ターコイズに恋焦がれ〜初めてのクリスマス〜
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「さっきも言ったように、クリスマスは毎年12月25日にやってくる大切なホリデーじゃ。この日は全ての人が笑い合える素晴らしい日で……。そして世界中の子供たちが楽しみにしている、大切な日なんじゃよ」
大切なホリデー……ねえ。そんなこと言われても。想像もつかないよ。
「そう。その通り!」
「ジャック。なんでお前さんまで、まだここにいる」
ジャックさん、マジでなにやらかしたらこんなに邪見に扱われるんだ。
「僕もクリスマスの経験者として貴方をお手伝いしますよ。それにここでみんなと戦えば、ハロウィン・タウンの友達を取り返せるかもしれないしね」
「ワン!」
取り返せるって…何勝手なことを……。
「そう言われては無碍に出来んではないか……わかった。ただしよいか、くれぐれも大人しくしておれよ!」
いやあの、私達の意志は?嫌だよわけのわからないイベントの手伝いをしながら、スウィングさんと戦うなんて。絶対関わりたくない。
「なあなあ、ユウ。どうしてみんなクリスマスを楽しみにしてるんだ?」
グリムちゃんが不思議そうに首を傾げながらユウちゃんに聞いている。
「とっておきのお楽しみがあるんだよ」
そういうユウちゃんは、ニコニコと笑っている。
「おっ。お前さんはクリスマスをよく知っているようじゃのう。結構、結構」
ホーホッホッホッと、サンタさんは笑う。
「クリスマスの前の日、クリスマス・イブの夜からこのわし、サンタクロースが空を飛び回り……世界中の子供達にプレゼントをあげるんじゃ!」
そう優しく笑いながら、サンタさんは言う。
「プレゼント?プレゼントがもらえるのか!?」
グリムちゃんが食いつくと、サンタさんはまた優しく笑う。
「もちろんじゃよ。それこそがクリスマス。子供達が寝てる間に、わしが煙突を通って家に入り……みんなのもとへプレゼントを置いて、そっと立ち去るんじゃ。そーっとな。どうかね。考えてるだけで、わくわくしてくるじゃろう」
と、サンタさんもジャックさんもゼロちゃんもニコニコと笑いながら問い掛けてくる。わくわく……?
「煙突を通って……」
「世界中の子供達に……」
「プレゼントを……?」
ラギー先輩、デュースちゃん、ジャックちゃんが首を傾げている。
「……そんな都合のいい話があるか?」
ジャックちゃんがみんなに尋ねてくる。
「だよな。どう考えても怪しい」
「そんなことして、サンタさんには何の得があるんッスか?」
デュースちゃんとラギー先輩も、ジャックちゃんと同じく信用してないらしい。てか、私もだけど。
「俺、知らない奴を部屋に入れるなっていつも言われてるんだよなー」
確かに、カリム先輩の部屋……それも寝てるときに知らない誰かが入り込んだりなんてしたら大問題だろうな。
「煙突を使っては無礼にならないか。ドアから入ってはダメなのか」
その前に夜中に他人の家に来ること自体が失礼だと思うよ、シルバー先輩。
「その身体で煙突に入る……?もしかしてこの世界の煙突ってすっげーデカかったりする?」
しーっ…!エースちゃんしーっ…!それは私もちょっと思っちゃったけど声に出すのはアウトだよ…!
「世界中を1日で飛び回るなんて、僕が魔導エネルギー全出力で飛行しても無理かも……一体どうやるの?」
「飛び回る体力もすごすぎない?さすがに俺君達が何人いてもムリかも~」
オルトちゃんとケイト先輩はなんか他のみんなと見る目が違う気がする。
「つか、すげー金かかるんじゃね?欲しいもん全部買ってくれるってことでしょ?」
そういうフロイドちゃんに
「アズールが聞いたら発狂しそうだよね」
と言ったら
「絶対するねー。うわっ超見たかった―」
とケラケラ笑う。
「ロマンチックだね。夢のお話のようだよ!夜中に侵入したら、私なら起きてしまいそうだ」
しまいそうっていうか、ルーク先輩なら絶対に起きるんだろうなって謎の確信と信頼があるのは私だけかな。
「家人が寝ている間に全てのことを済ますとは……さぞかし腕に自信のある隠密と見受けるぞ」
リリア先輩も、ルーク先輩と同じく部屋に人が入ってきたらその瞬間起きそう。
「なあユウ……このサンタクロースってヤツ、すげー嘘吐きじゃねえか!?」
あっグリムちゃんもさすがにこの話は信じないんだ。
「な、なんと。みんな信じておらんじゃと!?」
サンタさんめちゃくちゃびっくりしてる。信じろ……っていう方が難しいと思うんだけど。
「本当にクリスマスを知らないんだ……」
サンタさんのことみんな不審者みたいに思うなんて……とかなんとか、ユウちゃんも私達のことを信じられないとでも言いたげな顔で見つめながらブツブツ言う。いやいやいや……普通信じないでしょ、欲しいものをなんでもくれるおじいちゃんなんて御伽噺みたいな話。
「みんな聞いてくれ!僕が見て来たことを話そう」
突然ジャックさんが芝居がかったような声を上げる。
「えっスケリントンさんが?」
「そういや、前にクリスマス・タウンに来たことがあるって言ってたっけ」
とデュースちゃんとラギー先輩が言うと
「そう!そこで僕はとっても不思議なものを見つけた。ほんとビックリしたさ」
ジャックさんはまたより一層芝居がかった様子で語り出す。
「それは君達の知らない世界のことで、口じゃ言えない。わからないさ。でも誓ってもいい。全ては本当だよ。あれは僕の頭みたいに存在しているんだ」
「おいちょっと君……」
絶好調なジャックさんをサンタさんは止めようとするが
「では、これを見てもらおう!」
そんなのでこの人は止まらない。
「これは人呼んでプレゼント。全ては箱から」
「箱?」
「こいつは綺麗な紙で包むんだよ。そして上にリボンを!」
「リボン?」
わっ可愛いラッピング。なんて思いながら見ていたら
「外側なんてどうでもいいんだゾ。そんなことより大切なのは中身だ!」
「そうそう。中身はなんなんッスか!?」
グリムちゃんとラギー先輩のそんな抗議が聞こえて来て思わず真顔になった。中身も大切だけど同じくらい外側も大切だよ。中身がどんなに綺麗なアクセサリーや美味しそうな食べ物だとしても、ラッピングが汚かったらみんな手に取らないでしょうよ。
「それを何にするかがポイントさ!」
そうジャックさんが言うと
「プレゼントかー。なんだろう。どっかの島とか?」
カリム先輩の口から、とんでもなく大きすぎるスケールの話が聞こえて来た。さっすが漫画に登場しそうなレベルのお金持ち。
「土地の所有権ってこと!?はああ、最高……現金や金券とかでも大歓迎ッス」
現金や金券はともかく、私達の歳で土地の所有権なんて貰ったところでどうも出来ないと思うんだけど。ラギー先輩その辺どう思ってるのかな。
「くふふ。2人共何を言うておる。子供にやる物じゃぞ?打ち込みけいこに使う模擬刀や木人、身体につける重りに決まっておろう」
「そうですね。俺が小さい頃に貰った巨大な廃タイヤのようなものかもしれません」
そんなの貰って喜ぶのは、シルバー先輩とセベクちゃんくらいだと思う。
「わかってないな。クリスマスランドはそんなんじゃない!」
なんかジャックさん、さっきからずっとテンション高いな。サリーさん達のことはいいのかな。
「さあいいかい?大きな靴下を出す」
そう言いながら、どこからかすごく大きな靴下を取り出す。誰が履くんだろこんな大きい靴下。
「こうして壁にかけるんだよ」
「靴下を壁に?なんでだ?」
「足が速くなるおまじない……とか?」
ジャックさんの説明を聞き、ジャックちゃんとデュースちゃんが首を傾げる。
「バレエのトゥシューズを初めて履く時、柔らかく足に馴染ませるようなものかもしれないよ」
バレエ?ああ、VDCの時にエペルちゃんがヴィル先輩に習わされてたダンスか。あれって専用の靴とかあるんだ。
「へー、そんな固い靴があるんだ。じゃあ、その靴下も履けない理由があるとか?」
「俺様、靴下も靴も履いたことないんだゾ」
「僕も!」
確かにグリムちゃんとオルトちゃんが履いてるイメージないかも。まあ私とフロイドちゃんも陸以外で履いたことなんかなかったけど。
「説明させてくれる?」
ジャックさん、ニコニコ笑ってるけどなんか圧強いな。
「足を入れるんじゃないんだ。ここにはキャンディ、時にはおもちゃを!」
キャンディにおもちゃ……確かに小さい子なら喜びそう。
「キャンディにおもちゃ?アハハ、プレゼントの内容って、思ったよりカワイイカンジ?」
「ま、子供の相手のプレゼントっていうのならそんなとこなんじゃないすか?」
ケイト先輩とエースちゃんのそんなやり取りを聞くと
「俺は、タダでもらえるってんならなんでも大歓迎」
「俺様も貰えるんならなんでも嬉しいんだゾ!」
「だよね~」
と、ラギー先輩とグリムちゃん。確かにプレゼントって、何貰っても嬉しいかも。好きな人から貰えるんだったら、尚更。逆に嫌いな人からのプレゼントだったら、どんなに欲しかったものでもなんにも嬉しくないけど。
「みなさんちょっと待ってくれ。焦らないで、これからだ」
ジャックさんがまた身振り手振りで私達のことを制止しながら続ける。
「いいかい?欲しがっているものをあげるのさ」
「ふなっ。欲しがってるもの?」
「つまりクリスマスは……世界中の子供達が、欲しいプレゼントをタダで手に出来る日ってこと?そんな……そんなムシのいい話があるんッスか……!?」
わっグリムちゃんとラギー先輩がとうとう食いついちゃった。
「おっと。もちろん条件はあるぞ」
そんな2人に、サンタさんが口を開いた。
「わしは毎年よい子とわるい子のリストを作っておる。プレゼントを貰えるのはよい子だけ。はてさて。君達はどうかね?」
「えっ俺達?」
「俺様達は……」
良い子か悪い子か?そんなの
「貰えるにきまってるんだゾ~!」
グリムちゃんが私の気持ちを代弁してくれた。すると他のみんなも
「当然だな。俺は自分に恥じるような真似はしたことがねえ」
「ワルはやめた。今なら絶対によい子だと思う!」
「俺らほどのよい子、そうそういないッス!」
「その通り!」
と自信満々に答える。もちろん私も。
「みんないい笑顔!」
なぜかユウちゃんは少し驚いたような顔をしてる。
「ほお~。そこまで言い切るということは君達はさぞよい子なんだろう。君達ならきっと楽しいクリスマスを過ごせるぞ。ホウホウホーウ」
サンタさんが楽しそうに笑う。
「なんだか俺様……クリスマスのことが気になって来たんだゾ……!」
えっそうかな……
「グリムは単純だな。……まあ否定はしないけど」
デュースちゃんも?マジ?えー…あんまり興味ないんだけど…。てか、気になるなんて言ったら
「うんうん、いい傾向だね」
ジャックさんの口車に乗せられてそのままちゃっかりクリスマスの手伝いをさせられる、ってことになりそうで嫌すぎるんだけど。
「そうだ!ツイステッドワンダーランドのみんなにそうすればクリスマスとは何か、彼らにもわかってもらえると思うんです」
クリスマス・タウンを?それはちょっと気になるかも……。
「珍しくジャックがまともなことを言ったな……」
サンタさんとジャックさん、過去に何かあったのかな。さっきからずっとジャックさんに対して当たりが強いような気が。私達には優しいのに。
「君達、このクリスマス・タウンを見て回るといい。さすればクリスマスがどんなに大切で素晴らしいものなのか、よーくわかるじゃろう」
そう笑顔で話しかけてくるサンタさんはやっぱり優しい。なんかおばあちゃんのこと思い出す。
「百聞は一見にしかず、ということじゃな。それには同意するぞ」
リリア先輩が言うとなんかめちゃくちゃ説得力あるような気がする。
「くんくん……なんだかウマそうな匂いがする……!」
鼻をヒクヒクとさせ、目をキラキラと輝かせながらグリムちゃんが言う。言われてみれば確かに、どこからかすごく美味しそうな匂い……。なんか、お腹空いてきたなー……。
「行こう、ユウ!クリスマス・タウンを探検するんだゾ!」
そう言ってユウちゃんの手を引いてグリムちゃんは走り出した。……ハッ。今、アズールもヴィル先輩もいない……!ってことは
「アズールもヴィル先輩もいない!ってことはやった、食べたいもの好きなだけ食べ放題だー!……とか考えてんでしょティアナ~」
「はっ!?えっそ、そんなことないよ!!」
思っていたことを一言一句違わずに言い当てられた。否定したいがフロイドちゃんは意地悪くニヤニヤ笑っている。腹立つ……!頬を膨らませながら睨むと
「拗ねんなよ~」
と、ケラケラ笑いながらムニュムニュされた。
大切なホリデー……ねえ。そんなこと言われても。想像もつかないよ。
「そう。その通り!」
「ジャック。なんでお前さんまで、まだここにいる」
ジャックさん、マジでなにやらかしたらこんなに邪見に扱われるんだ。
「僕もクリスマスの経験者として貴方をお手伝いしますよ。それにここでみんなと戦えば、ハロウィン・タウンの友達を取り返せるかもしれないしね」
「ワン!」
取り返せるって…何勝手なことを……。
「そう言われては無碍に出来んではないか……わかった。ただしよいか、くれぐれも大人しくしておれよ!」
いやあの、私達の意志は?嫌だよわけのわからないイベントの手伝いをしながら、スウィングさんと戦うなんて。絶対関わりたくない。
「なあなあ、ユウ。どうしてみんなクリスマスを楽しみにしてるんだ?」
グリムちゃんが不思議そうに首を傾げながらユウちゃんに聞いている。
「とっておきのお楽しみがあるんだよ」
そういうユウちゃんは、ニコニコと笑っている。
「おっ。お前さんはクリスマスをよく知っているようじゃのう。結構、結構」
ホーホッホッホッと、サンタさんは笑う。
「クリスマスの前の日、クリスマス・イブの夜からこのわし、サンタクロースが空を飛び回り……世界中の子供達にプレゼントをあげるんじゃ!」
そう優しく笑いながら、サンタさんは言う。
「プレゼント?プレゼントがもらえるのか!?」
グリムちゃんが食いつくと、サンタさんはまた優しく笑う。
「もちろんじゃよ。それこそがクリスマス。子供達が寝てる間に、わしが煙突を通って家に入り……みんなのもとへプレゼントを置いて、そっと立ち去るんじゃ。そーっとな。どうかね。考えてるだけで、わくわくしてくるじゃろう」
と、サンタさんもジャックさんもゼロちゃんもニコニコと笑いながら問い掛けてくる。わくわく……?
「煙突を通って……」
「世界中の子供達に……」
「プレゼントを……?」
ラギー先輩、デュースちゃん、ジャックちゃんが首を傾げている。
「……そんな都合のいい話があるか?」
ジャックちゃんがみんなに尋ねてくる。
「だよな。どう考えても怪しい」
「そんなことして、サンタさんには何の得があるんッスか?」
デュースちゃんとラギー先輩も、ジャックちゃんと同じく信用してないらしい。てか、私もだけど。
「俺、知らない奴を部屋に入れるなっていつも言われてるんだよなー」
確かに、カリム先輩の部屋……それも寝てるときに知らない誰かが入り込んだりなんてしたら大問題だろうな。
「煙突を使っては無礼にならないか。ドアから入ってはダメなのか」
その前に夜中に他人の家に来ること自体が失礼だと思うよ、シルバー先輩。
「その身体で煙突に入る……?もしかしてこの世界の煙突ってすっげーデカかったりする?」
しーっ…!エースちゃんしーっ…!それは私もちょっと思っちゃったけど声に出すのはアウトだよ…!
「世界中を1日で飛び回るなんて、僕が魔導エネルギー全出力で飛行しても無理かも……一体どうやるの?」
「飛び回る体力もすごすぎない?さすがに俺君達が何人いてもムリかも~」
オルトちゃんとケイト先輩はなんか他のみんなと見る目が違う気がする。
「つか、すげー金かかるんじゃね?欲しいもん全部買ってくれるってことでしょ?」
そういうフロイドちゃんに
「アズールが聞いたら発狂しそうだよね」
と言ったら
「絶対するねー。うわっ超見たかった―」
とケラケラ笑う。
「ロマンチックだね。夢のお話のようだよ!夜中に侵入したら、私なら起きてしまいそうだ」
しまいそうっていうか、ルーク先輩なら絶対に起きるんだろうなって謎の確信と信頼があるのは私だけかな。
「家人が寝ている間に全てのことを済ますとは……さぞかし腕に自信のある隠密と見受けるぞ」
リリア先輩も、ルーク先輩と同じく部屋に人が入ってきたらその瞬間起きそう。
「なあユウ……このサンタクロースってヤツ、すげー嘘吐きじゃねえか!?」
あっグリムちゃんもさすがにこの話は信じないんだ。
「な、なんと。みんな信じておらんじゃと!?」
サンタさんめちゃくちゃびっくりしてる。信じろ……っていう方が難しいと思うんだけど。
「本当にクリスマスを知らないんだ……」
サンタさんのことみんな不審者みたいに思うなんて……とかなんとか、ユウちゃんも私達のことを信じられないとでも言いたげな顔で見つめながらブツブツ言う。いやいやいや……普通信じないでしょ、欲しいものをなんでもくれるおじいちゃんなんて御伽噺みたいな話。
「みんな聞いてくれ!僕が見て来たことを話そう」
突然ジャックさんが芝居がかったような声を上げる。
「えっスケリントンさんが?」
「そういや、前にクリスマス・タウンに来たことがあるって言ってたっけ」
とデュースちゃんとラギー先輩が言うと
「そう!そこで僕はとっても不思議なものを見つけた。ほんとビックリしたさ」
ジャックさんはまたより一層芝居がかった様子で語り出す。
「それは君達の知らない世界のことで、口じゃ言えない。わからないさ。でも誓ってもいい。全ては本当だよ。あれは僕の頭みたいに存在しているんだ」
「おいちょっと君……」
絶好調なジャックさんをサンタさんは止めようとするが
「では、これを見てもらおう!」
そんなのでこの人は止まらない。
「これは人呼んでプレゼント。全ては箱から」
「箱?」
「こいつは綺麗な紙で包むんだよ。そして上にリボンを!」
「リボン?」
わっ可愛いラッピング。なんて思いながら見ていたら
「外側なんてどうでもいいんだゾ。そんなことより大切なのは中身だ!」
「そうそう。中身はなんなんッスか!?」
グリムちゃんとラギー先輩のそんな抗議が聞こえて来て思わず真顔になった。中身も大切だけど同じくらい外側も大切だよ。中身がどんなに綺麗なアクセサリーや美味しそうな食べ物だとしても、ラッピングが汚かったらみんな手に取らないでしょうよ。
「それを何にするかがポイントさ!」
そうジャックさんが言うと
「プレゼントかー。なんだろう。どっかの島とか?」
カリム先輩の口から、とんでもなく大きすぎるスケールの話が聞こえて来た。さっすが漫画に登場しそうなレベルのお金持ち。
「土地の所有権ってこと!?はああ、最高……現金や金券とかでも大歓迎ッス」
現金や金券はともかく、私達の歳で土地の所有権なんて貰ったところでどうも出来ないと思うんだけど。ラギー先輩その辺どう思ってるのかな。
「くふふ。2人共何を言うておる。子供にやる物じゃぞ?打ち込みけいこに使う模擬刀や木人、身体につける重りに決まっておろう」
「そうですね。俺が小さい頃に貰った巨大な廃タイヤのようなものかもしれません」
そんなの貰って喜ぶのは、シルバー先輩とセベクちゃんくらいだと思う。
「わかってないな。クリスマスランドはそんなんじゃない!」
なんかジャックさん、さっきからずっとテンション高いな。サリーさん達のことはいいのかな。
「さあいいかい?大きな靴下を出す」
そう言いながら、どこからかすごく大きな靴下を取り出す。誰が履くんだろこんな大きい靴下。
「こうして壁にかけるんだよ」
「靴下を壁に?なんでだ?」
「足が速くなるおまじない……とか?」
ジャックさんの説明を聞き、ジャックちゃんとデュースちゃんが首を傾げる。
「バレエのトゥシューズを初めて履く時、柔らかく足に馴染ませるようなものかもしれないよ」
バレエ?ああ、VDCの時にエペルちゃんがヴィル先輩に習わされてたダンスか。あれって専用の靴とかあるんだ。
「へー、そんな固い靴があるんだ。じゃあ、その靴下も履けない理由があるとか?」
「俺様、靴下も靴も履いたことないんだゾ」
「僕も!」
確かにグリムちゃんとオルトちゃんが履いてるイメージないかも。まあ私とフロイドちゃんも陸以外で履いたことなんかなかったけど。
「説明させてくれる?」
ジャックさん、ニコニコ笑ってるけどなんか圧強いな。
「足を入れるんじゃないんだ。ここにはキャンディ、時にはおもちゃを!」
キャンディにおもちゃ……確かに小さい子なら喜びそう。
「キャンディにおもちゃ?アハハ、プレゼントの内容って、思ったよりカワイイカンジ?」
「ま、子供の相手のプレゼントっていうのならそんなとこなんじゃないすか?」
ケイト先輩とエースちゃんのそんなやり取りを聞くと
「俺は、タダでもらえるってんならなんでも大歓迎」
「俺様も貰えるんならなんでも嬉しいんだゾ!」
「だよね~」
と、ラギー先輩とグリムちゃん。確かにプレゼントって、何貰っても嬉しいかも。好きな人から貰えるんだったら、尚更。逆に嫌いな人からのプレゼントだったら、どんなに欲しかったものでもなんにも嬉しくないけど。
「みなさんちょっと待ってくれ。焦らないで、これからだ」
ジャックさんがまた身振り手振りで私達のことを制止しながら続ける。
「いいかい?欲しがっているものをあげるのさ」
「ふなっ。欲しがってるもの?」
「つまりクリスマスは……世界中の子供達が、欲しいプレゼントをタダで手に出来る日ってこと?そんな……そんなムシのいい話があるんッスか……!?」
わっグリムちゃんとラギー先輩がとうとう食いついちゃった。
「おっと。もちろん条件はあるぞ」
そんな2人に、サンタさんが口を開いた。
「わしは毎年よい子とわるい子のリストを作っておる。プレゼントを貰えるのはよい子だけ。はてさて。君達はどうかね?」
「えっ俺達?」
「俺様達は……」
良い子か悪い子か?そんなの
「貰えるにきまってるんだゾ~!」
グリムちゃんが私の気持ちを代弁してくれた。すると他のみんなも
「当然だな。俺は自分に恥じるような真似はしたことがねえ」
「ワルはやめた。今なら絶対によい子だと思う!」
「俺らほどのよい子、そうそういないッス!」
「その通り!」
と自信満々に答える。もちろん私も。
「みんないい笑顔!」
なぜかユウちゃんは少し驚いたような顔をしてる。
「ほお~。そこまで言い切るということは君達はさぞよい子なんだろう。君達ならきっと楽しいクリスマスを過ごせるぞ。ホウホウホーウ」
サンタさんが楽しそうに笑う。
「なんだか俺様……クリスマスのことが気になって来たんだゾ……!」
えっそうかな……
「グリムは単純だな。……まあ否定はしないけど」
デュースちゃんも?マジ?えー…あんまり興味ないんだけど…。てか、気になるなんて言ったら
「うんうん、いい傾向だね」
ジャックさんの口車に乗せられてそのままちゃっかりクリスマスの手伝いをさせられる、ってことになりそうで嫌すぎるんだけど。
「そうだ!ツイステッドワンダーランドのみんなにそうすればクリスマスとは何か、彼らにもわかってもらえると思うんです」
クリスマス・タウンを?それはちょっと気になるかも……。
「珍しくジャックがまともなことを言ったな……」
サンタさんとジャックさん、過去に何かあったのかな。さっきからずっとジャックさんに対して当たりが強いような気が。私達には優しいのに。
「君達、このクリスマス・タウンを見て回るといい。さすればクリスマスがどんなに大切で素晴らしいものなのか、よーくわかるじゃろう」
そう笑顔で話しかけてくるサンタさんはやっぱり優しい。なんかおばあちゃんのこと思い出す。
「百聞は一見にしかず、ということじゃな。それには同意するぞ」
リリア先輩が言うとなんかめちゃくちゃ説得力あるような気がする。
「くんくん……なんだかウマそうな匂いがする……!」
鼻をヒクヒクとさせ、目をキラキラと輝かせながらグリムちゃんが言う。言われてみれば確かに、どこからかすごく美味しそうな匂い……。なんか、お腹空いてきたなー……。
「行こう、ユウ!クリスマス・タウンを探検するんだゾ!」
そう言ってユウちゃんの手を引いてグリムちゃんは走り出した。……ハッ。今、アズールもヴィル先輩もいない……!ってことは
「アズールもヴィル先輩もいない!ってことはやった、食べたいもの好きなだけ食べ放題だー!……とか考えてんでしょティアナ~」
「はっ!?えっそ、そんなことないよ!!」
思っていたことを一言一句違わずに言い当てられた。否定したいがフロイドちゃんは意地悪くニヤニヤ笑っている。腹立つ……!頬を膨らませながら睨むと
「拗ねんなよ~」
と、ケラケラ笑いながらムニュムニュされた。
