向日葵
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勝己君に連れられてやって来たのは、大型のショッピングモールだった。何を見るのだろう?
「あ、あの…何買いに来たの?」
「服」
「服?」
てっきり、夏休み入ったらすぐにあるヒーロー科の合宿に必要なものの買い物に付き合えってことかと思っていたが違うのか。
勝己君てわざわざショッピングモールにまで服買いに来るんだ。なんか意外だな。そういうのあまり興味ないと思ってた。というか服買いに来るだけなら私誘う必要性あるのかな。
「早く行くぞ」
そういってすたすたと歩いていく勝己君の後を慌てて追い掛ける。…あれ、
「勝己君、身長少し伸びた?」
「あ?自分じゃわかんねー。気のせいじゃねーの」
いや、絶対に4月よりも伸びたよ。なんか目線がまた上になったもん。
「…俺が伸びたんじゃなくてテメェが縮んだんじゃねぇの」
鼻で笑いながらそう言ってくる勝己君に反論しようと思ったが、怒らせてしまったら嫌なので我慢した。…再会したばかりの頃に比べたら普通に話せるようになったし、少しだけ小さい頃みたいに話せるようにもなったとは思うけれどもやっぱり、未だどこかに苦手意識が消えない。
「あの店入るぞ」
勝己君が指差すお店に視線を向けると、そこはとても可愛らしいワンピースやスカート、ブラウスなどが置いている、ガーリー系のお店だった。
「えっ…な、なんで…?」
「好きだろ。あの系統の服」
「う、うん…確かに好きだけど…」
でもどうして私の趣味の服なんて見るんだ?勝己君の服買いに来たんじゃ…。首を傾げて立ち止まる私の事なんてお構いなしにどんどん先へ行ってしまうので慌ててあとを追いかけた。
◇
そのお店の服は全部可愛くて、どれもいいなぁ…何か買おうかな、と思いながら見ているとふと、1着の服に目が留まった。
真っ白でフリルとリボンの着いた可愛らしいワンピースだ。いいなぁ…これ欲しい…と思いながら見ていると
「それ気に入ったのか?」
と勝己君に聞かれたので頷くと、しばらく私とその服をじっと見つめた。そして
「あぁ、似合うだろうな」
とボソッと呟かれた。なんだか少し照れ臭いなと思っていると、「すいません、これ下さい」近くにいた店員さんにそう伝えた。
「えっちょ、勝己君?!」
声を上げる私の事なんてお構いなしにさっさと会計を済ませて商品を受け取りスタスタと歩いて行ってしまう。
「ま、待って…!」
急いで追いかけるとすぐ追いつくことが出来た。
「か、勝己君…!あ、あの、服のお金…」
「いらねー。今日は俺が全部金出すからテメェは黙ってついて来い」
そう言って歩き続ける勝己君にでも…と遠慮しようとしたら
「うるせぇな、黙って奢られてろ」
凄まれたので大人しく言うことを聞くことにした。やっぱ勝己君顔怖い。
◇
勝己君がトイレへ行ってしまったので、私は1人で雑貨屋を見ていた。可愛らしいアクセサリーや雑貨、帽子が売っていてどれか買おうかなと思いながら見ているとふと、”ヒーロー殺し・ステイン”を彷彿とさせるグッズが目に入った。……何人ものヒーローを闇に葬り去ったヴィランを、こんな風にグッズにして売り出すなんて不謹慎すぎる。このヴィランのせいでどれだけの人が亡くなったり傷ついたりしたと思っているんだ。出久君だってまた、あのヴィランのせいで大怪我をした。出久君だけじゃない。轟君と飯田君だって、飯田君のお兄さんだって大怪我をして大変だったんだ。
被害に遭った人や傷ついた人が沢山いるのにどうしてこんなものを売り出してしまうのか全く理解が出来ない。
「ねぇねぇ、貴方もステ様が好きなの?」
突然声を掛けられて驚いて見てみると、髪をお団子ヘアにした同い年くらいの可愛い女の子がいた。
「えっえっと、あの…」
「私もステ様好きなの!かっこいいよね!!」
そう言いながら詰め寄るような勢いで興奮気味に話す女の子の勢いに押されつつも
「あ、あの、ご、ごめんなさい、私はあんまり、好きじゃ、ない…です…」
と言った。すると女の子は「そうですか…」と残念そうに言ったかと思うとすぐにパッと笑顔になって
「好き嫌いは人それぞれですからね!仕方ないです!」
と言われた。この子、何だろう…。すごく可愛いけどもなんか少し怖い、というかなんというか…
「おい、どうした?」
トイレから帰って来たらしく、勝己君の声が聞こえてきた。
「あっお連れさんがいたんですね。じゃあ今日はこの辺で!また今度会ってゆっくりお話しようね。バイバイ、歌歩ちゃん!」
そう言って女の子は去って行った。って、え?私の名前…
「今の奴知り合いか?」
勝己君がそう質問してくる。
「う、ううん、全然知らない…。初めて見た…」
「けどさっき歌歩ちゃんっつってたぞ?」
「うん…なんでだろう…体育祭、かな…?」
「予選で落ちたやつの名前覚えてるとは考え辛いと思うが…」
2人でそんな会話をしてしばらく考えたが、いくら考えても答えは出ないので、体育祭で覚えたのだろうということで無理矢理納得してあの女の子の話は終わりにした。
◇
買い物を終えて、私たちは帰路へ着いていた。
「あ、あの…勝己君、ほ、本当にもらっていいの?は、半額くらいは払う…」
「しつけぇな。いいっつてんだろ」
「で、でも…!」
この服、結構いい値段したよ…?しかも服だけじゃなくてご飯とかお茶とか、ついでに帽子まで買って貰っちゃったし…!さすがに申し訳ないって…!そういうと盛大に舌打ちをされた。酷い…。そんなことを思っていると
「いいんだよ。誕プレなんだからよ」
ぶっきらぼうに吐き捨てられた。
「え…誕プレ?」
「6月6日。誕生日だったろ。体育祭やらテストやら職場体験やらでバタバタしてて遅くなっちまったからよ。その詫びも含めてっつーことだ」
だから金のことは気に済んじゃねーよ、と少しバツが悪そうに目を逸らされた。
…誕生日、覚えてくれていたんだ。
「…ありがとう、大切に、するね。でもあの、なんかやっぱり、貰ってばっかりじゃ心苦しいので、何か、お礼を、させて下さい…」
というと勝己君は「お前、意外と頑固だよな、ガキの頃から…」と、溜息を吐かれた。
「だ、だって…私、勝己君の誕生日何も用意しなかったし…」
そういうと勝己君は「あー…」と声を漏らした。そして少し考えるそぶりを見せたかと思うと
「じゃあ俺が合宿に行く1週間の間、あれ貸せ。ハリネズミのヌイバ」
そのような提案をしてきた。
「え…なんで?」
「お前の宝物だからだ。それでいいだろ」
いや、いやいやいや、どう考えても割に合わないでしょ。全然レベルが違うって!そういうと
「何言ってんだよ、割に合いすぎるくらい合うわ。あれはテメェの宝物だろ。他の何にも変えれねーくれーの。だから貸せ。それでチャラだ」
だからもう一切気に済んじゃねーよ、これで話は終わりだわかったな!と、強制的に話を打ち切られてしまった。
…なんだか結局、言いくるめられてしまったような気がする。
「あ、あの…何買いに来たの?」
「服」
「服?」
てっきり、夏休み入ったらすぐにあるヒーロー科の合宿に必要なものの買い物に付き合えってことかと思っていたが違うのか。
勝己君てわざわざショッピングモールにまで服買いに来るんだ。なんか意外だな。そういうのあまり興味ないと思ってた。というか服買いに来るだけなら私誘う必要性あるのかな。
「早く行くぞ」
そういってすたすたと歩いていく勝己君の後を慌てて追い掛ける。…あれ、
「勝己君、身長少し伸びた?」
「あ?自分じゃわかんねー。気のせいじゃねーの」
いや、絶対に4月よりも伸びたよ。なんか目線がまた上になったもん。
「…俺が伸びたんじゃなくてテメェが縮んだんじゃねぇの」
鼻で笑いながらそう言ってくる勝己君に反論しようと思ったが、怒らせてしまったら嫌なので我慢した。…再会したばかりの頃に比べたら普通に話せるようになったし、少しだけ小さい頃みたいに話せるようにもなったとは思うけれどもやっぱり、未だどこかに苦手意識が消えない。
「あの店入るぞ」
勝己君が指差すお店に視線を向けると、そこはとても可愛らしいワンピースやスカート、ブラウスなどが置いている、ガーリー系のお店だった。
「えっ…な、なんで…?」
「好きだろ。あの系統の服」
「う、うん…確かに好きだけど…」
でもどうして私の趣味の服なんて見るんだ?勝己君の服買いに来たんじゃ…。首を傾げて立ち止まる私の事なんてお構いなしにどんどん先へ行ってしまうので慌ててあとを追いかけた。
◇
そのお店の服は全部可愛くて、どれもいいなぁ…何か買おうかな、と思いながら見ているとふと、1着の服に目が留まった。
真っ白でフリルとリボンの着いた可愛らしいワンピースだ。いいなぁ…これ欲しい…と思いながら見ていると
「それ気に入ったのか?」
と勝己君に聞かれたので頷くと、しばらく私とその服をじっと見つめた。そして
「あぁ、似合うだろうな」
とボソッと呟かれた。なんだか少し照れ臭いなと思っていると、「すいません、これ下さい」近くにいた店員さんにそう伝えた。
「えっちょ、勝己君?!」
声を上げる私の事なんてお構いなしにさっさと会計を済ませて商品を受け取りスタスタと歩いて行ってしまう。
「ま、待って…!」
急いで追いかけるとすぐ追いつくことが出来た。
「か、勝己君…!あ、あの、服のお金…」
「いらねー。今日は俺が全部金出すからテメェは黙ってついて来い」
そう言って歩き続ける勝己君にでも…と遠慮しようとしたら
「うるせぇな、黙って奢られてろ」
凄まれたので大人しく言うことを聞くことにした。やっぱ勝己君顔怖い。
◇
勝己君がトイレへ行ってしまったので、私は1人で雑貨屋を見ていた。可愛らしいアクセサリーや雑貨、帽子が売っていてどれか買おうかなと思いながら見ているとふと、”ヒーロー殺し・ステイン”を彷彿とさせるグッズが目に入った。……何人ものヒーローを闇に葬り去ったヴィランを、こんな風にグッズにして売り出すなんて不謹慎すぎる。このヴィランのせいでどれだけの人が亡くなったり傷ついたりしたと思っているんだ。出久君だってまた、あのヴィランのせいで大怪我をした。出久君だけじゃない。轟君と飯田君だって、飯田君のお兄さんだって大怪我をして大変だったんだ。
被害に遭った人や傷ついた人が沢山いるのにどうしてこんなものを売り出してしまうのか全く理解が出来ない。
「ねぇねぇ、貴方もステ様が好きなの?」
突然声を掛けられて驚いて見てみると、髪をお団子ヘアにした同い年くらいの可愛い女の子がいた。
「えっえっと、あの…」
「私もステ様好きなの!かっこいいよね!!」
そう言いながら詰め寄るような勢いで興奮気味に話す女の子の勢いに押されつつも
「あ、あの、ご、ごめんなさい、私はあんまり、好きじゃ、ない…です…」
と言った。すると女の子は「そうですか…」と残念そうに言ったかと思うとすぐにパッと笑顔になって
「好き嫌いは人それぞれですからね!仕方ないです!」
と言われた。この子、何だろう…。すごく可愛いけどもなんか少し怖い、というかなんというか…
「おい、どうした?」
トイレから帰って来たらしく、勝己君の声が聞こえてきた。
「あっお連れさんがいたんですね。じゃあ今日はこの辺で!また今度会ってゆっくりお話しようね。バイバイ、歌歩ちゃん!」
そう言って女の子は去って行った。って、え?私の名前…
「今の奴知り合いか?」
勝己君がそう質問してくる。
「う、ううん、全然知らない…。初めて見た…」
「けどさっき歌歩ちゃんっつってたぞ?」
「うん…なんでだろう…体育祭、かな…?」
「予選で落ちたやつの名前覚えてるとは考え辛いと思うが…」
2人でそんな会話をしてしばらく考えたが、いくら考えても答えは出ないので、体育祭で覚えたのだろうということで無理矢理納得してあの女の子の話は終わりにした。
◇
買い物を終えて、私たちは帰路へ着いていた。
「あ、あの…勝己君、ほ、本当にもらっていいの?は、半額くらいは払う…」
「しつけぇな。いいっつてんだろ」
「で、でも…!」
この服、結構いい値段したよ…?しかも服だけじゃなくてご飯とかお茶とか、ついでに帽子まで買って貰っちゃったし…!さすがに申し訳ないって…!そういうと盛大に舌打ちをされた。酷い…。そんなことを思っていると
「いいんだよ。誕プレなんだからよ」
ぶっきらぼうに吐き捨てられた。
「え…誕プレ?」
「6月6日。誕生日だったろ。体育祭やらテストやら職場体験やらでバタバタしてて遅くなっちまったからよ。その詫びも含めてっつーことだ」
だから金のことは気に済んじゃねーよ、と少しバツが悪そうに目を逸らされた。
…誕生日、覚えてくれていたんだ。
「…ありがとう、大切に、するね。でもあの、なんかやっぱり、貰ってばっかりじゃ心苦しいので、何か、お礼を、させて下さい…」
というと勝己君は「お前、意外と頑固だよな、ガキの頃から…」と、溜息を吐かれた。
「だ、だって…私、勝己君の誕生日何も用意しなかったし…」
そういうと勝己君は「あー…」と声を漏らした。そして少し考えるそぶりを見せたかと思うと
「じゃあ俺が合宿に行く1週間の間、あれ貸せ。ハリネズミのヌイバ」
そのような提案をしてきた。
「え…なんで?」
「お前の宝物だからだ。それでいいだろ」
いや、いやいやいや、どう考えても割に合わないでしょ。全然レベルが違うって!そういうと
「何言ってんだよ、割に合いすぎるくらい合うわ。あれはテメェの宝物だろ。他の何にも変えれねーくれーの。だから貸せ。それでチャラだ」
だからもう一切気に済んじゃねーよ、これで話は終わりだわかったな!と、強制的に話を打ち切られてしまった。
…なんだか結局、言いくるめられてしまったような気がする。