君の隣
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夏場の部活後ってのは最悪だ。疲れるわ、ジメジメするわ、暑苦しい上に汗でビチャビチャになって気持ち悪い。そんな時期に...
「黛さんとっとと小鳩ちゃん先輩に告りなよ!」
「そうよ焦れったいわね、好きなんでしょ?!何処の馬の骨かも分からない様な男に取られでもしたらどうするのよ!!」
「まさか八島の方から言ってくるの待ってるとかじゃねぇよな?!ふざけんな、男なら自分から行くもんだろ!!」
180cmオーバーの野郎3人に狭い更衣室で囲まれて凄まれるとかどんな悪夢だ。
事の発端は、数分前に遡る。自主練含め今日のメニューを全て終えた為帰ろうと更衣室で着替えていると先に葉山がいた。「あ、黛サンも自主練終わったのー?」と聞いてきたのでそれに対して適当に返事をした。暫くはお互い無言でいたが突然葉山が
「そういやさー。小鳩ちゃん先輩って黛サンのこと大好きだよねー。でも黛サンは先輩のことどう思ってんのー?」
と、聞いてきた。面倒なので無視していると
「ちょっ、無視?!酷くね?!ちょっと、黛サン!!!」
喧しくギャーギャーと喚きしらし始めた。
「何騒いですのようるさいわねー」
「部室の外まで聞こえてんぞお前の声」
「元気なのは構わないが、あまり周りに迷惑を掛けてはいけないよ、小太郎」
葉山が喚き始めてから暫くすると、面倒なのがぞろぞろと入って来た。俺は内心舌打ちをした。
「だってさー。3人は気にならない?黛サンが小鳩ちゃん先輩のことどう思ってんのかー。先輩が黛サンのこと好きなのはどう見ても明らかだけどさー」
そういう葉山に実渕が
「あら、小太郎が気づいていたなんて意外ね。てっきりわかっていないものだと思っていたわ」
と言った。すると根武谷が
「いやあれ見ててわかんねー奴のが少数だろ...」
そう続けた。コイツら、俺が八島の気持ちに気づいてなかったらどうする気なんだ。まぁ、気付いているが。
「小鳩ちゃん先輩分かりやすいからねー」
アイツが分かりやすいのは確かだが、いくら何でもお前には言われたくないと思うぞ。
「そういうところも可愛いんだけどさー。って、そんなことはいいんだよどうでも!今俺が知りたいのは、黛サンが先輩のことどう思ってんのか!」
そう言って葉山が矛先を俺の方へと戻してきた。そんな葉山に対して
「いやぁね、そんなのきくまでもないじゃない」
実渕が楽しげにケラケラと笑いながら言ったかと思うと、いきなり目をスっと細めて俺の事を睨みつけながら
「好きなんでしょ?いい加減はっきりしなさいよ」
と、責めるような口調で言ってきた。
「別に好きじゃねぇよ」
そりゃ、比較的仲のいい部類にはなるが。そういう俺の声は、葉山による
「やっぱそうだよね!そうだと思った!!」
という絶叫に掻き消された。真横で絶叫すんなよ、耳イカレたらどうしてくれる。つか、人の話を聞けよ。
「じゃあ両思いってやつじゃねーか。なんで告らねぇんだよ」
「だから、仲良いだけで好きではないって言ってるだろ」
そういう俺に対して3人は揃って不満げな顔をした。
「えー...ウッソだぁ...黛サン、小鳩ちゃん先輩と話してる時の自分の顔見たことないの?」
ある訳ないだろ。
「ある訳ないでしょ。黛さん鏡でも見ながら話してるの?でもまぁ確かに、普段からは考えられないくらい優しくて穏やかで楽しそうな顔してるわよね」
は?そんな顔した覚えないのだが.....
「4人とも。盛り上がるのは構わないが、帰り支度もちゃんとするんだよ。下校時刻を過ぎてしまうよ」
帰り支度が進んでいない俺達を見兼ねてか、赤司が口を挟んで来た。
「あ、ごめんごめん!すぐ準備するよ。ちなみに、赤司は黛サンって先輩のこと好きだと思う?」
赤司にまで振るなよめんどくせぇ。そもそもこいつがそんな話に乗っかるわけ...
「そうだねぇ...僕は千尋本人では無いから分からないけれども...」
お前まで乗っかるのかよ...そう思いながら話を聞いていると、不意に赤司が俺へと視線を向けてきた。そして、
「お前の性格上、好きでもない女子を傘に入れてわざわざ寮まで送り届けたりしないと思うけどね」
そう続けた。...って、ちょっ
「な、なんで知って...」
聞き返そうとして、しまったと思った。が、既に遅かった。
「えっ?!黛サン相合傘で小鳩ちゃん先輩と帰ったの?!そのくせなんの進展もなかったの?!」
「信じらんない、そんな大チャンスがあったのに告白しなかったの?!」
「お前、そこはなんか行動するべきだろ!!」
などという言葉と共に3人にとりかこまれた。そして冒頭のやりとりへと繋がる。
「あの4人、何してんの?」
更衣室のドアを開く音がしたかと思うと、樋口が入ってきた。俺と実渕達のやり取りを怪訝な顔で見ながら赤司に尋ねている。
「3人が痺れを切らしたみたいだよ。千尋のハッキリとしない態度に」
困ったものだね。と、全ての元凶であるあの魔王様は微笑んでいる。誰かあの魔王倒せる勇者呼んでこい。
「あっひぐっさん!ねぇ、ひぐっさんからもなんとか言ってやってよ」
樋口の存在に気が付き、葉山は俺から離れてアイツの方へと詰め寄った。
「言ってやってって何を?」
「小鳩ちゃんのことよ。この人、はっきりしないでしょ?見てて焦れったいのよ」
実渕の言葉を聞くと樋口はあぁ...と言い、
「黛、やっぱ八島のこと好きなんだ」
などと続けやがった。否定しようとする俺よりも先に葉山が
「そうそう!なのにいつまで経ってもどうもしようとしなくてさ。いつまでもそんなんじゃ、先輩が可哀想だよ」
と、喚いた。それに対して樋口は
「うーん、まぁ確かに八島が気の毒かもしれないけど...それは黛の問題であって、俺達が口出しする事じゃないんじゃないの?」
そう続けた。それを聞くと3人は納得した様な、まだ不満の残ると言ったような顔をした。
「正太の言う通りだよ、3人とも。さぁ、いい加減帰ろう。早くしないと生活指導の先生に何を言われるか分からないからね」
その赤司の言葉に、3人は渋々と返事をして帰り支度を始めた。
やっと解放されて、清々した。樋口には一応感謝しておこう。
まぁ、お礼なんて言ったりはしないが。
「黛さんとっとと小鳩ちゃん先輩に告りなよ!」
「そうよ焦れったいわね、好きなんでしょ?!何処の馬の骨かも分からない様な男に取られでもしたらどうするのよ!!」
「まさか八島の方から言ってくるの待ってるとかじゃねぇよな?!ふざけんな、男なら自分から行くもんだろ!!」
180cmオーバーの野郎3人に狭い更衣室で囲まれて凄まれるとかどんな悪夢だ。
事の発端は、数分前に遡る。自主練含め今日のメニューを全て終えた為帰ろうと更衣室で着替えていると先に葉山がいた。「あ、黛サンも自主練終わったのー?」と聞いてきたのでそれに対して適当に返事をした。暫くはお互い無言でいたが突然葉山が
「そういやさー。小鳩ちゃん先輩って黛サンのこと大好きだよねー。でも黛サンは先輩のことどう思ってんのー?」
と、聞いてきた。面倒なので無視していると
「ちょっ、無視?!酷くね?!ちょっと、黛サン!!!」
喧しくギャーギャーと喚きしらし始めた。
「何騒いですのようるさいわねー」
「部室の外まで聞こえてんぞお前の声」
「元気なのは構わないが、あまり周りに迷惑を掛けてはいけないよ、小太郎」
葉山が喚き始めてから暫くすると、面倒なのがぞろぞろと入って来た。俺は内心舌打ちをした。
「だってさー。3人は気にならない?黛サンが小鳩ちゃん先輩のことどう思ってんのかー。先輩が黛サンのこと好きなのはどう見ても明らかだけどさー」
そういう葉山に実渕が
「あら、小太郎が気づいていたなんて意外ね。てっきりわかっていないものだと思っていたわ」
と言った。すると根武谷が
「いやあれ見ててわかんねー奴のが少数だろ...」
そう続けた。コイツら、俺が八島の気持ちに気づいてなかったらどうする気なんだ。まぁ、気付いているが。
「小鳩ちゃん先輩分かりやすいからねー」
アイツが分かりやすいのは確かだが、いくら何でもお前には言われたくないと思うぞ。
「そういうところも可愛いんだけどさー。って、そんなことはいいんだよどうでも!今俺が知りたいのは、黛サンが先輩のことどう思ってんのか!」
そう言って葉山が矛先を俺の方へと戻してきた。そんな葉山に対して
「いやぁね、そんなのきくまでもないじゃない」
実渕が楽しげにケラケラと笑いながら言ったかと思うと、いきなり目をスっと細めて俺の事を睨みつけながら
「好きなんでしょ?いい加減はっきりしなさいよ」
と、責めるような口調で言ってきた。
「別に好きじゃねぇよ」
そりゃ、比較的仲のいい部類にはなるが。そういう俺の声は、葉山による
「やっぱそうだよね!そうだと思った!!」
という絶叫に掻き消された。真横で絶叫すんなよ、耳イカレたらどうしてくれる。つか、人の話を聞けよ。
「じゃあ両思いってやつじゃねーか。なんで告らねぇんだよ」
「だから、仲良いだけで好きではないって言ってるだろ」
そういう俺に対して3人は揃って不満げな顔をした。
「えー...ウッソだぁ...黛サン、小鳩ちゃん先輩と話してる時の自分の顔見たことないの?」
ある訳ないだろ。
「ある訳ないでしょ。黛さん鏡でも見ながら話してるの?でもまぁ確かに、普段からは考えられないくらい優しくて穏やかで楽しそうな顔してるわよね」
は?そんな顔した覚えないのだが.....
「4人とも。盛り上がるのは構わないが、帰り支度もちゃんとするんだよ。下校時刻を過ぎてしまうよ」
帰り支度が進んでいない俺達を見兼ねてか、赤司が口を挟んで来た。
「あ、ごめんごめん!すぐ準備するよ。ちなみに、赤司は黛サンって先輩のこと好きだと思う?」
赤司にまで振るなよめんどくせぇ。そもそもこいつがそんな話に乗っかるわけ...
「そうだねぇ...僕は千尋本人では無いから分からないけれども...」
お前まで乗っかるのかよ...そう思いながら話を聞いていると、不意に赤司が俺へと視線を向けてきた。そして、
「お前の性格上、好きでもない女子を傘に入れてわざわざ寮まで送り届けたりしないと思うけどね」
そう続けた。...って、ちょっ
「な、なんで知って...」
聞き返そうとして、しまったと思った。が、既に遅かった。
「えっ?!黛サン相合傘で小鳩ちゃん先輩と帰ったの?!そのくせなんの進展もなかったの?!」
「信じらんない、そんな大チャンスがあったのに告白しなかったの?!」
「お前、そこはなんか行動するべきだろ!!」
などという言葉と共に3人にとりかこまれた。そして冒頭のやりとりへと繋がる。
「あの4人、何してんの?」
更衣室のドアを開く音がしたかと思うと、樋口が入ってきた。俺と実渕達のやり取りを怪訝な顔で見ながら赤司に尋ねている。
「3人が痺れを切らしたみたいだよ。千尋のハッキリとしない態度に」
困ったものだね。と、全ての元凶であるあの魔王様は微笑んでいる。誰かあの魔王倒せる勇者呼んでこい。
「あっひぐっさん!ねぇ、ひぐっさんからもなんとか言ってやってよ」
樋口の存在に気が付き、葉山は俺から離れてアイツの方へと詰め寄った。
「言ってやってって何を?」
「小鳩ちゃんのことよ。この人、はっきりしないでしょ?見てて焦れったいのよ」
実渕の言葉を聞くと樋口はあぁ...と言い、
「黛、やっぱ八島のこと好きなんだ」
などと続けやがった。否定しようとする俺よりも先に葉山が
「そうそう!なのにいつまで経ってもどうもしようとしなくてさ。いつまでもそんなんじゃ、先輩が可哀想だよ」
と、喚いた。それに対して樋口は
「うーん、まぁ確かに八島が気の毒かもしれないけど...それは黛の問題であって、俺達が口出しする事じゃないんじゃないの?」
そう続けた。それを聞くと3人は納得した様な、まだ不満の残ると言ったような顔をした。
「正太の言う通りだよ、3人とも。さぁ、いい加減帰ろう。早くしないと生活指導の先生に何を言われるか分からないからね」
その赤司の言葉に、3人は渋々と返事をして帰り支度を始めた。
やっと解放されて、清々した。樋口には一応感謝しておこう。
まぁ、お礼なんて言ったりはしないが。