ターコイズに恋焦がれ
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昼休みが終わってユウちゃんと話そう。そう思ったけれども、ユウちゃん達はみんな虫の息でとてもじゃないけれども話せそうになかった。
モストロ・ラウンジに忍び込んで契約書を盗み出そうとしてアズール達に見つかりボコボコにされたらしい。アホか少しは頭使いなさいよ……!契約書に目をつけたのは良かったのにって思うけどなんでもっとちゃんと作戦を考えないのよ!!
アズールのこと舐めすぎ……ていうか、相手がアズールじゃなくても人のこと舐めすぎだよあの子達……。なんかアズール云々抜きにして単純にあの子達の将来が心配になって来た。
「ティアナー、何ぼさっとしてんのー?」
そんなんじゃまたアズールに怒られるよーと言いながらフロイドちゃんに背後から覆いかぶされる。
「ちょっとフロイドちゃん重いっ……!」
ぼーっとなんてしてないってば、離れてよ!と文句言うが「やだー」と言いながら体重をかけて来る。私に何か言う前に自分が仕事しなさいよ。
「つかさー。ティアナの友達、マジで馬鹿だねー」
小エビちゃんもイソギンチャクの仲間入り決定!ティアナ良かったじゃん、友達と一緒に働けるよーと笑いながら言われて眉間に皺が寄る。
「何その顔―。拗ねてんのー?」
ティアナって昔っからすぐフグみてぇな顔して拗ねるよねぇと、ほっぺを突かれる。
「うるっさい!やめてよっ!」
と手を振り払うと
「えっ何、怒ったの?うわ珍しー」
いつもはやめてよって言うだけで手振り払ったりしないのに、と少し驚いたような顔をされる。でもすぐに面白そうに笑う。その表情に余計イライラしてくる。でも、イライラしたってどうしようもない。
「私、もう今日上がりだから!」
お疲れ様!と挨拶して、ラウンジを後にすることにした。
フロイドちゃんが
「えー、もう帰んのー?つまんねー」
とかなんとか呟いてるが聞かなかったことにする。
◇
ラウンジを後にして部屋に戻ったが、なんだか落ち着かない。なのでこっそりと寮を抜け出して、夜の散歩へ行くことにした。
夜の景色は昼間と全く違うものに見えてすごく新鮮だ。いつも見ているものと同じはずなのになんだか違うものに見えて、歩いているだけなのにとても楽しい。頬を撫でて来る風が気持ち良いなぁーなんて思いながらフラフラとあてもなく歩いていると
「あれ……ユウ、ちゃん……?」
オンボロ寮の近くで1人立って寮を見つめているユウちゃんの姿が目に入って来た。向こうも私に気が付いたらしく
「あっティアナ」
と呼んで来た。
「どうしたの、こんな時間に。女の子が1人で夜に出歩くのはどうかと思うよ?」
早く寮に戻った方が良いんじゃない?と注意してくるユウちゃんに
「魔法も使えないのに1人でこんな時間に出歩いてるユウちゃんに言われたくないよ」
と言い返すと「えっあっや、あ、あはは……」と苦笑される。そんなやり取りをして2人して黙り込む。話したいことは沢山あるのに、どう切り出せばいいのかわからない。どうしよう、せっかく話せるチャンスなのに……。
「……ティアナ、この前はごめん」
「えっ?」
唐突に謝罪されて、つい素っ頓狂な声を出してしまう。
「なんのこと?」
思わずそう聞き返すと
「モストロ・ラウンジでのこと。自分がアズール先輩と契約した時、必死に止めようとしてくれてたでしょ。なのに、無視しちゃってごめん」
ジャックにも、もっとティアナの言葉に耳傾けてやれって怒られたんだと、苦笑しながら言う。
「……ほんっと。今更謝るくらいなら、もっと私の話聞いて止まって欲しかった!」
ユウちゃんて、1度これだ!って決めると、そのまま突き進むから心配。そう言ったら「えっ?そんなことないでしょ」と言い返してきた。そんなことあるっての。
「……アズールと契約したこと、後悔してる?」
「ううん。大変なことになったなとは思ってるけど、後悔は全くしてない」
そう言うユウちゃんの目はすごく真っ直ぐで。本当に後悔なんて全くしていないみたいだ。
「そっか。なら、いいよ。許してあげる」
というと「ありがとう!」と、嬉しそうに笑いながら言うユウちゃんに心が少し軽くなる。
「………ねぇ、ユウちゃん」
改めて名前を呼ぶと「何?」と返事をされる。小さく深呼吸してから
「アズールの弱点、教えてあげる」
ユウちゃんのことをしっかりと見つめながら言葉を紡ぐ。
「えっ……」
予想もしていなかったのか、目を見開いてすごく驚いたように声を上げている。
「アズールにはね、絶対にバレたくないコンプレックスがあるの。それを材料に脅せば、オンボロ寮は取られないと思うし、ユウちゃんがアズールの下僕にされるのも避けられると思う」
ユウちゃんは黙って私の話を聞いている。なので私は続ける。
「ただし、教える代わりに1つ条件があるの。その弱点は絶対にグリムちゃんやエースちゃん、デュースちゃんとジャックちゃんとか……他の人達には絶対にバラさないで」
それを守ってくれたら、アズールの弱点を教えてあげる。真っ直ぐとユウちゃんの目を見つめると、ユウちゃんも見つめ返してくる。お互い何もしゃべらず、微動だにせずただじっと、見つめ合い続ける。何分くらいそうしていたんだろう。すごく長く感じる。実際には1分にも満たないほどの短い沈黙なんだとは思うけど。
「……ティアナ」
ユウちゃんの私の名を呼ぶ声で沈黙が破れた。何?と聞き返す。
「……自分、思っていた以上に君に心配かけてしまっていたんだね」
本当にごめん。そう頭を深々と下げながら謝罪された。
「協力しようとしてくれて、助けようとしてくれて、すごくありがたいなって思ってる。嬉しいよ」
優しく微笑みかけられる。
「何か、力になりたいから。だから……」
「でも。教えなくていいよ」
だから、アズールの弱点を教えてあげる。そう言おうとしたら遮られ、断られた。
「えっ…な、なんで……」
やっぱり私のこと、疑ってるのかな……。そりゃそっか…でも。
「お願い信じて!そりゃユウちゃんから見たら私、アズールの妹で、敵の身内だから、怪しく見えるのはわかるよ。疑う気持ちもわかる。でもッ……!」
「ティアナのこと疑う?何言ってるの、友達のこと疑ったりとかするわけないでしょ」
えっ………
「そりゃ今まで全く関わりのなかった人がいきなりそんなこと言ってきたら疑うよ。けど、ティアナとはあのドワーフ鉱山の時からずっと仲良くしてるじゃん。なのに今更、疑ったりなんてするわけないでしょ」
そう優しく笑って言う。……安心する、優しくて暖かい笑顔。でも、
「なんで…?疑ってないんだったら、どうして……?アズールの弱点、知りたくないの……?」
グリムちゃん達を助けることは出来なくても、オンボロ寮は取られないで済むかもしれないのに……。
「アズール先輩の弱点を自分に教えたりなんてしたら、ティアナが一生後悔することになっちゃうから」
………は?
「何言って……」
「ティアナは優しいもの。だからきっと、アズール先輩の弱点を教えたりなんてしちゃったらティアナがティアナ自身のことを許すことが出来なくなってしまうと思うんだ」
私のことを射貫くような目で真っ直ぐと見ながら言い切る。
「友達に、ティアナにそんな思い、絶対させたくない」
あー…もう、ほんっとにこの子は……
「ユウちゃんてさ、マジで呆れるくらいのお人好しだよね」
思わずため息を吐いてしまう。
「えっそんなこと…」
「あるよ。めっちゃくちゃある」
その私の言葉に「えー…そうかなー…」なんて呟くユウちゃんにクスッと笑いそうになる。人たらしとは、この子みたいな子のことを言うのかな。
「……じゃあ、私そろそろ寮に戻るね」
と告げてユウちゃんに背を向けて歩き出すと
「ティアナ」
呼び止められた。立ち止まって振り返り「何?」と尋ねる。
「明日は、一緒にご飯食べようね」
もちろん、エース達とも一緒に。と、屈託なく笑いながら言われる。
「…うん!」
それに釣られて私も笑顔で答え、2人で「おやすみ」と言い合って別れた。
どうかユウちゃんが、アズールに勝つことが出来ますように。
モストロ・ラウンジに忍び込んで契約書を盗み出そうとしてアズール達に見つかりボコボコにされたらしい。アホか少しは頭使いなさいよ……!契約書に目をつけたのは良かったのにって思うけどなんでもっとちゃんと作戦を考えないのよ!!
アズールのこと舐めすぎ……ていうか、相手がアズールじゃなくても人のこと舐めすぎだよあの子達……。なんかアズール云々抜きにして単純にあの子達の将来が心配になって来た。
「ティアナー、何ぼさっとしてんのー?」
そんなんじゃまたアズールに怒られるよーと言いながらフロイドちゃんに背後から覆いかぶされる。
「ちょっとフロイドちゃん重いっ……!」
ぼーっとなんてしてないってば、離れてよ!と文句言うが「やだー」と言いながら体重をかけて来る。私に何か言う前に自分が仕事しなさいよ。
「つかさー。ティアナの友達、マジで馬鹿だねー」
小エビちゃんもイソギンチャクの仲間入り決定!ティアナ良かったじゃん、友達と一緒に働けるよーと笑いながら言われて眉間に皺が寄る。
「何その顔―。拗ねてんのー?」
ティアナって昔っからすぐフグみてぇな顔して拗ねるよねぇと、ほっぺを突かれる。
「うるっさい!やめてよっ!」
と手を振り払うと
「えっ何、怒ったの?うわ珍しー」
いつもはやめてよって言うだけで手振り払ったりしないのに、と少し驚いたような顔をされる。でもすぐに面白そうに笑う。その表情に余計イライラしてくる。でも、イライラしたってどうしようもない。
「私、もう今日上がりだから!」
お疲れ様!と挨拶して、ラウンジを後にすることにした。
フロイドちゃんが
「えー、もう帰んのー?つまんねー」
とかなんとか呟いてるが聞かなかったことにする。
◇
ラウンジを後にして部屋に戻ったが、なんだか落ち着かない。なのでこっそりと寮を抜け出して、夜の散歩へ行くことにした。
夜の景色は昼間と全く違うものに見えてすごく新鮮だ。いつも見ているものと同じはずなのになんだか違うものに見えて、歩いているだけなのにとても楽しい。頬を撫でて来る風が気持ち良いなぁーなんて思いながらフラフラとあてもなく歩いていると
「あれ……ユウ、ちゃん……?」
オンボロ寮の近くで1人立って寮を見つめているユウちゃんの姿が目に入って来た。向こうも私に気が付いたらしく
「あっティアナ」
と呼んで来た。
「どうしたの、こんな時間に。女の子が1人で夜に出歩くのはどうかと思うよ?」
早く寮に戻った方が良いんじゃない?と注意してくるユウちゃんに
「魔法も使えないのに1人でこんな時間に出歩いてるユウちゃんに言われたくないよ」
と言い返すと「えっあっや、あ、あはは……」と苦笑される。そんなやり取りをして2人して黙り込む。話したいことは沢山あるのに、どう切り出せばいいのかわからない。どうしよう、せっかく話せるチャンスなのに……。
「……ティアナ、この前はごめん」
「えっ?」
唐突に謝罪されて、つい素っ頓狂な声を出してしまう。
「なんのこと?」
思わずそう聞き返すと
「モストロ・ラウンジでのこと。自分がアズール先輩と契約した時、必死に止めようとしてくれてたでしょ。なのに、無視しちゃってごめん」
ジャックにも、もっとティアナの言葉に耳傾けてやれって怒られたんだと、苦笑しながら言う。
「……ほんっと。今更謝るくらいなら、もっと私の話聞いて止まって欲しかった!」
ユウちゃんて、1度これだ!って決めると、そのまま突き進むから心配。そう言ったら「えっ?そんなことないでしょ」と言い返してきた。そんなことあるっての。
「……アズールと契約したこと、後悔してる?」
「ううん。大変なことになったなとは思ってるけど、後悔は全くしてない」
そう言うユウちゃんの目はすごく真っ直ぐで。本当に後悔なんて全くしていないみたいだ。
「そっか。なら、いいよ。許してあげる」
というと「ありがとう!」と、嬉しそうに笑いながら言うユウちゃんに心が少し軽くなる。
「………ねぇ、ユウちゃん」
改めて名前を呼ぶと「何?」と返事をされる。小さく深呼吸してから
「アズールの弱点、教えてあげる」
ユウちゃんのことをしっかりと見つめながら言葉を紡ぐ。
「えっ……」
予想もしていなかったのか、目を見開いてすごく驚いたように声を上げている。
「アズールにはね、絶対にバレたくないコンプレックスがあるの。それを材料に脅せば、オンボロ寮は取られないと思うし、ユウちゃんがアズールの下僕にされるのも避けられると思う」
ユウちゃんは黙って私の話を聞いている。なので私は続ける。
「ただし、教える代わりに1つ条件があるの。その弱点は絶対にグリムちゃんやエースちゃん、デュースちゃんとジャックちゃんとか……他の人達には絶対にバラさないで」
それを守ってくれたら、アズールの弱点を教えてあげる。真っ直ぐとユウちゃんの目を見つめると、ユウちゃんも見つめ返してくる。お互い何もしゃべらず、微動だにせずただじっと、見つめ合い続ける。何分くらいそうしていたんだろう。すごく長く感じる。実際には1分にも満たないほどの短い沈黙なんだとは思うけど。
「……ティアナ」
ユウちゃんの私の名を呼ぶ声で沈黙が破れた。何?と聞き返す。
「……自分、思っていた以上に君に心配かけてしまっていたんだね」
本当にごめん。そう頭を深々と下げながら謝罪された。
「協力しようとしてくれて、助けようとしてくれて、すごくありがたいなって思ってる。嬉しいよ」
優しく微笑みかけられる。
「何か、力になりたいから。だから……」
「でも。教えなくていいよ」
だから、アズールの弱点を教えてあげる。そう言おうとしたら遮られ、断られた。
「えっ…な、なんで……」
やっぱり私のこと、疑ってるのかな……。そりゃそっか…でも。
「お願い信じて!そりゃユウちゃんから見たら私、アズールの妹で、敵の身内だから、怪しく見えるのはわかるよ。疑う気持ちもわかる。でもッ……!」
「ティアナのこと疑う?何言ってるの、友達のこと疑ったりとかするわけないでしょ」
えっ………
「そりゃ今まで全く関わりのなかった人がいきなりそんなこと言ってきたら疑うよ。けど、ティアナとはあのドワーフ鉱山の時からずっと仲良くしてるじゃん。なのに今更、疑ったりなんてするわけないでしょ」
そう優しく笑って言う。……安心する、優しくて暖かい笑顔。でも、
「なんで…?疑ってないんだったら、どうして……?アズールの弱点、知りたくないの……?」
グリムちゃん達を助けることは出来なくても、オンボロ寮は取られないで済むかもしれないのに……。
「アズール先輩の弱点を自分に教えたりなんてしたら、ティアナが一生後悔することになっちゃうから」
………は?
「何言って……」
「ティアナは優しいもの。だからきっと、アズール先輩の弱点を教えたりなんてしちゃったらティアナがティアナ自身のことを許すことが出来なくなってしまうと思うんだ」
私のことを射貫くような目で真っ直ぐと見ながら言い切る。
「友達に、ティアナにそんな思い、絶対させたくない」
あー…もう、ほんっとにこの子は……
「ユウちゃんてさ、マジで呆れるくらいのお人好しだよね」
思わずため息を吐いてしまう。
「えっそんなこと…」
「あるよ。めっちゃくちゃある」
その私の言葉に「えー…そうかなー…」なんて呟くユウちゃんにクスッと笑いそうになる。人たらしとは、この子みたいな子のことを言うのかな。
「……じゃあ、私そろそろ寮に戻るね」
と告げてユウちゃんに背を向けて歩き出すと
「ティアナ」
呼び止められた。立ち止まって振り返り「何?」と尋ねる。
「明日は、一緒にご飯食べようね」
もちろん、エース達とも一緒に。と、屈託なく笑いながら言われる。
「…うん!」
それに釣られて私も笑顔で答え、2人で「おやすみ」と言い合って別れた。
どうかユウちゃんが、アズールに勝つことが出来ますように。
