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短編:ハートの海賊団

「キャプテンって美脚ですよね」

向かってきた敵を切り捨てつつそう言えば、クマがあってもなお綺麗な顔を歪められた。また阿保な事を言いだしたな、と言いたげな目だったがにこにこ笑えばため息とともに視線が逸れた。

キャプテンが目を向ける前線にはシャチとペンギン、それからベポ君。残り少なくなった敵をからかっているのかぴょんぴょん跳ねまわり遊んでいるようだ。
まあつまり、私たちの心臓の敵ではない訳で、その心臓の横にいる私は事実上暇な訳で。

「男の方が脂肪は付きにくい。適度な運動をしてれば普通だろ」
「いや、それにしても綺麗過ぎますし、長いし細いし」

折れそう、と言った瞬間すっと若干空気が変わった。
しまった、と思って冷や汗をかきながらそっとキャプテンを見ればにやっと悪い笑みを浮かべていて。どうやらバラされる心配はないようなのでほっとする一方、笑みの意味が分からずぞっとする気もして。

「折れそうか」
「えーと…今のは言葉のあやというか…」
「試してやろうか?」

楽しそうに尋ねられて返事をする前にROOMと唱える声。サークルが開かれると同時に「シャンブルズ」と続けて唱えられ、私の視界が一瞬で変わった。

どごっ!!という鈍い音。私の周りにはシャチとペンギンにベポくん。そして真っ直ぐ前を向いたところにたつ、キャプテンの足元に転がるのはさっきまで三人が相手をしていたはずの敵で、その首は変な方向に曲がっていた。

「折れたぞ」

首がな、と不敵に笑うキャプテンはその美しい足を天へと軽々蹴り上げていた。

私を含めそのかっこよさにクルーが悶絶したのは言うまでもない。
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