王様ゲーム
「ほ、ほんとにやんのカ」
「そりゃあ、王様のゴメーレーなんだからよ、ちったぁ我慢しろよ」
じりじりと青髪のあいつが迫ってくる。
王様の命令はいいが、にじり寄るオメーの顔が怖ぇんだよ、おい。
***
オレたちは今、王様ゲームをしている。
さっきまでキールの家でビシュナルと三人で喋っていた筈なのだが、突然フレイが現れたかと思えば、これまた突然
「王様ゲームしよう!!」
なんていい出して(歩きゃいいのにわざわざRP使って)テレポートした先は王様ゲーム会場のマーガレット宅だった。
なぜ王様ゲームなのかと思ったら、ある時のパジャマパーティーでクローリカが
「王様ゲームですかぁ〜……やったことないですね〜。」
なんていう事を零していたから、らしい。
何をさせられているのかも正直理解できていないうちに、あれよあれよと準備が進んで参加する羽目になり、今に至る。
参加メンバー(というよりは参加させられたメンバーの方が多いのかもしれないが)は、言い出しっぺのフレイ、元凶であるクローリカ、マーガレット、シャオパイ、コハク、オレ、キール、ビシュナル、ディラス、アーサー。
ドルチェ(とピコ)は始まる前に
「……ごめんなさい、用事があって」
「今日のルーちゃんはわたくしの服を作ってくださるのですよ!!」
「うるさい」
と言いながら帰ったらしい。
レオンも誘ったらしいが、用事があると、残念そうに断られたそうだ。
そんなこんなで、王様ゲームはスタートした。
ゲームはなんとも形容し難いような内容か多く、死屍累々となるような結果になったりもしたが、まぁ、そこは、割愛する。
言うなれば、何番と何番が膝枕、何番が女装又は男装、などなどだ。
両方ともオレが当たったんだけどな?
「時間も時間だし、次で最後かな?」
時計を見ながらフレイが全員に声を掛ける。
大半がうなづいたり返事をしたところで、王様を決めるくじに視線を戻す。
「よーし、王様だーれだっ!!」
セオリー通りの掛け声に合わせてくじを引く。
……3番。
数時間ほどやっていた気がするが、王様は一度も当たらなかった。まぁ流石にこの大人数だと仕方ないといえば仕方ないのかも知れないが、いくらなんでも運が悪すぎる。
「お、私が王様だねぇ」
声を上げたのはコハク。
コハクならそんなに過激な(?)内容にはならずに安心できるだろうと思い、息を吐いていると(過激な内容でも当たらなければいいのだが)、オレの、というかオレたちの予想とは遥かに遠い命令が下された。
「じゃあ〜……3番と11番がキスしよ〜!」
……オレと誰かが、キス。
取り敢えず11番を探そうと辺りを見渡していると、ふとある人物と目があった。
「ま、まさか、おまえガ……」
「まさかアンタが……」
「11番なのカ……!?」
「3番か……!?」
「まさかあの二人が当たるなんてね……」
心配そうな声を出すマーガレット。
「殴り合いになったりしませんかね……」
と胃を痛めるビシュナル。
そして、にこにこと笑った顔のまま、しかし、それでいて何処か威圧してくるような視線を投げて来るのはコハクとフレイ。怖い。
ここにレオンがいたら一生からかわれ続けたんだろうなぁ……なんて考えていると、青髪のあいつ……ディラスが、段々とこちらに寄ってくる。
「ほ、ほんとにやんのカ」
「そりゃあ、王様のゴメーレーなんだからよ、ちったぁ我慢しろよ」
そんなに嫌なのか、物凄い顰めっ面で近づいてくる様子はとてもヤンキーにガンを飛ばされているような、そんな気がした。
「まぁそんなに緊張すんなよ、俺が気持ちよくしてやるからよ」
「ッ……!?」
耳元で囁かれ、思わず身震いしてしまう。
オレ、どうなっちまうんだ。
___チュッ
小さなリップ音が部屋に響き、口内にあいつの舌が入ってくる。
あいつの強張った顔が大きく見える。
舌が絡む度、ゾクゾクと背筋に電流が走るような感覚に溺れそうになる。
……気持ちいい。
やがて、ゆっくりと顔が離れていくと、オレとディラスの間を銀色の糸が伝う。
そしてあいつはドヤ顔で、こう囁く。
「気持ちよかっただろ?」
「お、おう……」
……オレは、なんで、こんなに。
離れないでくれって、思うんだろう。
なんとなく寂しい気がしたのを、ジュースを飲んで紛らわした。
「そりゃあ、王様のゴメーレーなんだからよ、ちったぁ我慢しろよ」
じりじりと青髪のあいつが迫ってくる。
王様の命令はいいが、にじり寄るオメーの顔が怖ぇんだよ、おい。
***
オレたちは今、王様ゲームをしている。
さっきまでキールの家でビシュナルと三人で喋っていた筈なのだが、突然フレイが現れたかと思えば、これまた突然
「王様ゲームしよう!!」
なんていい出して(歩きゃいいのにわざわざRP使って)テレポートした先は王様ゲーム会場のマーガレット宅だった。
なぜ王様ゲームなのかと思ったら、ある時のパジャマパーティーでクローリカが
「王様ゲームですかぁ〜……やったことないですね〜。」
なんていう事を零していたから、らしい。
何をさせられているのかも正直理解できていないうちに、あれよあれよと準備が進んで参加する羽目になり、今に至る。
参加メンバー(というよりは参加させられたメンバーの方が多いのかもしれないが)は、言い出しっぺのフレイ、元凶であるクローリカ、マーガレット、シャオパイ、コハク、オレ、キール、ビシュナル、ディラス、アーサー。
ドルチェ(とピコ)は始まる前に
「……ごめんなさい、用事があって」
「今日のルーちゃんはわたくしの服を作ってくださるのですよ!!」
「うるさい」
と言いながら帰ったらしい。
レオンも誘ったらしいが、用事があると、残念そうに断られたそうだ。
そんなこんなで、王様ゲームはスタートした。
ゲームはなんとも形容し難いような内容か多く、死屍累々となるような結果になったりもしたが、まぁ、そこは、割愛する。
言うなれば、何番と何番が膝枕、何番が女装又は男装、などなどだ。
両方ともオレが当たったんだけどな?
「時間も時間だし、次で最後かな?」
時計を見ながらフレイが全員に声を掛ける。
大半がうなづいたり返事をしたところで、王様を決めるくじに視線を戻す。
「よーし、王様だーれだっ!!」
セオリー通りの掛け声に合わせてくじを引く。
……3番。
数時間ほどやっていた気がするが、王様は一度も当たらなかった。まぁ流石にこの大人数だと仕方ないといえば仕方ないのかも知れないが、いくらなんでも運が悪すぎる。
「お、私が王様だねぇ」
声を上げたのはコハク。
コハクならそんなに過激な(?)内容にはならずに安心できるだろうと思い、息を吐いていると(過激な内容でも当たらなければいいのだが)、オレの、というかオレたちの予想とは遥かに遠い命令が下された。
「じゃあ〜……3番と11番がキスしよ〜!」
……オレと誰かが、キス。
取り敢えず11番を探そうと辺りを見渡していると、ふとある人物と目があった。
「ま、まさか、おまえガ……」
「まさかアンタが……」
「11番なのカ……!?」
「3番か……!?」
「まさかあの二人が当たるなんてね……」
心配そうな声を出すマーガレット。
「殴り合いになったりしませんかね……」
と胃を痛めるビシュナル。
そして、にこにこと笑った顔のまま、しかし、それでいて何処か威圧してくるような視線を投げて来るのはコハクとフレイ。怖い。
ここにレオンがいたら一生からかわれ続けたんだろうなぁ……なんて考えていると、青髪のあいつ……ディラスが、段々とこちらに寄ってくる。
「ほ、ほんとにやんのカ」
「そりゃあ、王様のゴメーレーなんだからよ、ちったぁ我慢しろよ」
そんなに嫌なのか、物凄い顰めっ面で近づいてくる様子はとてもヤンキーにガンを飛ばされているような、そんな気がした。
「まぁそんなに緊張すんなよ、俺が気持ちよくしてやるからよ」
「ッ……!?」
耳元で囁かれ、思わず身震いしてしまう。
オレ、どうなっちまうんだ。
___チュッ
小さなリップ音が部屋に響き、口内にあいつの舌が入ってくる。
あいつの強張った顔が大きく見える。
舌が絡む度、ゾクゾクと背筋に電流が走るような感覚に溺れそうになる。
……気持ちいい。
やがて、ゆっくりと顔が離れていくと、オレとディラスの間を銀色の糸が伝う。
そしてあいつはドヤ顔で、こう囁く。
「気持ちよかっただろ?」
「お、おう……」
……オレは、なんで、こんなに。
離れないでくれって、思うんだろう。
なんとなく寂しい気がしたのを、ジュースを飲んで紛らわした。
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