アサガオ
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パパは焦凍のことを、最高傑作だという。自分の炎の個性と、ママの氷の個性を持ってして生まれた焦凍はパパにとって待ちに待った存在だったのだろう。自分ではオールマイトを超えることが出来ないからと、個性婚をして強力な個性を持った子供を産み、自分の夢をかなえさせようとしてるパパの野望のせいで焦凍は沢山辛い思いをした。パパのことは好きだけど、焦凍に接してる時のパパは大っ嫌い。いつも焦凍のこと物みたいに言うから。
焦凍はパパの夢を叶えるための道具でも、パパの思い通りに動く人形でもない、意思だって感情だってある1人の人間、私の大好きな大事なお兄ちゃん、轟焦凍なのに。そのことを忘れてるように見える。焦凍は焦凍なのに。パパの代わりなんかじゃないのに。パパと焦凍は別の考えを持った、別の人間だってことに早く気が付いてほしい。
「片付けまで手伝ってくれてありがとね。あとは私がやっとくからほら、お昼ご飯食べといで」
片づけをしながら考え事をしてると、リカバリーガールに声を掛けられた。
「えっいや、大丈夫ですよ。もうすぐで終わるんで私やりますって」
「いいからいいから。早く行かないと食堂埋まっちまうよ?午後からも仕事があるんだから、しっかりと食べないとダメだよ。ほら、早く行ってきな」
そういうリカバリーガールに甘えて、片付けの残りを頼んで足早に食堂まで向かった。
◇
食堂に向かっている途中、
「あっ」
とても目立つ人がいて思わず声を上げてしまった。私の声に気付いたらしいその人がこっちを振り返った。思い切り目が合うとその人は
「君、ひょっとして轟夏菜芽さん、かな…?」
少し驚いたように目を開きながら話しかけてきたので笑って
「はい!お久しぶりです、オールマイト!!」
そう挨拶するとその目立つ人―――オールマイトはあの人のいい笑顔で
「おぉ、やっぱりそうか!本当、久しぶりだね。君のお父上と対談した時について来ていて会った日以来かな?」
と言った。
「そうですね、あの日以来です。学校で会うの初めてですもんね」
「だね。普通科の子とは私、あまり会えないからね。君のお兄さんとは授業で会っているんだがね。それにしても、暫く会わないうちに大きくなったね。この前会った時はまだ小さくて、エンデヴァー…お父上に抱っこされていたのにね」
そうしみじみというオールマイトはなんか、久しぶりに会った親戚のおじさんみたいだ。
私とオールマイトが出会ったのは10年前だった。パパがメディアの仕事でオールマイトと対談すると聞いて駄々こねて一緒に連れて行って貰った時に出会った。まぁ会ったのはその1回だけだったけど。あの時一緒に撮ってもらった写真は私の宝物だ。
「でも、覚えて貰えてたなんてすごい嬉しいです。1度しかあったことなかったからてっきり忘れられてるかと思ってました」
そういうと「酷いなー。私はそんなに薄情者に見えるのかい?」と笑って言われた。子どもの頃も思ったけど、この人画風が違うなぁ。
「ヒーロー仲間の大事なお子さんのこと、忘れたりなんてしないさ。それに君、とても印象的な子だったからね」
そう私の頭を撫でながら言う。
「印象的?私何かしましたっけ?ていうか頭撫でないで下さい!」
「あ、すまないすまない。つい初めて会った時みたいな感覚になってしまった。君、歳の割にとてもしっかりしていたからね。まだ幼稚園児だと言っていたのに、言葉使いもちゃんとしていて、挨拶もしっかり出来る子だったからね。こんな子に育つなんてお父上やお母上の教育がとてもしっかりしているんだろうなって思ったもんさ」
パパとママの教育…。
「あ、そう、ですかね…ありがとうございます…」
2人の教育が良いのかはわからないが、まぁ確かに私が言葉使いとかそういうことを褒めて貰える様な子どもだったのは2人のお影なのは間違いないし、お礼は言っておこう。
「って、すまない。私そろそろ行かなくては…」
オールマイトが時計を見て焦った様に言う。
「あっそうなんですね、すみません呼び止めちゃって…。久しぶりに話せてうれしかったです。お仕事頑張ってくださいね」
「ありがとう、私も話せて嬉しかったよ。君もリカバリーガールの手伝い、大変だろうけど頑張ってね。それじゃ、また今度ゆっくり話そうね!」
そう言うと、オールマイトは物凄い勢いでどこかに向かって行った。すごく忙しそう。それなのに私との会話に付き合ってくれるなんて優しい人だな。さすが№1ヒーロー。うちのパパだったら絶対そんなことしないな。同じヒーローでも、パパとオールマイトじゃ全然雰囲気が違うな。
…あんな人がパパだったら、焦凍も、とーや兄もみんな、あんなことにならずに済んだのかなと過りかけて、気が滅入ってしまいそうだったからそれ以上考えるのをやめた。
焦凍はパパの夢を叶えるための道具でも、パパの思い通りに動く人形でもない、意思だって感情だってある1人の人間、私の大好きな大事なお兄ちゃん、轟焦凍なのに。そのことを忘れてるように見える。焦凍は焦凍なのに。パパの代わりなんかじゃないのに。パパと焦凍は別の考えを持った、別の人間だってことに早く気が付いてほしい。
「片付けまで手伝ってくれてありがとね。あとは私がやっとくからほら、お昼ご飯食べといで」
片づけをしながら考え事をしてると、リカバリーガールに声を掛けられた。
「えっいや、大丈夫ですよ。もうすぐで終わるんで私やりますって」
「いいからいいから。早く行かないと食堂埋まっちまうよ?午後からも仕事があるんだから、しっかりと食べないとダメだよ。ほら、早く行ってきな」
そういうリカバリーガールに甘えて、片付けの残りを頼んで足早に食堂まで向かった。
◇
食堂に向かっている途中、
「あっ」
とても目立つ人がいて思わず声を上げてしまった。私の声に気付いたらしいその人がこっちを振り返った。思い切り目が合うとその人は
「君、ひょっとして轟夏菜芽さん、かな…?」
少し驚いたように目を開きながら話しかけてきたので笑って
「はい!お久しぶりです、オールマイト!!」
そう挨拶するとその目立つ人―――オールマイトはあの人のいい笑顔で
「おぉ、やっぱりそうか!本当、久しぶりだね。君のお父上と対談した時について来ていて会った日以来かな?」
と言った。
「そうですね、あの日以来です。学校で会うの初めてですもんね」
「だね。普通科の子とは私、あまり会えないからね。君のお兄さんとは授業で会っているんだがね。それにしても、暫く会わないうちに大きくなったね。この前会った時はまだ小さくて、エンデヴァー…お父上に抱っこされていたのにね」
そうしみじみというオールマイトはなんか、久しぶりに会った親戚のおじさんみたいだ。
私とオールマイトが出会ったのは10年前だった。パパがメディアの仕事でオールマイトと対談すると聞いて駄々こねて一緒に連れて行って貰った時に出会った。まぁ会ったのはその1回だけだったけど。あの時一緒に撮ってもらった写真は私の宝物だ。
「でも、覚えて貰えてたなんてすごい嬉しいです。1度しかあったことなかったからてっきり忘れられてるかと思ってました」
そういうと「酷いなー。私はそんなに薄情者に見えるのかい?」と笑って言われた。子どもの頃も思ったけど、この人画風が違うなぁ。
「ヒーロー仲間の大事なお子さんのこと、忘れたりなんてしないさ。それに君、とても印象的な子だったからね」
そう私の頭を撫でながら言う。
「印象的?私何かしましたっけ?ていうか頭撫でないで下さい!」
「あ、すまないすまない。つい初めて会った時みたいな感覚になってしまった。君、歳の割にとてもしっかりしていたからね。まだ幼稚園児だと言っていたのに、言葉使いもちゃんとしていて、挨拶もしっかり出来る子だったからね。こんな子に育つなんてお父上やお母上の教育がとてもしっかりしているんだろうなって思ったもんさ」
パパとママの教育…。
「あ、そう、ですかね…ありがとうございます…」
2人の教育が良いのかはわからないが、まぁ確かに私が言葉使いとかそういうことを褒めて貰える様な子どもだったのは2人のお影なのは間違いないし、お礼は言っておこう。
「って、すまない。私そろそろ行かなくては…」
オールマイトが時計を見て焦った様に言う。
「あっそうなんですね、すみません呼び止めちゃって…。久しぶりに話せてうれしかったです。お仕事頑張ってくださいね」
「ありがとう、私も話せて嬉しかったよ。君もリカバリーガールの手伝い、大変だろうけど頑張ってね。それじゃ、また今度ゆっくり話そうね!」
そう言うと、オールマイトは物凄い勢いでどこかに向かって行った。すごく忙しそう。それなのに私との会話に付き合ってくれるなんて優しい人だな。さすが№1ヒーロー。うちのパパだったら絶対そんなことしないな。同じヒーローでも、パパとオールマイトじゃ全然雰囲気が違うな。
…あんな人がパパだったら、焦凍も、とーや兄もみんな、あんなことにならずに済んだのかなと過りかけて、気が滅入ってしまいそうだったからそれ以上考えるのをやめた。