向日葵

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「おい、心操!心操残ってるぞ!」

普通科である私達にとって、1位や2位、3位よりもそれはとても大きなニュースだ。ヒーロー科ばかりが残る中、ただ1人普通科である心操君が突破したなんて盛り上がるなという方が無理な話だろう。みんなテンションは最高潮にあがている。
私は誰を応援すればいいのだろう。出久君と勝己君、心操君の3人の応援はしたいが。


「次の騎馬戦、なんかすごいしんどそうなルールだね」
「あぁ。てか、あの緑谷ってやつすげー避けられてねーか?」

そんな会話をするクラスメイトの話を聞き、出久君の方を見てみると見事なまでにみんなから避けられているのが目に入ってきた。焦ってるみたいだ。そりゃ焦るか。でも出久君と組みたくないという人達の気持ちもよくわかる。1千万点なんてリスクが高すぎるもん…。
勝己君や他の人たちはどんどんチームを組んでいる。大丈夫かな、チームを組めずに失格なんてことにならないといいんだけど…。そう思いながら眺めていると女の子――確か麗日さんと組めたみたいだ。そして無事、他の2人とも。

そんなこんなしていると、あっという間に騎馬戦が始まった。その瞬間、一斉にみんな出久君に襲い掛かった。なんだか見ているだけのこっちまでヒヤヒヤする。
開始からまだそんなに経っていないのに早くもかなりの混戦状態へとなっている。
地上での戦いは不利だと判断したのか、出久君達のチームが空中へと逃げた。

「調子のってんじゃねーぞクソが!!」

という怒鳴り声と共にその後を勝己君が追いかける。って、騎馬から離れてる…!

「騎馬から離れたぞ!?良いのかあれ?!」

マイク先生の実況に対してミッドナイト先生はテクニカルなのでオッケーだと言った。…本当に何でもアリなんだな。

「爆豪ってやっぱガラ悪いね」

隣に座っている子が私にそう声をかけてきた。思わず苦笑する。

「あっおい。爆豪ハチマキ取られたぞ」
「え?」

勝己君がポイントを取られた?驚き画面に目を向けると、B組の人に奪われてしまったようだ。

「何アイツ。宣誓の時あんなこと言ってたくせにダッサ!」
「口先だけじゃん」
「ザマァねぇな」

クラスメイト達がここぞとばかりに勝己君のことをバカにしだした。そんな様子を見ていたら、

「口先だけじゃないよ」

気がつくと私は喋っていた。

「えっ?」

クラスメイト達が私のことを怪訝な顔で見ているが、気にせず続ける。

「勝己君は自分で言ったことは絶対に実行する人なの。だからすぐ、ポイント取り戻すよ」

そして絶対に、今日の体育祭で1位になるに決まっている。だって勝己君はそういう人だもん。自分で言ったことは昔から絶対に実行する、そんな強い人なんだ。そんなことも知らない人たちに、好き勝手言われるなんて我慢できない。

クラスメイト達がみんな、黙り込んで聞いている。みんなの目が、痛い気がする。余計なことを言ってしまっただろうか。

「………無居さんてやっぱり、男の趣味悪いよね」
「えっ?!」

なぜか私は、クラスメイト達に男の趣味が悪い女と認識されてしまった。

なぜ?!とショックを受けて放心していたら、肝心な騎馬戦の決着を見逃してしまった。
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