鳥籠の中夢視る
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「…ここ、あそこ見えるんだ」
屋上で1人、呟く。休み時間になった瞬間、教室中の人達に話しかけられそうだったので授業が終わる5分前にノートに『授業終了後、誰にも話しかけられずに教室から退出し1人になる』と書いたため誰かに話しかけられることなく教室から出ることが出来てホッと胸を撫で下ろす。教室にいると至る所から視線を感じて息が詰まる。特にあの子…USJで私のことを知っていた…確かオールマイトに轟と呼ばれていた子からの視線がとても痛い。なんなんだあの子は。正直関わりたくない。あの子以外とも関わりたくないが。今日1日、この手で乗り切ることが出来るといいが。
屋上から街を見下ろし、先程目に入って来た建物を見ていると幼い日のことが蘇ってきた。
『おい、散歩付き合え』
そういきなり言ってきた死柄木に付き合い、散歩へ行ったのはいくつくらいの時だっただろうか。
確かあの日も、今日の様に良く晴れた日のことだったなと、晴れ渡る青空と街の景色を見ながら溜息を吐く。
こんな青空を見るのはあの日以来か。ぽかぽかとしていて、気持ち良い。まさかこんな日の光を浴びれる日が来るなんて。人生最後になるかもしれないし、良いよね。少しくらい、休んでも。そう思い屋上にそっと腰を下ろし、目を閉じた。
———
————
—————
——————
『おい。散歩付き合え』
目を覚ましぼーっとしていると、突然部屋に入って来てそう命じられた。まだ眠いから二度寝しようと思っていたのに。いつもだったら1人で勝手にどこかへフラフラとほっつき歩くくせにどうして今日に限って一緒に来いだなんて言うんだか。
『眠いから嫌』
と言い返すと、『ふざけんな付き合え!』と殴られた。痛かった。これ以上嫌だと言ったら何をされるか分かったものじゃないので渋々分かったと答えると『とっとと準備しろよ』そう言い、部屋から出て行った。ふわぁ…と欠伸をし、のろのろとパジャマを脱ぎ着替える。…せっかく出かけるのだし、1番気に入っている服を着るか。そう考えて当時1番気に入っていた服に着替える。
『おせぇよ、まだ準備出来ねぇのかよ』
私の準備が中々終わらないことに苛立ったらしい死柄木が部屋へと再び入ってきた。いつも以上に不機嫌そうだ。『髪後は結ぶだけ』そう答えると『お前それが1番時間かかるじゃねぇかよ。下手くそ過ぎて』と言われ、ブラシを奪われた。
そして鏡台の前に座らされ、髪を梳かされ始めた。
…死柄木は私の髪に触れる時、いつもの乱暴な様子が嘘のように優しくなる。まるで愛おしいものに触れるように、大切そうに、触れてくる。私の髪を結っている時の死柄木の顔は、私を通して大切な誰かを見ているように見える。その誰かが誰なのかはわからないし、興味もないけれども。
『おい、終わった。行くぞ』
髪を結び終わるとブラシを投げ捨てて、いつも通り私の腕を乱暴に引っ掴んで歩き始める。
『どこへ行くの?』
問い掛けてみると、『どこでもいいだろ。黙ってついて来い』と言って、腕を引かれ続けた。
———
————
—————
——————
口の中に突然、塩味とコクが広がった。驚いて目を開くと、
「やぁ!お目覚めにチーズをお食べ★」
と、金髪に青い目をした男の子の顔がドアップで映ってきた。
驚きのあまり立ち上がると、口からチーズが落っこちた。こ、この子私の口にチーズを放り込んだの…?
「だ、誰…」
困惑のあまり呟くと「君とクラスメイトの青山優雅さ★」と誇らしげに自己紹介された。何この子…。眠っている人の口の中に突然チーズ放り込むってなんで?私が知らないだけで普通のことなの?というか
「私に何か御用?」
そう尋ねると「何か御用、じゃないよ。君がクラスから消えたから今、みんなで探していたんだよ」とのこと。
「ほら、早く戻るよ!」
と言いながら青山君は私の腕を引いて足早にどこかへ行こうとする。戻るってどこに…と聞くと「教室に決まってるじゃないか」と、どうしてそんなことを聞くんだとでも言いたげな顔をしながら言い返された。
「休み時間って自由にすごしていいのでしょう?だったら1人にして欲しいのだけど…」
「休み時間?何を言ってるんだい?そんなものもうとっくに終わっているよ」
だからみんな大騒ぎして君を探しているんじゃないか、と言われた。えっ…と呟き、屋上から時計を見てみるとここへ来てから30分以上経過していることに気が付いた。どうやら私は、自分で思っていた以上に長いことこの場で眠ってしまっていたらしい。
こんな場所でぐっすりと眠ってしまうなんて…。信じられない…。
屋上で1人、呟く。休み時間になった瞬間、教室中の人達に話しかけられそうだったので授業が終わる5分前にノートに『授業終了後、誰にも話しかけられずに教室から退出し1人になる』と書いたため誰かに話しかけられることなく教室から出ることが出来てホッと胸を撫で下ろす。教室にいると至る所から視線を感じて息が詰まる。特にあの子…USJで私のことを知っていた…確かオールマイトに轟と呼ばれていた子からの視線がとても痛い。なんなんだあの子は。正直関わりたくない。あの子以外とも関わりたくないが。今日1日、この手で乗り切ることが出来るといいが。
屋上から街を見下ろし、先程目に入って来た建物を見ていると幼い日のことが蘇ってきた。
『おい、散歩付き合え』
そういきなり言ってきた死柄木に付き合い、散歩へ行ったのはいくつくらいの時だっただろうか。
確かあの日も、今日の様に良く晴れた日のことだったなと、晴れ渡る青空と街の景色を見ながら溜息を吐く。
こんな青空を見るのはあの日以来か。ぽかぽかとしていて、気持ち良い。まさかこんな日の光を浴びれる日が来るなんて。人生最後になるかもしれないし、良いよね。少しくらい、休んでも。そう思い屋上にそっと腰を下ろし、目を閉じた。
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『おい。散歩付き合え』
目を覚ましぼーっとしていると、突然部屋に入って来てそう命じられた。まだ眠いから二度寝しようと思っていたのに。いつもだったら1人で勝手にどこかへフラフラとほっつき歩くくせにどうして今日に限って一緒に来いだなんて言うんだか。
『眠いから嫌』
と言い返すと、『ふざけんな付き合え!』と殴られた。痛かった。これ以上嫌だと言ったら何をされるか分かったものじゃないので渋々分かったと答えると『とっとと準備しろよ』そう言い、部屋から出て行った。ふわぁ…と欠伸をし、のろのろとパジャマを脱ぎ着替える。…せっかく出かけるのだし、1番気に入っている服を着るか。そう考えて当時1番気に入っていた服に着替える。
『おせぇよ、まだ準備出来ねぇのかよ』
私の準備が中々終わらないことに苛立ったらしい死柄木が部屋へと再び入ってきた。いつも以上に不機嫌そうだ。『髪後は結ぶだけ』そう答えると『お前それが1番時間かかるじゃねぇかよ。下手くそ過ぎて』と言われ、ブラシを奪われた。
そして鏡台の前に座らされ、髪を梳かされ始めた。
…死柄木は私の髪に触れる時、いつもの乱暴な様子が嘘のように優しくなる。まるで愛おしいものに触れるように、大切そうに、触れてくる。私の髪を結っている時の死柄木の顔は、私を通して大切な誰かを見ているように見える。その誰かが誰なのかはわからないし、興味もないけれども。
『おい、終わった。行くぞ』
髪を結び終わるとブラシを投げ捨てて、いつも通り私の腕を乱暴に引っ掴んで歩き始める。
『どこへ行くの?』
問い掛けてみると、『どこでもいいだろ。黙ってついて来い』と言って、腕を引かれ続けた。
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口の中に突然、塩味とコクが広がった。驚いて目を開くと、
「やぁ!お目覚めにチーズをお食べ★」
と、金髪に青い目をした男の子の顔がドアップで映ってきた。
驚きのあまり立ち上がると、口からチーズが落っこちた。こ、この子私の口にチーズを放り込んだの…?
「だ、誰…」
困惑のあまり呟くと「君とクラスメイトの青山優雅さ★」と誇らしげに自己紹介された。何この子…。眠っている人の口の中に突然チーズ放り込むってなんで?私が知らないだけで普通のことなの?というか
「私に何か御用?」
そう尋ねると「何か御用、じゃないよ。君がクラスから消えたから今、みんなで探していたんだよ」とのこと。
「ほら、早く戻るよ!」
と言いながら青山君は私の腕を引いて足早にどこかへ行こうとする。戻るってどこに…と聞くと「教室に決まってるじゃないか」と、どうしてそんなことを聞くんだとでも言いたげな顔をしながら言い返された。
「休み時間って自由にすごしていいのでしょう?だったら1人にして欲しいのだけど…」
「休み時間?何を言ってるんだい?そんなものもうとっくに終わっているよ」
だからみんな大騒ぎして君を探しているんじゃないか、と言われた。えっ…と呟き、屋上から時計を見てみるとここへ来てから30分以上経過していることに気が付いた。どうやら私は、自分で思っていた以上に長いことこの場で眠ってしまっていたらしい。
こんな場所でぐっすりと眠ってしまうなんて…。信じられない…。