向日葵
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
トーナメント第1回戦、第1試合の出久君VS心操君の試合が始まった。クラスメイト達が一斉に心操君の応援を始める。
「これは心の強さを問われる戦い」
マイク先生の実況が終わると、心操君が口を開いた。
「強く想う将来があるなら形振り構ってちゃダメなんだ」
出久君に口をきかせるつもりみたいだ。心操君の個性ならば言葉を交わすことさえ出来ればほぼ勝ちが確定する様なものだ。けど出久君は恐らくさっき棄権していたクラスメイトの子に心操君の個性について聞いてると思うからそう簡単にはかからないんじゃないだろうか…。
「あの猿はプライドがどうのとか言ってたけど、チャンスをドブに捨てるなんてバカだと思わないか?」
心操君のその発言を聞くと、出久君は目を見開き怒った様に詰め寄りながら
「なんてこと言うんだ!」
口をきいてしまった。その瞬間、出久君は動かなくなった。心操君の個性にかかった様だ。
「緑谷開始早々完全停止!?アホ面でビクともしねぇ!心操の個性か?!」
マイク先生の実況が響き渡る。そう、心操君の個性――洗脳に上手くかかってしまったんだ。
出久君、相変わらず友達思いだね。聞いてたんでしょ?あの棄権した、尾白君ていうこから心操君の個性のこと。それなのに尾白君のことを貶されて怒ったんだよね?その友達思いなところ、出久君の1番の長所だと思う。だけどそれと同時に、1番の弱点でもあるんだと思う。出久君の優しさはいつか、自分のことを破滅へと導いてしまうことになるんじゃないかと、少し怖くなる。
「振り向いてそのまま場外まで歩いてけ」
心操君の命令に従い、出久君は場外へと歩き出した。これで心操君の勝ちは確実だろう。誰もがそう思ったであろうその時だった。出久君が個性を使ったのか、心操君の洗脳を解いたみたいだ。出久君の指が腫れ上がっている。ギリギリ場外へ出ないで済んだみたいだ。首の皮1枚繋がったというところだろうか。
「なんで…身体の自由はきかないハズだ!何したんだ!」
心操君の問いに出久君は答えない。
「何とか言えよ。指動かすだけでそんな威力か?羨ましいよ」
何も答えない出久君に対して心操君は続ける。
「俺はこんな個性のお陰でスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には、わかんないだろ!」
きっと、今の心操君の叫びは、出久君にとって辛いだろう。
「お誂え向きの個性に生まれて、望む場所に行ける奴らにはよ!」
心操君、違うよ。出久君はね、決して生まれながらに恵まれていた訳じゃないんだよ。貴方と同じくらい、個性のことで沢山、沢山悩んでいたんだよ。
……あぁ、出久君と心操君が似ていると感じたのは、個性で悩んでいるという共通点と、そんな深い苦悩にも負けず、ひたすらに自分の信じ憧れた、”ヒーロー”を目指し続けている強さが、似ているんだ。
私の幼馴染や友達、周囲の人達は、強い人ばかりだ。”Plus ultra!!"という校訓の通り、みんな揃いも揃って更に向こうへ目指して進んで行っていて、かっこよすぎるよ。
出久君と心操君の戦いは、出久君の勝利となって幕を下ろした。
クラスメイト達の歓声やヒーロー事務所の人達の反応を、心操君は泣きそうな顔で見ていた。
そして出久君と話をして、なんだかすっきりしたような、憑き物が落ちたような顔をしてスタジアムから退場して行った。
「なんか、いい試合だったね」
隣で観戦していたクラスメイトが笑顔でそう言った。
「これは心の強さを問われる戦い」
マイク先生の実況が終わると、心操君が口を開いた。
「強く想う将来があるなら形振り構ってちゃダメなんだ」
出久君に口をきかせるつもりみたいだ。心操君の個性ならば言葉を交わすことさえ出来ればほぼ勝ちが確定する様なものだ。けど出久君は恐らくさっき棄権していたクラスメイトの子に心操君の個性について聞いてると思うからそう簡単にはかからないんじゃないだろうか…。
「あの猿はプライドがどうのとか言ってたけど、チャンスをドブに捨てるなんてバカだと思わないか?」
心操君のその発言を聞くと、出久君は目を見開き怒った様に詰め寄りながら
「なんてこと言うんだ!」
口をきいてしまった。その瞬間、出久君は動かなくなった。心操君の個性にかかった様だ。
「緑谷開始早々完全停止!?アホ面でビクともしねぇ!心操の個性か?!」
マイク先生の実況が響き渡る。そう、心操君の個性――洗脳に上手くかかってしまったんだ。
出久君、相変わらず友達思いだね。聞いてたんでしょ?あの棄権した、尾白君ていうこから心操君の個性のこと。それなのに尾白君のことを貶されて怒ったんだよね?その友達思いなところ、出久君の1番の長所だと思う。だけどそれと同時に、1番の弱点でもあるんだと思う。出久君の優しさはいつか、自分のことを破滅へと導いてしまうことになるんじゃないかと、少し怖くなる。
「振り向いてそのまま場外まで歩いてけ」
心操君の命令に従い、出久君は場外へと歩き出した。これで心操君の勝ちは確実だろう。誰もがそう思ったであろうその時だった。出久君が個性を使ったのか、心操君の洗脳を解いたみたいだ。出久君の指が腫れ上がっている。ギリギリ場外へ出ないで済んだみたいだ。首の皮1枚繋がったというところだろうか。
「なんで…身体の自由はきかないハズだ!何したんだ!」
心操君の問いに出久君は答えない。
「何とか言えよ。指動かすだけでそんな威力か?羨ましいよ」
何も答えない出久君に対して心操君は続ける。
「俺はこんな個性のお陰でスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には、わかんないだろ!」
きっと、今の心操君の叫びは、出久君にとって辛いだろう。
「お誂え向きの個性に生まれて、望む場所に行ける奴らにはよ!」
心操君、違うよ。出久君はね、決して生まれながらに恵まれていた訳じゃないんだよ。貴方と同じくらい、個性のことで沢山、沢山悩んでいたんだよ。
……あぁ、出久君と心操君が似ていると感じたのは、個性で悩んでいるという共通点と、そんな深い苦悩にも負けず、ひたすらに自分の信じ憧れた、”ヒーロー”を目指し続けている強さが、似ているんだ。
私の幼馴染や友達、周囲の人達は、強い人ばかりだ。”Plus ultra!!"という校訓の通り、みんな揃いも揃って更に向こうへ目指して進んで行っていて、かっこよすぎるよ。
出久君と心操君の戦いは、出久君の勝利となって幕を下ろした。
クラスメイト達の歓声やヒーロー事務所の人達の反応を、心操君は泣きそうな顔で見ていた。
そして出久君と話をして、なんだかすっきりしたような、憑き物が落ちたような顔をしてスタジアムから退場して行った。
「なんか、いい試合だったね」
隣で観戦していたクラスメイトが笑顔でそう言った。