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旅路

「ああ、ダサい」
 彼はいつの日か気づいてしまった。自分が思っているより、人間はダサい。
 小学生の時は中学生を、中学生の時は高校生を、せいぜい1から3歳しか違わないのに、とても大きな大人のように見てしまうのは、日本の教育のせいだろう。彼もまたそんな教育制度の奴隷だった。高校生からみた大学生は、なんと大人なのだろう。実際に20歳を越えたら心身ともに大人になる。大人は大人だ、子供じゃない。淡い期待を胸にした彼は、自分の胸を穿ちたくなった。
 なんと、子供なのか。
 大学生ともあろうものがいじめとは。
 馬鹿だ。ダサすぎる。
 彼は気付いてしまった。もはやこの星に、居場所なんてないのではないのか、と。
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