ。今回もあのクソヴィランをぜってぇにぶっ倒す。けど今回はそれだけじゃ勝ちにならねェンだ。俺達を2人揃って助けねぇと、勝ちじゃねェンだ。俺とテメェ、どっちか1人でもアイツらに連れてかれちまったらその時点でオールマイトの負けになっちまう。俺達のせいで、オールマイトが負けちまうんだよ。俺は、オールマイトが負けるなんてぜってぇに嫌だ。ましてや、自分が負けの原因になっちまうなんて冗談じゃねぇ。だから歌歩、頼む、協力してくれ。オールマイトが負けねェ様に」
ヴィラン共からの攻撃を躱しつつな上に、肩に担いでいるため歌歩がどんな顔で俺の話しを聞いているのかわからねぇ。聞いているのかさえも分からねぇ。けど今、おじさんがいなくなったのはテメェのせいじゃねェ、おばさんが自殺未遂したのもお前が悪いんじゃねェと言ったところできっと、コイツは自分を責めて逆効果になっちまうだろう。それならオールマイトの話しをした方がまだ届く何かがあるかもしれない、そう考えてしてみたが、歌歩は何も言わないでいる。俺の声はやはり届かねェのか…そう絶望しかけた時だった。
「私も、オールマイトが負けるとこ、見たくない…」
小さな声だったが、確かにそう答えた。
「勝己君と出久君の、憧れのヒーローが負けるなんて嫌。負けの原因に自分がなっちゃうなんて絶対に嫌…!」
俺に掴まる手が強くなった。俺の声は、何とか届いたようだ。その真実に少し安堵する。…あとはどう逃げるかが問題だ。とりあえずヴィラン共から距離を取っちゃいるがいつまでもつかわからねぇ。とっととどうにかしねぇと…。
俺達がここにいる限り、オールマイトが戦い辛ぇ…!オールマイトの、足手まといに…。
クソッ、なんとか脱出経路を見つけねぇと…!
その時だった。見覚えのある、大氷結が出現した。その場の全員が、それに釘付けになる。目を凝らして見るとデクにクソメガネ、クソ髪がその氷を使い俺達の真上まで来た。そして
「来い!!!」
切島が手を伸ばし呼びかけてきた。思わず笑みが込み上げる。
「歌歩、俺の首に腕回せ!ぜってぇ離すなよ!…離したらぶっ殺す」
歌歩を肩から背中に移しながら言うと
「うん…!」
返事が聞こえ、力強く俺の首に腕が回ってきた。
俺達に死柄木が手を伸ばしてきたがギリギリで地面に爆破を当て宙に浮き、切島の手を取った。
「…バカかよ」
何考えてんだよ、こいつらは。思わず笑っちまう。
「爆豪君!俺の合図に合わせて爆風で…」
「テメェが俺に合わせろや!」
言い合う俺とクソメガネにクソ髪の「張り合うな!こんな時にィ!!」という絶叫が響く。
「逃がすな!遠距離ある奴は!?」
クソ仮面の怒鳴り声やヴィラン共の声が聞こえ、攻撃を仕掛けられた。だが間一髪、Mt.レディがそれを妨害したため俺達に当たることはなかった。もう一度攻撃を仕掛けられそうになったが、他のヒーローが攻撃しようとしてきていたヴィラン共を気絶させたため、俺達は何とか全員揃ってその場から逃走することに成功した。
そう叫びながら男に殴りかかるオールマイトに対し、
「また僕を殺すか?オールマイト!」
相変わらず楽しそうな声で叫び返し、オールマイトを迎え撃った。
その影響で辺り一帯に風圧が立ち上がり、俺も歌歩もヴィラン共も全員吹き飛ばされた。
「歌歩…!」
慌てて駆け寄ると、咳込んでいる姿が目に入ってきた。一応無事が確認でき、一先ずほっと溜息が出た。だがまだ生気のない顔をしている。
「歌歩…」
と名前を呼んだ瞬間、ヴィランがオールマイトを素手で吹き飛ばしやがった。これがヴィランのボス…!
「オールマイトォ!!」
「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ。だからここから逃げろ弔。その子達を連れて」
死柄木を諭しながらワープ野郎に無理矢理個性を発動させようとしている。そう言われてためらっているような様子の死柄木に向かってクソ仮面が
「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてる間にコマとガキ持ってよ」
と言ったのを合図に、ヴィラン共が俺たちのことを見つめる。
「めんっドクセー」
しゃがみこんだまま動かずにいる歌歩を肩に担ぐ俺にヴィラン共が一斉に攻撃を仕掛けてくる。
こいつらも緊急事態。さっきまでと違って強引にでも俺達を連れて行く気だ。6対1…。それも歌歩を庇いながら戦う…。相当不利な状況だ。クソッどうすりゃいいんだ…!
「勝己君…降ろして…」
消え入りそうな声で歌歩が呟いた。
「あ?何言ってんだ、降ろしたりなんてしたらテメェなんてあのカス共にとっ捕まっちまうぞ!大人しく担がれてろ」
「だって、このままじゃ2人とも捕まっちゃうよ…そうなるくらいなら、私が捕まって勝己君が逃げればいいよ…。私さえ担いでなければ、勝己君1人なら逃げられるでしょ…。だから降ろして…」
「ふざけんな!俺もテメェも逃げんだよ!捕まったら何されるかわかったもんじゃねぇんだぞ!」
「もう、いいよ私は…どうでもいい…どうなってもいい…」
そういう歌歩の声は絶望しきっていて、今までに聞いたことがないくらい弱々しいものになっている。今にでも死んでしまうんじゃないかという気さえしてくる。それだけ、アイツの話しはショックが大きかったのだろう。それだけこいつは、俺が思っていたよりもずっとずっと、無理をしていたのだろう。けど、
「……歌歩。ワリィ、今テメェにどんな言葉を掛けてやりゃいいのか、検討もつかねぇ。何言っても、テメェを救ってやることなんて出来やしねぇだろうよ。情けねェな、俺…!」
ヴィランの攻撃をよけながら、歌歩に語りかける。
「こんなんでよく、俺を頼れなんて言えたもんだって、心底自分に呆れちまうよ!」
爆破でヴィランとの距離を取りつつ続ける。
「歌歩、見えてるか?オールマイトが、平和の象徴が、戦ってるんだ。俺たちのために。俺達を助けるために。お前も知ってるだろ?オールマイトはどんな相手でも最後にはぜってぇに勝つ、そんなすげぇヒーローだ。今回もあのクソヴィランをぜってぇにぶっ倒す。けど今回はそれだけじゃ勝ちにならねェンだ。俺達を2人揃って助けねぇと、勝ちじゃねェンだ。俺とテメェ、どっちか1人でもアイツらに連れてかれちまったらその時点でオールマイトの負けになっちまう。俺達のせいで、オールマイトが負けちまうんだよ。俺は、オールマイトが負けるなんてぜってぇに嫌だ。ましてや、自分が負けの原因になっちまうなんて冗談じゃねぇ。だから歌歩、頼む、協力してくれ。オールマイトが負けねェ様に」
ヴィラン共からの攻撃を躱しつつな上に、肩に担いでいるため歌歩がどんな顔で俺の話しを聞いているのかわからねぇ。聞いているのかさえも分からねぇ。けど今、おじさんがいなくなったのはテメェのせいじゃねェ、おばさんが自殺未遂したのもお前が悪いんじゃねェと言ったところできっと、コイツは自分を責めて逆効果になっちまうだろう。それならオールマイトの話しをした方がまだ届く何かがあるかもしれない、そう考えてしてみたが、歌歩は何も言わないでいる。俺の声はやはり届かねェのか…そう絶望しかけた時だった。
「私も、オールマイトが負けるとこ、見たくない…」
小さな声だったが、確かにそう答えた。
「勝己君と出久君の、憧れのヒーローが負けるなんて嫌。負けの原因に自分がなっちゃうなんて絶対に嫌…!」
俺に掴まる手が強くなった。俺の声は、何とか届いたようだ。その真実に少し安堵する。…あとはどう逃げるかが問題だ。とりあえずヴィラン共から距離を取っちゃいるがいつまでもつかわからねぇ。とっととどうにかしねぇと…。
俺達がここにいる限り、オールマイトが戦い辛ぇ…!オールマイトの、足手まといに…。
クソッ、なんとか脱出経路を見つけねぇと…!
その時だった。見覚えのある、大氷結が出現した。その場の全員が、それに釘付けになる。目を凝らして見るとデクにクソメガネ、クソ髪がその氷を使い俺達の真上まで来た。そして
「来い!!!」
切島が手を伸ばし呼びかけてきた。思わず笑みが込み上げる。
「歌歩、俺の首に腕回せ!ぜってぇ離すなよ!…離したらぶっ殺す」
歌歩を肩から背中に移しながら言うと
「うん…!」
返事が聞こえ、力強く俺の首に腕が回ってきた。
俺達に死柄木が手を伸ばしてきたがギリギリで地面に爆破を当て宙に浮き、切島の手を取った。
「…バカかよ」
何考えてんだよ、こいつらは。思わず笑っちまう。
「爆豪君!俺の合図に合わせて爆風で…」
「テメェが俺に合わせろや!」
言い合う俺とクソメガネにクソ髪の「張り合うな!こんな時にィ!!」という絶叫が響く。
「逃がすな!遠距離ある奴は!?」
クソ仮面の怒鳴り声やヴィラン共の声が聞こえ、攻撃を仕掛けられた。だが間一髪、Mt.レディがそれを妨害したため俺達に当たることはなかった。もう一度攻撃を仕掛けられそうになったが、他のヒーローが攻撃しようとしてきていたヴィラン共を気絶させたため、俺達は何とか全員揃ってその場から逃走することに成功した。