アサガオ
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ヒーロー科の職場体験も、あと数日で終わるらしい。イキイキとしているパパとは対照的に、焦凍はげっそりとしている気がする。一緒にいるのが嫌すぎてイライラしてるのかな。ただ疲れてるだけ……っていうような気もする。てかそっちのが可能性高いかな。焦凍とパパの溝はなかなか埋まらないだろうね。けど、
『父親としてはクソだけど、ヒーローとしてはやっぱ、すげぇな。エンデヴァーってやつは』
この前、ぼそっとそう言っていたことを思い出して笑みが溢れそうになる。ママとも会ってくれたし、学校生活も余裕が出てきて、緑谷とかとも友達になれてそこそこ満喫してそうだし、このままパパとも和解……まではいかなくても、今よりも関係が改善できたらいいなぁ。
なんて思いながら夕飯の支度をしていたら、電話の音がする。家の方みたいだ。急いで手を洗って電話を取って
「はいもしもし轟です。どちら様ですか?」
と、電話の向こうに声を掛けると
『夏菜芽か?俺だ』
焦凍の声が聞こえてきた。
「あれ、焦凍。どうしたの?帰り遅くなるの?」
そう尋ねると
『それが…悪い、今日帰れなくなっちまった』
ちょっと申し訳なさそうな声で返ってきた。
「帰れない?わかった、じゃあ夕飯は作らないでおくね。事件そんな立て込んでるの?」
『いや…それが、ちょっと入院することになっちまって…』
と、焦凍はやっぱりちょっと申し訳なさそうな声で話す。
「入院?大丈夫?ケガでもしちゃったの?」
「まぁそんなとこだ…」
面倒な事件にでも巻き込まれちゃったのかなー。なんて思いつつも
「大変だったねー」
と言ったら
『あぁ、ほんと大変だったよ…まさかヒーロー殺し・ステインと戦うことになるとは思わなかったよ…』
と、げっそりとしたような声で言われる。……って、え、は、は?!
「ヒーロー殺し・ステインと戦った?!ちょっとあんた何言ってんの!ていうか何やらかしたの?!」
思わず叫び声をあげてしまった私は絶対に悪くないと思う。
◇
ヒーロー殺し・ステインがエンデヴァーによって逮捕された。その場には焦凍と緑谷と飯田が居合わせて、その際に3人は怪我をしてしまい、入院することになった。と、いうことに表向きにはなっている、のだけども…
「あのー、その…すみません、あのほんと、立ち聞きするつもりはなかったんです…。しょ、焦凍のお見舞いに来て、それであの、その…」
病室中からの視線が、痛い。お見舞いにやってきたら病室に入ろうとした瞬間中から
「ふざけるなこの犬!!」
という焦凍の怒鳴り声が聞こえてきて凍りついていたら、恐らく私が聞いてはいけなかったであろう会話…(ステインの逮捕はパパの活躍ではなくて、焦凍達3人の活躍のためとかそういう会話)が繰り広げられていてどうしよう…と病室前で立ち尽くしていたら、人が出てきてしまって病室の中にいた人達と、警察の方々と目が合って、あっ…終わった…と、頭を抱えたくなった。
「夏菜芽…立ち聞きなんて行儀悪いぞ…」
姉さんに怒られても知らないからな?と眉間に皺を寄せながら小言を言ってくる焦凍に
「だから違うってー!」
と必死に弁解する私のことを他の人達がみんな気まずそうな顔をして見ている。
◇
「ステインと戦ったなんて聞いてびっくりしたよ」
と言うと
「すまない。俺が2人を巻き込んでしまったんだ…」
飯田が深々と頭を下げてきた。2人を巻き込んだ…というのはどう言うことだろうと思いかけて、そういえば体育祭の時、インゲニウム…飯田のお兄さんがステインに襲われて再起不能に追いやられてしまったってニュースやってたな。……なんとなく、察してしまった。緑谷が焦ったようにそんなことないよと言っているが、飯田は納得していなさそうだ。
「確かにお前はバカなことしたとは思う」
黙って聞いていた焦凍が口を聞いたと思ったら容赦なく言い放った。
「ちょ、ちょっと焦凍…!」
「でも。俺も緑谷も、巻き込まれたなんて思ってねぇよ」
飯田に追い討ちをかけるようなことを言うつもりなんじゃないかと思って焦って止めようとしたが、どうやら違うらしい。
「えっ…」
飯田も驚いたように声を上げている。
「僕達はただ、クラスメイトの……友達の、ピンチに駆けつけて協力して一緒にヴィランを倒した。ただ、それだけだよ」
緑谷がそういうと、
「……ありがとう、緑谷君、轟君」
飯田は少し泣きそうな顔をしつつも、嬉しそうに笑って2人にお礼を言った。
ちらっと焦凍の方を見てみると
「そんなに改まってお礼言うようなことか?」
珍しく少し照れたようなお顔をしている。思わずクスッと笑うと
「夏菜芽、笑うな」
とちょっとだけ不機嫌そうな顔で言ってくる。
「えー?やだー、おにーちゃんたら可愛い妹に意地悪ー」
なんてからかってみるとまた少し不機嫌そうな顔をする。
……ヒーロー殺し・ステインと戦ったって聞いた時は気が気じゃなかったけど、こんな形で焦凍に2人も友達ができたんだって知ることができてよかった。退院してきたら腕によりをかけて、沢山焦凍が好きなものを作ってあげたいな。冬姉に相談してみよう。
『父親としてはクソだけど、ヒーローとしてはやっぱ、すげぇな。エンデヴァーってやつは』
この前、ぼそっとそう言っていたことを思い出して笑みが溢れそうになる。ママとも会ってくれたし、学校生活も余裕が出てきて、緑谷とかとも友達になれてそこそこ満喫してそうだし、このままパパとも和解……まではいかなくても、今よりも関係が改善できたらいいなぁ。
なんて思いながら夕飯の支度をしていたら、電話の音がする。家の方みたいだ。急いで手を洗って電話を取って
「はいもしもし轟です。どちら様ですか?」
と、電話の向こうに声を掛けると
『夏菜芽か?俺だ』
焦凍の声が聞こえてきた。
「あれ、焦凍。どうしたの?帰り遅くなるの?」
そう尋ねると
『それが…悪い、今日帰れなくなっちまった』
ちょっと申し訳なさそうな声で返ってきた。
「帰れない?わかった、じゃあ夕飯は作らないでおくね。事件そんな立て込んでるの?」
『いや…それが、ちょっと入院することになっちまって…』
と、焦凍はやっぱりちょっと申し訳なさそうな声で話す。
「入院?大丈夫?ケガでもしちゃったの?」
「まぁそんなとこだ…」
面倒な事件にでも巻き込まれちゃったのかなー。なんて思いつつも
「大変だったねー」
と言ったら
『あぁ、ほんと大変だったよ…まさかヒーロー殺し・ステインと戦うことになるとは思わなかったよ…』
と、げっそりとしたような声で言われる。……って、え、は、は?!
「ヒーロー殺し・ステインと戦った?!ちょっとあんた何言ってんの!ていうか何やらかしたの?!」
思わず叫び声をあげてしまった私は絶対に悪くないと思う。
◇
ヒーロー殺し・ステインがエンデヴァーによって逮捕された。その場には焦凍と緑谷と飯田が居合わせて、その際に3人は怪我をしてしまい、入院することになった。と、いうことに表向きにはなっている、のだけども…
「あのー、その…すみません、あのほんと、立ち聞きするつもりはなかったんです…。しょ、焦凍のお見舞いに来て、それであの、その…」
病室中からの視線が、痛い。お見舞いにやってきたら病室に入ろうとした瞬間中から
「ふざけるなこの犬!!」
という焦凍の怒鳴り声が聞こえてきて凍りついていたら、恐らく私が聞いてはいけなかったであろう会話…(ステインの逮捕はパパの活躍ではなくて、焦凍達3人の活躍のためとかそういう会話)が繰り広げられていてどうしよう…と病室前で立ち尽くしていたら、人が出てきてしまって病室の中にいた人達と、警察の方々と目が合って、あっ…終わった…と、頭を抱えたくなった。
「夏菜芽…立ち聞きなんて行儀悪いぞ…」
姉さんに怒られても知らないからな?と眉間に皺を寄せながら小言を言ってくる焦凍に
「だから違うってー!」
と必死に弁解する私のことを他の人達がみんな気まずそうな顔をして見ている。
◇
「ステインと戦ったなんて聞いてびっくりしたよ」
と言うと
「すまない。俺が2人を巻き込んでしまったんだ…」
飯田が深々と頭を下げてきた。2人を巻き込んだ…というのはどう言うことだろうと思いかけて、そういえば体育祭の時、インゲニウム…飯田のお兄さんがステインに襲われて再起不能に追いやられてしまったってニュースやってたな。……なんとなく、察してしまった。緑谷が焦ったようにそんなことないよと言っているが、飯田は納得していなさそうだ。
「確かにお前はバカなことしたとは思う」
黙って聞いていた焦凍が口を聞いたと思ったら容赦なく言い放った。
「ちょ、ちょっと焦凍…!」
「でも。俺も緑谷も、巻き込まれたなんて思ってねぇよ」
飯田に追い討ちをかけるようなことを言うつもりなんじゃないかと思って焦って止めようとしたが、どうやら違うらしい。
「えっ…」
飯田も驚いたように声を上げている。
「僕達はただ、クラスメイトの……友達の、ピンチに駆けつけて協力して一緒にヴィランを倒した。ただ、それだけだよ」
緑谷がそういうと、
「……ありがとう、緑谷君、轟君」
飯田は少し泣きそうな顔をしつつも、嬉しそうに笑って2人にお礼を言った。
ちらっと焦凍の方を見てみると
「そんなに改まってお礼言うようなことか?」
珍しく少し照れたようなお顔をしている。思わずクスッと笑うと
「夏菜芽、笑うな」
とちょっとだけ不機嫌そうな顔で言ってくる。
「えー?やだー、おにーちゃんたら可愛い妹に意地悪ー」
なんてからかってみるとまた少し不機嫌そうな顔をする。
……ヒーロー殺し・ステインと戦ったって聞いた時は気が気じゃなかったけど、こんな形で焦凍に2人も友達ができたんだって知ることができてよかった。退院してきたら腕によりをかけて、沢山焦凍が好きなものを作ってあげたいな。冬姉に相談してみよう。
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