ターコイズに恋焦がれ
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いつの日だったかな。エースちゃんに
「オクタヴィネルってなんか、マフィアみたいだよな…」
ってげっそりとした顔で言われたのは。その時はそんなことないってば!って否定したけれども、あれは私よりもエースちゃんの方が正しかったんだな……と
「皆さん。昨晩は失礼しました。皆さんがか弱い動物を一方的に苛めている様に見えたものですから。心優しい僕は咄嗟に庇ってしまったのですが……。よくよく話を聞いてみれば……オンボロ寮の2人はスカラビアから魔法の絨毯を盗み出した窃盗犯ということが分かりまして。間違いに気づいた僕は、責任をもってこの窃盗犯をひっ捕らえ、魔法の絨毯をお届けに上がったというわけです」
胡散臭い笑みを浮かべながらぺらぺらと言葉を並べるアズールのことを見ながら思い知る。ごめんねエースちゃん。
「そ、それは……」
「ありがとうございます……?」
スカラビアの人達めちゃくちゃ困ってる。そりゃそうだよね。すみません、うちの兄が。
「おい、お前達。そろそろ朝の特訓の時間だぞ。集合に遅れるとまたカリムに…」
寮生がいつまでも戻って来ないのを可笑しいと思ったのか、ジャミル先輩が顔を覗かせた。私達のことを見ると驚いたような顔をしている。明らかに動揺している。こんなに焦ってるとこ初めて見た気がする。
「おやジャミルさん。こんにちは、ご機嫌いかがです?」
なんて笑顔で話しかけるアズールはいつもの比じゃないくらい胡散臭い。
「アズール・アーシェングロット……!それに、リーチ兄弟。と、ティアナ…。一体何故ここに?」
そう問いかけてくるジャミル先輩の顔はとても険しい。いつもはもう少し穏やかな顔をしてるのに。やっぱりいつものあの態度はかなり猫を被ってるのかな。今まで漠然と思っていたことが確信に変わりそうだ。なんて思いながらアズールと先輩、ジェイドちゃんとフロイドちゃんとの会話を眺めていると不意にジャミル先輩と目が合った。何か言わないとかなと思い言葉を探そうとしたが、すぐにそっと逸らされた。…先輩なんか今、バツが悪そうな顔してた……?
「ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいますか?魔法の絨毯をお届けに上がったのですが……」
「えっ、あ、ああ。届け物なら俺が預かろう」
なんて言ってやんわり追い返そうとしてるっぽいジャミル先輩をよく回るご自慢のお口でぺらぺらと捲し立てて押しのけて、無理矢理スカラビア寮の中へとぐいぐいと入っていく。う、うわ…なんてドン引きしている私とグリムちゃんのことをよそに
「さ、ユウさん、参りましょう」
「遅れないで着いて来てねぇ」
「わかりました。行こう、2人共」
なんて会話をしながらジェイドちゃんとフロイドちゃんとユウちゃんはずけずけと歩いていく。や、やっぱりユウちゃんメンタルクッソ強い…。どんな人生送ってきたらここまでのメンタルになるわけこの人。
「……おめぇんとこの寮の先輩達、すげぇ強引なんだゾ……」
この前デュースに借りた漫画に出て来た悪役みてぇで俺様びっくりなんだゾなんて言ってくるグリムちゃんに向かって
「あんたんとこの監督生こそびっくりよ。どんなメンタルしてんの。アイツ度胸有りすぎでしょ、図太すぎ」
海でもなかなかいないよ、ここまで肝据わってる人……。と言い合って、2人して溜息を吐きながら
「行こっか…」
「おう…」
と、みんなの後を追った。
◇
「あれ、アズール?なんでウチの寮にいるんだ?」
スカラビア寮に入れてもらい…もとい押し入り、談話室に着くとそんな声が私達を迎えた。短い白髪に、ルビーみたいな赤い目をした人…カリム・アルアジーム先輩だ。そういえば私、式典とかで何度か見かけたことはあるけど実際会うのは初めてだったな。近くで見ると遠目で見てる以上に派手な人だなー。なんて思いながら眺めていると、ばっちりと目が合った。
「ん?あっひょっとしてこの子がアズールの妹か!?」
カリム先輩がアズールに目をキラキラと輝かせながら尋ねる。
「ええ、いかにも。こちらが僕の妹です。そういえばティアナはカリムさんとお会いするの初めてでしたね」
ほら挨拶しろ、と言いながらカルム先輩の前に突き出される。言われなくてもするってば!と文句を言いつつ
「初めまして、ティアナ・アーシェングロットです。いつもジャミル先輩にはお世話になってます」
と笑いながら挨拶する。
「ジャミルに?あっそういや同じ部活なんだってな。俺はカリム・アルアジーム!ジャミルだけじゃなくて、俺とも仲良くしてくれよな」
そう朗らかに明るく笑いながら言われる。眩しい笑顔……。こんな裏表のなさそうな顔で笑う人、この学校では初めて会う気がする。こちらこそよろしくお願いしますと言い返しつつも、なんとなくこの人苦手なタイプのような気がする。
「ティアナってすっげー可愛いな!アズールやジャミルがめちゃくちゃ気に掛けてる理由がなんとなくわかっ…むぐっ…!」
「カリム!それ以上喋るな!的外れな発言はやめろ!!」
「カリムさん!なんだか今すごく的外れなこと言おうとしましたね!恥をかく前に口を閉じましょう!!」
カリム先輩が言い切ろうとした瞬間、アズールとジャミル先輩が即座に口を塞ぎ黙らさせた。2人共、すごく息ぴったり……。
て、ていうか今、ものすごくさりげなく可愛いって言われた……!な、なんか顔が熱くなってきた。
「ティアナって結構チョロ…イッタ!ティアナ痛いって、叩かなイッタッ!!」
ニヤニヤと笑いながらからかってくるユウちゃんの肩を軽く叩く。ごめんて!とか言ってるが知るかとまた叩く。
「おい、話し進まねぇんだゾ…」
どいつもこいつもジャレ合ってねぇでとっとと話進めろ!とグリムちゃんに呆れながら言われた。なんかショック。それはアズールとジャミル先輩とユウちゃんも同じらしく、微妙な顔をしている。そんな私達のことをジェイドちゃんとフロイドちゃんが心底愉快そうに見ている。
◇
「えっ合同合宿?スカラビアとオクタヴィネルで一緒に?いいなそれ!楽しそうだしお互いいい刺激になりそうだ」
アズールの合同合宿の提案を聞くと、カリム先輩はとてもうれしそうに快諾した。それとは対照的に
「俺は反対だ。他の寮に追いつくために、わざわざ冬休みを潰して特訓してるんだぞ。それなのに他寮の寮長を招き入れるなんて、敵に手の内を明かすようなものじゃないか」
ジャミル先輩はやっぱり険しい顔で、大反対している。普通はそんな意見になるよな。カリム先輩はもう少し人を疑うってことをした方がいいんじゃないかな。アズールの目論見的にはカリム先輩のこの性格の方が助かるんだろうけど。
ユウちゃんとグリムちゃんからカリム先輩の様子が可笑しくてジャミル先輩や他の寮生が困っていると聞いてアズールが「クラスメイトが困っているだなんてほっとけない」とかなんとか言いだして、私達はスカラビアへやって来た。
どこまで本気なんだろう。困ってるクラスメイトのためになんとかする…なんて高尚なこと、こいつが思うわけない。絶対何か目的があるに決まってる。カリム先輩の持ってる宝物とか?いや、そんなのが目的だったら1年生のうちからお得意の口八丁で上手いこと巻き上げるだろうし違うか。
……ジャミル先輩、頭がよくて物腰が柔らかく(見え)て優秀な人。……めっちゃくちゃアズールが気に入りそうなタイプだよなぁ。この機会に先輩に沢山恩を売ってお近づきになろう…とかそういう魂胆だろうか。そんなことを考えながら眺めていたら、いつの間にかオクタヴィネルとスカラビアの合同合宿が開催されることになっていた。アズールとジェイドちゃんとフロイドちゃんの強引なまでのやり方を見てユウちゃんが
「なんかドラマみたいだね」
と、私とグリムちゃんに向かってワクワクした様子で言う。なんでこの子こんなに楽しそうなの……?顔が引きつりそうになる。グリムちゃんも若干引いている。魔獣と人魚に引かれる人間とかなんなのこの子。昨日怖がってオクタヴィネルでガタガタと震えていた人と本当に同一人物なの……?
なんか、エースちゃんとデュースちゃんが恋しくなってきた…。特にエースちゃんが恋しい。恋しいっていうか、ツッコミ役が欲しい。この場にエースちゃんがいたなら絶対に1人1人に丁寧にツッコミを入れてくれるって確信がある。
なんてグダグダ考えてたってどうにもならない。こうなったらもう前向きに考えよう。合同合宿ならまた、ジャミル先輩に勉強見て貰えるじゃん。ちょうど今、解けない問題あるし教えてくれないか聞いてみよう。
……と、そのジャミル先輩が現在ものすごーくこわーい顔でカリム先輩とアズールのことを睨みつけてるのは見ない振りしておこう。藪叩いて蛇に出て来てほしくない。手遅れな気がしなくもないけど…。
「オクタヴィネルってなんか、マフィアみたいだよな…」
ってげっそりとした顔で言われたのは。その時はそんなことないってば!って否定したけれども、あれは私よりもエースちゃんの方が正しかったんだな……と
「皆さん。昨晩は失礼しました。皆さんがか弱い動物を一方的に苛めている様に見えたものですから。心優しい僕は咄嗟に庇ってしまったのですが……。よくよく話を聞いてみれば……オンボロ寮の2人はスカラビアから魔法の絨毯を盗み出した窃盗犯ということが分かりまして。間違いに気づいた僕は、責任をもってこの窃盗犯をひっ捕らえ、魔法の絨毯をお届けに上がったというわけです」
胡散臭い笑みを浮かべながらぺらぺらと言葉を並べるアズールのことを見ながら思い知る。ごめんねエースちゃん。
「そ、それは……」
「ありがとうございます……?」
スカラビアの人達めちゃくちゃ困ってる。そりゃそうだよね。すみません、うちの兄が。
「おい、お前達。そろそろ朝の特訓の時間だぞ。集合に遅れるとまたカリムに…」
寮生がいつまでも戻って来ないのを可笑しいと思ったのか、ジャミル先輩が顔を覗かせた。私達のことを見ると驚いたような顔をしている。明らかに動揺している。こんなに焦ってるとこ初めて見た気がする。
「おやジャミルさん。こんにちは、ご機嫌いかがです?」
なんて笑顔で話しかけるアズールはいつもの比じゃないくらい胡散臭い。
「アズール・アーシェングロット……!それに、リーチ兄弟。と、ティアナ…。一体何故ここに?」
そう問いかけてくるジャミル先輩の顔はとても険しい。いつもはもう少し穏やかな顔をしてるのに。やっぱりいつものあの態度はかなり猫を被ってるのかな。今まで漠然と思っていたことが確信に変わりそうだ。なんて思いながらアズールと先輩、ジェイドちゃんとフロイドちゃんとの会話を眺めていると不意にジャミル先輩と目が合った。何か言わないとかなと思い言葉を探そうとしたが、すぐにそっと逸らされた。…先輩なんか今、バツが悪そうな顔してた……?
「ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいますか?魔法の絨毯をお届けに上がったのですが……」
「えっ、あ、ああ。届け物なら俺が預かろう」
なんて言ってやんわり追い返そうとしてるっぽいジャミル先輩をよく回るご自慢のお口でぺらぺらと捲し立てて押しのけて、無理矢理スカラビア寮の中へとぐいぐいと入っていく。う、うわ…なんてドン引きしている私とグリムちゃんのことをよそに
「さ、ユウさん、参りましょう」
「遅れないで着いて来てねぇ」
「わかりました。行こう、2人共」
なんて会話をしながらジェイドちゃんとフロイドちゃんとユウちゃんはずけずけと歩いていく。や、やっぱりユウちゃんメンタルクッソ強い…。どんな人生送ってきたらここまでのメンタルになるわけこの人。
「……おめぇんとこの寮の先輩達、すげぇ強引なんだゾ……」
この前デュースに借りた漫画に出て来た悪役みてぇで俺様びっくりなんだゾなんて言ってくるグリムちゃんに向かって
「あんたんとこの監督生こそびっくりよ。どんなメンタルしてんの。アイツ度胸有りすぎでしょ、図太すぎ」
海でもなかなかいないよ、ここまで肝据わってる人……。と言い合って、2人して溜息を吐きながら
「行こっか…」
「おう…」
と、みんなの後を追った。
◇
「あれ、アズール?なんでウチの寮にいるんだ?」
スカラビア寮に入れてもらい…もとい押し入り、談話室に着くとそんな声が私達を迎えた。短い白髪に、ルビーみたいな赤い目をした人…カリム・アルアジーム先輩だ。そういえば私、式典とかで何度か見かけたことはあるけど実際会うのは初めてだったな。近くで見ると遠目で見てる以上に派手な人だなー。なんて思いながら眺めていると、ばっちりと目が合った。
「ん?あっひょっとしてこの子がアズールの妹か!?」
カリム先輩がアズールに目をキラキラと輝かせながら尋ねる。
「ええ、いかにも。こちらが僕の妹です。そういえばティアナはカリムさんとお会いするの初めてでしたね」
ほら挨拶しろ、と言いながらカルム先輩の前に突き出される。言われなくてもするってば!と文句を言いつつ
「初めまして、ティアナ・アーシェングロットです。いつもジャミル先輩にはお世話になってます」
と笑いながら挨拶する。
「ジャミルに?あっそういや同じ部活なんだってな。俺はカリム・アルアジーム!ジャミルだけじゃなくて、俺とも仲良くしてくれよな」
そう朗らかに明るく笑いながら言われる。眩しい笑顔……。こんな裏表のなさそうな顔で笑う人、この学校では初めて会う気がする。こちらこそよろしくお願いしますと言い返しつつも、なんとなくこの人苦手なタイプのような気がする。
「ティアナってすっげー可愛いな!アズールやジャミルがめちゃくちゃ気に掛けてる理由がなんとなくわかっ…むぐっ…!」
「カリム!それ以上喋るな!的外れな発言はやめろ!!」
「カリムさん!なんだか今すごく的外れなこと言おうとしましたね!恥をかく前に口を閉じましょう!!」
カリム先輩が言い切ろうとした瞬間、アズールとジャミル先輩が即座に口を塞ぎ黙らさせた。2人共、すごく息ぴったり……。
て、ていうか今、ものすごくさりげなく可愛いって言われた……!な、なんか顔が熱くなってきた。
「ティアナって結構チョロ…イッタ!ティアナ痛いって、叩かなイッタッ!!」
ニヤニヤと笑いながらからかってくるユウちゃんの肩を軽く叩く。ごめんて!とか言ってるが知るかとまた叩く。
「おい、話し進まねぇんだゾ…」
どいつもこいつもジャレ合ってねぇでとっとと話進めろ!とグリムちゃんに呆れながら言われた。なんかショック。それはアズールとジャミル先輩とユウちゃんも同じらしく、微妙な顔をしている。そんな私達のことをジェイドちゃんとフロイドちゃんが心底愉快そうに見ている。
◇
「えっ合同合宿?スカラビアとオクタヴィネルで一緒に?いいなそれ!楽しそうだしお互いいい刺激になりそうだ」
アズールの合同合宿の提案を聞くと、カリム先輩はとてもうれしそうに快諾した。それとは対照的に
「俺は反対だ。他の寮に追いつくために、わざわざ冬休みを潰して特訓してるんだぞ。それなのに他寮の寮長を招き入れるなんて、敵に手の内を明かすようなものじゃないか」
ジャミル先輩はやっぱり険しい顔で、大反対している。普通はそんな意見になるよな。カリム先輩はもう少し人を疑うってことをした方がいいんじゃないかな。アズールの目論見的にはカリム先輩のこの性格の方が助かるんだろうけど。
ユウちゃんとグリムちゃんからカリム先輩の様子が可笑しくてジャミル先輩や他の寮生が困っていると聞いてアズールが「クラスメイトが困っているだなんてほっとけない」とかなんとか言いだして、私達はスカラビアへやって来た。
どこまで本気なんだろう。困ってるクラスメイトのためになんとかする…なんて高尚なこと、こいつが思うわけない。絶対何か目的があるに決まってる。カリム先輩の持ってる宝物とか?いや、そんなのが目的だったら1年生のうちからお得意の口八丁で上手いこと巻き上げるだろうし違うか。
……ジャミル先輩、頭がよくて物腰が柔らかく(見え)て優秀な人。……めっちゃくちゃアズールが気に入りそうなタイプだよなぁ。この機会に先輩に沢山恩を売ってお近づきになろう…とかそういう魂胆だろうか。そんなことを考えながら眺めていたら、いつの間にかオクタヴィネルとスカラビアの合同合宿が開催されることになっていた。アズールとジェイドちゃんとフロイドちゃんの強引なまでのやり方を見てユウちゃんが
「なんかドラマみたいだね」
と、私とグリムちゃんに向かってワクワクした様子で言う。なんでこの子こんなに楽しそうなの……?顔が引きつりそうになる。グリムちゃんも若干引いている。魔獣と人魚に引かれる人間とかなんなのこの子。昨日怖がってオクタヴィネルでガタガタと震えていた人と本当に同一人物なの……?
なんか、エースちゃんとデュースちゃんが恋しくなってきた…。特にエースちゃんが恋しい。恋しいっていうか、ツッコミ役が欲しい。この場にエースちゃんがいたなら絶対に1人1人に丁寧にツッコミを入れてくれるって確信がある。
なんてグダグダ考えてたってどうにもならない。こうなったらもう前向きに考えよう。合同合宿ならまた、ジャミル先輩に勉強見て貰えるじゃん。ちょうど今、解けない問題あるし教えてくれないか聞いてみよう。
……と、そのジャミル先輩が現在ものすごーくこわーい顔でカリム先輩とアズールのことを睨みつけてるのは見ない振りしておこう。藪叩いて蛇に出て来てほしくない。手遅れな気がしなくもないけど…。
