向日葵
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「えっ歌歩ちゃんが突然来てかっちゃんに抱き着いた?!」
保健室から戻り、急いで校舎から出ると校門の前で待っていてくれた飯田君と麗日さんから僕とかっちゃんのことを心配して歌歩ちゃんがやって来たという話を聞かされた。
「あぁ。突然緑谷君と爆豪君はいるかと言って来てな。それで爆豪君を見つけた途端教室まで入り込んできて抱き着いたんだ。とても驚いたよ…」
歌歩ちゃん…よっぽど心配してくれてたんだな。あとで大丈夫だったよって連絡入れておこう…。
「ねぇ、ほんとびっくりしたよー。クラスのみんな焦ってたねー。何人かは、面白い玩具見つけたーみたいな顔してたけど」
麗日さんが苦笑交じりに言う。何人か…あぁ、きっとあの人とあの人とあの人辺りかな…。その場でかっちゃんが爆発しなかったかが心配だ。
「あ、でも私は無居さんよりも爆豪君の対応の方が驚いたなー」
「かっちゃんの対応?」
「うん。爆豪君ね、無居さんが泣きそうな顔してたのを見て、すごく優しく頭と背中を撫でてあげてたの。まるで怖がってる無居さんを落ち着かせてあげようとするみたいに。私、爆豪君ってすぐ暴言吐いたり乱暴なイメージだったからさ。だから、あんな風に誰かに優しくすることあるんだって思っちゃった」
そういう麗日さんに対して
「確かにそうだな。彼があんなに穏やかな顔をしているところ、初めて見た」
と、飯田君も同意した。
かっちゃんが歌歩ちゃんに優しいのが驚き…?
何で2人共そんなに意外そうに話すんだろう。
かっちゃんは昔から歌歩ちゃんに優しいのにな。いつも歌歩ちゃんのことを気にかけていて。
…あ。そっか、僕は昔から2人と一緒にいたから、ずっと2人のことを見ていたから知っているけれども、他のみんなは知らないんだ。
普段の行いは粗暴だし、最近は歌歩ちゃんへの当たりもきついから、みんな知らないんだ。
かっちゃんがどれだけ歌歩ちゃんのことを大切に思っているのかとか、どれだけ大好きなのかとか。この学校で知ってるのは、僕だけなんだ。
歌歩ちゃんが泣くたびに必ず
『歌歩泣くなよ、この泣き虫!』
そう言って優しく頭を撫でて少し乱暴に涙をぬぐってあげていたかっちゃんのことを知っているのも、
『歌歩、パパもママもおじさんもおばさんもせんせいもいずくくんもみんなすき。だいすき。でも、かつきくんはとくべつ!とくべつにいちばん!いちばんだーーいすき!』
毎日のように飛び切りの笑顔でそう言っていた歌歩ちゃんのことを知っているのも、ここでは僕だけなんだ。
なんだか不思議な感覚だ。
いつの日か、他のみんなにも知られる日が来るのだろうか。
すれ違いにすれ違っている、こじれにこじれ切った、2人のよくわからない関係性が、僕以外の知るところになるのだろうか。
もしもその日が来るならば、その時はまた、昔みたいな2人に戻ってくれていたらいいのにな。
保健室から戻り、急いで校舎から出ると校門の前で待っていてくれた飯田君と麗日さんから僕とかっちゃんのことを心配して歌歩ちゃんがやって来たという話を聞かされた。
「あぁ。突然緑谷君と爆豪君はいるかと言って来てな。それで爆豪君を見つけた途端教室まで入り込んできて抱き着いたんだ。とても驚いたよ…」
歌歩ちゃん…よっぽど心配してくれてたんだな。あとで大丈夫だったよって連絡入れておこう…。
「ねぇ、ほんとびっくりしたよー。クラスのみんな焦ってたねー。何人かは、面白い玩具見つけたーみたいな顔してたけど」
麗日さんが苦笑交じりに言う。何人か…あぁ、きっとあの人とあの人とあの人辺りかな…。その場でかっちゃんが爆発しなかったかが心配だ。
「あ、でも私は無居さんよりも爆豪君の対応の方が驚いたなー」
「かっちゃんの対応?」
「うん。爆豪君ね、無居さんが泣きそうな顔してたのを見て、すごく優しく頭と背中を撫でてあげてたの。まるで怖がってる無居さんを落ち着かせてあげようとするみたいに。私、爆豪君ってすぐ暴言吐いたり乱暴なイメージだったからさ。だから、あんな風に誰かに優しくすることあるんだって思っちゃった」
そういう麗日さんに対して
「確かにそうだな。彼があんなに穏やかな顔をしているところ、初めて見た」
と、飯田君も同意した。
かっちゃんが歌歩ちゃんに優しいのが驚き…?
何で2人共そんなに意外そうに話すんだろう。
かっちゃんは昔から歌歩ちゃんに優しいのにな。いつも歌歩ちゃんのことを気にかけていて。
…あ。そっか、僕は昔から2人と一緒にいたから、ずっと2人のことを見ていたから知っているけれども、他のみんなは知らないんだ。
普段の行いは粗暴だし、最近は歌歩ちゃんへの当たりもきついから、みんな知らないんだ。
かっちゃんがどれだけ歌歩ちゃんのことを大切に思っているのかとか、どれだけ大好きなのかとか。この学校で知ってるのは、僕だけなんだ。
歌歩ちゃんが泣くたびに必ず
『歌歩泣くなよ、この泣き虫!』
そう言って優しく頭を撫でて少し乱暴に涙をぬぐってあげていたかっちゃんのことを知っているのも、
『歌歩、パパもママもおじさんもおばさんもせんせいもいずくくんもみんなすき。だいすき。でも、かつきくんはとくべつ!とくべつにいちばん!いちばんだーーいすき!』
毎日のように飛び切りの笑顔でそう言っていた歌歩ちゃんのことを知っているのも、ここでは僕だけなんだ。
なんだか不思議な感覚だ。
いつの日か、他のみんなにも知られる日が来るのだろうか。
すれ違いにすれ違っている、こじれにこじれ切った、2人のよくわからない関係性が、僕以外の知るところになるのだろうか。
もしもその日が来るならば、その時はまた、昔みたいな2人に戻ってくれていたらいいのにな。