アサガオ
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「えっ焦凍パパが個性婚したってことあんたに話したの?!」
「う、うん…それであの、左側を使わないって誓いについても聞かせてもらったよ」
なんと焦凍は複雑すぎる、地獄のようなうちの家庭事情についてを緑谷に話したらしい。
「ごめんね、リアクションに困るような話聞かせたりなんてしちゃって…」
「大丈夫だよ。まぁちょっと…いやかなりびっくりしたけども…」
苦笑しながら言う緑谷に申し訳なさが増してくる。出会ってまだ数ヵ月しか付き合いのないクラスメイトから突然うちみたいな特殊すぎる家庭の話聞かされたりなんてしたら、誰だって困るだろうに。
「緑谷って焦凍と仲良くしてくれてるんだね」
私が思ってるよりもA組に馴染めてるし友達だって出来てるのかな。なんか安心…
「いや、あんまり話とかしないかな…」
「えっ」
仲良くないの?!マジで何で特別仲良い訳でもないのにこんなクソ重い話しちゃったのよ焦凍…!緑谷めちゃくちゃ困らせちゃってんじゃん…!
「ほんっとごめん!!気遣わせちゃったよね!!」
深々と頭を下げて謝罪すると「えっ?!いやいやそんなそんな…!大丈夫だよ、謝る様な事じゃないって!」とあたふたしながら弁解された。
「…うちの家庭事情の話聞いてくれたからだから、だから焦凍にあんな風に言葉を投げ掛けてくれたんだね」
「えっ?」
ぼそっと呟くと、緑谷は不思議そうに首を傾げながら驚いたような声を漏らした。
「『君の力じゃないか』って。そう言ってくれたんだね」
真っ直ぐと、しっかりと、『轟焦凍』を見てくれて、『轟焦凍』としっかりと向き合ってくれたんだ。
「ありがとう。緑谷のお陰で焦凍、多分少しずつだけども前に進めたと思う」
「そ、そんな…!僕は何もしてないよ…!」
首を横に振りながら全否定する緑谷に「そんなことないよ」というが、あまりピンと来ていないみたいだ。
「いっぱい色々してくれたよ。焦凍と真正面からやりあってくれたし、ちゃんと焦凍自身のことを見てくれたし、右も左も両方とも焦凍自身の力だって。当たり前のことを面と向かって焦凍に言ってくれた。ほら、沢山してくれてるじゃん!」
その私の言葉に緑谷は「そ、そうかな…」となんだか照れ臭そうに顔を掻きながら言う。
「そうなの!…少なくとも、私なんかよりずっと焦凍のためにしてくれたよ。私、焦凍のために何もしてあげられてないし」
「えっ?」
私がそういうと、緑谷はまた驚いたような声を漏らした。それからじっと私のことを見つめながら
「…きっと轟君は、君がいてくれてすごく救われてると思う。轟さんが轟君に何も出来てないなんてこと、絶対にないよ」
真剣に言ってくる。驚いて思わず目を見開きながら緑谷を見つめる。
「だって轟さん、轟君のことすごく大切に思ってるんだって伝わってくるもん。そんな妹がいてくれて、救いになってない訳ないよ」
私のことをじっと見つめて、一切目を逸らさずに言ってくる緑谷から目が逸らせない。…なんだか目頭が熱くなってきた。
「…緑谷。本当に、ほんっとうにありがとう!!」
涙が零れるのを必死にこらえてごまかすようにしてお礼を言う。すると緑谷は「…うん」と笑いながら返事をした。
「あのね、もしも…もしも迷惑じゃなかったら…焦凍と友達になってくれたら、嬉しいな」
そういうと緑谷は一瞬きょとんとした。そしてすぐに笑って
「うん!僕も轟君と友達になれたら嬉しい。もちろん、轟さんとも」
と返してくれた。
「うん。…うん!じゃあ私と緑谷も、今日から友達だね!」
緑谷に釣られて、思わず笑顔でそう言った。そしたら緑谷は、さっき以上の笑顔で「うん!」と。嬉しそうに言ってくれた。
◇
緑谷と話し込んでいると、お茶子ちゃんから『轟君来たよー!デク君がカナちゃん呼び出したって言ったら心なしかそわそわしてるように見える気がするんは気のせいかな?』と連絡が入っていたので「待たせちゃダメだね!」「そうだね!」なんて会話をしながら急いで昇降口へ行き、待っていてくれた2人と合流して解散した。
「緑谷、何の話だったんだ」
緑谷とお茶子ちゃんと別れるや否や、焦凍が問い掛けてきた。
「別に。大したことじゃないよ」
と答えると、ちょっとムスッとした様子で「わざわざ呼び出されたんだろ?なのに大した話じゃないなんてことねぇだろ」という。…あれ、もしかして焦凍
「あのさ、私別に緑谷に告白されたとかじゃないからね?」
そう釘を刺すと「えっ」と驚いたように言った。やっぱり勘違いしてたか。
「そうなのか…。てっきり告白されたもんだと思った…」
「ないない。そもそも私とあいつほぼ接点ないし」
「一目惚れとかされるかもしれねぇだろ。夏菜芽は可愛いから」
そんなはっきり真顔で可愛いなんて言われても。どう反応すればいいかわかんないんだけど。
「じゃあ何の話だったんだ」
不思議そうに首を傾げながら尋ねてくる焦凍に思わず吹き出してしまった。そしたら焦凍はちょっとムッとしたように「なんだよ」と言って来たから「別に?私のお兄ちゃん可愛いなーって思っただけー」と言い返してみたらまたムッとされた。なんか今日はいつもより表情豊かだな。ほんと可愛いは私のお兄ちゃん。
「夏菜芽」
不意に、焦凍が真剣そうに私の名前を呼ぶ。そんな様子に、茶化してはいけないんだなと思って、少し背筋が伸びる。
「…何?」
微かに緊張しつつ、問い掛けてみる。
「俺、お母さんに会いに行く」
真っ直ぐと、私のことを見据えてはっきりとした声で、言い切った。
…緑谷。ありがとう。焦凍と友達になってくれて。
ありがとう。焦凍と向き合ってくれて。
「だから今度の休みの日、俺と一緒に病院へ行ってくれないか?」
緑谷のお陰で、焦凍、一歩前に進めたよ。ありがとう。この恩は絶対。一生忘れない。
「今まで、ごめんな。全部背負わせちまって」
謝罪してくる焦凍に思い切り抱き着いて、大声を上げて、泣いた。そんな私のことを、驚きつつも背中に手を回して、優しく撫でてくれてる焦凍の手が、すごく心地良かった。
「う、うん…それであの、左側を使わないって誓いについても聞かせてもらったよ」
なんと焦凍は複雑すぎる、地獄のようなうちの家庭事情についてを緑谷に話したらしい。
「ごめんね、リアクションに困るような話聞かせたりなんてしちゃって…」
「大丈夫だよ。まぁちょっと…いやかなりびっくりしたけども…」
苦笑しながら言う緑谷に申し訳なさが増してくる。出会ってまだ数ヵ月しか付き合いのないクラスメイトから突然うちみたいな特殊すぎる家庭の話聞かされたりなんてしたら、誰だって困るだろうに。
「緑谷って焦凍と仲良くしてくれてるんだね」
私が思ってるよりもA組に馴染めてるし友達だって出来てるのかな。なんか安心…
「いや、あんまり話とかしないかな…」
「えっ」
仲良くないの?!マジで何で特別仲良い訳でもないのにこんなクソ重い話しちゃったのよ焦凍…!緑谷めちゃくちゃ困らせちゃってんじゃん…!
「ほんっとごめん!!気遣わせちゃったよね!!」
深々と頭を下げて謝罪すると「えっ?!いやいやそんなそんな…!大丈夫だよ、謝る様な事じゃないって!」とあたふたしながら弁解された。
「…うちの家庭事情の話聞いてくれたからだから、だから焦凍にあんな風に言葉を投げ掛けてくれたんだね」
「えっ?」
ぼそっと呟くと、緑谷は不思議そうに首を傾げながら驚いたような声を漏らした。
「『君の力じゃないか』って。そう言ってくれたんだね」
真っ直ぐと、しっかりと、『轟焦凍』を見てくれて、『轟焦凍』としっかりと向き合ってくれたんだ。
「ありがとう。緑谷のお陰で焦凍、多分少しずつだけども前に進めたと思う」
「そ、そんな…!僕は何もしてないよ…!」
首を横に振りながら全否定する緑谷に「そんなことないよ」というが、あまりピンと来ていないみたいだ。
「いっぱい色々してくれたよ。焦凍と真正面からやりあってくれたし、ちゃんと焦凍自身のことを見てくれたし、右も左も両方とも焦凍自身の力だって。当たり前のことを面と向かって焦凍に言ってくれた。ほら、沢山してくれてるじゃん!」
その私の言葉に緑谷は「そ、そうかな…」となんだか照れ臭そうに顔を掻きながら言う。
「そうなの!…少なくとも、私なんかよりずっと焦凍のためにしてくれたよ。私、焦凍のために何もしてあげられてないし」
「えっ?」
私がそういうと、緑谷はまた驚いたような声を漏らした。それからじっと私のことを見つめながら
「…きっと轟君は、君がいてくれてすごく救われてると思う。轟さんが轟君に何も出来てないなんてこと、絶対にないよ」
真剣に言ってくる。驚いて思わず目を見開きながら緑谷を見つめる。
「だって轟さん、轟君のことすごく大切に思ってるんだって伝わってくるもん。そんな妹がいてくれて、救いになってない訳ないよ」
私のことをじっと見つめて、一切目を逸らさずに言ってくる緑谷から目が逸らせない。…なんだか目頭が熱くなってきた。
「…緑谷。本当に、ほんっとうにありがとう!!」
涙が零れるのを必死にこらえてごまかすようにしてお礼を言う。すると緑谷は「…うん」と笑いながら返事をした。
「あのね、もしも…もしも迷惑じゃなかったら…焦凍と友達になってくれたら、嬉しいな」
そういうと緑谷は一瞬きょとんとした。そしてすぐに笑って
「うん!僕も轟君と友達になれたら嬉しい。もちろん、轟さんとも」
と返してくれた。
「うん。…うん!じゃあ私と緑谷も、今日から友達だね!」
緑谷に釣られて、思わず笑顔でそう言った。そしたら緑谷は、さっき以上の笑顔で「うん!」と。嬉しそうに言ってくれた。
◇
緑谷と話し込んでいると、お茶子ちゃんから『轟君来たよー!デク君がカナちゃん呼び出したって言ったら心なしかそわそわしてるように見える気がするんは気のせいかな?』と連絡が入っていたので「待たせちゃダメだね!」「そうだね!」なんて会話をしながら急いで昇降口へ行き、待っていてくれた2人と合流して解散した。
「緑谷、何の話だったんだ」
緑谷とお茶子ちゃんと別れるや否や、焦凍が問い掛けてきた。
「別に。大したことじゃないよ」
と答えると、ちょっとムスッとした様子で「わざわざ呼び出されたんだろ?なのに大した話じゃないなんてことねぇだろ」という。…あれ、もしかして焦凍
「あのさ、私別に緑谷に告白されたとかじゃないからね?」
そう釘を刺すと「えっ」と驚いたように言った。やっぱり勘違いしてたか。
「そうなのか…。てっきり告白されたもんだと思った…」
「ないない。そもそも私とあいつほぼ接点ないし」
「一目惚れとかされるかもしれねぇだろ。夏菜芽は可愛いから」
そんなはっきり真顔で可愛いなんて言われても。どう反応すればいいかわかんないんだけど。
「じゃあ何の話だったんだ」
不思議そうに首を傾げながら尋ねてくる焦凍に思わず吹き出してしまった。そしたら焦凍はちょっとムッとしたように「なんだよ」と言って来たから「別に?私のお兄ちゃん可愛いなーって思っただけー」と言い返してみたらまたムッとされた。なんか今日はいつもより表情豊かだな。ほんと可愛いは私のお兄ちゃん。
「夏菜芽」
不意に、焦凍が真剣そうに私の名前を呼ぶ。そんな様子に、茶化してはいけないんだなと思って、少し背筋が伸びる。
「…何?」
微かに緊張しつつ、問い掛けてみる。
「俺、お母さんに会いに行く」
真っ直ぐと、私のことを見据えてはっきりとした声で、言い切った。
…緑谷。ありがとう。焦凍と友達になってくれて。
ありがとう。焦凍と向き合ってくれて。
「だから今度の休みの日、俺と一緒に病院へ行ってくれないか?」
緑谷のお陰で、焦凍、一歩前に進めたよ。ありがとう。この恩は絶対。一生忘れない。
「今まで、ごめんな。全部背負わせちまって」
謝罪してくる焦凍に思い切り抱き着いて、大声を上げて、泣いた。そんな私のことを、驚きつつも背中に手を回して、優しく撫でてくれてる焦凍の手が、すごく心地良かった。