ターコイズに恋焦がれ

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「お、おなか…すいた…」

 もう駄目だ、死ぬ…!そう言って休憩室の机に突っ伏している私を

ティアナすげぇ腹なってんじゃん。ウケんね」

 と、フロイドちゃんがケラケラと笑っている。私の周りってこんなんばっか…!

「笑わないでよ。しょうがないじゃん、お昼からなんにも食べてないんだから。しかもアズールが『買い物1つまともにできないやつに出す賄はありません』とか言って賄も食べさせてもらえないし」

 まぁほんとはさっき、購買部で菓子パン1つ買って食べたんだけど。アズールにバレたらまたゴチャゴチャ言われるだろうから黙っておこう。早くハーツラビュル行ってケーキ食べさせてもらいに行きたいな…なんて思っていると

『悪い、ティアナ。マロンタルトダメになった』

 と、マジカメにデュースちゃんからそんなメッセージが入った。思わず「えっ!マロンタルトなし!?そんなぁ…」と嘆いていると

「何々マロンタルトぉ?あっさっき言ってたハーツラビュルの奴と食うとか言ってた?」

 フロイドちゃんが聞いて来る。うんと答えたら「アハハ、ティアナまた食いっパグれだー。かわいそー」と爆笑された。この野郎…!うぇぇぇ死ぬぅぅぅ、お腹空いたぁぁぁ…そう言いながら机に突っ伏す。そんな私の様子をフロイドちゃんは手を叩きながらゲラゲラと笑っている。畜生、お腹満たしたら絞め上げてやる…!

ティアナティアナー。ちょっと顔上げてみー」

 フロイドちゃんが何かゴチャゴチャと言っている。どうせまたからかってくるつもりでしょ。やだよーと言い、机に突っ伏し続ける。

「いいから上げろよー」

 と言いながら私の頭をつんつんと突っついて来る。地味に痛い。無視して突っ伏したままにする。が、相変わらず「ティアナー」と、ツンツンされ続ける。あぁ、もう!

「もう、何フロイドちゃん!しつこ…ムグッ」

 根負けして顔を上げたらいきなり口の中に何か突っ込まれた。声を上げている私を見て「ギャハハ、間抜け面ァ!」と爆笑している。抗議しようとするが、口に突っ込まれた何かのせいで喋れない。って、あれ?なんかこれ

「あまい!美味しい!」

 何を突っ込まれたんだろうと思いながらフロイドちゃんの方を見てみると、フォークにケーキが刺されていた。どうやらそれを私の口に押し込んで来たみたいだ。

「あまりにもお腹鳴らしてて可哀想だから、俺からのお裾分けー。はい、もう一口上げるー」

 そういってまた一口私の口へと放り込んで来る。フロイドちゃん…!

「お裾分けって言ってるけどさぁ、ただ単純に自分が食べるの飽きたから私に押し付けてるだけでしょ?」

 と問い詰めてみると「あっバレたー?ティアナって意外と鋭いよねー」とケラケラと笑いながらあっさり自白した。この野郎。まぁ、美味しいからいっか。一応お礼を言うと「どーいたしましてー」感謝してよねーと言ってくる。押し付けただけの癖に厚かましいな。さっすがフロイド・リーチ。この人のことが好きな私も私だよな。あーんしてもらえてちょっと嬉しいなんて思ってるくらいにはベタ惚れなの我ながらちょっとどうかと思う。

「そーいやさァ、ティアナー」

 何かを思い出したように私のことを見つめながらフロイドちゃんが声を掛けて来る。

「なぁに?」
「もう入る部活って決めてんの?」

 首を傾げながら尋ねられ、あぁそういえばまだ決めてなかったなと思い出し、素直にまだだと続ける。

「ふーん…じゃあさ、バスケ部来なよ」
 
 バスケって…

「確かボールを2チームに分かれて取り合ったりゴールに入れたりするっていう陸のスポーツだっけ」
「そーそ。よく勉強してんじゃん」

 えらーいえらい、と頭をポンポンと撫でられる。フロイドちゃんまた私のこと子ども扱いしてる…と文句を言ったら「何言ってんの。子ども扱いもなんも、ティアナはお子様なチビダコちゃんじゃーん」と笑いながらわしゃわしゃっと頭を撫でて来る。ヘアスタイルが乱れる…!

「ちょーど顧問とウミヘビくんがマネージャー欲しいっつっててさー。けど入部してくるやつって大体みんな選手志望の奴でマネージャー全然来ねぇの。あとこまけぇ仕事嫌いってやつばっかだし。そこいくとティアナって昔っから細かい作業とか得意じゃん?あとママのリストランテよく手伝ってたから割と気も回るし、料理だって人並み以上には出来るし。ついでに物覚えも早いし。だからどうかなって思ってさー」

 な、なんかめちゃくちゃ褒め倒されてる…。

「な、何急にべた褒めしてきて…ちょっと気味悪いんだけど…」

 若干顔を引きつらせながら言うと「ハァ?せっかく人が褒めてやってんのに気味悪いとか失礼だろ」と不機嫌そうに言われた。そして「そんな奴にはこうだ!」と、また頭をわしゃわしゃされる。
 やめてよ!と抵抗してみるが「やーだー」と聞き耳待ってもらえずやられっぱなしになる。髪乱れる!!と言いながらフロイドちゃんの腕を掴むと「ちょっいって!お前いてぇじゃん加減しろよ」と眉間に皺を寄せている。してるからフロイドちゃん喋れる余裕あるんでしょと言ったらちょっと納得した様子。髪から手を離されたので私も腕から離してあげた。

「てかさー。話逸れたじゃん。戻すよー?」

 とちょっと不機嫌な顔で続けるフロイドちゃん。その顔したいの私なんだけど。

「真面目にさー、ティアナがバスケ部入ってマネージャーやってくれっと結構助かると思うんだよね」

 アズールも、マネージャーとかなら反対しないと思うしと付け足す。そこでなんでアズールが出て来るんだろうと少し不思議だけどまぁこの際そこはいいか。

「でも私バスケのルール知らないよ?マネージャーってことはルールとかわかってないと駄目じゃない?」
「大丈夫だって。ティアナさっきも言ったけど物覚え早いし」

 説明されたらすぐ覚えるってと言われる。フ、フロイドちゃんちょっと私のこと過大評価しすぎなんじゃ…と言ったら俺が過大評価とかする訳ねぇじゃん、とどこか自信満々な様子。

「なによりさー」

 と、私のことを少し真剣な顔で見つめてきた。そして

「俺、ティアナがバスケ部のマネージャーになってくれてぇ、ベンチにいてくれたらすっげぇ頑張れると思うんだ。だからマネージャーになって欲しいな」

 …と、とんでもない爆弾投下してきやがった。その癖「あっ。俺休憩終わりじゃん。アズールとジェイドがうるせぇから戻んねぇと」と言い残してそのまま去って行きやがった。顔が、有り得ないくらい熱い。絶対真っ赤じゃん。文字通り茹でダコじゃん。正しく茹でダコだよ。
 一部始終を見ていた生徒たちがみんな、必死に私から目を逸らしている。全員揃いも揃って肩をぷるぷると震わせている。は、恥ずかしすぎる…!誰か!お願い誰か!私の頭を思い切り力強くぶん殴って気絶させて!そして記憶を消し去って!!
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