向日葵
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今日は幼稚園が同じだった子と久しぶりに会う約束だ。勝己君や出久君以外の幼馴染と会えることが嬉しくて、すごく楽しみだ。せっかくだからお洒落しよう。そうだ、勝己君が誕生日にと買ってくれたワンピースを着て行こう。まだ1度も着ていないから、少しドキドキする。似合うと言ってもらえたら嬉しいな。そんなことを考えながら支度を終えて家を出た。
◇
久しぶりに会った幼馴染は元気そうで、会えて嬉しかったし遊べてとても楽しかった。今日はすごくいい日だったな。また遊びたい。あぁだけどもつい遊ぶのに夢中になってしまって帰りがすっかり遅くなってしまった。早く家に帰りたいから近道をしよう。そう思って人通りのほとんどない路地裏に入った。
◇
路地裏に入ると、数人の断末魔の様な叫び声が聞こえてきて、目の前には蒼い炎の海が広がっていた。辺り一帯に、肉を焼いたような臭いが満ちていてすごく不快だ。何を焼いているのか…察しはついてしまったが、考えたくない。理解もしたくない。炎の海の中心に、これを作り出したのであろう男の人がいる。その人がこちらをゆっくりと振り返ろうとする。ダメだ、姿を見られたら殺されてしまう…!そう思って無我夢中になりながら個性を使った。
◇
「ハァ、ハァ…」
個性を使ったはいいが、私は今一体どこにいるのだろう。路地裏から出てなるべく人の多い所に出たい、そう思ったのに相変わらず周りには誰もいない。最悪だ。失敗してしまったみたいだ。しかも自分を飛ばしたから、一気に体力を消耗してしまった。さっきの人は見当たらない。早く息を整えて逃げないと…!
「あ、そうだ…警察…警察呼ばないと…」
「そんなもん呼んでどうする気だ?お嬢さん」
「っ!!」
背後からいきなり声を掛けられた。恐る恐る振り返ってみると、下顎全体や首、腕などがツギハギだらけの男の人が立っていた。火傷の痕…?
恐らく先程の人と同一人物だろう。こんなに早く追いつかれるなんて…。どうして私は路地裏なんて通ってしまったんだ。なんて今更後悔した所でもう手遅れだ。後退りするとその人も一歩ずつ私に近づいてくる。後ろに下がり続けていると、そのうちに壁に背がついてしまった。すると男の人は心底楽しそうに
「残念だったなー、逃げ場なくなっちまった。どうする?ケーサツでも呼ぶか?」
そう馬鹿にした様に笑いながら私の目の前まで来た。恐怖に地面にへたり込み、声も出せず、動けなくなってしまった。震えが止まらない。そんな私のことを男の人は相変わらず楽しそうに眺めている。その姿があまりにも恐ろしくて、涙が零れてきた。
「泣くほど俺が怖いか。可哀想になー。けど、俺を恨むなよ。恨むならこんな時間にこんな路地裏を1人で通った自分自身を恨めよな、ガキ」
そう言いながら私の頭を撫でる手は不気味なほど優しくて、余計に恐怖心を煽られる。
「こ、殺さ、ない、で…くだ、さい…!」
やっとの思いで絞り出した声は、自分でもわかるくらいに震えていた。
「見られたからには殺さねぇと証拠が残っちまうからなぁ。それは出来ねぇ相談だ」
見ただろ?俺があのゴミ共を燃やしてるとこを、と続ける男の人の言葉に先程の断末魔と炎の海、あの不快な臭いが蘇ってきてまた涙が溢れてきた。
「泣くなよー。まるで俺が悪いみたいじゃねぇか。言ったろ?恨むなら俺じゃなくて自分を恨めってな。…ん?お前、どっかで見たことあるな…」
そういったかと思うと男の人は私の顎を掴んで無理矢理上を向かせてじっと見つめてきた。彼の光の一切宿らない2つの目玉がただひたすらに怖い。
「おいガキ。名前なんだ」
そう尋ねてくる男の人に向かって震える声のまま
「無居…歌歩…」
何とか名乗ると、男の人は舌打ちをして「あいつが言ってたガキかよ…めんどくせぇ…」と独り言を言った。そしてその人の腕が突然私の首元まで伸びてきて、絞め上げ始めた。
「ッッ!!」
抵抗しようと腕をひっかいてみたりするけれども、何にもならない。私の力じゃ腕を外すことなんて出来ない。息が出来ない。声を出すこともできない。
苦しい、嫌、怖い、怖い…死にたくない、死にたくないよ…!
助けて、たす、け、て…かつ、き…くん…!勝己くん……
◇
久しぶりに会った幼馴染は元気そうで、会えて嬉しかったし遊べてとても楽しかった。今日はすごくいい日だったな。また遊びたい。あぁだけどもつい遊ぶのに夢中になってしまって帰りがすっかり遅くなってしまった。早く家に帰りたいから近道をしよう。そう思って人通りのほとんどない路地裏に入った。
◇
路地裏に入ると、数人の断末魔の様な叫び声が聞こえてきて、目の前には蒼い炎の海が広がっていた。辺り一帯に、肉を焼いたような臭いが満ちていてすごく不快だ。何を焼いているのか…察しはついてしまったが、考えたくない。理解もしたくない。炎の海の中心に、これを作り出したのであろう男の人がいる。その人がこちらをゆっくりと振り返ろうとする。ダメだ、姿を見られたら殺されてしまう…!そう思って無我夢中になりながら個性を使った。
◇
「ハァ、ハァ…」
個性を使ったはいいが、私は今一体どこにいるのだろう。路地裏から出てなるべく人の多い所に出たい、そう思ったのに相変わらず周りには誰もいない。最悪だ。失敗してしまったみたいだ。しかも自分を飛ばしたから、一気に体力を消耗してしまった。さっきの人は見当たらない。早く息を整えて逃げないと…!
「あ、そうだ…警察…警察呼ばないと…」
「そんなもん呼んでどうする気だ?お嬢さん」
「っ!!」
背後からいきなり声を掛けられた。恐る恐る振り返ってみると、下顎全体や首、腕などがツギハギだらけの男の人が立っていた。火傷の痕…?
恐らく先程の人と同一人物だろう。こんなに早く追いつかれるなんて…。どうして私は路地裏なんて通ってしまったんだ。なんて今更後悔した所でもう手遅れだ。後退りするとその人も一歩ずつ私に近づいてくる。後ろに下がり続けていると、そのうちに壁に背がついてしまった。すると男の人は心底楽しそうに
「残念だったなー、逃げ場なくなっちまった。どうする?ケーサツでも呼ぶか?」
そう馬鹿にした様に笑いながら私の目の前まで来た。恐怖に地面にへたり込み、声も出せず、動けなくなってしまった。震えが止まらない。そんな私のことを男の人は相変わらず楽しそうに眺めている。その姿があまりにも恐ろしくて、涙が零れてきた。
「泣くほど俺が怖いか。可哀想になー。けど、俺を恨むなよ。恨むならこんな時間にこんな路地裏を1人で通った自分自身を恨めよな、ガキ」
そう言いながら私の頭を撫でる手は不気味なほど優しくて、余計に恐怖心を煽られる。
「こ、殺さ、ない、で…くだ、さい…!」
やっとの思いで絞り出した声は、自分でもわかるくらいに震えていた。
「見られたからには殺さねぇと証拠が残っちまうからなぁ。それは出来ねぇ相談だ」
見ただろ?俺があのゴミ共を燃やしてるとこを、と続ける男の人の言葉に先程の断末魔と炎の海、あの不快な臭いが蘇ってきてまた涙が溢れてきた。
「泣くなよー。まるで俺が悪いみたいじゃねぇか。言ったろ?恨むなら俺じゃなくて自分を恨めってな。…ん?お前、どっかで見たことあるな…」
そういったかと思うと男の人は私の顎を掴んで無理矢理上を向かせてじっと見つめてきた。彼の光の一切宿らない2つの目玉がただひたすらに怖い。
「おいガキ。名前なんだ」
そう尋ねてくる男の人に向かって震える声のまま
「無居…歌歩…」
何とか名乗ると、男の人は舌打ちをして「あいつが言ってたガキかよ…めんどくせぇ…」と独り言を言った。そしてその人の腕が突然私の首元まで伸びてきて、絞め上げ始めた。
「ッッ!!」
抵抗しようと腕をひっかいてみたりするけれども、何にもならない。私の力じゃ腕を外すことなんて出来ない。息が出来ない。声を出すこともできない。
苦しい、嫌、怖い、怖い…死にたくない、死にたくないよ…!
助けて、たす、け、て…かつ、き…くん…!勝己くん……