アサガオ

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予選は生徒全員で一斉に走る、障害物競走らしい。開始早々、焦凍は辺り一面凍り付けにして1位へと躍り出た。さすが私のお兄ちゃん!自分のことじゃないけど誇らしい。思わずニヤける。そんな私のことをリカバリーガールが微笑ましそうに見ているのが視界に入ってきて恥ずかしくなった。

「さてと、そろそろ脱落者がぼちぼち出始める頃だね。忙しくなるよ」

というリカバリーガールの言葉の通り、焦凍の氷で動けなくなった人とかが何人か医務室へと来はじめた。
手伝い…と言ってもリカバリーガールの個性があれば大体の怪我は一瞬で治ってしまうため私に出来ることなんてあまりない。個性を使うほどの怪我じゃない人のちょっとした手当てとか、リカバリーガールの手当てを待っている間に悪化してしまわない様に応急処置をするのがせいぜいと言ったところだ。だけど何か出来ることがあって良かった。みんなが出場している中、1人で観客席から応援するだけ…なんて想像するだけで嫌だもん。

夏菜芽ー、手当てお願いしていい―?」

声を掛けられた方に視線を向けると、クラスの友達が来ていた。

「はーい!怪我の具合どんな感じ?」
「かすり傷だよー。だから軽い手当てして貰えれば大丈夫―!」

そう言われたので「わかったー」と返事をして友達に椅子に座って貰って救急箱を用意して手当てを始めた。

「予選お疲れ様ー!どうだった?」
「どうも何も!全然ダメだった。見た?なんかめっちゃデカいロボとか出てきてビビったよ。ヒーロー科の子達みんな全く躊躇せずに向かってってさ、すごいね。本当に同い年かって疑いたくなったよ!」

そんな会話をしつつ手当てする。

「てか夏菜芽のお兄ちゃんすごいね。個性だけじゃなくて身体能力も高いって感じ?めちゃくちゃ努力したんだろうね」
「!!でしょ?焦凍、個性のことばっか褒められてるけど、それ以上に焦凍自体がすごいの!沢山努力してるんだよ!」

焦凍のことを褒めて貰えてつい、嬉しくなって興奮気味に声を出してしまった。すぐに我に返って恥ずかしくなった。そんな私を友達が「夏菜芽ってブラコンだよね」とケラケラと笑いながら言う。ムッとして睨むと、「怒んないでよー!夏菜芽ったら可愛いなー」と更に笑いながら私の頭を撫でてくる。

「ちょっと!頭撫でないでよ!!」

そう言っても友達は「やだー!」と言いながら私の頭を撫で続ける。ムカつく。

「コラコラ、仲が良いのはいいことだがいつまでも医務室で遊んでるんじゃないよ。手当てが終わったなら早くクラスに戻りな」

そういうリカバリーガールの言葉にハッとして「すいません!!」急いで謝ってジャレるのをやめた。
そんな私達のことをリカバリーガールはやっぱり微笑ましそうに見ていた。なんだか孫のことを優しく見守ってくれてるお婆ちゃんみたいだなって思った。
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