向日葵
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
午後の部が終わり、昼休憩の時間になった。クラスメイト達とお昼ご飯を食べに行こうと思っていたがお手洗いに行きたかったので別行動をすることにした。
お手洗いを出て食堂へ向かおうと歩いているとふと、出久君の姿が目に入ってきた。
「いず…んっ…?!」
出久君に声を掛けようとしたら突然口を塞がれて物陰へと連れ込まれた。慌てて抵抗しようとしたら
「大人しくしろ、俺だ俺!」
耳元でそう言われた。恐る恐る振り返ってみると、勝己君だった。
「あの…話って何?」
出久君の声が聞こえてきた。さっきは気づかなかったがどうやら他にも人がいるようだ。って、勝己君立ち聞きしてるの…?!
「静かにしてろ」
私の口から手を放して立ち聞きを続けようとする勝己君。
「あ、あの、立ち聞きは辞めた方が…」
「緑谷、お前オールマイトの隠し子かなんかか?」
勝己君に恐る恐る注意しようとしたら、出久君と話している人…あ、障害物競走の時に辺り一面を氷漬けにしてた人だ。名前はえっと…轟君だっけ?轟君がそんなことを大真面目に話している。出久君がオールマイトの隠し子…?何言ってるのあの人…。そんな訳ないじゃないか。出久君も全否定している。そんなことを思っていると、轟君は話しを続ける。ていうか私、この場にいるべきじゃないよね絶対に。
「あ、あの…勝己君、早く行こ…」
「いいから黙って待ってろ」
移動を促そうとしたが、勝己君は聞き耳持ってくれない。1人でこの場から去ろうかと思ったが、完全に抑え込まれてしまって身動き取れない。出久君、轟君、ごめんなさい立ち聞きなんてしてしまって…。
「個性婚、知ってるよな?超常が起きてから第2~第3世代で問題になったやつ。自分の個性をより強化して継がせるためだけに配偶者を選んで結婚を強いる」
轟君の声が、やけに響いて聞こえてくる。
「倫理観の欠落した前時代的発想。実績と金だけはある男だ。親父は母の親族を丸め込み、母の個性を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自身の欲求を満たそうってこった。うっとおしい!そんなクズの道具にはならねぇ!」
…やっぱりこんな話聞くべきじゃないと思うのだが、勝己君が離してくれずに動くことが出来ない。
「記憶の中の母はいつも泣いている。”お前の左側が醜い”と母は俺に煮え湯を浴びさせた」
記憶の中の母…。同じだ。私の記憶の中の母も、いつも泣いている。父がいなくなってから、いつも泣いていた…。
轟君は私なんかと比べ物にならないくらい、比べるのなんて失礼なくらいの苦しみ、悲しみを抱えているんだろう。だけどそんな轟君に少しだけ、親近感を覚えた。それと同時に、そんな抱えきれないくらいの悲しみや苦しみを抱えつつも戦っている轟君に、尊敬と憧れを抱いた。
轟君と出久君がいなくなるとやっと離してもらえた。2人の話を黙って聞いていた勝己君はとても神妙な顔をしていた。立ち聞きしていたことを注意しようと思っていたがその顔を見たらする気が失せてしまった。どうやら野次馬根性や面白半分で聞いていた訳ではないらしい。
お手洗いを出て食堂へ向かおうと歩いているとふと、出久君の姿が目に入ってきた。
「いず…んっ…?!」
出久君に声を掛けようとしたら突然口を塞がれて物陰へと連れ込まれた。慌てて抵抗しようとしたら
「大人しくしろ、俺だ俺!」
耳元でそう言われた。恐る恐る振り返ってみると、勝己君だった。
「あの…話って何?」
出久君の声が聞こえてきた。さっきは気づかなかったがどうやら他にも人がいるようだ。って、勝己君立ち聞きしてるの…?!
「静かにしてろ」
私の口から手を放して立ち聞きを続けようとする勝己君。
「あ、あの、立ち聞きは辞めた方が…」
「緑谷、お前オールマイトの隠し子かなんかか?」
勝己君に恐る恐る注意しようとしたら、出久君と話している人…あ、障害物競走の時に辺り一面を氷漬けにしてた人だ。名前はえっと…轟君だっけ?轟君がそんなことを大真面目に話している。出久君がオールマイトの隠し子…?何言ってるのあの人…。そんな訳ないじゃないか。出久君も全否定している。そんなことを思っていると、轟君は話しを続ける。ていうか私、この場にいるべきじゃないよね絶対に。
「あ、あの…勝己君、早く行こ…」
「いいから黙って待ってろ」
移動を促そうとしたが、勝己君は聞き耳持ってくれない。1人でこの場から去ろうかと思ったが、完全に抑え込まれてしまって身動き取れない。出久君、轟君、ごめんなさい立ち聞きなんてしてしまって…。
「個性婚、知ってるよな?超常が起きてから第2~第3世代で問題になったやつ。自分の個性をより強化して継がせるためだけに配偶者を選んで結婚を強いる」
轟君の声が、やけに響いて聞こえてくる。
「倫理観の欠落した前時代的発想。実績と金だけはある男だ。親父は母の親族を丸め込み、母の個性を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自身の欲求を満たそうってこった。うっとおしい!そんなクズの道具にはならねぇ!」
…やっぱりこんな話聞くべきじゃないと思うのだが、勝己君が離してくれずに動くことが出来ない。
「記憶の中の母はいつも泣いている。”お前の左側が醜い”と母は俺に煮え湯を浴びさせた」
記憶の中の母…。同じだ。私の記憶の中の母も、いつも泣いている。父がいなくなってから、いつも泣いていた…。
轟君は私なんかと比べ物にならないくらい、比べるのなんて失礼なくらいの苦しみ、悲しみを抱えているんだろう。だけどそんな轟君に少しだけ、親近感を覚えた。それと同時に、そんな抱えきれないくらいの悲しみや苦しみを抱えつつも戦っている轟君に、尊敬と憧れを抱いた。
轟君と出久君がいなくなるとやっと離してもらえた。2人の話を黙って聞いていた勝己君はとても神妙な顔をしていた。立ち聞きしていたことを注意しようと思っていたがその顔を見たらする気が失せてしまった。どうやら野次馬根性や面白半分で聞いていた訳ではないらしい。