向日葵
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朝、家を出るためドアを開けたらそれはそれはもう驚いた。だって、
「よぉ、久しぶりだなぁ歌歩。元気だったか?」
門の前に、凶悪な笑みを浮かべた勝己君が立っていたんだもの。
「ひっ...!」
思わず声を上げ後退りすると、腕を掴まれて引き寄せられた。
「ひってなんだよ、失礼だなテメェは!久々に会った幼馴染見て悲鳴上げて逃げようとするなんざ随分なご挨拶じゃねぇか!」
私のリアクションが気に障った様で、早速怒鳴り出す勝己君。相変わらず気が短い様だ。そして相変わらず顔怖い。
「ど、怒鳴らないでよ...!腕も離して...!」
恐る恐る抗議してみるがうるせぇ!と一喝されてそのまま引き摺られる様にして連れ出された。
「あ、あの...どこ、行くの...?」
「あ?アホかテメェは。学校に決まってんだろ」
学校行くつもりなのか...。てっきりどこかに連れ込まれてボコボコにされるのかと思った。そんなこと口が裂けても言えない。口に出した瞬間爆破される。
「あ、あの...手、離して...」
「ダメだ」
そう言いながら勝己君は腕に力を込めて来た。痛い。跡が残ってしまうんじゃないだろうか。
◇
学校へ着くと、そのまま校舎裏へと連行されてしまった。なんだかカツアゲにでもあってるような気分だ。電車の中で人混みに乗じて逃げようかと思ったが「逃げたら分かってんだろうな.....?」と鬼のような形相で凄まれたので諦めた。
ここに来るまでの間、何人かにチラチラと見られてヒソヒソとされていた。その中に数人クラスメイトもいたのだが、どうしよう変な噂を流されでもしたら。勝己君目立つからなぁ.....。私まで目立ってしまうじゃないか.....。憂鬱だ.....。
「んだよ、その不満そうな顔は」
私の顔を見るなり、勝己君は不機嫌な様子を隠そうともせずに睨みつけてくる。
「おい、何とか言えよ」
勝己君イライラし始めてる。どうしよう何か言わなきゃ。でも怖くて何も言えない。どうしよう、早く何か言わないと余計怒らせちゃう。
なにか、何か言わないと...!せめて、せめて笑わなきゃ...!そう思って笑顔を作って口を開こうとした。
「おいコラこのブス!俺を無視するなんざいい度胸じゃねぇか!」
だけど遅かった様だ。何も言わない私に我慢出来なくなった様でとうとう勝己君は怒鳴り出してしまった。
「ど、怒鳴らないでよ...!」
「テメェが何も言わねぇのが悪いんだろうが!」
勇気を振り絞って文句を言ってみたがまたしても一喝されてしまった。
「テメェはいつもそうだ...俺が声掛けるとすぐビクビクオロオロしやがって...他のモブ共とはにこやかに話すくせによぉ.....」
それは勝己君がすぐに怒鳴るからじゃないか。私だって好きでビクビクしている訳では無い。
「挙句、俺には黙って引っ越したくせにあのクソナードには知らせてたとか...ふざけんじゃねーよ!」
「ひっ...」
思わず逃げようとしてからしまったと思った。
「まだ話し終わってねぇだろ!!」
壁際に追い詰められ、手をドン!っと音を立てながら壁に着けられ、逃げ道を塞がれてしまった。所謂、壁ドンというやつだ。
先程よりも勝己君の顔が近くなった。
彼の2つの赤い目が、私のことを睨みつけてくる。とても怖い。
「テメェはなんなんだよ...そんなに俺が嫌いかよ...」
違う、嫌いなんかじゃない。苦手意識はあるけれども、決して嫌いな訳では無い。だけどどうしても、子供の頃に植え付けられた恐怖心を取り除くことが出来ないんだ。
「なんで黙ってたんだよ...小3時、引っ越すってなんで俺に知らせなかったんだよ.....それだけじゃねぇ。なんで雄英入ったこと黙ってたんだ.....知ってたんだろ?俺がここ入ったって.....なのになんで顔も見せに来ねーんだよ.....」
勝己君の目が、なんだか少し変わったような気がした。先程までの怒り狂った目とは違って、なんだか少し泣きそうに見えた気がした。
「なんで...なんでテメェは、いつもいつも嘘つくんだよ.....!」
「え.....?な、何の話...」
「とぼけんじゃねぇよ!テメェはいつも、いっつも、嘘ついてんだろ!」
勝己君の言っていることが、理解出来ない。
「別に私、嘘ついてなんか...」
「ついてんだよ!いつもいつも...!無意識かよ.....クソ、ふざけやがって.....!」
勝己君が俯き始めながらぼそっと呟く。.....どうやら私は勝己君のことを酷く傷つけてしまったみたいだ。
「あ、あの、ごめん、なさ...」
「軽々しく謝ってんじゃねーよ!」
謝罪しようとすると勝己君は顔を上げて、先程よりも更に怒ったような顔をしている。火に油を注いでしまった。
そういうところが怖いんだと言いたいけど今そんなこと言ったら余計怒らせてしまう。どうしよう...。泣きたくなってきた。だけど泣いてはダメだ。泣いたら余計怒らせてしまうし嫌われてしまう。
「まただんまりかよ?!テメェマジでいい加減に...!」
「や、やめなよかっちゃん...!」
勝己君の言葉を遮るようにして声がした。走って来たのか、その声は息切れを起こしていて酷く焦っているように聞こえた。
記憶の中に残っているものよりも低くなっているが勝己君のことを『かっちゃん』と呼ぶということは
「ほ、ほら、あの...その、歌歩ちゃん、困ってる、から、さ...」
私のもう1人の幼馴染の、緑谷出久だろう。
「よぉ、久しぶりだなぁ歌歩。元気だったか?」
門の前に、凶悪な笑みを浮かべた勝己君が立っていたんだもの。
「ひっ...!」
思わず声を上げ後退りすると、腕を掴まれて引き寄せられた。
「ひってなんだよ、失礼だなテメェは!久々に会った幼馴染見て悲鳴上げて逃げようとするなんざ随分なご挨拶じゃねぇか!」
私のリアクションが気に障った様で、早速怒鳴り出す勝己君。相変わらず気が短い様だ。そして相変わらず顔怖い。
「ど、怒鳴らないでよ...!腕も離して...!」
恐る恐る抗議してみるがうるせぇ!と一喝されてそのまま引き摺られる様にして連れ出された。
「あ、あの...どこ、行くの...?」
「あ?アホかテメェは。学校に決まってんだろ」
学校行くつもりなのか...。てっきりどこかに連れ込まれてボコボコにされるのかと思った。そんなこと口が裂けても言えない。口に出した瞬間爆破される。
「あ、あの...手、離して...」
「ダメだ」
そう言いながら勝己君は腕に力を込めて来た。痛い。跡が残ってしまうんじゃないだろうか。
◇
学校へ着くと、そのまま校舎裏へと連行されてしまった。なんだかカツアゲにでもあってるような気分だ。電車の中で人混みに乗じて逃げようかと思ったが「逃げたら分かってんだろうな.....?」と鬼のような形相で凄まれたので諦めた。
ここに来るまでの間、何人かにチラチラと見られてヒソヒソとされていた。その中に数人クラスメイトもいたのだが、どうしよう変な噂を流されでもしたら。勝己君目立つからなぁ.....。私まで目立ってしまうじゃないか.....。憂鬱だ.....。
「んだよ、その不満そうな顔は」
私の顔を見るなり、勝己君は不機嫌な様子を隠そうともせずに睨みつけてくる。
「おい、何とか言えよ」
勝己君イライラし始めてる。どうしよう何か言わなきゃ。でも怖くて何も言えない。どうしよう、早く何か言わないと余計怒らせちゃう。
なにか、何か言わないと...!せめて、せめて笑わなきゃ...!そう思って笑顔を作って口を開こうとした。
「おいコラこのブス!俺を無視するなんざいい度胸じゃねぇか!」
だけど遅かった様だ。何も言わない私に我慢出来なくなった様でとうとう勝己君は怒鳴り出してしまった。
「ど、怒鳴らないでよ...!」
「テメェが何も言わねぇのが悪いんだろうが!」
勇気を振り絞って文句を言ってみたがまたしても一喝されてしまった。
「テメェはいつもそうだ...俺が声掛けるとすぐビクビクオロオロしやがって...他のモブ共とはにこやかに話すくせによぉ.....」
それは勝己君がすぐに怒鳴るからじゃないか。私だって好きでビクビクしている訳では無い。
「挙句、俺には黙って引っ越したくせにあのクソナードには知らせてたとか...ふざけんじゃねーよ!」
「ひっ...」
思わず逃げようとしてからしまったと思った。
「まだ話し終わってねぇだろ!!」
壁際に追い詰められ、手をドン!っと音を立てながら壁に着けられ、逃げ道を塞がれてしまった。所謂、壁ドンというやつだ。
先程よりも勝己君の顔が近くなった。
彼の2つの赤い目が、私のことを睨みつけてくる。とても怖い。
「テメェはなんなんだよ...そんなに俺が嫌いかよ...」
違う、嫌いなんかじゃない。苦手意識はあるけれども、決して嫌いな訳では無い。だけどどうしても、子供の頃に植え付けられた恐怖心を取り除くことが出来ないんだ。
「なんで黙ってたんだよ...小3時、引っ越すってなんで俺に知らせなかったんだよ.....それだけじゃねぇ。なんで雄英入ったこと黙ってたんだ.....知ってたんだろ?俺がここ入ったって.....なのになんで顔も見せに来ねーんだよ.....」
勝己君の目が、なんだか少し変わったような気がした。先程までの怒り狂った目とは違って、なんだか少し泣きそうに見えた気がした。
「なんで...なんでテメェは、いつもいつも嘘つくんだよ.....!」
「え.....?な、何の話...」
「とぼけんじゃねぇよ!テメェはいつも、いっつも、嘘ついてんだろ!」
勝己君の言っていることが、理解出来ない。
「別に私、嘘ついてなんか...」
「ついてんだよ!いつもいつも...!無意識かよ.....クソ、ふざけやがって.....!」
勝己君が俯き始めながらぼそっと呟く。.....どうやら私は勝己君のことを酷く傷つけてしまったみたいだ。
「あ、あの、ごめん、なさ...」
「軽々しく謝ってんじゃねーよ!」
謝罪しようとすると勝己君は顔を上げて、先程よりも更に怒ったような顔をしている。火に油を注いでしまった。
そういうところが怖いんだと言いたいけど今そんなこと言ったら余計怒らせてしまう。どうしよう...。泣きたくなってきた。だけど泣いてはダメだ。泣いたら余計怒らせてしまうし嫌われてしまう。
「まただんまりかよ?!テメェマジでいい加減に...!」
「や、やめなよかっちゃん...!」
勝己君の言葉を遮るようにして声がした。走って来たのか、その声は息切れを起こしていて酷く焦っているように聞こえた。
記憶の中に残っているものよりも低くなっているが勝己君のことを『かっちゃん』と呼ぶということは
「ほ、ほら、あの...その、歌歩ちゃん、困ってる、から、さ...」
私のもう1人の幼馴染の、緑谷出久だろう。