~交わりの街で~
「デュー、おぬしは今わしらがどの辺りにいるかわかるか?」
シブースト村から洞窟を抜け、道なりに進む中で見つけた小屋の中でミレニアは世界地図を広げながらそう尋ねた。
「いや、地名もどうやら忘れてしまったらしい」
「んじゃ簡単に説明しとこうかの」
スッと細い指が地図に描かれた陸地を示す。
「まず、この世界には大きく分けて三つの大陸がある。東のジャンドゥーヤ、北のクリスタリゼ、そしてわしらがいるグランマニエじゃ」
「グランマニエ……」
噛み締めるようにデューが復唱する。
地図を見ると、シブースト村はグランマニエの端の方、山の中にぽつんとあった。
「この大陸には世界の中心と呼ばれる王都がある。ここからじゃまだまだ遠いがの、記憶の手掛かりとしては有力候補じゃ」
「王都と言うからにはでかくて人も多い、情報も集まりやすい場所だからか?」
「まぁそれもあるんじゃが……」
ふいにミレニアとデューの視線がかち合う。
彼女はじっとデューを見定めた。
「おぬしの剣筋、どことなく騎士団のそれに近い気がするんじゃ」
「騎士団?」
首を傾げるデューにミレニアは唸る。
「うーむ、じゃがこんなちびっこ騎士がいるなんて話は聞いた事がないしのぅ……」
「ちびっことか言うな!……それにしても、やけに詳しいな。動きを見ただけでわかるのか?」
一般人のただの少女が、騎士の動きを見知っているものなのだろうか。
デューがそう尋ねると、
「……知り合いがちょっと、の」
彼女にしては歯切れの悪い言葉で、そう答えた。
しかし俯いたのは一瞬で、
「ほれほれ、物知りお姉さんに尊敬と羨望のまなざしを送るがよい♪」
「誰が送るかっ!」
次の瞬間には、いつもの彼女に戻っていた。
そんな二人のやりとりを、
(やれやれ、遊ばれておるな……デューは)
シュクルが呆れた目で見ていたという。
シブースト村から洞窟を抜け、道なりに進む中で見つけた小屋の中でミレニアは世界地図を広げながらそう尋ねた。
「いや、地名もどうやら忘れてしまったらしい」
「んじゃ簡単に説明しとこうかの」
スッと細い指が地図に描かれた陸地を示す。
「まず、この世界には大きく分けて三つの大陸がある。東のジャンドゥーヤ、北のクリスタリゼ、そしてわしらがいるグランマニエじゃ」
「グランマニエ……」
噛み締めるようにデューが復唱する。
地図を見ると、シブースト村はグランマニエの端の方、山の中にぽつんとあった。
「この大陸には世界の中心と呼ばれる王都がある。ここからじゃまだまだ遠いがの、記憶の手掛かりとしては有力候補じゃ」
「王都と言うからにはでかくて人も多い、情報も集まりやすい場所だからか?」
「まぁそれもあるんじゃが……」
ふいにミレニアとデューの視線がかち合う。
彼女はじっとデューを見定めた。
「おぬしの剣筋、どことなく騎士団のそれに近い気がするんじゃ」
「騎士団?」
首を傾げるデューにミレニアは唸る。
「うーむ、じゃがこんなちびっこ騎士がいるなんて話は聞いた事がないしのぅ……」
「ちびっことか言うな!……それにしても、やけに詳しいな。動きを見ただけでわかるのか?」
一般人のただの少女が、騎士の動きを見知っているものなのだろうか。
デューがそう尋ねると、
「……知り合いがちょっと、の」
彼女にしては歯切れの悪い言葉で、そう答えた。
しかし俯いたのは一瞬で、
「ほれほれ、物知りお姉さんに尊敬と羨望のまなざしを送るがよい♪」
「誰が送るかっ!」
次の瞬間には、いつもの彼女に戻っていた。
そんな二人のやりとりを、
(やれやれ、遊ばれておるな……デューは)
シュクルが呆れた目で見ていたという。