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Smoker

 小柄な私は戦闘時よく吹っ飛ばされる。勿論わざとそういう戦闘態勢を取っていて、吹っ飛ばされる勢いを次の攻撃に乗せたり、ちょこまか動き回って陽動に使ったりなど、戦闘に生かしているのだけど、この部署に所属して初めての戦闘時には上司にひどく怒られた。

『お前は死ぬ気か!!』

 ぼふり、と異質な感触に私が驚く間も無く怒鳴ったのはスモーカー中将、私の上司だった。どうやら吹き飛ばされた私がそのまま壁に打ち付けられると思ったらしい中将は能力を使って守ってくれたらしかった。
 正直怒鳴られた時はこの人本当に海軍かと疑うぐらいめちゃくちゃ怖かったし、戦闘時にも関わらず怒鳴られ、戦闘よりも目の前の上司が怖いとはこれ如何に、と思ったのも覚えている。

 もちろん守られなくとも怪我なんてしなかっただろうけど、心配してくれたことをどこかで嬉しく思う自分もいて。

 大柄な男に剣を振られ、今日も私は吹き飛ばされる。けれどその時には剣を振るった男の奥にいる敵に狙いを定めていて。ぼふん、と足場にしたのは。

「行け」
「はい!」

 声とともに優しい煙に送り出される。硬い地面ではないそれを、武装色を纏った足で足場にすれば、着地時の私への衝撃を格段に減らしてくれ、以前よりも長く、そして効率よく戦うことを可能にしてくれていて。

 戦闘が終わり、頬についた血を拭った。

 中将は戦闘後、必ず部下を数える。そして足りなければ「それも」数え、決して見落とすことはない。見つからなければその場で黙祷をし、何も言わずその場を後にする。

 それが正義を背負う人間の最大限の労わりなのだ。

「行くぞ」

 部下を導く声に最大限の尊敬と労りを込めて返事をして、私はその背を今日も追う。


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