向日葵
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「雄英高校体育祭!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に1度の大バトル!どうせてめーらアレだろ、こいつらだろ!!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!ヒーロー科1年A組だろぉぉ!!?」
会場中にマイク先生の声が響き渡ると、元々賑わっていた会場が更に盛り上がった。すごいなー…と、どこか他人事のように思いながらマイク先生の声に従って入場する。周りの子たちはヒーロー科と自分たちとの扱いの差に文句を言っているが正直どうでもい。そんなことよりもA組の子達からの視線の方が気になる。何人かに見られているような気がする。顔をあげたくない。そんなことを考えていると、選手宣誓が始まるらしい。なんとその代表は勝己君みたいだ。
「えっかっちゃん?!」
A組の方から出久君の声が聞こえてきた。
「あいつ一応入試1位通過だったからな」
そんな会話が聞こえてきた。
「”ヒーロー科の”入試な!」
それに対してクラスメイトが出久君たちのことを睨みつけながら文句を言った。そこまで目くじら立てなくてもいいんじゃ…。周りと自分の温度差に頭が痛くなりそうだ。
「せんせー」
そんなことを考えていると、勝己君の宣誓が始まった。そして
「俺が1位になる」
と言い切った。その瞬間、A組の子たちのやると思ったーー!!という悲痛な叫び声と、他のクラスの子たちのブーイングが響き渡った。そんなことを物ともせずに勝己君は続ける。
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
と、あまりよろしくない意味合いのハンドサインをしながら。
我が幼馴染ながら、どんなメンタルしているんだ…と思う。普通こんな大人数の人…それも全国の生放送でそんな行動するなんて信じられない。…だけど勝己君のそういうところ、すごいな、かっこいいなと思う。あんな風に自分に自信をもってあんなこと言ったりするなんて、私には絶対に出来ない。昔から勝己君のそういう、自分に自信満々なところ尊敬する。まぁでもさすがに、こんな所であんな行動するのはだめだと思うけど。あとあのハンドサインも。
今頃おばさん、テレビ見ながら怒り狂ってそうだな。
選手宣誓が終わると、突然競技の説明が始まり、そして突然障害物競走が始まった。
先生のスタートの合図がすると同時にみんな一斉に走り出した。動きにくい…。と思いながらも頑張って走るかと思った次の瞬間、辺り一面が凍り付いた。どうやら先頭の人が個性を使ったようだ。なんて強力な個性なんだろう。足場がかなり不安定になった。少し動くだけで転んでしまいそうだ。勝己君や何人かは氷を物ともせずに先へ進んでいる。あの人たち本当に同い年?と聞きたくなるくらいみんな迷いなく進んでいてびっくりする。私も個性を使ってもう少し前へ行こうかと思ったが、こんなに早く使ってしまったらすぐにバテてしまう。仕方ないので氷の上を気を付けながら地道に進んでいくしかない。氷で足が固まらなかったのが幸いだった。なんとか歩くことは出来そうだ。何人かは動けなくなってしまいギブアップしている。それにしてもヒーロー科の人達はすごいな、ほとんどの人があの氷を避けてどんどん前に進んでいっている。
ふと前を見ると、私のかなり前の方を歩くよく見知った癖毛が特徴的な緑色の髪をした男の子――出久君の姿が目に入った。その後ろ姿は、子供の頃よく見ていたあの頼りなさげな背中とは違っていた。氷に苦戦しつつも一切の躊躇いもなく、前にどんどん進んでいっている。すごいな、小さい頃は何もないところで転んでいるような子だったのに。私と同じくらい、泣き虫だったのに。あの頃の少し頼りなさげな背中はもう、見る影もない。なんだか少し、寂しい気持ちになってきた。
そんなことを考えながら歩いていたからだろう。足を滑らせて、思い切りすっころんでしまった。せっかく凍り付くことは避けれたのに。痛い…血がかなり出ている。最悪だ…そう思った次の瞬間だった。マイク先生の実況と共に、巨大なロボットが登場した。どうやらこれを突破しろとのことらしい。そのロボットを見たら、完璧に心が折れ、ギブアップを宣言した。
まぁ、私にしてはよく頑張ったよね。あとはゆっくり、客席から見て出久君や、いらないと言われるだろうけど勝己君の応援でもしておこう。
会場中にマイク先生の声が響き渡ると、元々賑わっていた会場が更に盛り上がった。すごいなー…と、どこか他人事のように思いながらマイク先生の声に従って入場する。周りの子たちはヒーロー科と自分たちとの扱いの差に文句を言っているが正直どうでもい。そんなことよりもA組の子達からの視線の方が気になる。何人かに見られているような気がする。顔をあげたくない。そんなことを考えていると、選手宣誓が始まるらしい。なんとその代表は勝己君みたいだ。
「えっかっちゃん?!」
A組の方から出久君の声が聞こえてきた。
「あいつ一応入試1位通過だったからな」
そんな会話が聞こえてきた。
「”ヒーロー科の”入試な!」
それに対してクラスメイトが出久君たちのことを睨みつけながら文句を言った。そこまで目くじら立てなくてもいいんじゃ…。周りと自分の温度差に頭が痛くなりそうだ。
「せんせー」
そんなことを考えていると、勝己君の宣誓が始まった。そして
「俺が1位になる」
と言い切った。その瞬間、A組の子たちのやると思ったーー!!という悲痛な叫び声と、他のクラスの子たちのブーイングが響き渡った。そんなことを物ともせずに勝己君は続ける。
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
と、あまりよろしくない意味合いのハンドサインをしながら。
我が幼馴染ながら、どんなメンタルしているんだ…と思う。普通こんな大人数の人…それも全国の生放送でそんな行動するなんて信じられない。…だけど勝己君のそういうところ、すごいな、かっこいいなと思う。あんな風に自分に自信をもってあんなこと言ったりするなんて、私には絶対に出来ない。昔から勝己君のそういう、自分に自信満々なところ尊敬する。まぁでもさすがに、こんな所であんな行動するのはだめだと思うけど。あとあのハンドサインも。
今頃おばさん、テレビ見ながら怒り狂ってそうだな。
選手宣誓が終わると、突然競技の説明が始まり、そして突然障害物競走が始まった。
先生のスタートの合図がすると同時にみんな一斉に走り出した。動きにくい…。と思いながらも頑張って走るかと思った次の瞬間、辺り一面が凍り付いた。どうやら先頭の人が個性を使ったようだ。なんて強力な個性なんだろう。足場がかなり不安定になった。少し動くだけで転んでしまいそうだ。勝己君や何人かは氷を物ともせずに先へ進んでいる。あの人たち本当に同い年?と聞きたくなるくらいみんな迷いなく進んでいてびっくりする。私も個性を使ってもう少し前へ行こうかと思ったが、こんなに早く使ってしまったらすぐにバテてしまう。仕方ないので氷の上を気を付けながら地道に進んでいくしかない。氷で足が固まらなかったのが幸いだった。なんとか歩くことは出来そうだ。何人かは動けなくなってしまいギブアップしている。それにしてもヒーロー科の人達はすごいな、ほとんどの人があの氷を避けてどんどん前に進んでいっている。
ふと前を見ると、私のかなり前の方を歩くよく見知った癖毛が特徴的な緑色の髪をした男の子――出久君の姿が目に入った。その後ろ姿は、子供の頃よく見ていたあの頼りなさげな背中とは違っていた。氷に苦戦しつつも一切の躊躇いもなく、前にどんどん進んでいっている。すごいな、小さい頃は何もないところで転んでいるような子だったのに。私と同じくらい、泣き虫だったのに。あの頃の少し頼りなさげな背中はもう、見る影もない。なんだか少し、寂しい気持ちになってきた。
そんなことを考えながら歩いていたからだろう。足を滑らせて、思い切りすっころんでしまった。せっかく凍り付くことは避けれたのに。痛い…血がかなり出ている。最悪だ…そう思った次の瞬間だった。マイク先生の実況と共に、巨大なロボットが登場した。どうやらこれを突破しろとのことらしい。そのロボットを見たら、完璧に心が折れ、ギブアップを宣言した。
まぁ、私にしてはよく頑張ったよね。あとはゆっくり、客席から見て出久君や、いらないと言われるだろうけど勝己君の応援でもしておこう。