ターコイズに恋焦がれ
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アズールは、あまり他人には知られていないが結構繊細で脆いところがある。……エレメンタリースクールの頃いじめられっ子だったからきっとそれが原因なんだと思う。いつも自信満々とでもいいたげな振る舞いをしていて、他の人を見下しているような態度や言動をとるところがあるのは、その脆くて繊細なところを誰かに見透かされたくないからなんじゃないかな。もう2度と、誰にもグズでノロマな、1人では何も出来ないタコ野郎と言われたくないから。もう2度と、いじめられっ子のアズール・アーシェングロットに戻りたくないから。だからきっと普段のあの態度は、精一杯の強がりなんだ。その強がりを続けることが出来ていた1番の理由は、あの契約書達だったのかもしれない。だけどもその契約書を全て失ってしまい
「僕に力を!力を全部よこせぇぇぇ!!!」
今まで保ってきた何もかもが、音を立てて崩れ去ってしまったみたいだ。
狂ったように泣き喚き、笑い声を上げながら目につく人達から能力を奪っている。このままじゃ取り返しのつかないことになってしまう。早くなんとかしてアズールを止めないと。
「アズール!アズールってば!落ち着いてよ!!!」
と悲鳴じみた金切り声を上げながら必死にしがみつく。
「うるさい、邪魔をするなッ!お前はすっこんでろ!!」
怒鳴りながら暴れ喚かれるが負けじとしがみつき続ける。
「やだよ、すっこまない!頭冷やして!!魔法なんてまた集めればいいでしょ!?とりあえず落ち着いて、ゆっくり話を…」
「また……?魔法なんて……?僕があの量の魔法を集めるのにどれだけの時間を掛けたと思ってるんだ……?どれだけの苦労をしたと思ってるんだ……?ティアナは僕がどんなに頑張ったか知ってくれていると思っていたのに……!」
アズールが両の目から大粒の涙を零しながら言う。違う…アズールが頑張ってたことも、どれだけ努力していたのかも、知ってる。沢山苦労してたことも、誰よりも私がよく知ってる。だって、ずっと見てたもん。近くで、ずっと。
「アズール、ちゃんと話聞いて。そういう意味で言ったんじゃないの。私が言いたいのは…」
「もういい!」
必死に訂正しようとしたが、聞く耳持ってくれない。叫び声をあげながら力いっぱい突き飛ばされて、後ろに追いやられる。わっ、ちょっ…!転ぶっ…!反射的にぎゅっと目を瞑り、数秒後に来るであろう痛みに覚悟を決める。…が、いつまでたっても来るであろう痛みが来ない。
「ったく…考えなしに無闇矢鱈に突っ込んでんじゃねぇよ」
不意に上から舌打ちと共に呆れたような声が降ってきた。恐る恐る目を開けてみると、レオナ先輩が転ばないように支えてくれていた。
「せ、先輩…すみません、ありがとうございます……」
とお礼を言うと「気をつけろよ」と言って姿勢を立て直してくれた。
「そこのお前の雷の魔法、そこの隣のやつの運動能力。全部、全部僕によこせぇ!」
ま、まずい、アズールがひたすら魔法を使って目に付く生徒という生徒から根こそぎ能力を取り上げている。
「アズール君、みんなからナニを吸ってるんスか!?吸われたやつらが次々と倒れていく!!」
ラギー先輩が焦りながら声を上げる。それとは対照的に
「アイツのユニーク魔法、契約書を介さないと他人から全ての能力を吸い取っちまうようだな。契約自体が、魔法の効果を制御する役割を果たしてた。……ってことだろ?」
冷静にレオナ先輩が解析し、私に問い掛けてくる。
「はい…強力すぎる魔法だから、いつも効力を契約書で抑えてるんです」
と返すと「えぇ!?怖すぎじゃないスか!?」とラギー先輩がまた声を上げる。
「そんな禁術クラスの魔法、反動であっという間にブロットが許容量を超えるぞ」
レオナ先輩の顔に少し、汗が滲んでいる。平静を装ってはいるけれども、内心はかなり焦っているみたいだ。どうしよう…どうしよう…!
ジェイドちゃん…フロイドちゃん……!2人共何してんのよ…!早く帰ってきてよ!!
「アズール!貴方何をしているんです!」
「うわ、何これどーなってんの?」
私の願いが天に届いたのか、待ちわびていた人達の声が聞こえてきた。2人共珍しく焦っているような、驚いているような声を発している。そんな2人に向かって
「ジェイドちゃん、フロイドちゃん!!助けて!!!」
悲鳴にも近い金切り声を上げながら駆け寄る。
「げっなんだこの騒ぎ!?」
「アズールが暴れてる……のか!?」
2人を追いかけてきたのか、エースちゃん達もいる。みんなアズールの暴走を見て驚愕している。
「ティアナ、落ち着いて。今はどういう状況ですか。アズールはいったいどうしてしまったんですか」
なるべく簡潔にわかりやすく説明してくださいと、ジェイドちゃんが私に問い掛けてくる。私の肩を掴む手が、少し震えているような気がする。
「それが…!レオナ先輩に契約書を全部砂にされちゃって、それで、キレちゃって、契約書もなしに魔法使い始めちゃって……!目に付く人という人から片っ端から能力取り出しちゃって……!」
上手く回らない頭を精一杯働かし、なんとか説明する。
「は…?んなことしたらヤベェじゃん…」
フロイドちゃんがぼそりと呟く。2人共冷や汗を搔いている。こんな顔してるところ初めて見た。
「ジェイド、フロイド、あぁ、やっと戻ってきてくれたんですね、そこのバカ共のせいで、僕の契約書が全て無くなってしまったんです」
アズールが2人に気が付いたらしく、おぼつかない足取りでフラフラとこっちへ向かってきた。2人の力も僕に下さいと懇願している顔は、もう正気を失っているみたいだ。
「お待ちなさい。貴方のユニーク魔法は強力すぎるゆえに、契約書無しには制御出来ないはず。そんなことをすればどうなるか、自分が1番よくわかっているでしょ!」
珍しくジェイドちゃんが強めの口調で諭そうとする。必死に説得しようとしているけれども
「だって、なくなっちゃったんですよ、全部……アハハ……アハハハッ!」
アズールにはやっぱり届かない。
「このままじゃ昔の僕に戻ってしまう!」
自暴自棄になってるんだ。どうしよう、なんとか…何か声を掛けないと…。でも、なんて声を掛ければ…
「あのさー。今のアズールって、昔のアズールよりずっとダサいんだけど」
「フロイド!!!!!!」
今そんなこと言ったら……!
「あ~~~~~、そうですか。どうせ僕は1人じゃ何も出来ない、グズでノロマなタコ野郎ですよ。だから、もっとマシな僕になるためにみんなの力を奪ってやるんです。美しい歌声も、強力な魔法も、全部僕のものだ!寄越しなさい、全てを!」
やっぱり…!普段のアズールだったら今の言葉も受け止められただろう。けど、今の状態じゃ絶対に無理だよ…!フロイドちゃんはきっと、フロイドちゃんなりにアズールを思って言ったんだと思う。でも、今のタイミングでその言葉は最悪すぎる……!
アズールがまた、一斉に大勢の生徒達から能力を取り上げた。
「なんだよアレ?アズールの体から黒いドロドロが出てきてる。墨……じゃねーよな?」
能力を取り上げた瞬間、またアズールの周りに黒い何かが立ちこみ始めた。さっきよりもまた、さらにドス黒くなっている。
「ユニーク魔法の使い過ぎです。ブロットが蓄積許容量を超えている!このままでは……オーバーブロットしてしまう!」
ジェイドちゃんのその言葉を合図にするかのように、アズールは大声を上げて笑い出した。そしてアズールのことを黒いドロドロとしたものが包み込み……
「ヒッ…!何、あれ…!」
ドロドロが明けたそこにいたのは、目を逸らしたくなるくらいの圧を放った姿をしたアズールと、アズールの後ろに不気味な巨大なタコ足を持った化け物がいる。
思わずフロイドちゃんの服を掴むと、「隠れてろ」と言って背中に庇われた。その大きな背中から、そっと顔を出しアズールを見てみる。あれは……何……?
「オーバーブロットだ……」
ボソッと誰かが放った言葉に、戦慄が走る。
「僕に力を!力を全部よこせぇぇぇ!!!」
今まで保ってきた何もかもが、音を立てて崩れ去ってしまったみたいだ。
狂ったように泣き喚き、笑い声を上げながら目につく人達から能力を奪っている。このままじゃ取り返しのつかないことになってしまう。早くなんとかしてアズールを止めないと。
「アズール!アズールってば!落ち着いてよ!!!」
と悲鳴じみた金切り声を上げながら必死にしがみつく。
「うるさい、邪魔をするなッ!お前はすっこんでろ!!」
怒鳴りながら暴れ喚かれるが負けじとしがみつき続ける。
「やだよ、すっこまない!頭冷やして!!魔法なんてまた集めればいいでしょ!?とりあえず落ち着いて、ゆっくり話を…」
「また……?魔法なんて……?僕があの量の魔法を集めるのにどれだけの時間を掛けたと思ってるんだ……?どれだけの苦労をしたと思ってるんだ……?ティアナは僕がどんなに頑張ったか知ってくれていると思っていたのに……!」
アズールが両の目から大粒の涙を零しながら言う。違う…アズールが頑張ってたことも、どれだけ努力していたのかも、知ってる。沢山苦労してたことも、誰よりも私がよく知ってる。だって、ずっと見てたもん。近くで、ずっと。
「アズール、ちゃんと話聞いて。そういう意味で言ったんじゃないの。私が言いたいのは…」
「もういい!」
必死に訂正しようとしたが、聞く耳持ってくれない。叫び声をあげながら力いっぱい突き飛ばされて、後ろに追いやられる。わっ、ちょっ…!転ぶっ…!反射的にぎゅっと目を瞑り、数秒後に来るであろう痛みに覚悟を決める。…が、いつまでたっても来るであろう痛みが来ない。
「ったく…考えなしに無闇矢鱈に突っ込んでんじゃねぇよ」
不意に上から舌打ちと共に呆れたような声が降ってきた。恐る恐る目を開けてみると、レオナ先輩が転ばないように支えてくれていた。
「せ、先輩…すみません、ありがとうございます……」
とお礼を言うと「気をつけろよ」と言って姿勢を立て直してくれた。
「そこのお前の雷の魔法、そこの隣のやつの運動能力。全部、全部僕によこせぇ!」
ま、まずい、アズールがひたすら魔法を使って目に付く生徒という生徒から根こそぎ能力を取り上げている。
「アズール君、みんなからナニを吸ってるんスか!?吸われたやつらが次々と倒れていく!!」
ラギー先輩が焦りながら声を上げる。それとは対照的に
「アイツのユニーク魔法、契約書を介さないと他人から全ての能力を吸い取っちまうようだな。契約自体が、魔法の効果を制御する役割を果たしてた。……ってことだろ?」
冷静にレオナ先輩が解析し、私に問い掛けてくる。
「はい…強力すぎる魔法だから、いつも効力を契約書で抑えてるんです」
と返すと「えぇ!?怖すぎじゃないスか!?」とラギー先輩がまた声を上げる。
「そんな禁術クラスの魔法、反動であっという間にブロットが許容量を超えるぞ」
レオナ先輩の顔に少し、汗が滲んでいる。平静を装ってはいるけれども、内心はかなり焦っているみたいだ。どうしよう…どうしよう…!
ジェイドちゃん…フロイドちゃん……!2人共何してんのよ…!早く帰ってきてよ!!
「アズール!貴方何をしているんです!」
「うわ、何これどーなってんの?」
私の願いが天に届いたのか、待ちわびていた人達の声が聞こえてきた。2人共珍しく焦っているような、驚いているような声を発している。そんな2人に向かって
「ジェイドちゃん、フロイドちゃん!!助けて!!!」
悲鳴にも近い金切り声を上げながら駆け寄る。
「げっなんだこの騒ぎ!?」
「アズールが暴れてる……のか!?」
2人を追いかけてきたのか、エースちゃん達もいる。みんなアズールの暴走を見て驚愕している。
「ティアナ、落ち着いて。今はどういう状況ですか。アズールはいったいどうしてしまったんですか」
なるべく簡潔にわかりやすく説明してくださいと、ジェイドちゃんが私に問い掛けてくる。私の肩を掴む手が、少し震えているような気がする。
「それが…!レオナ先輩に契約書を全部砂にされちゃって、それで、キレちゃって、契約書もなしに魔法使い始めちゃって……!目に付く人という人から片っ端から能力取り出しちゃって……!」
上手く回らない頭を精一杯働かし、なんとか説明する。
「は…?んなことしたらヤベェじゃん…」
フロイドちゃんがぼそりと呟く。2人共冷や汗を搔いている。こんな顔してるところ初めて見た。
「ジェイド、フロイド、あぁ、やっと戻ってきてくれたんですね、そこのバカ共のせいで、僕の契約書が全て無くなってしまったんです」
アズールが2人に気が付いたらしく、おぼつかない足取りでフラフラとこっちへ向かってきた。2人の力も僕に下さいと懇願している顔は、もう正気を失っているみたいだ。
「お待ちなさい。貴方のユニーク魔法は強力すぎるゆえに、契約書無しには制御出来ないはず。そんなことをすればどうなるか、自分が1番よくわかっているでしょ!」
珍しくジェイドちゃんが強めの口調で諭そうとする。必死に説得しようとしているけれども
「だって、なくなっちゃったんですよ、全部……アハハ……アハハハッ!」
アズールにはやっぱり届かない。
「このままじゃ昔の僕に戻ってしまう!」
自暴自棄になってるんだ。どうしよう、なんとか…何か声を掛けないと…。でも、なんて声を掛ければ…
「あのさー。今のアズールって、昔のアズールよりずっとダサいんだけど」
「フロイド!!!!!!」
今そんなこと言ったら……!
「あ~~~~~、そうですか。どうせ僕は1人じゃ何も出来ない、グズでノロマなタコ野郎ですよ。だから、もっとマシな僕になるためにみんなの力を奪ってやるんです。美しい歌声も、強力な魔法も、全部僕のものだ!寄越しなさい、全てを!」
やっぱり…!普段のアズールだったら今の言葉も受け止められただろう。けど、今の状態じゃ絶対に無理だよ…!フロイドちゃんはきっと、フロイドちゃんなりにアズールを思って言ったんだと思う。でも、今のタイミングでその言葉は最悪すぎる……!
アズールがまた、一斉に大勢の生徒達から能力を取り上げた。
「なんだよアレ?アズールの体から黒いドロドロが出てきてる。墨……じゃねーよな?」
能力を取り上げた瞬間、またアズールの周りに黒い何かが立ちこみ始めた。さっきよりもまた、さらにドス黒くなっている。
「ユニーク魔法の使い過ぎです。ブロットが蓄積許容量を超えている!このままでは……オーバーブロットしてしまう!」
ジェイドちゃんのその言葉を合図にするかのように、アズールは大声を上げて笑い出した。そしてアズールのことを黒いドロドロとしたものが包み込み……
「ヒッ…!何、あれ…!」
ドロドロが明けたそこにいたのは、目を逸らしたくなるくらいの圧を放った姿をしたアズールと、アズールの後ろに不気味な巨大なタコ足を持った化け物がいる。
思わずフロイドちゃんの服を掴むと、「隠れてろ」と言って背中に庇われた。その大きな背中から、そっと顔を出しアズールを見てみる。あれは……何……?
「オーバーブロットだ……」
ボソッと誰かが放った言葉に、戦慄が走る。
