向日葵
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「やめて、勝己君!!」
そう俺のことを制止する声の方に目を向けると
「歌歩……?」
泣き出しそうな顔をした歌歩が立っていた。
「勝己君、心配かけてごめんね…。私は大丈夫だよ、だから戦うのはやめて。死柄木さんの話を聞いて」
そういいながら俺に近付いてきた。
「何、言ってんだ…とっととここから…」
「ダメ。死柄木さんの話を聞いて。それで勝己君も敵連合に入ろうよ」
今なんつったコイツ。
「テメェ…誰だ。歌歩はどこだ」
「何言ってんだ、今お前の目の前にいるだろ。大切な幼馴染の顔わからなくなったのか?」
挑発したように言ってくる死柄木を睨みつける。
「ふざけんな、歌歩がこんなこと言う訳ねぇだろ。コイツはニセモノだ…!」
「ニセモノって…!!勝己君どうしてそんな酷い事言うの…?」
「黙れ!!それ以上そいつの姿で喋るな、ぶっ殺すぞ!!」
歌歩の顔で、声で、どこまでも胸糞悪い奴だ。
「そんなこといわないでよ…。私はニセモノなんかじゃない、本物の無居歌歩だよ。小さい頃からずっと一緒だったのにどうしてそんなこと言うの…?」
泣き出しそうな顔で、上目使い気味に俺のことを見つめてくるそいつに吐き気がする。
「ね、勝己君。信じてよ」
俺の手を握りながら言う。
「……テメェが歌歩だって言うなら聞く。コレ、どう思う」
ずいっと服のポケットに仕舞い込んでたハリネズミのヌイバを見せつけると、そいつは目をパチパチとさせながら首を傾げ、
「え…ただのハリネズミの、ヌイバ…だと思うけど…それがどうかしたの?」
と言った。それを聞き、やはりと確信した。握ってきている手を振りほどき、目の前の歌歩に化けている奴のことを思い切り突き飛ばした。その衝撃でそいつは思い切り背中を打っていたがそんなこと構わない。
「ただのヌイバ…なんていう訳ねぇだろ。こいつはアイツの宝物だ…。父親から貰った、最後のプレゼントなんだからな!!」
歌歩の父親がいなくなる数日前は、歌歩の誕生日だった。だからプレゼントにと買ってもらったんだと、嬉しそうに自慢していた。そんな大切なヌイバのことを、”ただのヌイバ”だなんて、何があってもいう訳ねぇ…!
『勝己君、出久君見て見て、可愛いでしょ!ハリネズミさん!!パパがお誕生日に買ってくれたの』
はじけるような笑顔で、嬉しそうにコイツのことを見せてきた歌歩のことを思い出す。あの頃からずっと、ずっとこいつはアイツの宝物なんだよ…!
「ひっどいですー、何もそんな本気で突き飛ばさなくてもいいじゃないですかー。容赦ないなー」
そういいながら歌歩に化けている奴がスカートの埃を払いながら立ち上がりつついう。
「それにしてももう少し騙せるかと思ったんですけどね。バクゴー君はほんとーに歌歩ちゃんのことがだーいすきなんですね。歌歩ちゃん羨ましいな、こんなに誰かに好きになってもらえるなんて」
歌歩の姿のままニタァと笑いながら言うそいつが、心底不快だ。
「弔君ごめんね、上手く出来ませんでした」
「別にいい。あんま期待もしてなかったしな。もういいから、元の姿に戻れ」
その死柄木の言葉にそいつが返事をし、元の姿に戻ったそいつに見覚えがある。
「テメェは…前、ショッピングモールで歌歩に声掛けてたやつ…?」
「わー、覚えててくれたんですね、嬉しいなー」
対して興味なさそうに服を着ながらその女は言う。
こんな奴に構っている場合ではない。
「おい、歌歩はどこだ。アイツに何をした…!」
「うるさい、会わせてやるから少し黙ってろ。コンプレス」
死柄木が命じるとクソ仮面が「はいはい」といいながらコートのポケットからビー玉の様なものを取り出し、そこから歌歩が姿を現した。俺やあの鳥頭野郎と同じようにコイツの個性で閉じ込められていたのか。
「気失っちゃいるがほら、君の大切なお嬢さんなら無事だよ」
そう言ってクソ仮面が歌歩を俺に見せつける様にしながら片手で抱えた。抱えられている歌歩は相変わらず血の気がなく、真っ青だ。さっきの奴の個性の影響か…?あいつが歌歩に化けるために何かしたのは確実だろう。すぐに病院に連れてかねぇとヤバそうだ。とっとと取り返したいとこだが、下手に攻撃なんてしたら歌歩を巻き込んじまう。個性を解いて姿を見せてきたのは俺を大人しくさせるためか。
「やっと大人しくなったな。さて、話の続きをしようか…と言いたいとこだがもうゆっくり話して説得するなんて時間なさそうだな。ヒーロー達も調査を進めていると言っていたしな」
そういったかと思うと死柄木は
「先生、力を貸せ」
と、テレビに向かって話しかけた。先生?コイツがトップじゃねぇのか?
「黒霧、コンプレス。眠らせてしまっておけ」
死柄木の命令に「ったく、人使いが荒いねーうちのリーダーは」などと言いながらクソ仮面が歌歩をそっとソファに寝かせて俺に近付いてくる。クソ、どうにか隙作って歌歩連れて後ろのドアから…
「どーもォ、ピザーラ神野店でーす」
思考を巡らせていると、この場には似合わない呑気な声とドアを叩く音が響き渡った次の瞬間
「SMASSH!!」
ガキの頃から何度も何度も聞いた掛け声が聞こえ、ドアが吹っ飛ばされ、あっという間にヴィラン共が拘束された。
「怖かったろうに、よく耐えた」
歌歩を抱きかかえたオールマイトが俺の目の前にやって来た。
「ごめんな、もう大丈夫だ少年少女!」
「こっ、怖くねぇよ!ヨユーだクソ!」
「ハハハッ、そうだな、君は強い子だからな!……爆豪少年、この子を頼んだよ」
そう言ってオールマイトは俺に歌歩を渡した。その身体はとても冷たい。息もしてはいるが、苦しそうだ。俺は何してたんだ。コイツが酷い目に遭ってたっつ―のに、俺は、俺は…!
「かつ、き…くん…?」
腕の中から俺のことを呼ぶ声が聞こえた。視線を向けると、歌歩が意識はまだあまりはっきりしていない様子だが目を覚ましていた。俺のことをじっと見つめている。
「歌歩…!」
「勝己、君…助けに、来て、くれた、の…?」
「!……いや、俺はとっ捕まっちまっただけで、なんも出来なかった…」
ぎゅっと抱きしめる。
「ヒーローが、助けに来たからもう、大丈夫だ。ここ出たらすぐ病院連れてってやる。だからもう少しの辛抱だ」
制圧されているヴィランを見せると、安心した様な表情をみせた歌歩に少し救われた思いになる。
誰もがヒーローの勝ちを確信したであろうその時、
「お前が!!嫌いだ!!!」
と死柄木の絶叫が響き渡ったかと思うと、どこからともなくUSJの時に襲ってきた脳ミソヴィランが現れた。
「ヒッ…!」
悲鳴を上げ、歌歩が俺の首に腕を回してきた。歌歩の目に脳ミソヴィランが入らない様に抱きしめ、背中をさすってやりながら状況を理解しようと思考を巡らせようとしたその時、口の中に不快な感触が広がったかと思うと、ドロドロとした黒いヘドロのようなものに全身を包まれ、「爆豪少年、無居少女!!!」オールマイトの絶叫する声が聞こえたのを最後に何もわからなくなった。
そう俺のことを制止する声の方に目を向けると
「歌歩……?」
泣き出しそうな顔をした歌歩が立っていた。
「勝己君、心配かけてごめんね…。私は大丈夫だよ、だから戦うのはやめて。死柄木さんの話を聞いて」
そういいながら俺に近付いてきた。
「何、言ってんだ…とっととここから…」
「ダメ。死柄木さんの話を聞いて。それで勝己君も敵連合に入ろうよ」
今なんつったコイツ。
「テメェ…誰だ。歌歩はどこだ」
「何言ってんだ、今お前の目の前にいるだろ。大切な幼馴染の顔わからなくなったのか?」
挑発したように言ってくる死柄木を睨みつける。
「ふざけんな、歌歩がこんなこと言う訳ねぇだろ。コイツはニセモノだ…!」
「ニセモノって…!!勝己君どうしてそんな酷い事言うの…?」
「黙れ!!それ以上そいつの姿で喋るな、ぶっ殺すぞ!!」
歌歩の顔で、声で、どこまでも胸糞悪い奴だ。
「そんなこといわないでよ…。私はニセモノなんかじゃない、本物の無居歌歩だよ。小さい頃からずっと一緒だったのにどうしてそんなこと言うの…?」
泣き出しそうな顔で、上目使い気味に俺のことを見つめてくるそいつに吐き気がする。
「ね、勝己君。信じてよ」
俺の手を握りながら言う。
「……テメェが歌歩だって言うなら聞く。コレ、どう思う」
ずいっと服のポケットに仕舞い込んでたハリネズミのヌイバを見せつけると、そいつは目をパチパチとさせながら首を傾げ、
「え…ただのハリネズミの、ヌイバ…だと思うけど…それがどうかしたの?」
と言った。それを聞き、やはりと確信した。握ってきている手を振りほどき、目の前の歌歩に化けている奴のことを思い切り突き飛ばした。その衝撃でそいつは思い切り背中を打っていたがそんなこと構わない。
「ただのヌイバ…なんていう訳ねぇだろ。こいつはアイツの宝物だ…。父親から貰った、最後のプレゼントなんだからな!!」
歌歩の父親がいなくなる数日前は、歌歩の誕生日だった。だからプレゼントにと買ってもらったんだと、嬉しそうに自慢していた。そんな大切なヌイバのことを、”ただのヌイバ”だなんて、何があってもいう訳ねぇ…!
『勝己君、出久君見て見て、可愛いでしょ!ハリネズミさん!!パパがお誕生日に買ってくれたの』
はじけるような笑顔で、嬉しそうにコイツのことを見せてきた歌歩のことを思い出す。あの頃からずっと、ずっとこいつはアイツの宝物なんだよ…!
「ひっどいですー、何もそんな本気で突き飛ばさなくてもいいじゃないですかー。容赦ないなー」
そういいながら歌歩に化けている奴がスカートの埃を払いながら立ち上がりつついう。
「それにしてももう少し騙せるかと思ったんですけどね。バクゴー君はほんとーに歌歩ちゃんのことがだーいすきなんですね。歌歩ちゃん羨ましいな、こんなに誰かに好きになってもらえるなんて」
歌歩の姿のままニタァと笑いながら言うそいつが、心底不快だ。
「弔君ごめんね、上手く出来ませんでした」
「別にいい。あんま期待もしてなかったしな。もういいから、元の姿に戻れ」
その死柄木の言葉にそいつが返事をし、元の姿に戻ったそいつに見覚えがある。
「テメェは…前、ショッピングモールで歌歩に声掛けてたやつ…?」
「わー、覚えててくれたんですね、嬉しいなー」
対して興味なさそうに服を着ながらその女は言う。
こんな奴に構っている場合ではない。
「おい、歌歩はどこだ。アイツに何をした…!」
「うるさい、会わせてやるから少し黙ってろ。コンプレス」
死柄木が命じるとクソ仮面が「はいはい」といいながらコートのポケットからビー玉の様なものを取り出し、そこから歌歩が姿を現した。俺やあの鳥頭野郎と同じようにコイツの個性で閉じ込められていたのか。
「気失っちゃいるがほら、君の大切なお嬢さんなら無事だよ」
そう言ってクソ仮面が歌歩を俺に見せつける様にしながら片手で抱えた。抱えられている歌歩は相変わらず血の気がなく、真っ青だ。さっきの奴の個性の影響か…?あいつが歌歩に化けるために何かしたのは確実だろう。すぐに病院に連れてかねぇとヤバそうだ。とっとと取り返したいとこだが、下手に攻撃なんてしたら歌歩を巻き込んじまう。個性を解いて姿を見せてきたのは俺を大人しくさせるためか。
「やっと大人しくなったな。さて、話の続きをしようか…と言いたいとこだがもうゆっくり話して説得するなんて時間なさそうだな。ヒーロー達も調査を進めていると言っていたしな」
そういったかと思うと死柄木は
「先生、力を貸せ」
と、テレビに向かって話しかけた。先生?コイツがトップじゃねぇのか?
「黒霧、コンプレス。眠らせてしまっておけ」
死柄木の命令に「ったく、人使いが荒いねーうちのリーダーは」などと言いながらクソ仮面が歌歩をそっとソファに寝かせて俺に近付いてくる。クソ、どうにか隙作って歌歩連れて後ろのドアから…
「どーもォ、ピザーラ神野店でーす」
思考を巡らせていると、この場には似合わない呑気な声とドアを叩く音が響き渡った次の瞬間
「SMASSH!!」
ガキの頃から何度も何度も聞いた掛け声が聞こえ、ドアが吹っ飛ばされ、あっという間にヴィラン共が拘束された。
「怖かったろうに、よく耐えた」
歌歩を抱きかかえたオールマイトが俺の目の前にやって来た。
「ごめんな、もう大丈夫だ少年少女!」
「こっ、怖くねぇよ!ヨユーだクソ!」
「ハハハッ、そうだな、君は強い子だからな!……爆豪少年、この子を頼んだよ」
そう言ってオールマイトは俺に歌歩を渡した。その身体はとても冷たい。息もしてはいるが、苦しそうだ。俺は何してたんだ。コイツが酷い目に遭ってたっつ―のに、俺は、俺は…!
「かつ、き…くん…?」
腕の中から俺のことを呼ぶ声が聞こえた。視線を向けると、歌歩が意識はまだあまりはっきりしていない様子だが目を覚ましていた。俺のことをじっと見つめている。
「歌歩…!」
「勝己、君…助けに、来て、くれた、の…?」
「!……いや、俺はとっ捕まっちまっただけで、なんも出来なかった…」
ぎゅっと抱きしめる。
「ヒーローが、助けに来たからもう、大丈夫だ。ここ出たらすぐ病院連れてってやる。だからもう少しの辛抱だ」
制圧されているヴィランを見せると、安心した様な表情をみせた歌歩に少し救われた思いになる。
誰もがヒーローの勝ちを確信したであろうその時、
「お前が!!嫌いだ!!!」
と死柄木の絶叫が響き渡ったかと思うと、どこからともなくUSJの時に襲ってきた脳ミソヴィランが現れた。
「ヒッ…!」
悲鳴を上げ、歌歩が俺の首に腕を回してきた。歌歩の目に脳ミソヴィランが入らない様に抱きしめ、背中をさすってやりながら状況を理解しようと思考を巡らせようとしたその時、口の中に不快な感触が広がったかと思うと、ドロドロとした黒いヘドロのようなものに全身を包まれ、「爆豪少年、無居少女!!!」オールマイトの絶叫する声が聞こえたのを最後に何もわからなくなった。