鳥籠の中夢視る
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私の人生は、私のものでは無い。他の誰かのものなんだ。私には選択肢もなければ、何かを選び取る資格もない。ただひたすら淡々と義務的に。誰かが提示してきた道に従って、何も考えずにその道を進んで行けばいい。ただそれだけ。そう学んだのは5歳くらいの時だっただろうか。もう思い出すことも出来ない。でもまぁきっと対して問題では無いだろう。忘れたってなんの支障もない。
「という訳で。今日から君達と共に学ぶことになった御伽綴さんだ」
…それよりも、30人近い人から一斉に視線を向けられているこの状況に耐える方法の方が知りたい。
「御伽、お前の席は八百万の後ろだ。あのポニーテールに結んでるやつだ。わかったな。席に…」
「先生!という訳でと言われましても!前後の説明何もなしでは何も分かりません!詳しくご説明お聞かせ願います!」
相澤さんが話を終わらせて私にポニーテールの女子生徒の後ろに座るようにと指示を出そうとすると、それを遮って眼鏡を掛けた真面目そうな背の高い男子生徒が手をピンと高く上げ、立ち上がりながら発言する。確かあの子は黒霧が取り逃してしまっていた子だっただろうか。
「説明なら昨日しただろ。他にすることなんてないはずだが」
相澤さんが面倒臭そうに言った瞬間「あるわー!!」と教室にいる生徒達の大半が一斉に声を上げた。耳が痛い。なんでこの人達こんなに騒がしいの。早く注目の的となっているこの状況から脱却したい。
「先生だって私らその子の名前しか知らないじゃん!こっちは名乗ってすらないし!だからこれから、歓迎会と自己紹介がしたいでーす!」
皮膚の色や髪の色がピンクで触覚の生えた女子生徒がテンション高く言うと、その意見に何人かが「賛成ー!!」と手を挙げた。なんなのこの人達。早く席に座って一刻も早くこの状況から抜け出したい。
「そんなのは休み時間にでもやれ。お前ら遊びに学校へ来てる訳じゃないだろ。時間は有限だ。大切に使え。以上」
という相澤さんの言葉に、つい先程までざわざわと騒がしかった教室が一気に静まり返った。そんな様子に、相澤さんに再度席に座るようにと指示されたのでさっき座るようにと促された女子生徒の後ろの席へ座った。
「副委員長をしております、八百万百ですわ。何かございましたらお言いつけくださいまし」
席に着いた私を見て、ポニーテールの子……八百万さんがそう言ってきて戸惑いつつも頷くと、ニコリとされた。
……それにしても教室中の人から見られていて居心地悪い。席に着くまでの間も着いてからも、ずっとあちらこちらから視線を感じて息が詰まりそう。
ヴィランの集団の中にいた同い年の女子なんて、この人達からしたら気分のいいものじゃないだろう。やっぱり、保護なんてされたくなかった。監視が目的だと言うのならば逮捕でいいじゃないの。どうせ保護されようがされなかろうが、私の末路はあの人に……オール・フォー・ワンに殺されておしまい。そう決まっている。恐らく私の人生の時間は残りわずかだ。
だったらそのわずかな時間くらい、1人で穏やかに静かに過ごしたかった。
「という訳で。今日から君達と共に学ぶことになった御伽綴さんだ」
…それよりも、30人近い人から一斉に視線を向けられているこの状況に耐える方法の方が知りたい。
「御伽、お前の席は八百万の後ろだ。あのポニーテールに結んでるやつだ。わかったな。席に…」
「先生!という訳でと言われましても!前後の説明何もなしでは何も分かりません!詳しくご説明お聞かせ願います!」
相澤さんが話を終わらせて私にポニーテールの女子生徒の後ろに座るようにと指示を出そうとすると、それを遮って眼鏡を掛けた真面目そうな背の高い男子生徒が手をピンと高く上げ、立ち上がりながら発言する。確かあの子は黒霧が取り逃してしまっていた子だっただろうか。
「説明なら昨日しただろ。他にすることなんてないはずだが」
相澤さんが面倒臭そうに言った瞬間「あるわー!!」と教室にいる生徒達の大半が一斉に声を上げた。耳が痛い。なんでこの人達こんなに騒がしいの。早く注目の的となっているこの状況から脱却したい。
「先生だって私らその子の名前しか知らないじゃん!こっちは名乗ってすらないし!だからこれから、歓迎会と自己紹介がしたいでーす!」
皮膚の色や髪の色がピンクで触覚の生えた女子生徒がテンション高く言うと、その意見に何人かが「賛成ー!!」と手を挙げた。なんなのこの人達。早く席に座って一刻も早くこの状況から抜け出したい。
「そんなのは休み時間にでもやれ。お前ら遊びに学校へ来てる訳じゃないだろ。時間は有限だ。大切に使え。以上」
という相澤さんの言葉に、つい先程までざわざわと騒がしかった教室が一気に静まり返った。そんな様子に、相澤さんに再度席に座るようにと指示されたのでさっき座るようにと促された女子生徒の後ろの席へ座った。
「副委員長をしております、八百万百ですわ。何かございましたらお言いつけくださいまし」
席に着いた私を見て、ポニーテールの子……八百万さんがそう言ってきて戸惑いつつも頷くと、ニコリとされた。
……それにしても教室中の人から見られていて居心地悪い。席に着くまでの間も着いてからも、ずっとあちらこちらから視線を感じて息が詰まりそう。
ヴィランの集団の中にいた同い年の女子なんて、この人達からしたら気分のいいものじゃないだろう。やっぱり、保護なんてされたくなかった。監視が目的だと言うのならば逮捕でいいじゃないの。どうせ保護されようがされなかろうが、私の末路はあの人に……オール・フォー・ワンに殺されておしまい。そう決まっている。恐らく私の人生の時間は残りわずかだ。
だったらそのわずかな時間くらい、1人で穏やかに静かに過ごしたかった。