万有引力には逆らえない
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目を開くと、最近すっかりお馴染みになりつつある天井が目に入ってきた。あぁ、またやってしまったのか…!と頭を抱えたくなる。時間を確認しようと起き上がってみると、ベッドにたくさんの人が寝ていて驚いた。確かに最近体調不良の生徒が多いとは聞いていたが、まさかこんなに多数の人が保健室に運びこまれているなんて。レアンの級硬貨狩りが関係しているのだろうか。気は進まないが今度、カルパッチョ君の言うようにエマに確認しておくべきだろうか。何か知っていることがあっても話してくれるとは思わないけれども。
…とりあえず一旦寮に戻ることにして、後のことは帰ってからゆっくりと考えることにしよう。周りで眠っている人達を起こさないようにそっとベッドから出ると、枕元にレモンちゃんの作ってくれた『ラルナちゃん』のマスコットが目に入ってきた。思わず口元が緩んでしまった。
◇
消灯時間も過ぎていることだし、早く帰らないと。先生に見つかりでもしたら大変だ。下手したら級硬貨没収されてしまうかもしれないし。そう思いながら足早に寮へと歩みを進めていると、見覚えのある4人の人影を見つけて思わず追いかけて、
「何してるの?こんな時間に」
と、声を掛けた。誰かに声を掛けられるとは思っていなかったらしく、4人は慌てた様子で一斉に振り返った。そして私の顔を見ると
「な、なんだルーナちゃんか良かったー…」
とフィン君が安堵したように呟く。
「なんだって何よ。消灯時間過ぎに何してるの」
そう文句を言いつつ問い掛けてみると、「敵を倒しに行くんだ!主人公としてな」とドット君ドヤ顔で言う。…敵?
「レアンの人達でも探してるの?」
「う、うん、そんなところ…」
ドット君やマッシュ君、ランス君はともかくとしてフィン君までなんて意外。この子そんなリスクのある事なんてしないと思っていたのだけど。
「お前こそ何してんだこんなとこで。もう具合は大丈夫なのかよ」
ランス君に声を掛けられた。
「だ、だだだ、大丈夫!もうす、すすす、すこぶる元気!!」
なんとか気絶せずに済んだ。良かった良かった。進歩したね、偉いよ私。なんかみんなの目線が痛い気がするけど気にしないでおこう。あれ、そういえば…
「レモンちゃんは一緒じゃないの?」
マッシュ君がいるならてっきりいるものだと思っていたが姿が見えない。
「部屋で寝てるんじゃないかな。消灯時間過ぎてるし」
マッシュ君がもしゃもしゃとシュークリームを食べながら答える。また食べてるよ…。ほんといつも持ち歩いてるなこの子。
「あれ」
突然フィン君が声を上げた。そして「ねぇ、あそこにいるのって…」と言いながら指をさしている。そっちに目を向けてみるとレモンちゃんがいた。1人でいる。あれ…でもなんか様子が…
「おーい、レモンちゃー…」
「待て、様子が可笑しい」
ドット君の口を塞ぎながらランス君が言ったと同時に、レモンちゃんの動きが可笑しくなった。まるで操り人形みたいな…。フィン君が小さく「ひっ…」と悲鳴を上げている。ここでもっと大きな声で悲鳴を上げてしまったら大変だ。そう思って咄嗟にフィン君の口を塞いだ。するとその瞬間レモンちゃんが振り返ろうとした。慌てて隠れたそのどさくさにチラッと見たレモンちゃんの顔は目がなかった。あれは明らかに魔法を掛けられているのだろう。どんな魔法?人間をまるで操り人形みたいにする魔法…とか?確かそんな固有魔法を使う人がいるって前にエマが言ってたような…
「目がなくてもレモンちゃんてだけで可愛いってことに気が付いてしまったよ俺は…」
鼻血をダバダバと垂らしながら言うドット君にずっこけそうになる。この子レモンちゃん…ていうか女の子なら何でもいいの?大丈夫かな、将来美人な女の人に騙されてマルチ商法とかに手出して壺とか買わされたりしないといいけど。ていうか、もう少しで何か重要なこと思い出せそうだったのに飛んで行ってしまったではないか。なんだったけ…。
「あ、あの…レモンちゃん行っちゃうよ…?」
フィン君が遠慮がちに言う。レモンちゃんの方を見るとどこかへ歩いて行こうとしている。ついていこうと足早に進むマッシュ君達に続いて追いかけないとと思い先へ進もうとすると
「待て、お前は寮へ戻れ」
ランス君に腕を掴まれ言われる。心配してくれているんだろう。それはよくわかる。けど、
「嫌よ。私も行く」
そう腕を振り払い、
「ランス君、前にも言ったでしょ。私はもう、泣き虫のいじめられっ子じゃないって」
じっと見つめながら言う。そして
「何よりも、友達を見捨てるようなクズじゃないわ」
続ける。するとランス君はハッとしたような顔をして、
「そうだったな。悪い」
と、謝罪された。それから一泊置いて、
「行くぞ、ルーナ」
そういうランス君に微かに笑いながら「うん!」と返事をし、レモンちゃんを追いかけるために歩みを進める。
…ルーナって名前で呼んでくれたの、何年ぶりだろうか。少しだけ嬉しいななんて、場違いなことを考えてしまったのは私だけの内緒だ。
◇
レモンちゃんを追いかけていたのだが、廊下の曲がり角へ行くと彼女の姿は見えなくなってしまっていた。行き止まりになっているから他に行く場所はどこにもない。ということはこれは…
「魔法?」
と呟くと
「だろうな。ディスクロズ」
私の呟きを肯定しながらランス君が呪文を唱えた。すると扉が姿を現した。が、今のランス君の力ではここまでが限界らしい。ここにいるメンバーの中で1番実力があるのは恐らくランス君。そのランス君に出来る限界がここまでということは、ここにいるメンバーではこの扉を開けられる人間は誰もいないのではないだろうか。ドット君が扉に向かって魔法をぶっ放すがやはりビクともしない。どうしたらいいんだろう…。早く何とかしない…
「ふんっ!!!」
と、って、考える必要もなかった…。私達が何かする前にマッシュ君が物理的に解決した。なんで物理的に壊せるの…。
「こいつ、もう何でもありだろ…」
ボソッと呟く言葉に、顔が引きつりそうになった。
マッシュ君今も魔法使ってなかったよね…?魔法使わないで素でこんなことまで出来るってどういうことなの…。魔法使わずにここまで出来てしまうマッシュ君が魔法を使ったらどんなことになってしまうんだろう…。カルパッチョ君とかマカロン先輩レベルのチートの予感…。
「レモンはこの中にいる。そして恐らく、七魔牙もな」
ランス君の言葉に、ごくりと息を飲む。
「行こう」
マッシュ君がシュークリームみたいなマスコットを見つめ言う。それを合図に全員で歩き出した。
「学校にこんな地下が…」
「秘密基地みたいだね、フィン君」
「えっ…う、うん…」
「テメェ!緊張感ねぇこと言ってんじゃねぇ!!」
「ごめん…」
「えっやっ…お、俺の方こそ…」
そんなやり取りをマッシュ君達がしている。イマイチ締まらないなこの子達…。さっきはかっこよかったのに。
マッシュ君の持ってるあのぬいぐるみはレモンちゃんからもらったものだろうか。器用な子だなと、少々呑気なことを考えていると
「敵が根城にするくらいだ。何かやつらにとって都合のいい場所なんだろう」
黙ってやり取りを見ていたランス君が口を開いた。だから油断せずに気を引き締めろと、そう言いたいのだろう。
「おい見ろ。奥に灯りが」
ドット君が少し先を指差しながら言う。進んでみるとそこは
「競技場…?」
まるで大昔の御伽噺などに出て来そうな、競技場のような場所についた。
「なんだここ」
「お前、ワンテンポ遅くね…?」
遅れて呟いたマッシュ君にドット君がツッコんだ次の瞬間、「せいかーい」という言葉とともに赤髪の男の子が現れた。七魔牙…ではないがレアンの生徒らしい。ランス君が挑もうとするのを遮りドット君が前に出て、
「俺は面が良い男が死ぬほど嫌いなんだよ」
と言いながら戦う体制に入っている。あっ…
「そうか」
「頑張って」
「頑張って…」
3人も察したらしい。
こうしてドット君の嫉妬によるバトルが始まった。ドット君…口は悪いけど親切だし優しいし友達思いだし、背もランス君と同じくらいある高身長だし顔だって整っているから黙ってればモテそうなのに。とことん残念な子。
◇
「なんでも見た目だけで判断しすぎねぇようになぁ。イケメン君よぉ!」
ドット君がその言葉と共に見事魔法をキめ、レアン寮の子を倒した。正直嫉妬で戦いを始めた時は心配だったけれども、その心配はどこにも必要なかったみたいだ。お疲れ様と労いの言葉を掛けるためドット君のところへと近寄ろうと
「!」
した瞬間、床が沼のようになる。どうやら床下に引きずり込もうとしているみたいだ。泥の魔法?そういえばエマが前にそんな魔法を使う人がいると言っていたような…。ということは…
「なんだこれ怪奇現象とかじゃないんだつまんない…。ていうか気持ち悪!髪に泥が付く!!ベッタベタ!髪傷む!!最悪!!お風呂入りたい!!」
そんな嘆きと共に床下に引きずり込まれた。他のみんなとは別々になった。私達を分断する作戦か。ランス君とマッシュ君…は大丈夫だろう。あフィン君…は、ドット君が守るだろうから大丈夫かなとは思うけれども、ドット君はさっきの戦いでのダメージが残ってそうでそこが少し不安かも。
「あんた何してんのよ」
考えを巡らせていると、嫌というほど聞きなれた人物の声が聞こえて来て思わず眉間に皺が寄る。視線を声の方に向けてみると
「何度言わせる気よ。変な人や面倒ごとに関わったり首突っ込んだりするんじゃないわよって何度も言ってるじゃない。いい加減にしてよ」
予想通り。不機嫌そうな顔で私のことを険しい顔で睨みつけてきている、エマの姿がそこにあった。
…とりあえず一旦寮に戻ることにして、後のことは帰ってからゆっくりと考えることにしよう。周りで眠っている人達を起こさないようにそっとベッドから出ると、枕元にレモンちゃんの作ってくれた『ラルナちゃん』のマスコットが目に入ってきた。思わず口元が緩んでしまった。
◇
消灯時間も過ぎていることだし、早く帰らないと。先生に見つかりでもしたら大変だ。下手したら級硬貨没収されてしまうかもしれないし。そう思いながら足早に寮へと歩みを進めていると、見覚えのある4人の人影を見つけて思わず追いかけて、
「何してるの?こんな時間に」
と、声を掛けた。誰かに声を掛けられるとは思っていなかったらしく、4人は慌てた様子で一斉に振り返った。そして私の顔を見ると
「な、なんだルーナちゃんか良かったー…」
とフィン君が安堵したように呟く。
「なんだって何よ。消灯時間過ぎに何してるの」
そう文句を言いつつ問い掛けてみると、「敵を倒しに行くんだ!主人公としてな」とドット君ドヤ顔で言う。…敵?
「レアンの人達でも探してるの?」
「う、うん、そんなところ…」
ドット君やマッシュ君、ランス君はともかくとしてフィン君までなんて意外。この子そんなリスクのある事なんてしないと思っていたのだけど。
「お前こそ何してんだこんなとこで。もう具合は大丈夫なのかよ」
ランス君に声を掛けられた。
「だ、だだだ、大丈夫!もうす、すすす、すこぶる元気!!」
なんとか気絶せずに済んだ。良かった良かった。進歩したね、偉いよ私。なんかみんなの目線が痛い気がするけど気にしないでおこう。あれ、そういえば…
「レモンちゃんは一緒じゃないの?」
マッシュ君がいるならてっきりいるものだと思っていたが姿が見えない。
「部屋で寝てるんじゃないかな。消灯時間過ぎてるし」
マッシュ君がもしゃもしゃとシュークリームを食べながら答える。また食べてるよ…。ほんといつも持ち歩いてるなこの子。
「あれ」
突然フィン君が声を上げた。そして「ねぇ、あそこにいるのって…」と言いながら指をさしている。そっちに目を向けてみるとレモンちゃんがいた。1人でいる。あれ…でもなんか様子が…
「おーい、レモンちゃー…」
「待て、様子が可笑しい」
ドット君の口を塞ぎながらランス君が言ったと同時に、レモンちゃんの動きが可笑しくなった。まるで操り人形みたいな…。フィン君が小さく「ひっ…」と悲鳴を上げている。ここでもっと大きな声で悲鳴を上げてしまったら大変だ。そう思って咄嗟にフィン君の口を塞いだ。するとその瞬間レモンちゃんが振り返ろうとした。慌てて隠れたそのどさくさにチラッと見たレモンちゃんの顔は目がなかった。あれは明らかに魔法を掛けられているのだろう。どんな魔法?人間をまるで操り人形みたいにする魔法…とか?確かそんな固有魔法を使う人がいるって前にエマが言ってたような…
「目がなくてもレモンちゃんてだけで可愛いってことに気が付いてしまったよ俺は…」
鼻血をダバダバと垂らしながら言うドット君にずっこけそうになる。この子レモンちゃん…ていうか女の子なら何でもいいの?大丈夫かな、将来美人な女の人に騙されてマルチ商法とかに手出して壺とか買わされたりしないといいけど。ていうか、もう少しで何か重要なこと思い出せそうだったのに飛んで行ってしまったではないか。なんだったけ…。
「あ、あの…レモンちゃん行っちゃうよ…?」
フィン君が遠慮がちに言う。レモンちゃんの方を見るとどこかへ歩いて行こうとしている。ついていこうと足早に進むマッシュ君達に続いて追いかけないとと思い先へ進もうとすると
「待て、お前は寮へ戻れ」
ランス君に腕を掴まれ言われる。心配してくれているんだろう。それはよくわかる。けど、
「嫌よ。私も行く」
そう腕を振り払い、
「ランス君、前にも言ったでしょ。私はもう、泣き虫のいじめられっ子じゃないって」
じっと見つめながら言う。そして
「何よりも、友達を見捨てるようなクズじゃないわ」
続ける。するとランス君はハッとしたような顔をして、
「そうだったな。悪い」
と、謝罪された。それから一泊置いて、
「行くぞ、ルーナ」
そういうランス君に微かに笑いながら「うん!」と返事をし、レモンちゃんを追いかけるために歩みを進める。
…ルーナって名前で呼んでくれたの、何年ぶりだろうか。少しだけ嬉しいななんて、場違いなことを考えてしまったのは私だけの内緒だ。
◇
レモンちゃんを追いかけていたのだが、廊下の曲がり角へ行くと彼女の姿は見えなくなってしまっていた。行き止まりになっているから他に行く場所はどこにもない。ということはこれは…
「魔法?」
と呟くと
「だろうな。ディスクロズ」
私の呟きを肯定しながらランス君が呪文を唱えた。すると扉が姿を現した。が、今のランス君の力ではここまでが限界らしい。ここにいるメンバーの中で1番実力があるのは恐らくランス君。そのランス君に出来る限界がここまでということは、ここにいるメンバーではこの扉を開けられる人間は誰もいないのではないだろうか。ドット君が扉に向かって魔法をぶっ放すがやはりビクともしない。どうしたらいいんだろう…。早く何とかしない…
「ふんっ!!!」
と、って、考える必要もなかった…。私達が何かする前にマッシュ君が物理的に解決した。なんで物理的に壊せるの…。
「こいつ、もう何でもありだろ…」
ボソッと呟く言葉に、顔が引きつりそうになった。
マッシュ君今も魔法使ってなかったよね…?魔法使わないで素でこんなことまで出来るってどういうことなの…。魔法使わずにここまで出来てしまうマッシュ君が魔法を使ったらどんなことになってしまうんだろう…。カルパッチョ君とかマカロン先輩レベルのチートの予感…。
「レモンはこの中にいる。そして恐らく、七魔牙もな」
ランス君の言葉に、ごくりと息を飲む。
「行こう」
マッシュ君がシュークリームみたいなマスコットを見つめ言う。それを合図に全員で歩き出した。
「学校にこんな地下が…」
「秘密基地みたいだね、フィン君」
「えっ…う、うん…」
「テメェ!緊張感ねぇこと言ってんじゃねぇ!!」
「ごめん…」
「えっやっ…お、俺の方こそ…」
そんなやり取りをマッシュ君達がしている。イマイチ締まらないなこの子達…。さっきはかっこよかったのに。
マッシュ君の持ってるあのぬいぐるみはレモンちゃんからもらったものだろうか。器用な子だなと、少々呑気なことを考えていると
「敵が根城にするくらいだ。何かやつらにとって都合のいい場所なんだろう」
黙ってやり取りを見ていたランス君が口を開いた。だから油断せずに気を引き締めろと、そう言いたいのだろう。
「おい見ろ。奥に灯りが」
ドット君が少し先を指差しながら言う。進んでみるとそこは
「競技場…?」
まるで大昔の御伽噺などに出て来そうな、競技場のような場所についた。
「なんだここ」
「お前、ワンテンポ遅くね…?」
遅れて呟いたマッシュ君にドット君がツッコんだ次の瞬間、「せいかーい」という言葉とともに赤髪の男の子が現れた。七魔牙…ではないがレアンの生徒らしい。ランス君が挑もうとするのを遮りドット君が前に出て、
「俺は面が良い男が死ぬほど嫌いなんだよ」
と言いながら戦う体制に入っている。あっ…
「そうか」
「頑張って」
「頑張って…」
3人も察したらしい。
こうしてドット君の嫉妬によるバトルが始まった。ドット君…口は悪いけど親切だし優しいし友達思いだし、背もランス君と同じくらいある高身長だし顔だって整っているから黙ってればモテそうなのに。とことん残念な子。
◇
「なんでも見た目だけで判断しすぎねぇようになぁ。イケメン君よぉ!」
ドット君がその言葉と共に見事魔法をキめ、レアン寮の子を倒した。正直嫉妬で戦いを始めた時は心配だったけれども、その心配はどこにも必要なかったみたいだ。お疲れ様と労いの言葉を掛けるためドット君のところへと近寄ろうと
「!」
した瞬間、床が沼のようになる。どうやら床下に引きずり込もうとしているみたいだ。泥の魔法?そういえばエマが前にそんな魔法を使う人がいると言っていたような…。ということは…
「なんだこれ怪奇現象とかじゃないんだつまんない…。ていうか気持ち悪!髪に泥が付く!!ベッタベタ!髪傷む!!最悪!!お風呂入りたい!!」
そんな嘆きと共に床下に引きずり込まれた。他のみんなとは別々になった。私達を分断する作戦か。ランス君とマッシュ君…は大丈夫だろう。あフィン君…は、ドット君が守るだろうから大丈夫かなとは思うけれども、ドット君はさっきの戦いでのダメージが残ってそうでそこが少し不安かも。
「あんた何してんのよ」
考えを巡らせていると、嫌というほど聞きなれた人物の声が聞こえて来て思わず眉間に皺が寄る。視線を声の方に向けてみると
「何度言わせる気よ。変な人や面倒ごとに関わったり首突っ込んだりするんじゃないわよって何度も言ってるじゃない。いい加減にしてよ」
予想通り。不機嫌そうな顔で私のことを険しい顔で睨みつけてきている、エマの姿がそこにあった。