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Nami

happy birthday Nami! 2019

波打つ髪は彼女の好きな蜜柑色。猫のようにパッチリとした大きな瞳に誰もを魅了する綺麗な体。それからにっこり笑った時なんかは、本当に本当に可愛くて。誰がこんな魅力的な女性を見落とすんだろうと思うほどで。

「大げさよ」
「そんなことないよ、私が言うんだもの」

鏡の前に座るナミさんは可笑しそうに笑うものだから私はちょっとムキになって口を尖らせた。だってなんども言うけど本当に可愛いんだから!天使かヴィーナスか、その辺の呼び方についてはどこかのコックさんとも熱く語れそうだ。

今日はそんな彼女の誕生日。みんなは宴の準備をしている。そんな中のささやかな二人っきり。私がわがままを言って、ロビンさんにも能力使わないで!と念を押して(すごく笑われた)本当に二人きりの時間。いつもは露出が多い服ばかり着ているナミさんだけど、今日は私が選んだ服を着てくれて。

白いロングドレスはデコルテから肘にかけてレースになっていて愛らしく見えるが、実はスカート部分にがっつりスリットが入っていて歩くとチラチラと美しい御御足が目を誘う。惜しみなく肌を晒すのもいいけれど、ちょっと見えるだけの方が時には魅力的に見えると思う、なんて熱心に語ったら「マニアックね」なんてため息を吐かれてしまったけど、いや、でも、ほら!似合うんだからいいじゃない!

綺麗なオレンジの髪にはリボンを絡ませて編み込んで、アップにしたところでパールのピンも差し込んだ。元がいいんだから飾りは最小限。最後に白いドレスの胸元に赤い花を飾ったら。

「できた!」
「なんだか花嫁にもなったみたいね」

鏡に映るナミさんは、いつも素敵だけど今日は特別素敵で、ルージュの塗られた唇で弧を描いてくれたからそれに誘われるように私も笑った。

彼女はこの船の航海士。彼女がいなければこの船は前へは進めない。どんな嵐もどんな波も先を読み、船もみんなも守ってくれているのだからヴィーナス、と呼んでも私は大げさではないと思っている。

部屋の外で船長さんが呼んでいる。それに返事をして、私は今日だけだとオレンジの君の前に跪いた。

「束の間の花婿の役を引き受けても?」
「貴方も女の子でしょうが」

しょうがないわね、と重なる細くて綺麗な手に笑み一つ。行こう、と手を引いて甲板に出れば、貴方を愛しているみんなの声が響き渡った。


『誕生日おめでとう!ナミ!!』さん!!』


弾けるような笑顔とともに「ありがとう!」が空に溶けた。
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