ターコイズに恋焦がれ
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あの後何度も、オクタヴィネルには来ないでと言ったのに、ユウちゃんは結局来てしまった。今はエースちゃんとデュースちゃんに上手いこと言い包められてしまってジャックちゃんと2人でラウンジの手伝いをしている。あの2人に言い包められてるんじゃアズールと話すなんて無理だよ…。なんとかして帰らせたいけど、ユウちゃんの傍にはずっとジェイドちゃんとフロイドちゃんがいて近づけない…。どうしたらいいの…。
「おや、随分と手際が良いですねぇ。彼がイソギンチャクになってくれたら、ラウンジの仕事がもっと楽になりそうだ」
背後から聞こえてきた声に思わず眉間に皺が寄る。
「なんですか、その顔。何かお悩みでも?」
可愛い妹が困ってるのは僕も辛いものがありますねぇなんてアズールがニヤつきながら言う。何が可愛い妹よ。
「ユウちゃんまだアズールと契約もしてないし取引に失敗だってしてないじゃん」
イライラしながら言うと「そうですね。”まだ”してませんね」と、余裕たっぷりな様子。ユウちゃんと契約し、自分が勝利することを確信しているみたいだ。
「今からVIPルームで彼の話を聞こうと思っています。お前も来ます?」
邪魔するなって言ってたのに。一緒に来るかなんてなんで聞いて来るんだ…?…まぁ、良い。そんなことは後で考えよう。一緒に来ていいって言ってもらえてるなら行った方が良いでしょ。上手くすればユウちゃんがアズールと契約させないように出来るかもしれない。何かしら、何かしらユウちゃんの助けになるかもしれない。そう判断して、アズールと一緒にユウちゃんとジャックちゃんをVIPルームへと招く。
◇
「なんだここ……本当に学校か?」
でかい金庫があって……銀行みてぇだ、そう言いながらジャックちゃんが辺りを見渡している。サバナクローにはこんな金庫ないんだ。
「さぁ、突っ立って入り口を塞いでないで。奥へどうぞ」
きょろきょろと落ち着きのない2人にアズールは室内に入って座るように促す。その様子をジェイドちゃんとフロイドちゃんと一緒に見つめる。
ユウちゃんは少し緊張してるように見える。大丈夫かな、アズールのペースに乗せられたらおしまいだってわかってるのかな…。ジャックちゃんの方はあからさまに警戒してる。さっきからずっとアズールのことを睨みつけっぱなしだ。こっちもこっちであっという間にアズールのペースに乗せられちゃいそう。せめて冷静さを保つようにってアドバイスだけでもしておくべきだったかな…。
「それで?僕に相談というのは?」
2人のことを見て、切り出す。何を言われるかなんてわかりきってるくせに。
「下僕にしている生徒達を自由にしてほしい」
未だに緊張した様子だけれども、すごくしっかりとした眼差しと口調でアズールを見据えながらユウちゃんが言葉を紡ぐ。
「はっはっは、これはまた……突然横暴なことを仰いますね。僕と契約した生徒、225人の解放ですって?」
225人…?そんな人数と契約してたのかコイツ。みんななんでこんな胡散臭いが服着て歩ってるみたいなやつとやすやすと契約なんてしちゃうの。大丈夫?将来壺とか買わされたりしない?その数にジャックちゃんもすごく驚いている。
「さて、ユウさん。貴方は生徒達を自由にしてほしいと言いますが、僕は彼らに不当な労働をさせているわけではありません。彼らは契約書の内容に合意し僕と『契約』を交わした。『契約」は”可哀想”だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃないんですよ。つまり、一昨日お越しください。……ということです」
長々とよく口が回るもんだ。口の裏縫い合わせてやりたくなる。
ユウちゃん、分かったでしょコイツに言うだけ無駄だよ、あんたにこの人の相手は無理だよ、だから早く…
「だったら、自分も取引します」
は!?何言ってんのこの子…!
「!?おい、お前何考えてんだ!?」
「ちょっとユウちゃ…むぐっ」
ジャックちゃんと一緒にユウちゃんを止めようとしたら突然口を塞がれて身体を抱き込まれた。そして耳元で
「ティアナー、ダメじゃんおにーちゃんの仕事の邪魔しようとしちゃー」
と、フロイドちゃんに囁かれた。藻掻こうとする私のことをニヤニヤと笑って見ている。早く振りほどいてジャックちゃんに加勢してユウちゃんを止めなくちゃ。そう思って腕を絞め上げようとした瞬間
「そうですよ。お利口さんなティアナですから、大人しく出来ますよね?でないと、アズールがお友達にとんでもない無茶振りをしてとっても困らせてしまうかもしれませんよ?」
すかさずジェイドちゃんにクスクスと笑いながら囁かれる。そう言われてしまっては、フロイドちゃんの腕の中で大人しくすることしか出来ない。そんな私のことを2人はニヤニヤと意地の悪い笑顔を浮かべながら見ている。この性悪双子ッッッ。
そうこうしているうちに、話はどんどん進んでしまう。
「しかし困りましたねぇ。確かユウさんは魔法の力をお持ちでない。美しい声もなく、一国の跡継ぎというわけでもない。本当にごく普通の人間だ」
それだけ大きなものを望むのでしたら、相応の担保が必要です、とユウちゃんに微笑みかけながら言う。
「たとえば、貴方が管理しているオンボロ寮の使用権、とか」
…!そういえば、モストロ・ラウンジの2号店を開きたいだのなんだのって言ってたっけ。なんでもっと早く気づけなかったのよ私はッ…!
「その話、乗ったーーーー!!!!」
突然ドアが乱暴に開かれる音が鳴り響いたかと思ったら、グリムちゃんが入って来て声高々にアズールとの賭けに乗ると宣言してしまった。何を考えてんのよあの子は!どうして自分が今、イソギンチャクにされて全身泡だらけになりながら必死こいて働かされることになっちゃったのかくらい考える頭ないのか!!
ジャックちゃんが必死にユウちゃんを止めようとしてはいるけど
「願いを叶えるための条件は……?」
聞く耳持っていないみたいだ。
「この契約の達成条件は……『3日後の日没までに、珊瑚の海にあるアトランティカ記念博物館からとある写真を奪ってくること』!」
アトランティカ記念博物館?確か、エレメンタリースクールの頃にみんなで遠足に行った…?入口の所に飾ってある写真を取って来てくれっていってるけどその写真って確か…!うっわ、こいつどさくさに紛れて…!まっじで性格悪いな…!自分の手を汚さずに人を使うのが上手いというかなんというか。
なんでそんなことさせるんだと問い掛けているグリムちゃんにアズールはそれなりに難題じゃないとなどと言っている。ほんっとに口が上手いなコイツ。
「……アトランティカ記念博物館は、珊瑚の海の国宝である”銀の髪すき”や……重要文化財”人魚姫のコルクオーブナー”などが20個も収蔵されていることで有名な観光名所です。海底で1粒の砂金を探すような話ではありません」
不安そうな顔をしているユウちゃんに向かってジェイドちゃんが落ち着いた口調で話す。簡単だとでも言いたいの?そんな訳ないのに。
「そーいえば俺達もエレメンタリースクールの遠足で行ったっけ。ティアナ、海の王の銅像見て怖い―!って泣いてたねぇー」
可愛かったよねぇ、あの時のティアナーと笑いながら私を腕の中に収めたまま話す。この野郎、人の黒歴史勝手にバラしやがって…!やめてよ!と言ってみるが、口塞がれたまま喋れるわけもなく、もごもごとくぐもった声を出すことしか出来ない。そんな私のことをフロイドちゃんはケラケラ笑って「何言ってんのかわっかんねぇー」と言いながら見ている。
そんなことをしている間にも、2人の話はどんどん進んで行ってしまって、ユウちゃんはとうとうアズールに言い包められて…というより押し通されて、契約書にサインをしてしまった。
「ふふふ……確かに頂戴しました。これで契約は完了です。3日後の日没までに、アトランティカ記念博物館から写真を奪い僕の元へ戻ってくることが出来れば、僕の下僕である225名のイソギンチャク達の自由を約束しましょう。でも、もし奪ってこれなかったら、オンボロ寮は僕のもの。そして貴方もまとめて僕の下僕になってもらいます!」
…やっぱり、こんなのどう聞いてもユウちゃんに勝ち目ないよ。内容が難しいのもそうだけど何より、ジェイドちゃんとフロイドちゃんがあらゆる手を尽くして妨害するに決まってる。ユウちゃんに2人をどうにかする手段があるだなんて思えない……。
アズールと目が合う。と、勝ち誇ったような顔をされた。
もっと、私が頭の良い人だったら、アズールよりももっと口が回る人だったら、なんとかしてユウちゃんが契約することを回避することが出来たのかな。……なんて私は、無力なんだろう。
「おや、随分と手際が良いですねぇ。彼がイソギンチャクになってくれたら、ラウンジの仕事がもっと楽になりそうだ」
背後から聞こえてきた声に思わず眉間に皺が寄る。
「なんですか、その顔。何かお悩みでも?」
可愛い妹が困ってるのは僕も辛いものがありますねぇなんてアズールがニヤつきながら言う。何が可愛い妹よ。
「ユウちゃんまだアズールと契約もしてないし取引に失敗だってしてないじゃん」
イライラしながら言うと「そうですね。”まだ”してませんね」と、余裕たっぷりな様子。ユウちゃんと契約し、自分が勝利することを確信しているみたいだ。
「今からVIPルームで彼の話を聞こうと思っています。お前も来ます?」
邪魔するなって言ってたのに。一緒に来るかなんてなんで聞いて来るんだ…?…まぁ、良い。そんなことは後で考えよう。一緒に来ていいって言ってもらえてるなら行った方が良いでしょ。上手くすればユウちゃんがアズールと契約させないように出来るかもしれない。何かしら、何かしらユウちゃんの助けになるかもしれない。そう判断して、アズールと一緒にユウちゃんとジャックちゃんをVIPルームへと招く。
◇
「なんだここ……本当に学校か?」
でかい金庫があって……銀行みてぇだ、そう言いながらジャックちゃんが辺りを見渡している。サバナクローにはこんな金庫ないんだ。
「さぁ、突っ立って入り口を塞いでないで。奥へどうぞ」
きょろきょろと落ち着きのない2人にアズールは室内に入って座るように促す。その様子をジェイドちゃんとフロイドちゃんと一緒に見つめる。
ユウちゃんは少し緊張してるように見える。大丈夫かな、アズールのペースに乗せられたらおしまいだってわかってるのかな…。ジャックちゃんの方はあからさまに警戒してる。さっきからずっとアズールのことを睨みつけっぱなしだ。こっちもこっちであっという間にアズールのペースに乗せられちゃいそう。せめて冷静さを保つようにってアドバイスだけでもしておくべきだったかな…。
「それで?僕に相談というのは?」
2人のことを見て、切り出す。何を言われるかなんてわかりきってるくせに。
「下僕にしている生徒達を自由にしてほしい」
未だに緊張した様子だけれども、すごくしっかりとした眼差しと口調でアズールを見据えながらユウちゃんが言葉を紡ぐ。
「はっはっは、これはまた……突然横暴なことを仰いますね。僕と契約した生徒、225人の解放ですって?」
225人…?そんな人数と契約してたのかコイツ。みんななんでこんな胡散臭いが服着て歩ってるみたいなやつとやすやすと契約なんてしちゃうの。大丈夫?将来壺とか買わされたりしない?その数にジャックちゃんもすごく驚いている。
「さて、ユウさん。貴方は生徒達を自由にしてほしいと言いますが、僕は彼らに不当な労働をさせているわけではありません。彼らは契約書の内容に合意し僕と『契約』を交わした。『契約」は”可哀想”だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃないんですよ。つまり、一昨日お越しください。……ということです」
長々とよく口が回るもんだ。口の裏縫い合わせてやりたくなる。
ユウちゃん、分かったでしょコイツに言うだけ無駄だよ、あんたにこの人の相手は無理だよ、だから早く…
「だったら、自分も取引します」
は!?何言ってんのこの子…!
「!?おい、お前何考えてんだ!?」
「ちょっとユウちゃ…むぐっ」
ジャックちゃんと一緒にユウちゃんを止めようとしたら突然口を塞がれて身体を抱き込まれた。そして耳元で
「ティアナー、ダメじゃんおにーちゃんの仕事の邪魔しようとしちゃー」
と、フロイドちゃんに囁かれた。藻掻こうとする私のことをニヤニヤと笑って見ている。早く振りほどいてジャックちゃんに加勢してユウちゃんを止めなくちゃ。そう思って腕を絞め上げようとした瞬間
「そうですよ。お利口さんなティアナですから、大人しく出来ますよね?でないと、アズールがお友達にとんでもない無茶振りをしてとっても困らせてしまうかもしれませんよ?」
すかさずジェイドちゃんにクスクスと笑いながら囁かれる。そう言われてしまっては、フロイドちゃんの腕の中で大人しくすることしか出来ない。そんな私のことを2人はニヤニヤと意地の悪い笑顔を浮かべながら見ている。この性悪双子ッッッ。
そうこうしているうちに、話はどんどん進んでしまう。
「しかし困りましたねぇ。確かユウさんは魔法の力をお持ちでない。美しい声もなく、一国の跡継ぎというわけでもない。本当にごく普通の人間だ」
それだけ大きなものを望むのでしたら、相応の担保が必要です、とユウちゃんに微笑みかけながら言う。
「たとえば、貴方が管理しているオンボロ寮の使用権、とか」
…!そういえば、モストロ・ラウンジの2号店を開きたいだのなんだのって言ってたっけ。なんでもっと早く気づけなかったのよ私はッ…!
「その話、乗ったーーーー!!!!」
突然ドアが乱暴に開かれる音が鳴り響いたかと思ったら、グリムちゃんが入って来て声高々にアズールとの賭けに乗ると宣言してしまった。何を考えてんのよあの子は!どうして自分が今、イソギンチャクにされて全身泡だらけになりながら必死こいて働かされることになっちゃったのかくらい考える頭ないのか!!
ジャックちゃんが必死にユウちゃんを止めようとしてはいるけど
「願いを叶えるための条件は……?」
聞く耳持っていないみたいだ。
「この契約の達成条件は……『3日後の日没までに、珊瑚の海にあるアトランティカ記念博物館からとある写真を奪ってくること』!」
アトランティカ記念博物館?確か、エレメンタリースクールの頃にみんなで遠足に行った…?入口の所に飾ってある写真を取って来てくれっていってるけどその写真って確か…!うっわ、こいつどさくさに紛れて…!まっじで性格悪いな…!自分の手を汚さずに人を使うのが上手いというかなんというか。
なんでそんなことさせるんだと問い掛けているグリムちゃんにアズールはそれなりに難題じゃないとなどと言っている。ほんっとに口が上手いなコイツ。
「……アトランティカ記念博物館は、珊瑚の海の国宝である”銀の髪すき”や……重要文化財”人魚姫のコルクオーブナー”などが20個も収蔵されていることで有名な観光名所です。海底で1粒の砂金を探すような話ではありません」
不安そうな顔をしているユウちゃんに向かってジェイドちゃんが落ち着いた口調で話す。簡単だとでも言いたいの?そんな訳ないのに。
「そーいえば俺達もエレメンタリースクールの遠足で行ったっけ。ティアナ、海の王の銅像見て怖い―!って泣いてたねぇー」
可愛かったよねぇ、あの時のティアナーと笑いながら私を腕の中に収めたまま話す。この野郎、人の黒歴史勝手にバラしやがって…!やめてよ!と言ってみるが、口塞がれたまま喋れるわけもなく、もごもごとくぐもった声を出すことしか出来ない。そんな私のことをフロイドちゃんはケラケラ笑って「何言ってんのかわっかんねぇー」と言いながら見ている。
そんなことをしている間にも、2人の話はどんどん進んで行ってしまって、ユウちゃんはとうとうアズールに言い包められて…というより押し通されて、契約書にサインをしてしまった。
「ふふふ……確かに頂戴しました。これで契約は完了です。3日後の日没までに、アトランティカ記念博物館から写真を奪い僕の元へ戻ってくることが出来れば、僕の下僕である225名のイソギンチャク達の自由を約束しましょう。でも、もし奪ってこれなかったら、オンボロ寮は僕のもの。そして貴方もまとめて僕の下僕になってもらいます!」
…やっぱり、こんなのどう聞いてもユウちゃんに勝ち目ないよ。内容が難しいのもそうだけど何より、ジェイドちゃんとフロイドちゃんがあらゆる手を尽くして妨害するに決まってる。ユウちゃんに2人をどうにかする手段があるだなんて思えない……。
アズールと目が合う。と、勝ち誇ったような顔をされた。
もっと、私が頭の良い人だったら、アズールよりももっと口が回る人だったら、なんとかしてユウちゃんが契約することを回避することが出来たのかな。……なんて私は、無力なんだろう。
