君の隣
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キセキの世代の主将、赤司征十郎が我が洛山高校男子バスケットボール部に入部するというビックニュースが私の耳に届いたのは新学期が始まって3日が経った日のことだった。
マネージャー仲間であり、去年までのクラスメイトの樋口くんがわざわざ知らせに来てくれた。
「キセキの世代?!帝光中の?!」
思わず大声を上げてしまい、周りにいたクラスメイト達に変な目で見られてしまった。恥ずかしい……。
「あぁ、らしいよ。監督が言ってた。だから黛と八島にも知らせた方がいいかと思って伝えにきたんだ」
そういう樋口くんに対して「ご苦労なこってな」とラノベを読みながら対して興味なさげな様子の黛。
どうしてそんなひと事なの、自分も所属している部活の事なんだからもう少し何かないのかと聞くと、一軍マネージャーとかいう大層な立場にいるお前らと違って三軍止まりの俺には関係ねぇよとのこと。
その言い方になんだかムカついたので文句を言おうとするとまぁまぁと、苦笑気味の樋口くんに止められた。
「それにしてもすごいね。去年は実渕くんと葉山くん、根武谷くんが入ってきて。それだけでも充分強いのにそこに更にキセキの世代の子まで入ってくるなんて」
RPGとかだったらラスボスの立ち位置にいそうだよね、というと樋口くんが確かに、と笑った。
「確実にプレイヤーがトラウマ植え付けられるレベルのラスボスだろうな」
と、相変わらずラノベを読みながら話す黛。
キセキの世代に隠れた、もう1つの伝説の様な存在の5人、無冠の五将。そう呼ばれている5人のうち、3人がうちのバスケ部に所属している。
夜叉・実渕玲央、雷獣・葉山小太郎、剛力・根武谷永吉。その3人だけでも強すぎるくらい強い。
そこにキセキの世代が加わることを想像してみた。
……こんなの、どうやったら勝てるの。無理でしょ。
「あの子達が敵じゃなくてほんっと、よかった………」
私の心の底からの一言に、2人が引きつった笑いを浮かべた。
*****
そんな話をした次の日だった。噂の赤司くんが入部してきたのは。
見た目は別に普通の高校生といった印象の子だった。身長は170cm代というバスケ選手としてはどちらかというと小柄な部類になるし。
けれども直感で思った。彼には逆らってはいけない。
そう思ったのは、私だけではなくその場にいた全員だろう。
だから、1年生でしかも、入って来たその日に彼を主将にするという監督の決定に誰1人として反対しなかったんだ。普通に考えたら異常だ。
1年生を主将にするという話をされて、誰1人として反対する人間が出て来ないなんて。
RPGのラスボス……そんな可愛いものじゃない。赤司征十郎という人間は、魔王だ。
マネージャー仲間であり、去年までのクラスメイトの樋口くんがわざわざ知らせに来てくれた。
「キセキの世代?!帝光中の?!」
思わず大声を上げてしまい、周りにいたクラスメイト達に変な目で見られてしまった。恥ずかしい……。
「あぁ、らしいよ。監督が言ってた。だから黛と八島にも知らせた方がいいかと思って伝えにきたんだ」
そういう樋口くんに対して「ご苦労なこってな」とラノベを読みながら対して興味なさげな様子の黛。
どうしてそんなひと事なの、自分も所属している部活の事なんだからもう少し何かないのかと聞くと、一軍マネージャーとかいう大層な立場にいるお前らと違って三軍止まりの俺には関係ねぇよとのこと。
その言い方になんだかムカついたので文句を言おうとするとまぁまぁと、苦笑気味の樋口くんに止められた。
「それにしてもすごいね。去年は実渕くんと葉山くん、根武谷くんが入ってきて。それだけでも充分強いのにそこに更にキセキの世代の子まで入ってくるなんて」
RPGとかだったらラスボスの立ち位置にいそうだよね、というと樋口くんが確かに、と笑った。
「確実にプレイヤーがトラウマ植え付けられるレベルのラスボスだろうな」
と、相変わらずラノベを読みながら話す黛。
キセキの世代に隠れた、もう1つの伝説の様な存在の5人、無冠の五将。そう呼ばれている5人のうち、3人がうちのバスケ部に所属している。
夜叉・実渕玲央、雷獣・葉山小太郎、剛力・根武谷永吉。その3人だけでも強すぎるくらい強い。
そこにキセキの世代が加わることを想像してみた。
……こんなの、どうやったら勝てるの。無理でしょ。
「あの子達が敵じゃなくてほんっと、よかった………」
私の心の底からの一言に、2人が引きつった笑いを浮かべた。
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そんな話をした次の日だった。噂の赤司くんが入部してきたのは。
見た目は別に普通の高校生といった印象の子だった。身長は170cm代というバスケ選手としてはどちらかというと小柄な部類になるし。
けれども直感で思った。彼には逆らってはいけない。
そう思ったのは、私だけではなくその場にいた全員だろう。
だから、1年生でしかも、入って来たその日に彼を主将にするという監督の決定に誰1人として反対しなかったんだ。普通に考えたら異常だ。
1年生を主将にするという話をされて、誰1人として反対する人間が出て来ないなんて。
RPGのラスボス……そんな可愛いものじゃない。赤司征十郎という人間は、魔王だ。