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「ね、ねぇ、黛…!あ、あのさ、来週の日曜日部活休みじゃん?それで、あの、近所でお祭りがあるんだって...!だから、あの、その、一緒にいかない…?」
「別にいいけど」
「だ、だよねー…人込み多いとことか好きじゃないし黛行かな…え?今なんて言った?」
「別にいいけどって言った。まぁお前が行かないんなら俺もいかな…」
「行く!ぜっっったい行く!!!」
そんな感じで私の高校生活最後の夏休みは忘れられない思い出になることが決定した。
日曜日。
黛との約束の日になり、私のドキドキはもう最高潮へとなっていた。浴衣を着てみたはいいが、着付けはあっているだろうかとか、メイクとヘアセットは崩れていないだろうかとか、色々と考えながら待ち合わせ場所へと行った。
黛はまだ来ていない様だ。
とりあえず鏡で髪型と化粧が崩れていないか確認してみた。うん、大丈夫そうだ!
「黛、早く来ないかなー」
「もう来てる」
不意に聞こえてきた声に驚き、大声を上げてしまった。道行く人達にドン引きされてしまった。ものすごく恥ずかしい。
「ま、黛、いるならすぐ声掛けてよ…」
「お前が百面相してたから声掛けづらくて」
百面相なんてしてないってば!という私のツッコミを流して行くぞと先に進み始める黛。少しイラッと来るがまぁいいか。
まさか高校最後の夏休みに黛と一緒に夏祭りに来られるなんて夢みたいだ。
「浴衣」
「ん?」
「浴衣、着てきたんだな。似合ってる」
私の方をチラッと見てから、なんだか少し照れ臭そうにボソッと呟く様に言われた。ほ、褒められた…!嬉しすぎる、頑張って着てよかった…!
「あ、ありがとう…!そういって貰えるとすごくうれしい。実渕君に感謝しなきゃ!」
「実渕に?」
私の発言に怪訝な顔をしている黛。あぁ、そっかそういえば言っていなかったな。
「うん、実渕君。この浴衣選んでくれたのも、浴衣の着付け教えてくれたのも、ヘアアレンジのアドバイスくれたのもあと今日お祭りがあるのを教えてくれたのも実渕君なんだー」
私の話を聞くと黛はなんだか何とも言えないといったような顔をした。
「どうかしたの?」
「いや、別に…。実渕にはいったのか?今日祭り俺と来るって」
「ううん、そもそも実渕君に提案されたんだー。3、4週間前くらいだったかな?実渕君にね、お祭りがあるから浴衣でも着て黛誘って行って来ればって」
そう説明すると黛は「そうか…」といった。私何か変なことでも言ったかな?
八島に誘われて、祭りに来たはいいが思っていた以上の人込みに気が滅入りそうだ。しかも八島の話を聞き、可愛くない後輩共が付いてきているのではないかと思い辺りを軽く見渡してみると予想通り。少し離れたところに実渕と葉山と根武谷がいた。アイツらあれで隠れているつもりなのだろうか。自分たちが普通より目立つ存在だと自覚ないのか?葉山と根武谷はともかく、実渕まであれで隠れているつもりになっていることに少し驚いた。
どうしたものか…このまま付いて来られるのも嫌だが、直接文句なんて言ったらもっと面倒なことになるのは火を見るより明らか。仕方がないから好きなようにさせるか。…実渕、これを計算してたのか?あいつならそれくらいの頭も回るだろうな。来るんじゃなかったと少し後悔した。
「黛?大丈夫?人込み酔いでもした?」
考え込んでいると八島が俺のことを心配そうに見上げていた。いや、大丈夫だというと「本当に?無理しないでね?」とやはり心配そうな顔をしている。
…もう、余計なことを考えるのはやめよう。これ以上考えると、コイツのことだから無理やり誘ってしまったとか、いらない心配をするに違いない。
俺は可愛くない後輩たちの事なんて気にせず祭りを楽しむことにした。
残念とつくとはいえ、美人な女子が俺を祭りに誘って一緒に行ってくれるなんてまぁ、嬉しくないというわけじゃないしな。
.......少しだけ、あいつらにも感謝してやろう。礼なんて絶対言ってやらないがな。
「別にいいけど」
「だ、だよねー…人込み多いとことか好きじゃないし黛行かな…え?今なんて言った?」
「別にいいけどって言った。まぁお前が行かないんなら俺もいかな…」
「行く!ぜっっったい行く!!!」
そんな感じで私の高校生活最後の夏休みは忘れられない思い出になることが決定した。
日曜日。
黛との約束の日になり、私のドキドキはもう最高潮へとなっていた。浴衣を着てみたはいいが、着付けはあっているだろうかとか、メイクとヘアセットは崩れていないだろうかとか、色々と考えながら待ち合わせ場所へと行った。
黛はまだ来ていない様だ。
とりあえず鏡で髪型と化粧が崩れていないか確認してみた。うん、大丈夫そうだ!
「黛、早く来ないかなー」
「もう来てる」
不意に聞こえてきた声に驚き、大声を上げてしまった。道行く人達にドン引きされてしまった。ものすごく恥ずかしい。
「ま、黛、いるならすぐ声掛けてよ…」
「お前が百面相してたから声掛けづらくて」
百面相なんてしてないってば!という私のツッコミを流して行くぞと先に進み始める黛。少しイラッと来るがまぁいいか。
まさか高校最後の夏休みに黛と一緒に夏祭りに来られるなんて夢みたいだ。
「浴衣」
「ん?」
「浴衣、着てきたんだな。似合ってる」
私の方をチラッと見てから、なんだか少し照れ臭そうにボソッと呟く様に言われた。ほ、褒められた…!嬉しすぎる、頑張って着てよかった…!
「あ、ありがとう…!そういって貰えるとすごくうれしい。実渕君に感謝しなきゃ!」
「実渕に?」
私の発言に怪訝な顔をしている黛。あぁ、そっかそういえば言っていなかったな。
「うん、実渕君。この浴衣選んでくれたのも、浴衣の着付け教えてくれたのも、ヘアアレンジのアドバイスくれたのもあと今日お祭りがあるのを教えてくれたのも実渕君なんだー」
私の話を聞くと黛はなんだか何とも言えないといったような顔をした。
「どうかしたの?」
「いや、別に…。実渕にはいったのか?今日祭り俺と来るって」
「ううん、そもそも実渕君に提案されたんだー。3、4週間前くらいだったかな?実渕君にね、お祭りがあるから浴衣でも着て黛誘って行って来ればって」
そう説明すると黛は「そうか…」といった。私何か変なことでも言ったかな?
八島に誘われて、祭りに来たはいいが思っていた以上の人込みに気が滅入りそうだ。しかも八島の話を聞き、可愛くない後輩共が付いてきているのではないかと思い辺りを軽く見渡してみると予想通り。少し離れたところに実渕と葉山と根武谷がいた。アイツらあれで隠れているつもりなのだろうか。自分たちが普通より目立つ存在だと自覚ないのか?葉山と根武谷はともかく、実渕まであれで隠れているつもりになっていることに少し驚いた。
どうしたものか…このまま付いて来られるのも嫌だが、直接文句なんて言ったらもっと面倒なことになるのは火を見るより明らか。仕方がないから好きなようにさせるか。…実渕、これを計算してたのか?あいつならそれくらいの頭も回るだろうな。来るんじゃなかったと少し後悔した。
「黛?大丈夫?人込み酔いでもした?」
考え込んでいると八島が俺のことを心配そうに見上げていた。いや、大丈夫だというと「本当に?無理しないでね?」とやはり心配そうな顔をしている。
…もう、余計なことを考えるのはやめよう。これ以上考えると、コイツのことだから無理やり誘ってしまったとか、いらない心配をするに違いない。
俺は可愛くない後輩たちの事なんて気にせず祭りを楽しむことにした。
残念とつくとはいえ、美人な女子が俺を祭りに誘って一緒に行ってくれるなんてまぁ、嬉しくないというわけじゃないしな。
.......少しだけ、あいつらにも感謝してやろう。礼なんて絶対言ってやらないがな。