ターコイズに恋焦がれ
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ユウちゃん達はまた、珊瑚の海へ行くことにしたらしい。また無謀な…!と思ったけれども今回はちゃんと作戦があるらしい。協力もしない代わりに、作戦内容も聞かないと約束したのでどんな作戦なのかは知らないけど。なのでみんなに頑張れとだけ伝えて別れた。
泣いても笑っても、今日の日没までがタイムリミット。私に出来ることは何もないので心の中で応援しながらラウンジの仕事をすることしか出来ない。……それにしても
「オラァ!早く飲み物もって来いよォ!」
「肉!肉!ひゃははは!」
「テメーそれは俺が頼んだ肉だぞ!」
開店直後だっていうのになんなのこの混み具合は。しかも喧嘩まで始まってるし。食事するとこで喧嘩したり喚いたりするなんて一体どんな教育を受けたらこうなるんだか。
来てる生徒のほとんどがサバナクローの人達……?もしかしてユウちゃんの作戦に関係があるのかな。いやでも、あの人達がユウちゃんに協力するとは思えない。でも、みんなが一斉に偶然モストロ・ラウンジに示し合わせた様に来るなんてことある……?
……なぁんか、嫌な予感がして来た。
「ティアナ、寮長が血相変えて出て行ったんだけど大丈夫かな……?」
空いたグラスを片していると、同じ寮生の子が耳打ちしてきた。
「えっVIPルームにお金取りに行ったんじゃないの?」
ドリンクや食材の在庫が無くなりそうだから金庫からお金出して買い出しにどうのこうのと言ってたのを聞いた気がするんだけど聞き違いだったのかな……?
「そうだったんだけど……すぐVIPルームから戻って来たと思ったら、そのまま猛スピードでラウンジから出て行ったんだ。なんかすごく焦ってたように見えた……」
VIPルームから焦って……?VIPルームには、お金とか以外だと契約書があるはず。アズールが契約した、すべての契約書が。……嫌な予感、当たってしまったのだろうか。
ごめん、私ちょっと見て来る!と寮生の子に断りを入れ、ラウンジから出てアズールを探すことにした。
◇
モストロ・ラウンジから出ると、すぐにアズールを見つけることが出来た。一瞬胸をホッと撫で下ろしたが、すぐにまた嫌な予感に襲われる。
アズールの契約書の束を、レオナ先輩が持っている。あれまさか、今までアズールが契約したもの全部……?VIPルームやアズールの手にない契約書は、無防備。いつでも破棄出来てしまう。あの量の契約書がいっきに全部なくなったりなんてしたら、アズールのメンタルがぶっ壊れちゃう!!
「か、返してください……それを返してください!」
そういうアズールの声は誰がどう聞いても冷静さを欠いている。レオナ先輩もラギー先輩も気が付いてるらしく「少しは取り繕えよ」と笑っている。
「その慌てぶりを見るに、アイツの予想は当たってたらしいな」
!!ユウちゃん、気が付いてたんだ。アズールのユニーク魔法の仕組みに。侮れない子……って、そんなこと言って笑ってる場合じゃない!!
「アズール!!!」
大声でアズールを呼ぶとレオナ先輩が
「なんだ妹までご登場か?」
不敵に笑いながら言う。
「お兄ちゃんが心配で急いで来たんスか?優しいねぇ。アズール君幸せ者っスねぇ、こんなお兄ちゃん思いの可愛い妹を持ててぇ」
ラギー先輩もまた、不敵に笑う。2人共、昔おばあちゃんが見てたドラマに出てた悪役みたいな顔。アズールは…やっぱまだ冷静じゃなさそう。
「なぜだ、なぜあいつは僕の邪魔ばかりしてくる!?イソギンチャクから解放したってあいつにはなんの得もないだろう」
すごい感情的に声を荒げている。もう完全に頭が回らなくなってる。これじゃレオナ先輩の思う壺だよ……!いつもだったら絶対こんなことになんないのに……!
「ちょっと、アズール一旦落ち着…」
「お前は黙ってろ!」
落ち着いてと言おうとしたら怒鳴られて思わず押し黙る。
「おいおい、心配してくれてる優しい妹に対してその態度はあんまりじゃねぇか?」
そんなんじゃ見捨てられちまうかもしれねぇぜ?なんてニヤリと笑いながら言うレオナ先輩にヒヤヒヤする。これ以上追い詰めるようなことしないで欲しい。
「イソギンチャクを解放したってあいつにはなんの得にもならない。そう言ったな。それについては俺も同意だ」
レオナ先輩がにやけ顔を止め、アズールに
「……そこでだ。なぁアズール、俺と取引きしようぜ」
そう持ち掛ける。取引き……?なんでそんなこと言うんだ……?アズールも同じことを考えているのか「……は?」と怪訝な顔をしている。そんな私達には一切構わずレオナ先輩は続ける。
「この契約書をお前に返したら、お前は俺に何を差し出す?」
じっとアズールを見つめ、問い掛ける。
「な、なんでもします。テストの対策ノートでも卒業論文の代筆でも、出席日数の水増しでも、なんでも貴方の願いを叶えます!」
アズール……完全にレオナ先輩のペースに乗せられちゃってる。どうしよう、なんとか頭を冷やさせないと……。でもどうやって……?
「なるほど、実に魅力的な申し出だ」
…って、あれ、レオナ先輩意外と食いついてる……?じゃあ……
「だが……。悪いが、その程度じゃこの契約書は返してやれそうにねぇなァ」
えっ………
「俺はな、今、あいつに……ユウに脅されてるんだよ」
はい!?ユウちゃんに脅されてる!?
「契約書の破棄に協力してくれなきゃ、毎日朝まで毛玉と一緒に部屋の前で大騒ぎしてやるってなァ」
「は………?」
思わずそんな声を漏らしたら、アズールと被った。珍しく意見があったらしい。
「お前にオンボロ寮を取られちまったら、俺が寝不足になっちまう。あいつらにサバナクローから出て行ってもらうためにも、コイツは破棄させてもらうぜ」
ゆ、ユウちゃんの言ってた作戦ってこれ!?え、えぇぇぇぇ……
「まさか、そんなことで……!?」
「悪党として、あいつに一歩負けたな、アズール」
ほんっとあの子……人畜無害みたいな顔しといてタチ悪い。
「う、うそだ……やめろ!」
というアズールの悲痛な叫びも虚しく、
「ーーさぁ、『平伏しろ!』『王者の咆哮!(キングス・ロアー)』」
レオナ先輩の手によって、アズールの集めた契約書は全て砂に変わり果ててしまった。
「僕の、僕の『黄金の契約書』が……っ!」
そういって膝から崩れ落ちてしまった。
「ア、アズール…!しっかりして……!」
肩を掴んでしゃがみ込みながら顔を覗き込み声をかけてみるが、「契約書…契約書……」と力なく虚ろな目で呟くだけで私の声は全く届かない。レオナ先輩とラギー先輩がアズールの魔法についてとか色々と話してるが、そんなこと気にしてる場合じゃない。
「アズ…」
「……あ……あぁ……」
や、ヤバイ…ヤバイこれ…
「あ~~~~っ!!!もうやだ~~~~~~~~~!!!」
完全にスイッチ入っちゃった!!
「ちょっとアズール!落ち着いてってば!」
宥めようとしてみるが
「だって!消えたんだよ……コツコツと集めた魔法コレクションが!僕の万能の力がぁ……!」
完全に我を忘れてしまってる。どうしよう……。レオナ先輩もラギー先輩も狼狽えている。そりゃそうだよね、こんなアズール初めて見るだろうし…。な、なんとか宥めないと……!
「だ、大丈夫だよ。アズールはさ、口が回るし、狡賢くて姑息だし、卑劣だし卑怯だし、頭の回転早いし人をだます才能抜群だから、また色んな人だまくらかして魔法分捕って沢山集めることくらい出来るよ!だからほら、自信…」
「うるっせぇぇぇっっっ!!!」
落ち着かせようと必死に訴えかけようとしたら怒鳴られた。う、うるせぇなんて言わなくてもいいじゃん、慰めようとしてんのに!と言ったら
「慰め……?むしろトドメだったような……」
「どっこもフォローになってなかったぞ……」
2人に呆れた様子でつっこまれた。えっ…うっそ、フォローになってなかった!?
「あぁ、もう全てがパァだ!!なんてことしてくれたんだ!!」
って、そんなアホなこと考えてる場合じゃない…!
「ア、アズ……」
「あれがなくなったら僕は……僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!」
やっぱりそう思い込むのか……。
「ア、アズール、そんなこと…」
「そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ!!」
私の声は全く届かないみたいで、アズールは泣き喚き出す。
「もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ……っ!」
そして泣くと同時に、アズールの周りに墨のようにドス黒いオーラの様なものが立ちこみ始める。思わずヒッ……と声を上げてしまった。
「アズール君、ほ、ほら、ちょっと落ち着こ、ねっ!」
と優しくラギー先輩が宥めようとするが
「うるせ~~~!!!!お前らに、僕の気持ちなんかわかるもんか!グズでノロマなタコ野郎とバカにされてきた僕のことなんか……お前達にわかるはずがない!」
全く聞く気ない。
「アズール!そんなことないってば……!アズールはもう、あの頃とはちがっ」
「あぁそうだ……。なくなったなら、また奪えばいいんだ……」
虚ろな目でアズールがぽつりと呟く。そして――
「くれよ。なぁ、お前らの自慢の能力、僕にくれよぉ!!」
そう叫び、ユニーク魔法を狂ったように使いだしたアズールの目は、狂気に呑まれているようだった。
泣いても笑っても、今日の日没までがタイムリミット。私に出来ることは何もないので心の中で応援しながらラウンジの仕事をすることしか出来ない。……それにしても
「オラァ!早く飲み物もって来いよォ!」
「肉!肉!ひゃははは!」
「テメーそれは俺が頼んだ肉だぞ!」
開店直後だっていうのになんなのこの混み具合は。しかも喧嘩まで始まってるし。食事するとこで喧嘩したり喚いたりするなんて一体どんな教育を受けたらこうなるんだか。
来てる生徒のほとんどがサバナクローの人達……?もしかしてユウちゃんの作戦に関係があるのかな。いやでも、あの人達がユウちゃんに協力するとは思えない。でも、みんなが一斉に偶然モストロ・ラウンジに示し合わせた様に来るなんてことある……?
……なぁんか、嫌な予感がして来た。
「ティアナ、寮長が血相変えて出て行ったんだけど大丈夫かな……?」
空いたグラスを片していると、同じ寮生の子が耳打ちしてきた。
「えっVIPルームにお金取りに行ったんじゃないの?」
ドリンクや食材の在庫が無くなりそうだから金庫からお金出して買い出しにどうのこうのと言ってたのを聞いた気がするんだけど聞き違いだったのかな……?
「そうだったんだけど……すぐVIPルームから戻って来たと思ったら、そのまま猛スピードでラウンジから出て行ったんだ。なんかすごく焦ってたように見えた……」
VIPルームから焦って……?VIPルームには、お金とか以外だと契約書があるはず。アズールが契約した、すべての契約書が。……嫌な予感、当たってしまったのだろうか。
ごめん、私ちょっと見て来る!と寮生の子に断りを入れ、ラウンジから出てアズールを探すことにした。
◇
モストロ・ラウンジから出ると、すぐにアズールを見つけることが出来た。一瞬胸をホッと撫で下ろしたが、すぐにまた嫌な予感に襲われる。
アズールの契約書の束を、レオナ先輩が持っている。あれまさか、今までアズールが契約したもの全部……?VIPルームやアズールの手にない契約書は、無防備。いつでも破棄出来てしまう。あの量の契約書がいっきに全部なくなったりなんてしたら、アズールのメンタルがぶっ壊れちゃう!!
「か、返してください……それを返してください!」
そういうアズールの声は誰がどう聞いても冷静さを欠いている。レオナ先輩もラギー先輩も気が付いてるらしく「少しは取り繕えよ」と笑っている。
「その慌てぶりを見るに、アイツの予想は当たってたらしいな」
!!ユウちゃん、気が付いてたんだ。アズールのユニーク魔法の仕組みに。侮れない子……って、そんなこと言って笑ってる場合じゃない!!
「アズール!!!」
大声でアズールを呼ぶとレオナ先輩が
「なんだ妹までご登場か?」
不敵に笑いながら言う。
「お兄ちゃんが心配で急いで来たんスか?優しいねぇ。アズール君幸せ者っスねぇ、こんなお兄ちゃん思いの可愛い妹を持ててぇ」
ラギー先輩もまた、不敵に笑う。2人共、昔おばあちゃんが見てたドラマに出てた悪役みたいな顔。アズールは…やっぱまだ冷静じゃなさそう。
「なぜだ、なぜあいつは僕の邪魔ばかりしてくる!?イソギンチャクから解放したってあいつにはなんの得もないだろう」
すごい感情的に声を荒げている。もう完全に頭が回らなくなってる。これじゃレオナ先輩の思う壺だよ……!いつもだったら絶対こんなことになんないのに……!
「ちょっと、アズール一旦落ち着…」
「お前は黙ってろ!」
落ち着いてと言おうとしたら怒鳴られて思わず押し黙る。
「おいおい、心配してくれてる優しい妹に対してその態度はあんまりじゃねぇか?」
そんなんじゃ見捨てられちまうかもしれねぇぜ?なんてニヤリと笑いながら言うレオナ先輩にヒヤヒヤする。これ以上追い詰めるようなことしないで欲しい。
「イソギンチャクを解放したってあいつにはなんの得にもならない。そう言ったな。それについては俺も同意だ」
レオナ先輩がにやけ顔を止め、アズールに
「……そこでだ。なぁアズール、俺と取引きしようぜ」
そう持ち掛ける。取引き……?なんでそんなこと言うんだ……?アズールも同じことを考えているのか「……は?」と怪訝な顔をしている。そんな私達には一切構わずレオナ先輩は続ける。
「この契約書をお前に返したら、お前は俺に何を差し出す?」
じっとアズールを見つめ、問い掛ける。
「な、なんでもします。テストの対策ノートでも卒業論文の代筆でも、出席日数の水増しでも、なんでも貴方の願いを叶えます!」
アズール……完全にレオナ先輩のペースに乗せられちゃってる。どうしよう、なんとか頭を冷やさせないと……。でもどうやって……?
「なるほど、実に魅力的な申し出だ」
…って、あれ、レオナ先輩意外と食いついてる……?じゃあ……
「だが……。悪いが、その程度じゃこの契約書は返してやれそうにねぇなァ」
えっ………
「俺はな、今、あいつに……ユウに脅されてるんだよ」
はい!?ユウちゃんに脅されてる!?
「契約書の破棄に協力してくれなきゃ、毎日朝まで毛玉と一緒に部屋の前で大騒ぎしてやるってなァ」
「は………?」
思わずそんな声を漏らしたら、アズールと被った。珍しく意見があったらしい。
「お前にオンボロ寮を取られちまったら、俺が寝不足になっちまう。あいつらにサバナクローから出て行ってもらうためにも、コイツは破棄させてもらうぜ」
ゆ、ユウちゃんの言ってた作戦ってこれ!?え、えぇぇぇぇ……
「まさか、そんなことで……!?」
「悪党として、あいつに一歩負けたな、アズール」
ほんっとあの子……人畜無害みたいな顔しといてタチ悪い。
「う、うそだ……やめろ!」
というアズールの悲痛な叫びも虚しく、
「ーーさぁ、『平伏しろ!』『王者の咆哮!(キングス・ロアー)』」
レオナ先輩の手によって、アズールの集めた契約書は全て砂に変わり果ててしまった。
「僕の、僕の『黄金の契約書』が……っ!」
そういって膝から崩れ落ちてしまった。
「ア、アズール…!しっかりして……!」
肩を掴んでしゃがみ込みながら顔を覗き込み声をかけてみるが、「契約書…契約書……」と力なく虚ろな目で呟くだけで私の声は全く届かない。レオナ先輩とラギー先輩がアズールの魔法についてとか色々と話してるが、そんなこと気にしてる場合じゃない。
「アズ…」
「……あ……あぁ……」
や、ヤバイ…ヤバイこれ…
「あ~~~~っ!!!もうやだ~~~~~~~~~!!!」
完全にスイッチ入っちゃった!!
「ちょっとアズール!落ち着いてってば!」
宥めようとしてみるが
「だって!消えたんだよ……コツコツと集めた魔法コレクションが!僕の万能の力がぁ……!」
完全に我を忘れてしまってる。どうしよう……。レオナ先輩もラギー先輩も狼狽えている。そりゃそうだよね、こんなアズール初めて見るだろうし…。な、なんとか宥めないと……!
「だ、大丈夫だよ。アズールはさ、口が回るし、狡賢くて姑息だし、卑劣だし卑怯だし、頭の回転早いし人をだます才能抜群だから、また色んな人だまくらかして魔法分捕って沢山集めることくらい出来るよ!だからほら、自信…」
「うるっせぇぇぇっっっ!!!」
落ち着かせようと必死に訴えかけようとしたら怒鳴られた。う、うるせぇなんて言わなくてもいいじゃん、慰めようとしてんのに!と言ったら
「慰め……?むしろトドメだったような……」
「どっこもフォローになってなかったぞ……」
2人に呆れた様子でつっこまれた。えっ…うっそ、フォローになってなかった!?
「あぁ、もう全てがパァだ!!なんてことしてくれたんだ!!」
って、そんなアホなこと考えてる場合じゃない…!
「ア、アズ……」
「あれがなくなったら僕は……僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!」
やっぱりそう思い込むのか……。
「ア、アズール、そんなこと…」
「そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ!!」
私の声は全く届かないみたいで、アズールは泣き喚き出す。
「もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ……っ!」
そして泣くと同時に、アズールの周りに墨のようにドス黒いオーラの様なものが立ちこみ始める。思わずヒッ……と声を上げてしまった。
「アズール君、ほ、ほら、ちょっと落ち着こ、ねっ!」
と優しくラギー先輩が宥めようとするが
「うるせ~~~!!!!お前らに、僕の気持ちなんかわかるもんか!グズでノロマなタコ野郎とバカにされてきた僕のことなんか……お前達にわかるはずがない!」
全く聞く気ない。
「アズール!そんなことないってば……!アズールはもう、あの頃とはちがっ」
「あぁそうだ……。なくなったなら、また奪えばいいんだ……」
虚ろな目でアズールがぽつりと呟く。そして――
「くれよ。なぁ、お前らの自慢の能力、僕にくれよぉ!!」
そう叫び、ユニーク魔法を狂ったように使いだしたアズールの目は、狂気に呑まれているようだった。
